番組審議会報告とはProgram council report

「番組審議会」とは、放送法という法律で定められた審議機関のこと。
テレビ局が放送する番組の充実・向上と適正をめざして審議するために設置されています。
讀賣テレビ放送番組審議会 委員は、さまざまな分野の有識者10名で構成されており、
原則として審議会を月1回開催しています。
少し難しい内容かもしれませんが、あなたが知っている番組について話し合っていることもありますので、
ぜひ一度読んでみてください。
いつもとは違った視点でテレビを見るようになれるかもしれません。

※読売テレビの番組は、放送基準にもとづいて製作しています

第610回2020.3.13

3月の番組審議会は、13日(金)に読売テレビ本社にて開催されました。
今回は、2月9日(日)に放送された『東京五輪1964~世界をもてなした伝説の料理人~』
の視聴と審議が行われました。
続いて2月に視聴者の皆さまから寄せられた声の概要報告が行われました。


□出席委員
勝田泰久 馬淵かの子 金剛育子 林千代 佐古和枝
阪口祐康 藤野可織 足達新 小林順二郎

『東京五輪1964~世界をもてなした伝説の料理人~』に対して
委員の皆さまから寄せられた主なご意見は以下のとおりです。

「国家的な大イベントの裏側の苦労や努力に焦点を当てた
タイムリーな企画だった」
「当時のレシピの発掘と再現、あるいは存命の関係者の取材などが盛り込まれ、
番組自体が歴史的な資料になっていた」

特に、一大イベントに結集した料理人の方たちの姿に感銘を受けたというご意見が
多く寄せられました。

「各国からの選手たちをおもてなししようという
日本の料理人たちの努力やとりくみ、
さらには秘伝のレシピまで公開した村上シェフの心意気に強く感動した」

また、当時の建築の映像や料理の再現などの部分には
知的好奇心を大いに満足させられたという声もありました。

「明治村に残るF.L.ライト設計の旧帝国ホテルの名建築や、
伝説のシャリアピンステーキの再現など、
テーマに関連した映像にも満足させられた」
「当時のレシピ帳のデザインがおしゃれでおどろいた。
誰のデザインか調べたがわからず、残念」

出演者についても、

「松下奈緒さんのリポートぶりも、
自然でありながら表情豊かで番組を盛り上げた」

と、大変に好評でした。

一方、番組に対するさらなる要望も寄せられました。

「1964年という時代相をもっと強く出せば、
料理人たちの苦労もより明確になったのでは」
「他のオリンピックでの食事は
東京と比べてどうだったのかを知りたかった」

他のオリンピックとの比較については、
東京を含め複数のオリンピックに出場経験のある委員から、

「1964年の東京オリンピックの料理が圧倒的に良かった。
村上シェフも、『料理は金メダルだ』と誇っておられた」

という証言もいただきました。

また2020年東京オリンピックに関連して、

「まもなく行われる東京五輪での料理態勢はどうなのか、など、
知りたい事柄も次々に出てきた」
「体重に気をつかわなければならない競技の選手向けの料理や、
アレルギー対策など、どうなっているのか知りたい」

という意見もありました。

番組を通してのメッセージとして、『平和への訴え』があります。
このメッセージについて、以下のようなご意見もいただきました。

「村上シェフの言葉、『戦争はこりごりだ』が何より印象に残った。
五輪は平和の象徴だし、『食』『料理』も同じだろう。
まもなく開催される東京五輪報道に際しても、
是非そうした思いをきちんと伝えてほしい」
『東京五輪1964~世界をもてなした伝説の料理人~』について、
出席委員からの主な意見をご紹介しました。


なお今回をもって、金剛育子 林千代 阪口祐康 の3委員は退任されました。

第609回2020.2.14

2月の番組審議会は、14日(金)に読売テレビ本社にて開催されました。
今回は、1月26日(日)に放送された『漫才ラバーズ』の視聴と審議が行われました。
続いて昨年12月と今年1月に視聴者の皆さまから寄せられた声の概要報告が行われました。


□出席委員
勝田泰久 馬淵かの子 北前雅人 金剛育子 林千代
阪口祐康 藤野可織 足達新 小林順二郎

『漫才ラバーズ』に対して委員の皆さまから寄せられた主なご意見は以下のとおりです。

「お笑いはテレビが支えているという構図は、以前から変わってはいない。
それだけに当番組や各種コンクールなど、
若い漫才コンビたちの努力をすくい上げる仕組みは大事だと思う」

