番組審議会報告とはProgram council report

「番組審議会」とは、放送法という法律で定められた審議機関のこと。
テレビ局が放送する番組の充実・向上と適正をめざして審議するために設置されています。
読売テレビ番組審議会は、さまざまな分野の有識者10名で構成されており、
原則として審議会を月1回開催しています。
あなたが知っている番組について話し合っていることもありますので、
ぜひ一度読んでみてください。
いつもとは違った視点でテレビを見るようになれるかもしれません。

※読売テレビの番組は、放送基準にもとづいて製作しています

第520回H23.03.11

3月度の番組審議会は11日(金)読売テレビ本社で行われ、「プロ野球オールスタースポーツフェスティバル2011」 (2011年1月9日放送)について審議しました。主な発言は以下のとおりです。

□ 審議番組
「プロ野球オールスタースポーツフェスティバル2011」
放送日時:2011年1月9日(日)
14時00分~15時55分

□ 出席委員
熊谷信昭、馬淵かの子、阪口祐康、佐古和枝、川島康生、
秋山喜久、谷 高志

□ 主な発言
・プロ野球の選手とファンの距離を縮めるという意味では非常にいい番組だと思った。
しかし、司会をはじめタレントたちの顔ぶれが豪華で、それがかえって選手のすごさを目立たせなくしているのではと感じた。

・私の世代にとってプロ野球選手といえば王、長島だった。
そのころのスター選手というのは、まさに仰ぎ見るような存在だったが、この番組のようにそのスター選手があまりにも身近すぎるというのはちょっと違和感があった。

・私自身は野球に興味が無い方だが、この番組は楽しかった。
最近は女子大生にも多くの野球ファンがいて同世代の選手たちを応援している。
この番組を見て私も野球の試合を見てみたいと思った。
ただ、せっかく大変な身体能力を持ったスター選手が集まっているのだからその凄さを実感できるような競技を見せてほしかった。

・ タレントたちが番組にそぐわなかった。

・子どもたちとの交流は良かった。
あこがれの選手とプレーできた子どもたちの表情がとても輝いていて見ていて好感が持てた。

第519回H23.02.04

2月度の番組審議会は4日(金)読売テレビ本社で行われ、ヒューマンドラマスペシャル「ニセ医者と呼ばれて 沖縄・最後の医介輔」 (2010年12月9日放送)について審議しました。主な発言は以下のとおりです。

□ 審議番組
ヒューマンドラマスペシャル
「ニセ医者と呼ばれて 沖縄・最後の医介輔」
放送日時:2010年12月4日(日)
21時00分~22時48分

□ 出席委員
熊谷信昭、馬淵かの子、阪口祐康、佐古和枝、林 千代、
金剛育子、 川島康生、横川 浩、秋山喜久、谷 高志

□ 主な発言
・ドラマとしてよく出来ている。
医介輔という制度が非常によく機能していたというのは事実であり、そのことがうまく描かれていた。
しかし、黒人兵にレイプされた女性の出産をめぐるエピソードは医介輔を描くという今回のテーマとは少しずれているように感じた。

・非常に切ないドラマで見終わってから心の中に辛いものが残った。
十分感動的 なエピソードが数多くあったが、レイプされた女性の救いの無い人生を紹介しながら、ラストにその子どもたちが出てくるのはテーマが見失われているように感じた。

・沖縄を舞台に思いテーマに正面から取り組んだ番組で、長い番組だがいっきに見ることが出来た。
沖縄で地上戦があったことすら知らない若い世代に沖縄の歴史や苦しみを理解させるためにも役立つ番組だった。

・日頃忘れられた存在に光を当てた番組でよかった。
医師という職業には技術と 人格の二つが必要であることを改めて感じた。

第518回H22.12.10

12月の番組審議会は12月10日(金)大阪市内で行われ、上智大学新聞学科の音好宏教授が最近のメディア状況について話したあと、委員との意見交換を行った。
音教授は、日本における放送の歴史を放送の形態や制度の変遷から概観したあと、現在のテレビを取り巻く情勢を分析し、今後視聴者との回路の回復が重要であることを強調した。
これに対して、各委員からは「産業としての放送という観点からの議論が必要なのでは」といった意見や、「ネット社会の出現で、テレビや新聞が情報を集めるために使ってきたコストが軽視されている。
これをどうするかが課題だ」といった意見がだされた。
出席は、熊谷信昭、馬淵かの子、金剛育子、秋山喜久、阪口祐康、川島康生、横川浩、谷高志の各委員と読売テレビからは越智常雄社長以下13名。

