番組審議会報告とはProgram council report

「番組審議会」とは、放送法という法律で定められた審議機関のこと。
テレビ局が放送する番組の充実・向上と適正をめざして審議するために設置されています。
読売テレビ番組審議会は、さまざまな分野の有識者10名で構成されており、
原則として審議会を月1回開催しています。
あなたが知っている番組について話し合っていることもありますので、
ぜひ一度読んでみてください。
いつもとは違った視点でテレビを見るようになれるかもしれません。

※読売テレビの番組は、放送基準にもとづいて製作しています

第531回H24.04.13

4月度の番組審議会は13日(金)読売テレビ本社で開催し、3月4日に放送した「漫才ラバーズスペシャル/第一回ytv漫才新人賞決定戦」を視聴し意見交換した。

□審議番組
「漫才ラバーズスペシャル/ytv漫才新人賞決定戦」
3月4日午後3時から午後5時25分

□ 出席委員
熊谷信昭、金剛育子、林 千代、
阪口祐康、佐古和枝、 谷 高志、北前雅人

□ 委員の発言要旨
・ 楽しく見ることが出来た。
若い漫才師のレベルの高さを感じた。
日頃バラエティ番組などで見るより本芸である漫才をやっている時の方が面白いと感じた。

・ 上方お笑大賞が数年前に終わったのは、大賞を出すような芸人がいなくなったからだと思う。
その意味で新人を対象としたこうした賞を新設したことは意味があることだと思う。
ただ、選考のプロセスについてもっと丁寧に説明したほうがよかったのではないか、なぜその人が選ばれたのかについてコメントがある方が、視聴者も納得するのではないか。
最近の若手はコントをしたがるが、コントは第三者を演じるということで、漫才とは違うものだ。
そこをきちんと分けるべきではないか。

・ 家族と一緒に楽しめる漫才がいい。
若い人の漫才は早口で騒々しくあまり楽しめない。
上方漫才は大阪の大切な文化なので、この伝統は守っていってほしい。
その意味でも、セットが派手すぎて演者が目立たなかったのではないか?

・ 新しい若い漫才を発掘すると言う企画はいいと感じた。
ただ一組の持ち時間が短すぎるように思う。
決勝戦の各組の得点や、審査員のコメントがもっと詳しく紹介されても良かったのでないか。

第530回H24.03.09

3月度の番組審議会は9日(金)読売テレビ本社で開催し、夏に予定されているロンドンオリンピックをはじめとした今後一年間のスポーツ番組の放送予定を説明した後、スポーツ番組全般をテーマに意見交換した。

□ 視聴番組
「復興せよ!後藤新平と大震災2400日の戦い」
1月22日(日)午後3時00分から4時25分

□ 審議テーマ
「スポーツ放送全般について」

□ 出席委員
熊谷信昭、秋山喜久、金剛育子、林 千代、馬淵かの子、
阪口祐康、佐古和枝、谷 高志、北前雅人

□ 委員の発言要旨
・ 関西は関東に比べてまだまだ野球中継が数多く放送されていてよいことだと思う。
ただ、色々なスポーツの中継番組でスタジオにタレントなどを集めて、スタジオだけが盛り上がっているようなものを見かけるが、違和感を感じる。

・ 東日本大震災後、なでしこジャパンの活躍などで非常に勇気づけられ、あらためてスポーツの持つ力の大きさを実感させられた。
その意味でも、華やかなスター選手だけにスポットを当てるのではなく、地味な競技や、多くの選手たちの陰の努力などをもっと取り上げるようにしてほしい。

・ マイナーな競技については、ルールがよく判らないので見なくなってしまうこともある。
初心者に向けてルールの解説などもしてほしい。
そのことがファンの底辺を広げることにつながると思う。

・ スポーツを取材する側はもっとその競技や選手について勉強してほしい。
そうでないとインタビューするにしても紋切り型の質問しかできず、アスリートたちの本当の気持ちや、本当の凄さを引き出すことができない。

・ スポーツの中継番組でもっとデータ放送を活用できないか考えてみてはどうか。
たとえば、選手の過去の経歴や、その大会そのものの過去の記録などが寸時判るようになれば、非常に便利だと思う。