「漫才のテンポが速すぎてついていけない年代の視聴者もいる。
『受ける漫才』については、
テンポだけではなくファッション・雰囲気など時代の変遷を感じる」

番組そのものを超えて、テレビがお笑いに果たす役割の大きさや、
かつて一世を風靡したお笑いと現在の人気芸人さんとの違いへの言及が目立ちました。

『漫才ラバーズ』は、漫才の本芸だけを見せるだけではなく、
バラエティ的要素を盛り込んだ番組となっています。
その点については、以下のようなご意見も……

「ファンのすそ野を広げるというためには、
とにかく面白い漫才そのものを見せることが必要なのではないか。
その意味で、当番組は漫才以外の部分が余計だ」

「特にクイズの内容が内輪受けにすぎ、面白いとは思えなかった」

一方で、バラエティ部分を積極的に評価するご意見もいただきました。

「今は漫才を並べるだけでひとつの番組が成り立つ時代ではない、と感じる。
当番組はクイズの部分も十分に面白く、楽しめた。
お笑い好きの視聴者にとっては、意欲的な取り組みと受けいれられたと思う」

また、こんな角度からの厳しいご指摘もありました。

「男女コンビも含め、女性芸人が全く登場していない点は気になる」

「出演者が『他人の前でタバコを吸うしぐさをする』という場面があった。
受動喫煙の観点からどうなのか。
制作者側には、そういう点まで行き届いた注意が必要、という意識がほしい」

「『女性の胸を触る』『パンチラ』という下ネタトークは非常に後味が悪かった。
観客の若い女性が笑っていたからオッケーというものではない」

「お笑いの質を高めていくことは、
テレビ局の社会的責務であるという意識を持ってほしい。」
『漫才ラバーズ』について、
出席委員からの主な意見をご紹介しました。

第608回2019.12.13

12月の番組審議会は13日(金)に開催されました。
今回は今年5月の『かんさい情報ネットten.』における不適切な取材と放送に関する
BPO放送倫理検証委員会の意見書についての説明のあと、
番組種別報告、元NNN上海支局長による報告、
および11月の視聴者の声の報告が行われました。


□出席委員
勝田泰久 馬淵かの子 北前雅人 金剛育子 林千代
佐古和枝 阪口祐康 藤野可織 足達新 小林順二郎

『かんさい情報ネットten.』に関するBPO放送倫理検証委員会の意見書について
委員の皆さまから寄せられた主なご意見は以下のとおりです。

「今回は非常に残念なことだった。
意見書にも書かれているように、憲法14条でうたわれている人種、信条、
性別、社会的身分または門地に関する内容は
非常にセンシティブなものだ。
さらに個人情報保護法でも、病歴なども含めた情報についても配慮し、
取り扱いは一層慎重にしなければならないとされている。
こうした意識は、今では社会的な合意ができている部分だと思う」
「LGBTについても、あっという間に社会全体で問題意識が高まってきた。
今回取り上げられているような人権関係についての感覚を、
全体で共有していくことが必要だ。」
「今回のことがあった後でも、他社の番組で同様な問題が発生し、
テレビ局が謝罪している。
最近の裁判の判決などを見ても、
性的少数者に対する配慮が強く求められている。
しっかりとした認識を持たなければならない」
「意見書の中でもダブルチェックなど色々な問題が挙げられている。
チェック機能は当然、必要だが、
諸事情によってそれが働かなくなるという事態は
意図せずに発生するだろう。
それだけに、一人ひとりが自分の感覚を磨いていって、
仮にチェック機能が緩んでいるときであっても、
そういう事態が起こらないよう、
体制を築き上げていく点が一番大事だろう」
「単に報道セクションだけではなく、ほかの部署でも、
色々な形で個々人が自分なりの感覚を日々、磨いてほしい」
「意見書には、『彼ら(読売テレビ)のこれからに期待したい』と
書かれている。
これを踏まえて、より信頼性の高い報道機関になることを期待している」

