番組審議会報告とはProgram council report
テレビ局が放送する番組の充実・向上と適正をめざして審議するために設置されています。
読売テレビ番組審議会は、さまざまな分野の有識者10名で構成されており、
原則として審議会を月1回開催しています。
あなたが知っている番組について話し合っていることもありますので、
ぜひ一度読んでみてください。
いつもとは違った視点でテレビを見るようになれるかもしれません。
※読売テレビの番組は、放送基準にもとづいて製作しています
第541回H25.04.12
4月度の番組審議会は12日(金)大阪市内で開催し、2013年3月19日に放送した開局55年記念番組「あのときの鼓動 第二夜 神戸連続児童殺傷事件」を視聴し意見交換した。□審議番組
「あのときの鼓動 第二夜 神戸連続児童殺傷事件」
2013年3月19日深夜0時28分から午後1時23分
関西ローカル
□ 出席委員 熊谷信昭、秋山喜久、金剛育子、林 千代、
馬淵かの子、阪口祐康、 佐古和枝、谷 高志、北前雅人
□委員の発言要旨
・事件から時間が経過し、事件に関するメディアの扱いが減っているなかで、企画・放送したことは有意義。
丹念な取材の結果、初めて知る事実も少なからず あった。
・なぜ今、放送したのか疑問。捜査機関や学校、社会に関する検証などが不十分。
メディアの過剰取材の問題も提示されているが、それに対してメディア自身がどんな反省をしたのか、総括をしたのかなど語られておらず、第三者的なコメントで終わってしまっている。
・少年法、情報開示の問題、犯罪被害者のケアの問題など、いろいろなものの源流となった事件だが、1時間という枠の中で描くには、それぞれの問題が消化不良に終わってしまっており、番組のメッセージとして、視聴者に何を伝えたいのかということがわからない。
・作り手側はこの事件をいろいろな形で取り上げてきた蓄積があり、背景をふまえたうえで番組を制作しているが、見る側は形になったこの番組でしか判断できない。
問題点を描くうえで、視聴者と作り手の間にギャップが存在しているために、メッセージが旨く伝わってこないのではないだろうか。
・番組ナビゲーターの片岡愛之助に違和感を感じた。
第540回H25.03.08
3月度の番組審議会は8日(金)読売テレビ本社で開催し、2013年2月17日に放送した「大阪ほんわかテレビ」を視聴し意見交換した。□審議番組 「大阪ほんわかテレビ」
2013年2月17日午後10時30分から午後11時30分
関西ローカル
□ 出席委員 熊谷信昭、秋山喜久、金剛育子、馬淵かの子、
阪口祐康、 佐古和枝、川島康生、谷 高志、北前雅人
□委員の発言要旨
・話題、街ネタを上手に取り上げていることに感心。気楽に、気持ちよく、 面白く見られた。
・いままで知らなかったこと、知っていたけど気づかなかったことに対して、 新しい情報をもらって、ものの見方が変わるという経験は、テレビの見方 としての大きな意義。勉強になり楽しく見れた。
・気楽でゆったりした雰囲気が心地よいが、ネタの中に、薀蓄などもうひと 要素、「ああ~そうなんだ」という情報がついていると、見ていて充実感 が増すように思う。
・テンションの高い番組が多い中で、「絶叫する場面がない」ことが、長寿番組として続いている理由だろう。
・テレビは「情報メディア」。どんな番組でも、知られていないこと、いろいろな種類の情報を多面的に伝えてほしい。
第539回H25.02.08
2月度の番組審議会は8日(金)読売テレビ本社で開催し、2012年12月27日に放送した「秘密のケンミンSHOW東北感動再会スペシャル!」を視聴し意見交換した。□審議番組
「秘密のケンミンSHOW東北感動再会スペシャル!」
2012年12月27日午後9時から午後11時8分
全国ネット
□ 出席委員 熊谷信昭、林 千代、阪口祐康、
佐古和枝、川島康生、谷 高志、
□委員の発言要旨
・震災に関して忘れてはいけないと思いながら、もう震災モノは見たくない思い出したくないとチャンネルを変える人は多いが、こういう形で見せてもらえればスムーズに見れる。
報道番組やドキュメンタリーという真正面から問題を切り取るという方法ではない、バラエティーならではの伝え方で震災を伝えた意義は大きい。