第529回H24.02.10

2月度の番組審議会は10日(金)読売テレビ本社で行われ、「復興せよ!後藤新平と大震災2400日の戦い」を視聴して意見交換した。

□ 視聴番組
「復興せよ!後藤新平と大震災2400日の戦い」
1月22日(日)午後3時00分から4時25分

□ 出席委員
熊谷信昭、秋山喜久、林 千代、馬淵かの子、
阪口祐康、佐古和枝、川島康生、谷 高志

□ 発言要旨
・ ドキュメンタリードラマとしてよく出来ていた。
被災地にエールを送ると言う意味でも非常に感動する番組だと思った。
ドラマとしてはあえて有名な俳優ではなくモデルになった人物のイメージを重視したキャストでそれが成功して重厚なドラマになっていたと感じた。

・ 東日本大震災後の今の日本の状況とダブって見えた。
今の政治家に後藤新平のような力強いリーダーシップを持った人はいないのかという思いが強くした。
・ 後藤新平の業績についてはそれなりに知っているつもりだったが、改めて勉強することが出来た。
東日本大震災の復興を力づけるためにももう少し早くこの番組が放送されていれば良かったと思った。
後藤新平の復興策の何が後世に役立ったのか、何がうまく行かなかったのか、もう少し具体的に示してもらえればもっとよかったのではないか。

・ 若い人たちにも見て欲しい番組だった。
後藤たちの計画は五十年後といった長期的な視野にたったものであり、また隅田川に様々なデザインの橋を架けたことは理想の追求だった。こうした視点を今の復興にも活かして欲しいと感じた。

・ 骨太で力作だと感じた。
俳優たちのキャスティングもよくドラマにおけるセリフの力の大きさというものを改めて感じた。

第528回H23.12.09

12月度の番組審議会は9日(金)大阪市内で行われ、関西大学社会安全学部の河田学部長をゲストスピーカーに迎えて「大災害とテレビ報道」をテーマに意見交換した。

□審議テーマ
「大災害とテレビ報道」
ゲストスピーカー
関西大学社会安全学部 河田惠昭学部長

□ 出席委員
熊谷信昭、秋山喜久、金剛育子、林 千代、馬淵かの子、
阪口祐康、佐古和枝、川島康生、谷 高志、北前雅人

□ 河田教授の発言要旨
・ 東日本大震災の報道を振り返ると、いくつかの反省点がある。
一つは現在起こっていることだけではなく、起こりつつあることにも思いをはせて報道するということだ。
特に津波は地震の発生から、ある程度時間を置いてからやってくる。
そこを予想した報道が欲しかった。
また、テレビや新聞に本当に科学を理解している記者やディレクターがおらず、気象庁の発表などを批判的に伝えることができていなかった。
また、台風12号についての報道をみても、台風の進路や雨量などについての情報は報道されていたが、それがどのような被害を引き起こすのかという情報は十分に伝えられていなかった。
さらに、大阪について言うと、大阪市というのが全国の政令都市のなかで最も危険な都市であるということがあまり知られていないような気がする。
全国の活断層地震のなかで最も被害が大きいのは上町断層だし、津波による被害も非常に危険だ。
減災の観点からも、大阪の備えが大切だ。

□ 委員の発言
・ 災害時にテレビの持つ力は大きい。
放送局は組織としてそのときに備えて準備や学習をして備えておく必要がある。

・ 防災の専門家が必要なだけ配置されておらず、アメリカではすでに導入されているような観測装置も日本では導入されていないという指摘は医療の分野でもいえることで、この国の政治の課題だと感じた。

・ 防災や減災については国民一人ひとりが自覚し学ぶ必要があると感じた。
その意味では教育が大切であると感じた。

第527回H23.11.11

11月度の番組審議会は11日(金)読売テレビ役員会議室で行われ、4月24日に放送した「グッと!地球便~海の向こうの大切な人へ~」について審議した。
主な発言は以下のとおり。