委員の皆さまからの声を受け、当社からは、

「プライバシー、人権、そういうものに対して鋭敏であるよう、
今後、全員が努力をして、よい番組をつくっていきたいと思っています」

とお答えしています。

続いて元NNN上海支局長から、アジア諸国での取材、
特に香港や台湾、中国での取材を通した現在の姿の報告が行われました。
委員の皆さまからは以下のようなご意見が寄せられました。

「ネット等によって海外の情報は居ながらにして入手できるようになったが、
温度感や実像は現地にいてこそわかるものだろう。
海外取材の重要性は変わらないはずだ。」

特に、混乱する香港の様子が連日にわたって報道されていることを受け、

「テレビの場合、派手で過激な映像の繰り返しによって
実像との乖離が生まれがちではないのだろうか。
現地の実像や二面性をきちんと伝えていってほしい」
「香港をめぐる問題はまだ続くはずだ。
現地からの報道も息長く続ける必要がある」

などの意見が出されました。
さらに、

「諸問題について、『自分の国だけ』、『どこの地域だけ』という範囲ではなく、
アジア、アメリカ、アフリカ、ヨーロッパなど
多様な視点を総合した対策が必要な時代になってきた。
日本人も本当に、うかうかしていられないなと思う」

という声も出ました。

12月の番組審議会について、
委員の皆さまからの主な意見をご紹介しました。

第607回2019.11.8

11月の番組審議会は、8日(金)に読売テレビ本社にて開催されました。
今回は、10月19日(日)に放送された
読売テレビ開局60年『正倉院の奇跡~守り継がれた天皇の倉~』の
視聴と審議が行われました。
続いて10月に視聴者の皆さまから寄せられた声の概要報告が行われました。


□出席委員
勝田泰久 馬淵かの子 金剛育子 林千代
阪口祐康 藤野可織 足達新 小林順二郎

『正倉院の奇跡~守り継がれた天皇の倉~』に対して
委員の皆さまから寄せられた主なご意見は以下のとおりです。

「長年にわたるプロジェクトに密着した見ごたえのある番組だった。
独自取材のカメラをとおして、宝物保存のありさまを垣間見ることができた」

番組では、正倉院の宝物の修復・復元にたずさわる人に焦点を当てていました。

「文化財をテーマにした番組には色々な視点があると思うが、
この番組は『宝物を守っていく人の営み』に着目し、成功している。
正倉院のようなものは、
多くの人たちの努力や意識がないと守れないということがよくわかった」

特に有名な螺鈿紫檀五弦琵琶の復元のプロセスを追ったところには、

「琵琶を復元する職人たちの手の細かな動き、視線、表情、息づかい、
さらには木を削る音など、
実に細かな部分までカメラやマイクで収められている。
映像・テレビの力を見せつけた番組だった」
「すぐに役立つ学問や研究がもてはやされる昨今、
この番組で紹介されているような何百年にもわたる技術の伝承・保存を
社会としてどうしていくかという問題も考えさせられた」

という大きな称賛が寄せられました。

番組では、琵琶のルーツを探るために、
リポーターによるインドや中国取材も行っています。
これらの部分については……

「インドや中国の紀行もののような部分は必要なかったのではないか」

という声もあった一方で、

「インドでは琵琶のルーツをさぐり、
中国では遣唐使の果たした役割を検証している。
技術の継承というテーマのほかに、
宝物が作られた経緯や
伝来した経緯も知ることができた構成になっていたと思う」

と、積極的に評価する声もありました。

『『正倉院の奇跡~守り継がれた天皇の倉~』について、
出席委員からの主な意見をご紹介しました。

第606回2019.10.11

10月の番組審議会は、11日(金)に読売テレビ本社にて開催されました。
今回は、9月1日(日)に放送された中京テレビとの共同制作番組
『押しつけクイズ YOU! ANSWER!!』の視聴と審議が行われました。
続いて9月に視聴者の皆さまから寄せられた声の概要報告が行われました。


□出席委員
勝田泰久 馬淵かの子 北前雅人 林千代 阪口祐康
佐古和枝 藤野可織 足達新 小林順二郎

『押しつけクイズ YOU! ANSWER!!』に対して
委員の皆さまから寄せられた主なご意見は以下のとおりです。

「視聴者も一緒になって解答を考えるオーソドックスなクイズ番組ではなく、
出演者のトークが面白いバラエティー番組として楽しめた。
必ずしもクイズ巧者が勝つとは限らないという仕組みで、
斬新でインパクトがあり、意欲的な新しい試みだったと思う」