・被災者の話は安易な同情に流された描き方をしがちだが、大げさなドラマ性のない普通の人々を取り上げ、リアリティーに裏打ちされた言葉を丹念に拾い、行き過ぎず程よく仕上がっていて作り物でない感動を感じた。
・被災した人たちにとっては、人気番組の取材を受けたこと人気番組のタレントと触れ合えたことは、「置き去りにされていない」「忘れられてはいない」と感じられ嬉しかったに違いない。
人気タレント、人気番組の力に敬服。
視聴後も心地よいいい番組だった。
・2時間8分という番組尺は長すぎた。
凝縮して感動を強めてほしい。
・「東北感動再会スペシャル」というタイトル中に、あえて「感動」と銘打つのは押しつけがましく感じられ、表記しない方がよい。
第538回H24.12.14
12月度の番組審議会は14日(金)大阪市内で開催し、ビデオリサーチテレビ調査局長の小柳雅司氏を招いて「若者はテレビをどう見ているのか」をテーマにお話を伺い、意見交換した。□若者はテレビをどう見ているのか
ゲストスピーカー ビデオリサーチテレビ調査局長 小柳雅司氏
□出席委員 熊谷信昭、秋山喜久、金剛育子、林 千代、
馬淵かの子、阪口祐康、佐古和枝、川島康生、 谷 高志
□スピーカーの発言要旨
・今年はオリンピックイヤーで、全世帯で見ると最終的には95パーセントがオリンピックを見た。
年間の視聴率の上位の番組を見ても、関西地区の世帯では、上位20番組の中になでしこジャパンの試合が29.3パーセントで一位になっているほか、三番組が入っている。また今年はサッカーワールドカップの予選が行われ、それが五番組ベスト20に入っている。
しかし、同じ時期のティーンの視聴率上位20の番組の中にスポーツ番組は一つも無く、いわゆるバラエティ番組が15も入っており、全世帯とティーンの好む番組に大きな違いがあることが判る。
また、ティーンのテレビ視聴時間を見ると、同じくオリンピックのあった2008年と比べて17分減少しており、その傾向は男子の方が著しい。
若者のテレビ離れということが言われるが、実はそうではなく、確かにテレビそのものを見る時間は減っているが、パソコンやスマートホンなどでテレビで放送された動画を見ている時間は激増しており、テレビ離れというよりテレビの見方が変わってきていると捕らえるべきだ。
□スピーカーの話を聞いた委員の意見
・若者がスポーツ番組に意外と興味を持っていないことは不思議な気がするが、若い世代がテレビをどう見ているのかがよく判った。
・バラエティと一括りになっているが、バラエティの範囲はどんどん広がってきているように思う。
・録画視聴やパソコン、スマートホンなどでの動画視聴が広がっていくと、コマーシャルでビジネスを展開しているテレビ局にとっては大きな問題なのではないか。
第537回H24.11.09
11月度の番組審議会は9日(金)読売テレビ本社で開催し、9月30日に放送したNNNドキュメント12'「スイッチ入れろ!~女鬼教師と世界一のダンス部」を視聴し意見交換した。□審議番組
NNNドキュメント12'「スイッチ入れろ!~女鬼教師と世界一のダンス部」 9月30日午後24時50分から午後25時20分 全国ネット
□ 出席委員 熊谷信昭、林 千代、馬淵かの子、阪口祐康、
佐古和枝、川島康生、谷 高志、北前雅人
□委員の発言要旨
・実際の教育現場で起きているドラマを垣間見ることが出来て良かった。
ダンスをクラブ活動としてあれほどのレベルで行われていることを初めて知って驚いた。
・主人公の女の先生があれほど口汚く怒り続けているのは、背景に大きな自信があるからで、先生の本気さが伝わってきた。
ただ、あの先生のキャラクターがどのようにして形成されてきたのか、そのあたりも描き出されていると良かったのにと感じた。
・個人的には、先生の言葉遣いに違和感を感じた。
ただ、日本一や世界一というのを目指すのには、それぐらいのことはしなければならないのだろうと思った。
・人は感動したいと望んでいる。もちろん目的を達成したときが一番感動は大きいのだろうが、一番になれなくても目標に向かって努力することが、人生の喜びなのだということを感じさせられた。
▽番組審議のあと、尼崎での連続死体遺棄事件で角田被告の顔写真を他人のものと取り違えて放送した問題の経緯と今後の対策についてと、今年四月から九月までの半年間の放送番組の種別について報告し意見交換した。
第536回H24.10.12
10月度の番組審議会は12日(金)読売テレビ本社で開催し、8月27日に放送した「鳥人間コンテスト2012」を視聴し意見交換した。□審議番組