第517回H22.11.12

11月度の番組審議会は12日(金)読売テレビ本社で行われ、「鳥人間コンテスト2010」を視聴して意見交換した。

□視聴番組
「鳥人間コンテスト2010」
9月24日 午後7時00分から20時55分

□ 出席委員
熊谷信昭、秋山喜久、金剛育子、林 千代、馬淵かの子、
阪口祐康、 佐古和枝、川島康生、横川浩、谷 高志

□ 発言要旨
・ リラックスして見せてもらった。
特に滑空機部門が機体も優雅で気持ちがよかった。
参加者の熱意やドラマといった意味では機体制作の舞台裏なども見せて欲しかった。

・ 最初の頃は、すぐに水面に落ちてしまう機体もよくあったが、年々技術的なレベルが上がってきていて素晴らしい。
映像的にも空や湖面の青が鮮やかで迫力があった。

・ テレビの楽しさや面白さがよく活かされた番組だ。
よい意味でみんなが真剣に遊んでいるのをスタッフも楽しみながら作っていると感じた。

第516回H22.10.08

10月度の番組審議会は8日(金)読売テレビ本社で行われ、NNNドキュメント10「たけじいの祈り~佐用町 水害から一年~」を視聴して意見交換した。

□視聴番組
「たけじいの祈り~佐用町 水害から一年~」
8月22日(日)深夜25時15分から25時45分

□ 出席委員
熊谷信昭、金剛育子、林 千代、馬淵かの子、阪口祐康、
佐古和枝、川島康生、横川浩

□ 発言要旨
・ 作り物ではない正にドキュメンタリーというべき番組だった。
主人公のたけじいの気持ちがストレートに伝わってきた。

・ 真面目で誠実な態度で作られた番組だと感じた。
しかし、一方で人の不幸というものをテレビがどこまで取り上げていいものかという問題について考えさせられた。

・ 孫を水害で失うと言う非常に悲しい経験を、実に淡々と描いていて、この、たけじいという人の心の痛みがひしひしと伝わってきて胸に残る番組だった。

第515回H22.09.10

9月度の番組審議会は10日(金)読売テレビ本社で行われ、スポーツドキュメント「めざせ頂点!女子プロ野球熱闘物語」を視聴して意見交換した。

□視聴番組
「めざせ頂点!女子プロ野球熱闘物語」
8月15日(日)午後4時55分から5時30分

□ 出席委員
熊谷信昭、秋山喜久、林 千代、阪口祐康、 佐古和枝、
川島康生、横川浩、谷 高志

□ 発言要旨
・ この番組は野球が好きな子供たちに夢を与え、女子のプロ野球の可能性を広げていくと言う意味で大変意義深かった。

・ この種の番組では、えてして出ているタレントが目立ってしまいすぎるということがあるが、今回出演していたタレントは、控えめで登場人物自体の魅力をうまく引き出していたように感じた。

・ 今回の番組を見て、女子のプロ野球というものが本当に成り立っていくのかということが気になった、もう少しそういう点を説明して欲しかった。

第514回H22.07.09

7月度の番組審議会は9日(金)読売テレビ本社で行われ、今年四月から放送を開始した朝の情報番組「す・またん」を視聴して意見交換した。

□視聴番組
「す・またん」
6月18日 午前5時20分から8時00分

□ 出席委員
熊谷信昭、秋山喜久、金剛育子、林 千代、馬淵かの子、
阪口祐康、佐古和枝、川島康生、横川 浩、谷 高志、

□ 発言要旨
・ 新番組になってずいぶん雰囲気が変わった。
辛坊解説委員のニュース解説が他局にないもので、わかりやすくていい。

・ 楽屋内のような話が多く、関西弁が騒々しくてウルサイ感じがする。
関西の局の特色を出すのに関西弁を使うのが、本当に視聴者に受け入れられているのかが疑問だ。

・ グルメや食べ歩きのような話題は、この時間帯にふさわしくないのでは、朝のこの時間帯であれば、もっとニュースや時事の問題を取り上げるべきだ。

第513回H22.06.11

6月度の番組審議会は11日(金)読売テレビ本社で行われ、「つながりファンタジー いつもガリゲル」(4月27日放送)について審議しました。
主な発言は以下のとおりです。