「番組の進行にあわせて、複雑なルールを丁寧に説明していた。
画面の見やすさも含め、
できるだけわかりやすく作ろうという工夫が随所に見られた」

自分がクイズを答えるのではなく、
『クイズの回答者を上手に指名することで得られる得点を競う』という
新しい形式の番組

オーソドックスなクイズ番組とみるか、
バラエティー色が強くトークを楽しむ番組とみるかで、
評価が分かれた形となりました。。
そのため、

「クイズの設問にもっと工夫が欲しい。
知ってためになった、という設問がなかった」

あるいは、

「芸能人の内輪受けのクイズは、面白くなかった」

というご意見もありました。

『芸能人の内輪受けクイズ』に関しては、
「面白かった」というご意見もありましたが、
一方で、「今回の番組についてではないが」といううえで、

「他人をおとしめて笑いをとる、
あるいはターゲットになるタレントをいじって笑いをとる、
という番組はどうかと思われる」

という声もありました

『押しつけクイズ YOU! ANSWER!!』について、
出席委員からの主な意見をご紹介しました。

第605回2019.9.13

9月の番組審議会は、13日(金)に読売テレビ本社にて開催されました。
今回は、『これからの読売テレビに期待すること テレビに期待すること』をテーマに
各委員からご意見をいただいたほか、
7月と8月に視聴者の皆さまから寄せられた声の概要報告が行われました。


□出席委員
勝田泰久 北前雅人 金剛育子 林千代 阪口祐康
佐古和枝 藤野可織 足達新

『これからの読売テレビに期待すること テレビに期待すること』として
委員の皆さまから寄せられた主なご意見は以下のとおりです。

「インターネット経由の情報が蔓延するなか、
テレビの情報の質の高さへの期待は強まっている。
テレビには信ぴょう性、確からしさがいっそう求められる。
責任ある情報発信機関としての信頼を高めていってほしい」

情報がさまざまな形でとどけられるようになった現代、
テレビの発信する情報の質の高さへの期待が多くの委員から寄せられました。
同時に、社会のありかたが大きく変わり、多様性が求められているということをうけて、
こんなご意見も寄せられました。

「テレビ番組や制作者には是非、
『価値観のアップデート』を意識してほしい。
『古き良き時代はこうだった』ということではなく、
改めるべきは改め、多様性に対応するという態度が必要だ」

メディアも多様化するなかで、
読売テレビのような地上波放送の価値や強みはどこにあるのか。
こんなご意見もいただきました。

「BS・CSなど、テレビ自体も多様化している。
その中で地上波テレビは、
『今、見たいものを手軽に見せてくれる』
『その時々に面白いものを発信する』というところが強みだと思う」

「読売テレビは、『す・またん』、『ミヤネ屋』、『そこまで言って委員会NP』
など、特徴的な面白い番組をうまく作っている。
今後も競争力のある番組が生まれることを期待する。
同時に、テレビ局の見識・主張を示してくれる番組を通して、
視聴者の満足度を高めていってほしい」

また、関西のテレビ局として
読売テレビが果たすべき役割への期待も寄せられました。

「大阪万博の開催を控える関西の変容やビジョンを
継続的に視聴者に伝えることが大切だ」

「関西の将来を見据えた情報発信を続けるとともに、
有形無形の関西文化の記録・継承も重要な機能だと思う」
『これからの読売テレビに期待すること テレビに期待すること』について、
出席委員からの主な意見をご紹介しました。

第604回2019.7.12

7月の番組審議会は、12日(金)に読売テレビ本社にて開催されました。
バラエティ番組『最高の最下位』の視聴と審議のほか、
6月に視聴者の皆さまから寄せられた声の概要報告が行われました。

□審議番組 6月13日(木) 23:59~24:54‎ 放送 『最高の最下位』


世の中にあるさまざまなランキングのなかで、
『最下位』にスポットを当てたバラエティ番組です。
ランキングは最下位でも、視点を変えれば知られざる素晴らしい何かがあるはず……
という切り口から、最下位にひそむ最高の魅力を探り出していきます。