「鳥人間コンテスト2012」
8月27日午後7時00分から午後8時54分
全国ネット
□ 出席委員 熊谷信昭、秋山喜久、金剛育子、林 千代、
馬淵かの子、阪口祐康、佐古和枝、川島康生、谷 高志、
北前雅人
□委員の発言要旨
・空を飛びたいと言う人間の夢と、真正面から向き合った素晴らしい番組だ。長く続く番組というのはだんだんマンネリになっていくものだが、この番組は35回も続きながら進化している。これからも続けていって欲しい。
・最近の視聴者は番組を見抜く力を持っている。
しかし、この番組は制作する側も出演している人たちも真剣に取り組んでいることがわかる本物の番組だと思う。
事前の準備も大変だと言うことがよく判るし、タレントたちも本気で出場しているチームの人たちを応援しているのが伝わってきた。
・ 若い人たちが楽しみながら夢中になっているのが素晴らしい。
理科系ばなれが言われるなかで、こうした番組を見て、子供たちがものを造る喜びをしってくれたらいいと感じた。
・ 素晴らしい番組だが、安全性の確保だけは十分に気をつけて欲しい。
10メートルの高さから飛び降りるには相当の危険が伴うはずで、これからも長く番組を続けるためにも安全には気を配って欲しい。
・ 技術的な工夫と、人間の力のシンプルな組み合わせがこの番組の魅力だと思うが、長く続ける中で技術的な面での競争に傾きすぎると、本来の楽しさが損なわれると思うので、その点に注意して欲しい。
第535回H24.09.14
9月度の番組審議会は14日(金)読売テレビ本社で開催し、8月11日に放送した「声 あなたと読売テレビ」を視聴し意見交換した。□審議番組
「声 あなたと読売テレビ」
8月11日午前5時00分から午前5時30分
関西ローカル
▽この回の「声 あなたと読売テレビ」は30分の拡大枠で、読売テレビが実施したメディアリテラシー企画の特集をしたもの
□ 出席委員
熊谷信昭、金剛育子、林 千代、阪口祐康、
佐古和枝、川島康生、谷 高志、北前雅人
□ 委員の発言要旨
・ 子供たちに情報とはどういうものなのかを教えることは大切なことだ、その意味で非常に良い試みだと思った。
特に事前の授業を二回行い、その上で実際の番組作りの実習を二回に分けるなど丁寧な取り組みは素晴らしい。
・ 子供たちだけでなく、放送の裏側について我々が知らないこともよくわかった。
どんな仕事でも裏方の役割は大きなもので、そのことを子供たちが知ったことは非常によかった。
今回このプロジェクトに参加した子供たちは、本当にいい経験をしたのではないかと思う。
・ こういう試みで大切なことは、子供向けだと言うことで質を落としてはいけないと言うことだが、その意味で、非常に高いレベルで課題を課していることが素晴らしい。
また子供たちもよくその課題に挑戦していて、とくに一回目のシュミレーションの失敗を受け止めて、二回目に目覚しい成長をしている姿には驚かされた。
・ 参加した子供たちにとっては確かに素晴らしい経験だったと思うが、こうした経験を多くの子供たちに広げるために、それを見れば同じような経験が出来るようなビデオ教材のようなものは出来ないかということを考えた。
第534回H24.07.13
7月度の番組審議会は13日(金)読売テレビ本社で開催し、毎週日曜日の午前7時から放送しているアニメ「宇宙兄弟」を視聴し意見交換した。□審議番組
アニメ「宇宙兄弟」
毎週日曜日午前7時から7時30分
□ 出席委員
熊谷信昭、秋山喜久、金剛育子、林 千代、馬淵かの子、
阪口祐康、佐古和枝、川島康生、谷 高志
□ 委員の発言要旨
・ 丁寧に作られている番組だと思った。
アニメ番組は時代を象徴する番組であり、その意味でテーマが大切だと思うが、宇宙をテーマにするのはいいことだ。
・ 比較的年齢の高い人にも受け入れられるアニメだと思う。
個人的にも宇宙には興味があり楽しく見ることができた。実際の宇宙飛行士も登場するしリアルでスケール感もあると思う。
・ 登場人物も多く、子供が見るには話が少し難しすぎると感じた。
アニメとしてのスピード感やテンポに乏しいように感じた。
ターゲットを読み間違っているのではないか。
□ 自民党片山議員の国会質問について