□審議番組
「グッと!地球便~海の向こうの大切な人へ~」
2011年4月24日(日)午前10時25分から10時55分

□ 出席委員
熊谷信昭、秋山喜久、林 千代、阪口祐康、
佐古和枝、川島康生、谷 高志、北前雅人

□ 主な発言
・ 人の善意と、海外で生きる人の勇気を感じさせるいい番組だ。
演出的にもわざとらしさがなく、自然な感じで伝えていると思った。
番組の企画はマネることができるが、こうした番組のこだわりや、感じが大切で、番組を長持ちさせるのは正にそういうところだと思うので、今後もこの感じを守っていってほしい。

・ なによりもこの番組の企画がいい。
海外で勉強したり暮らしている日本人はたくさんいるが、その人たちの暮らしを紹介することは情報としても大切だし、日本に残った家族との絆を描くのは非常にいいことだ。

・ 単なる海外の観光番組ではなく、そこに生きる人の姿が描かれていて興味深く見ることができた。
今の時代はパソコンなどもあって海外と情報交換するのは簡単になったが、この番組のように実際に形のある物を持っていく演出はすばらしいと思う。

・ 海外で暮らす人と、国内に残った人を結びつけるというこの姿勢は今後も続けてほしい。
最近、日本の若者が海外に出なくなっていると言われる中で、この番組は日本人がもっと海外に出て行くことを後押ししてくれるものだ。

第526回H23.10.14

10月度の番組審議会は14日(金)読売テレビ役員会議室で行われ、9月3日に放送した「第31回高校生クイズ近畿大会」について審議した。主な発言は以下のとおり。

□審議番組
「第31回高校生クイズ近畿大会」
2011年9月3日(土)午後3時25分から4時25分

□ 出席委員
熊谷信昭、秋山喜久、金剛育子、林 千代、馬淵かの子、
阪口祐康、佐古和枝、谷 高志、北前雅人

□ 主な発言
・ 参加している高校生たちが生き生きと楽しそうにしているのがよくわかった。
知り合いの子供が、この番組に出たいということで、ある常連の私立高校を受験した。
それほどに一部の高校生には憧れの舞台になっていることは素晴らしいことだ。
しかし、出演しているお笑いタレントなどは演出としても効果を感じなかった。

・ 前半は騒々しいだけで番組に入り込むことができなかった。
後半の決勝に進むにつれて引き込まれ、楽しむことが出来た。
近畿の決勝なのか、各府県の決勝なのか、どういうルールで大会が進められているのかよく判らなかった。
そのあたりをもう少し丁寧に紹介していれば、もっとわかり易く、楽しめたと感じた。

・ 高校生たちの知識の量には素直に驚いた。
ただテンポよく進めるだけでなく、それぞれの問題と回答を立ち止まって解説するような時間があってもいいのではという感じもした。
また、出場している高校生の多くが「クイズ研究会」に所属しているということだが、彼らの日頃の活動の様子なども見てみたいと思った。

・ 31回も続いていることには敬意をはらいたい。
ただ、色々なことを知っているというだけでなく、何故そういう回答になるのかという考え方にまで踏み込むような作りになるよう工夫があれば、さらにいい番組になると思った。

第525回H23.09.09

9月度の番組審議会は9日(金)読売テレビ役員会議室で行われ、7月10日に放送したNNNドキュメント11「わたしたち環境防災科~震災を語り継ぐ高校生~」について審議した。主な発言は以下のとおり。

□審議番組
NNNドキュメント11
「わたしたち環境防災科~震災を語り継ぐ高校生~」
2011年7月10日(日)深夜24時50分から25時20分
全国ネット放送

□ 出席委員
熊谷信昭、秋山喜久、金剛育子、林 千代、阪口祐康、
佐古和枝、川島康生、谷 高志、北前雅人

□ 主な発言
・ 番組は被災者の重い言葉などもあって、見ていて辛くなる場面もあったが、感銘を受ける内容だった。

・ 阪神大震災も16年経ったが、やはり語り継ぐということが大切だ。
その意味でも、こういう若い世代が現地を自分自身で経験するということは極めて大切な事だと感じた。

・この番組は非常に深い感銘を受けた。
高校生たちが被災地を離れるシーンでは被災者の人たちが別れがたい様子をしているのを見て、思わず涙ぐみそうになった。辛い経験をした人たちが若さに癒されるということを実感した。

・ この番組で環境防災科の存在を初めて知った。
高校生がこういうことを学ぶの は良いことだと思うが、それより全国の学校で防災に就いての基礎的な学習をさせるべきではないかと感じた。