□出席委員
勝田泰久 馬淵かの子 北前雅人 金剛育子 林千代 阪口祐康 佐古和枝 藤野可織 足達新

審議番組『最高の最下位』に対して、
委員の皆さまから寄せられた主なご意見は以下のとおりです。

「ランキングの最下位のものに光を当てる、という目の付けどころは非常に良い」
「人気度が低いもの、ランキングが下位なものの中にポジティブな面を見つけるというコンセプトは、多様性が大事となる現代において非常に重要なものだろう」
「今回の放送では3つのネタが取り上げられたが、ネタによってばらつきがあった点が惜しかった。番組全体とすると尻すぼみになった感がある」
「出演者のほどよいコメントが心地よかった。特に麒麟の川島さんのツッコミはさすが。番組をテンポよくしていたと思います」

特に、人柄の良さや地域に根付いて親しまれている様子がしっかりと描かれているとして、パン屋さんのネタが好評でした。

「パン屋さんの話は、ちょっとできすぎというくらいいい話でした。
パン屋さんと恋人の女性との結婚の後押しを番組がする形になっていますが、そういうところも別格というくらい、いい話でした」

という声を多くいただきましたが、全く別なご意見も。

「結婚するかどうかということは、パン屋さんという職業にとっては何の関係もないことです。大変失礼な展開だと思いました。
プライバシーに踏み込むべきではないと思いました」
「この番組に限らず、今は『親しみやすさ』が重要視されているのだと感じます。プロフェッショナルな人を紹介するときなど、その人がどれだけ親しみやすい人なのかを殊更に強調したりします。親しみやすさの乱用、押しつけが目に余るなと感じます」

また、番組のコンセプトになっている『ランキング』について、

「ネットのランキング・サイトは普段の生活でもよく利用されるが、上位にランキングされていても中身が伴っていないのではないかと思わされることがある。また『入場者数』といった客観的な数字に基づいたランキングであっても、順位が低いことによって価値が損なわれるものばかりではない」
「ランキングとは何なのか、という問いかけや、ランキングとの正しい付き合い方を啓発するような視点が欲しかった」

というご指摘をいただきました。
この点について番組側からは、

「番組のターゲットの若い視聴者層には、インターネットのランキングを無条件には信じてはいないところがあります。そういう意識を下敷きにして、あえてインターネットのランキングを使った企画です。
実は番組の隠されたテーマは、ご指摘があった通り、『世の中にランキングというものがはびこっていますが、ランキングが絶対ではないのですよ』というところでした」


というご説明を致しました。

最後に委員からは、

「『最高の最下位』は、例えば日曜の昼間の時間帯でもフィットするテイストの番組だった。せっかく深夜に番組を流すのなら、『見たら目が冴えて眠れない』というくらいの実験的な番組、新しい試みにもチャレンジしてほしい」

というエールもいただきました。

『最高の最下位』について、出席委員からの主な意見をご紹介しました。

第603回2019.6.7

6月の番組審議会は7日(金)に読売テレビ本社にて開催されました。
今回は5月10日放送『かんさい情報ネット ten.』における不適切な放送内容について報告。
各委員からのご意見をいただきました。


□出席委員
勝田泰久 馬淵かの子 北前雅人 林千代 佐古和枝 藤野可織 足達新

今回の番組審議会ではまず、
5月10日放送『かんさい情報ネット ten.』において、
出演者が一般の方の性別を執拗に確認するという人権上不適切な放送を行った件について、
経緯や再発防止に向けた取り組みを報告しました。

各委員からは以下のようなご意見が寄せられました。

「放送に至るまでにチェックできるタイミングがありながら、 なぜ声が上がらなかったのか、と思った。 また放送直後に何らかのコメントもできなかったのか。 取材者もチェックするスタッフも、 より研ぎ澄まされた意識を持たなければならない。 そのための研修会や個々人の研鑽を継続して行ってほしい」
「学校など社会の様々な場所では、 今回の対象となったような方への配慮は確実に進んでいる。 放送にたずさわる者は、そうした社会の動きを 常に意識していなければならないはずだ」
「一般の方には テレビで放送されることの影響の大きさ、怖さがわからない場合がある。 たとえ本人が了解していても、 放送することによる影響や反響を想像して 歯止めをかける必要があっただろう」
「翌週に二度にわたって放送で検証やおわびを行った対応からは、 問題点に対する真摯な反省が感じられた。 今回を契機として全社の意識を高め、質の高い番組を作っていくことが、 視聴者の皆さんのためになるのだと思う」