自民党の片山さつき議員が6月14日に参議院の総務委員会で、お笑いタレントの母親が生活保護費を受給していたことに関連し、関西の局がタレント擁護の方向で偏った放送をしていると質問した問題について、読売テレビとして、自主的に番組を点検したことを報告し、議論した。
委員からは、今後も公平公正に番組づくり取り組んで欲しいとの意見が出された。
第533回H24.06.08
6月度の番組審議会は8日(金)読売テレビ本社で開催し、5月19日に放送した歴史ミステリー「法然 念仏に秘められたメッセージ」を視聴し意見交換した。□審議番組
「法然 念仏に秘められたメッセージ」
5月19日午後2時30分から午後3時55分
□ 出席委員
熊谷信昭、秋山喜久、金剛育子、林 千代、馬淵かの子、
阪口祐康、佐古和枝、川島康生、谷 高志、北前雅人
□ 委員の発言要旨
・ 今回の番組で取り上げられた法然は、小説や映画でも知られる親鸞に比べると、どうしても地味な存在であるが、この番組を通して詳しく知ることのなかった法然についてさまざまな知識を得ることが出来て興味深かった。
・ 全体としては興味深い番組だったが、法然の教えについてもう少し踏み込んで紹介して欲しかった。
いわゆる鎌倉新仏教は多かれ少なかれ法然の教えに影響を受けているはずだし、現在の日本の仏教はその流れを汲んでいる。
その意味でも、現代に繋がる法然であることをもう少し意識することが必要だったのではと感じた。
・ 今の日本に一番欠けているのは宗教とか心の問題だと思う。
その意味でこの番組は時宜を得た番組だと思った。
番組を見ていて、子供の頃、母親から伝えられた宗教的な体験を思い出した。
若い世代も宗教を欲しているように感じる。こうした番組を継続して制作して欲しい。
・ 普段見ることのできない知恩院の内部や行事なども見ることが出来てよかった。
しかし、取り上げられたものが総花的で、特に、メインの司会者以外の二人が紹介していたシーンなどが余計に感じられて、番組としてまとまりに欠くように感じた。
第532回H24.05.11
5月度の番組審議会は11日(金)大阪市内で開催し、4月1日に放送しNNNドキュメント12「仰げば尊し」を視聴し意見交換した。□審議番組
ドキュメント12「仰げば尊し」
4月1日深夜25時40分から26時10分
□ 出席委員
熊谷信昭、秋山喜久、金剛育子、林 千代、馬淵かの子、
阪口祐康、佐古和枝、川島康生、谷 高志、北前雅人
□ 委員の発言要旨
・ 人を育てるということの原点を考えさせられた。
結局、教育ということの最終的な目標は人間を磨く、人格形成につきるということだと感じた。
また、番組としても構成がすばらしく、感動した。
これから教師という職業を目指す人たちにも是非見てもらいたい番組だ。
・ 真実を描くドキュメンタリーなのに、青春物のドラマを見ているような印象を受けた。
主人公の先生が、言葉遣いは荒っぽいものの、実は大切な場面でこまめに生徒たちに言葉をかけているのが印象的だった。
それが素晴らしい教育的な効果となって現れているのだと思う。
・ ドキュメンタリーとは、しっかり人間を描くことだと思うが、その意味でそれぞれの登場人物がきっちり描かれていた。
素直に、登場した高校生たちが卒業した後、幸せな人生を送っていって欲しいという思いがした。
・ 最近は、少し子供たちに厳しくすると、いわゆるモンスターペアレンツと呼ばれる親が出てきて大騒ぎになるということを耳にするが、番組に登場した教師のような強い教師が必要だということを強く感じた。
・ カメラワークが素晴らしい。
生徒たちにカメラを意識させずに撮影するには、相当通いつめて取材しなければいけないと思うが、自然な感じでカメラが生徒たちに溶け込んで、いい映像が撮れていた。
また、主人公の生徒の表情が、番組の進行にしたがって、どんどんしっかりしていくのがよくわかった。
感動的な番組だった。
- 平成24年度読売テレビ番組審議会委員
- 委員長 熊谷信昭 兵庫県立大学名誉学長、大阪大学名誉教授
- 副委員長 馬淵かの子 兵庫県水泳連盟 顧問 元オリンピック日本代表
- 副委員長 川島康生 国立循環器病研究センター 名誉総長
- 委員 秋山喜久 関西電力株式会社 顧問
- 委員 金剛育子 能楽「金剛流」宗家夫人
- 委員 林 千代 脚本家
- 委員 阪口祐康 弁護士
- 委員 佐古和枝 関西外国語大学教授
- 委員 北前雅人 大阪ガス株式会社 代表取締役副社長執行役員
- 委員 谷 高志 読売新聞大阪本社 専務取締役編集担当