第524回H23.07.08

7月度の番組審議会は8日(金)読売テレビ役員会議室で行われ、6月26日に放送した「ニッポン!おもてなし旅」について審議した。主な発言は以下のとおり。

□審議番組
「ニッポン!おもてなし旅」
2011年6月26日(日)
10:55~11:25放送

□出席委員
熊谷信昭、秋山喜久、金剛育子、林 千代、馬淵かの子、阪口祐康、佐古和枝、北前雅人

□主な発言
・旅番組は各放送局で数多く放送されている。
食べ歩きのようなものが多く、この番組は「おもてなし」をテーマにしているということだが、実際に見てみるといろいろなものが出てきて、焦点が定まらず、全体的にまとまりに欠けているように感じた。

・各局で放送している旅番組とあまり変わりがないように感じた。
タイトルと内容にズレがあるのではないか。尾道といえば、文学や映画とのかかわりなどを期待したが、そういうものがまったく無くがっかりした。もっと視聴者が番組に入っていけるように一工夫がほしい。

・楽しく見せていただいた。
ガイドブックに乗っているような所だけでなく、今の尾道がわかるような人やお店が紹介されていてよかった。

・さらっとした見やすい番組だと思った。
他の番組だとテレビでしか行けないようなところの紹介が多いが、この番組は普通の人が同じような旅をしても、同じような体験ができるところを紹介していてよかった。
出演するタレントのキャラクターが、番組の魅力に大きな比重を占めていると感じた。
その意味で、今回の出演者は自然な感じで、家族や友達と旅してもこんな感じになるのではないかと思わせてよかったのではないか。

□ 放送番組種別の基準について
六月三十日の改正放送法の完全施行にともなう番組種別の公表にあわせて、放送番組種別の基準について、読売テレビの基準案を説明し、原案通り承認された。

第523回H23.06.10

6月度の番組審議会は10日(金)読売テレビ役員会議室で行われ、5月21日に放送した「ウェークアップぷらす」について審議した。
主な発言は以下のとおりです。

□審議番組
「ウェークアップぷらす」
2011年5月21日(土)
8:00~9:25放送

□出席委員
熊谷信昭、秋山喜久、金剛育子、林 千代、馬淵かの子、阪口祐康、
佐古和枝、川島康生、谷 高志、北前雅人

□主な発言
・阪神大震災を経験した局として、被災地の現地にこだわって番組作りをしたいとの制作者側の意図がよく出ていた。

・この番組の放送は二十日ほど前だが、あす番組を作っても現地の状況はそれほど変わっていないと思う。
それほど被災地の復旧は進んでいない。
それを考えると、この番組のように具体的に継続的に被災地の現状を伝えていく努力は大切だと感じた。

・この番組を見て、いま何が起こっているのかよくわかった。
マスコミは現地の人々の不満を伝えるだけでなく、いま我々に何が出来るのかをもっと伝えるべきではないかと感じた。

・エピソードにこだわらず正面から被災地の現実に向かい合いたいとの説明があったが、ひとを勇気付けるようなエピソードであれば、そういうものを紹介することにも意味があると思う。

・政府の復興会議の五百旗頭議長が東京のスタジオから出演していたが、大阪のスタジオと温度差があったようで、議論がかみ合わず、五百旗頭氏の発言がなにか浮いたような印象を受けた。
番組の演出で救うことが出来なかったかと感じた。
  • 平成23年度読売テレビ番組審議会委員
  • 委員長    熊谷信昭   兵庫県立大学名誉学長、大阪大学名誉教授
  • 副委員長    馬淵かの子   兵庫県水泳連盟   顧問   元オリンピック日本代表
  • 副委員長    川島康生   国立循環器病研究センター   名誉総長
  • 委員    秋山喜久   関西電力株式会社  顧問
  • 委員    金剛育子   能楽「金剛流」宗家夫人
  • 委員    林  千代   脚本家
  • 委員    阪口祐康   弁護士
  • 委員    佐古和枝   関西外国語大学教授
  • 委員    北前雅人   大阪ガス株式会社   代表取締役副社長執行役員
  • 委員    谷  高志   読売新聞大阪本社   専務取締役編集担当