続いて、5月17日(金)深夜に放送されたytvドキュメント
『裁判員裁判10年~死刑判決はなぜ覆るのか~』の審議が行われ、
以下のようなご意見が寄せられました。

「裁判員裁判制度10年という時期をとらえたタイムリーな番組だった。 裁判員裁判の進められ方が具体的に紹介され、理解が深まった」
「裁判員になった方たちが真摯に取り組んでおられる様子がよく分かった。 死刑判決は法律の専門家でさえも非常に重いものだという。 死刑が想定されうる裁判で、 一般市民が裁判員となって量刑まで行わせるのは酷ではないかと思われた」

このドキュメンタリーを通じて、現行の裁判員裁判制度にとどまらず、
日本の司法のありかた、特に死刑制度について考えさせられるところが大きかった、
というご意見が多く寄せられました。

第602回2019.5.10

5月の番組審議会は10日(金)に読売テレビ本社で開催されました。
今回は、視聴者からの声がダイレクトに寄せられる視聴者センター活動など、
視聴者の声を番組にフィードバックする仕組みや実際の取り組みが報告されました。
続いて4月に視聴者から寄せられた声の概要報告と2018年度下半期番組種別の報告が行われました。

報告 『視聴者センターの役割』 コンプライアンス推進室 下村裕明 総合広報部長

番組審議会でも毎回報告している『視聴者からの声』。
視聴者からの声がダイレクトに寄せられる視聴者センター活動など、
視聴者の声を番組にフィードバックする仕組みや実際の取り組みをご紹介しました。

□出席委員
勝田泰久 馬淵かの子 金剛育子 林千代 佐古和枝 藤野可織 足達新 小林順二郎

『視聴者センターの役割』の報告を受けて、
各委員からはさまざまご意見が寄せられました。

まずなにより、読売テレビに寄せられる視聴者の皆さんからの声の多さ、また内容の多様さに対する驚きの声があがりました。

「日々寄せられる視聴者の皆さんからの声の多さをはじめ、細かな点にまで指摘が及んでいるところにも驚かされた。特に、一瞬だけ放送された映像や字幕を見逃さず、即座にリアクションがあるという実態がよくわかった」
「ネット情報の発達などによって、従来では考えられなかったほど皆さんからのリアクションが複雑になっているのだと思う。対応も、より丁寧にしていかなければならない」

寄せられる厳しいご意見をどのように受け止めるべきかについては……

「たくさんの声が寄せられるということは、それだけ注目されている、期待され信頼されているということのあらわれだと思う」
「謙虚にいろいろな意見を受け止めるということが大事だろう」
「特に、専門性のある傾聴すべき意見に対しては、番組向上のために真摯に耳を傾け尊重していってほしい」

など、視聴者の皆さんの声を積極的に番組作りに生かしていくために十分に声に耳を傾けることの重要性が指摘されました。

また特に、番組内での文字の誤りなどへの指摘が多いという点については、

「以前に比べると、番組内での文字の誤りなどのおわびの場面が多くなっていると感じる。単純ミスに対しては、チェック体制を厳しくしていってほしい」
「視聴者皆さんの期待にこたえるよう、正確を第一に」

といった意見がありました。


第601回2019.4.12

4月の番組審議会は12日(金)にホテルニューオータニ大阪で開催されました。
冒頭に、新任の委員として小林順二郎氏をご紹介。
今年度委員長には勝田泰久氏、副委員長には馬淵かの子氏と北前雅人氏が就任されました。
続いて、読売テレビ開局60年スペシャルドラマ
『約束のステージ~時を駆けるふたりの歌~』の審議のほか、
3月に視聴者から寄せられた声の概要報告と4月改編の概要説明が行われました。

□視聴番組
2月22日(金)21:00~22:54‎ 放送
『約束のステージ~時を駆けるふたりの歌~』
読売テレビ開局60年スペシャルドラマ。
1970年代に読売テレビが制作していたオーディション番組
『全日本歌謡選手権』を舞台にした、一風変わった二人の少女の物語。