□ 審議番組
「つながりファンタジー いつもガリゲル」
放送日時:2010年4月27日(火)
深夜0時29分~0時59分
放送エリア :関西ローカル

□ 出席委員
熊谷信昭、秋山喜久、金剛育子、林 千代、馬淵かの子、
阪口祐康、 佐古和枝、川島康生、谷 髙志

□ 主な発言
・ 今の若い人たちにとって人とのつながりは非常に希薄になり、インターネットやメールのやり取りなどバーチャルなものとなっているだけに、この番組の趣旨は意義があると感じるし、内容も心が和むものとなっている。
・ 正面から人のつながりを取り上げようという番組はほとんどなく、こうした時代だからこそ、あえてそれを番組のテーマにしようというメッセージを感じインパクトを受けた。
・ 出演者が番組の最初から泣いており、しらけた感じがした。
出演者が泣いてしまっては見る人を感動させることは難しいのではないか。
・ はっきりした目的がないのに、母親をおんぶするという設定に無理があるのではないか。
この番組を見ている若い人たちの中には感動した人がいるのかもしれないが、年配のものにとっては感覚が違いすぎるという印象を受けた。
・ 周囲にカメラマンやスタッフがいるはずで、会話の一部に不自然さを感じたが、母親と息子の二人のキャラクターがよく、特に息子が書いたという手紙に救われたような気がした。
・ つながりというのであれば、今回のように初めから仲のよい二人を主人公にするのではなく、何らかのわだかまりを持つもの同士を登場させて、番組の中でそのわだかまりを溶かしていく過程を見せることで、人のつながりを表現したほうがより感動的なものになったのではないか。
・ 年配のものにとってはまったく感心しない内容だった。
若い人たちの中には感動する人もいるかもしれないが、年配者も深夜のテレビをよく見ているので、そうした人たちが納得できる番組も流してほしい。

第512回H22.05.14

5月度の番組審議会は14日(金)クラブ関西で行われ、新委員となった谷高志氏の紹介、委員再任の確認、委員長の選任、副委員長の指名を行った後、NNNドキュメント`10「片道切符~最終地“あいりん"の冬~」(4月4日放送)について審議しました。主な発言は以下のとおりです。

□ 審議番組
NNNドキュメント`10
「片道切符~最終地“あいりん"の冬~」
放送日時:平成22年4月4日(日)深夜0時50分~1時20分
放送エリア :全国ネット

□ 出席委員
熊谷信昭、秋山喜久、林 千代、馬淵かの子、阪口祐康、
佐古和枝、川島康生、横川 浩、谷 高志

□ 主な発言
・重く難しいテーマを30分という短い時間にコンパクトにきちんとまとめ、また押し付けがましくない形で現状を描いていたことに好感を持った。
・ナレーターの女性(三島ゆり子)のナレーションに落ち着きがあり、説得力を感じた。
・安易に生活保護を受ける若者と、保護を受けないで働くことの喜びや意義を感じている中高年者とが対照的に描かれており、そのギャップについていろいろなことを考えさせられた。
・若者の支援に当たっているNPOの人物に興味を引かれたのだが、このNPOについての説明が少なく、その背景や運営実態などがまったくわからなかった。
行政との関係や役割分担について考える切り口ともなるので、こうした支援組織についての情報がもっとほしかった。
・新聞によると、昨年度の自殺者は3万2千人を超え、そのうち失業が原因のひとつとなっているものが前年に比べて65%以上増えたということだ。
この番組はあいりん地区に住む人の前向きな面が描かれていたが、失業を原因とする自殺が急増している実態はとらえていないと感じた。
  • 平成22年度読売テレビ番組審議会委員
  • 委員長    熊谷信昭   兵庫県立大学名誉学長、大阪大学名誉教授
  • 副委員長    馬淵かの子   兵庫県水泳連盟   顧問   元オリンピック日本代表
  • 副委員長    川島康生   国立循環器病研究センター   名誉総長
  • 委員    秋山喜久   関西電力株式会社  顧問
  • 委員    金剛育子   能楽「金剛流」宗家夫人
  • 委員    林  千代   脚本家
  • 委員    阪口祐康   弁護士
  • 委員    佐古和枝   関西外国語大学教授
  • 委員    北前雅人   大阪ガス株式会社   代表取締役副社長執行役員
  • 委員    谷  高志   読売新聞大阪本社   専務取締役編集担当