□出席委員
勝田泰久 馬淵かの子 北前雅人 金剛育子 林千代 阪口祐康 佐古和枝 藤野可織 足達新 小林順二郎

審議対象だった『約束のステージ~時を駆けるふたりの歌~』に対して、
委員の皆さまから寄せられた主なご意見は以下のとおりです。

「70年代に一世を風靡した番組『全日本歌謡選手権』をはじめ、なつかしいCMや歌謡曲が満載のドラマで楽しめました。昭和ムード満載のスナックなど、セットにもこだわりが見られたと思いました」
「五木ひろしさんや天童よしみさん、八代亜紀さんなど、『全日本歌謡選手権』出身の方たちの出演シーンは、当時を知る者にはニヤリとさせられる演出だったと思います」

土屋太鳳さんと百田夏菜子さんにも称賛が集まりました。

「皆さん、歌も上手で本当によかった。特に主演の土屋太鳳さんがとても上手、本当に上手でしたね」
「最後の10週目に歌ったつんくさんの『幸せのセレナーデ』。最後にあれを歌わせた部分が非常に効果的でした。歌の力を感じて見終わることができました」

一方で、さまざまな注文も寄せられました。

「ふたりの少女以外の登場人物のバックストーリーも描かれているが、登場人物の誰に感情移入したらいいかということを考えると、色々ありすぎるような気がしました」
「『全日本歌謡選手権』に挑戦するふたりの猛特訓シーンや葛藤、努力の描き方が足りなかった。やすやすとトップになっていく点も、ちょっとイージーです」
「もっと『難関に挑戦している』という描き方が必要だったのでは」

また70年代という時代をよく知っている委員からは、こんな指摘が……

「登場人物の持ち物のカバン。当時は男性はマディソン・スクエア・ガーデンのバッグをよく持っていましたよ。女性がもっているバッグがフットジョイだったのですが、当時フットジョイのバッグがあったかな……と疑問に思いました」

またドラマの中の季節感についても……

「何週間も勝ち抜いているので季節が移り替わっているはずだが、いつまでも最初と同じ冬の格好をしています。そうした細かいところが気になりました」

最も議論を呼んだ点は、現代の主人公が70年代にタイムスリップするという設定でした。

「タイムスリップという設定で戸惑う視聴者も多かったのではないか」
「タイムスリップに引っかかったまま見ていて、結末のところで母親との関係がわかりやっと腑に落ちました。最初見たときより2回目に見たほうが楽しめた気がしました。そのあたりをもっと工夫できたらと思いました」
「タイムスリップを盛り込んだ、非常に手の込んだ脚本だったが、見ていくうちに、さほど違和感なくドラマに入り込んでいけた」
「タイムスリップについてはすんなりと受けいれられたが、タイムトラベルもののドラマとしては物足りないところが残った。写真という重要なアイテムも、あまり役割をはたしていなかった。また向井理さん演じるマネージャーや、ほかの周辺の人たちがどうなったかなどが解決されないままだった」
「『伏線が解決されないままだった』といわれればその通りだが、あまり難しく考えずに見られた」

ドラマにこめられたメッセージについては……

「ひとりの少女の歌の成長とともに、人間としての成長が描かれた素晴らしいドラマでした」
「『夢をあきらめたのではない。夢を託したんだ』というセリフがとても心に残った」
「自己主張がはばをきかせるなかで、内面的な、目に見えないものの尊さを教えられた素晴らしいドラマだった」

『約束のステージ~時を駆けるふたりの歌~』について、
出席委員からの主な意見をご紹介しました。
  • 2019年度讀賣テレビ放送番組審議会 委員
  • 委員長    勝田泰久   大阪経済大学前理事長
  • 副委員長    馬淵かの子   兵庫県水泳連盟   顧問   元オリンピック日本代表
  • 副委員長    北前雅人   大阪ガス株式会社   顧問
  • 委員    金剛育子   能楽「金剛流」宗家夫人
  • 委員    林  千代   脚本家
  • 委員    阪口祐康   弁護士
  • 委員    佐古和枝   関西外国語大学教授
  • 委員    藤野可織   小説家
  • 委員    足達新   読売新聞大阪本社   取締役編集局長 
  • 委員    小林順二郎   国立循環器病研究センター病院長