第491回 番組審議会議事録

1.開催年月日
平成20年4月11日(金)
2.開催場所 読売テレビ役員会議室
3.委員の出席 委員総数 10名
出席委員数 8名
出席委員の氏名 熊谷信昭、秋山喜久、林 千代、馬淵かの子、阪口祐康、川島康生、吉岡征四郎、菊池卓雄
欠席委員の氏名 金剛育子、佐古和枝
会社側出席者 ・土井共成 (代表取締役会長)
・髙田孝治 (代表取締役社長)
・越智常雄 (代表取締役専務)
         編成・制作スポーツ・東京制作・報道担当
・三山秀昭 (取締役)
        内部統制・コンプライアンス・コンテンツ・事業担当
・本田邦章 (取締役報道局長)
・森岡啓人 (執行役員コンプライアンス推進室長)
・村上博保 (執行役員制作スポーツ局長)
・丸山公夫 (編成局長)
・木谷俊樹 (制作スポーツ局プロデューサー)
事務局 ・新谷 弘(コンプライアンス推進室次長兼
        番組審議会事務局長兼視聴者センター部長)
・菱田千佳(コンプライアンス推進室番組審議会事務局次長)
4.審議の概要 □番組視聴  「たかじんのそこまで言って委員会」
□放送日時 :2008年3月23日(日) 午後1時30分~3時
□放送エリア:全国21局で放送

4月度の番組審議会は4月11日(金)に、読売テレビ本社で開催された。
審議会では3月23日に放送した「たかじんのそこまで言って委員会」を視聴したあと意見交換が行われた。
委員からは「政治や経済など硬い話題をわかりやすく提供するという意味で、大きな役割を果たしている番組だ」、「本音が垣間見えるところが面白い」といった意見が出された。
また、「そういう番組だからこそ、小さな事実誤認やミスリードにならないよう、バランスに配慮してほしい」という指摘もあった。
このあと、3月に読売テレビに寄せられた視聴者の意見・苦情について概要を報告した。
出席は、熊谷信昭、川島康生、馬淵かの子、秋山喜久、林千代、阪口祐康、吉岡征四郎、菊池卓雄、の各委員と読売テレビからは、土井会長、髙田社長以下9名。

5.審議内容 別掲の通り
6.審議会の意見に対して取った措置
特記事項なし(議事録は関係部署に配布)
7.審議会の答申・意見の公表
●4月24日(木)付け読売新聞夕刊に議事の概要を掲載。
●5月10日(土)午前5時14分から放送の「声~あなたと読売テレビ~」の中で議事の内容を放送。
●本社コンプライアンス推進室に閲覧用として議事録を備え置く。
●インターネット読売テレビホームページで議事録を公表。(http://www.ytv.co.jp)
●社内LANにて全ユーザー(全社員および関連スタッフ)に議事録を配信。
8.配布資料 ●報告概要
●2008年3月に寄せられた視聴者からの意見・苦情
9.送付資料 ●民放連機関誌「月刊民放」
●民放連機関紙「民間放送」

【審議内容】


社側
 おはようございます。時間になりましたので、4月の番組審議会を始めさせていただきたいと思います。
 まず、委員の方々のご出欠の状況ですけれども、前回に引き続きまして、きょうは金剛委員と佐古委員が欠席をされております。きょうご出席は、8名の委員でいらっしゃいます。
 私どもは、いつもどおりのメンバー全員揃っておりますのでよろしくお願いいたします。
 きょうは、『たかじんのそこまで言って委員会』という番組をご審議いただきたいと思います。4年ほど前に一度この審議会にかけてはいますんですが、その後、内容も少しずつ変化をしておりまして、週によって違うんですけれども、私どもが制作している番組で、ほとんどの週で一番高い視聴率をいただいている人気番組でございます。きょうはその『たかじんのそこまで言って委員会』について審議をいただきたいと思います。
 はじめにプロデュースを担当しております制作スポーツ局の木谷から企画意図等について、お話をさせていただきます。では、木谷君、よろしくお願いします。

社側
 制作スポーツ局の木谷といいます。きょうは、どうぞよろしくお願いします。『たかじんのそこまで言って委員会』ですが、番組が始まったのが2003年7月ということで、今年で丸5年になります。
 内容に関しましては、基本的には変わっておりません。世の中のあらゆる話題を取り上げまして、トーク、討論するトークバラエティでございます。
 コンセプトは、「問題意識」と「自己責任」ということで、言いたいことは言う。ただし、その発言には責任を持つという信念のもとに、やしきたかじんと辛坊治郎が中心になりまして、各界の論客、現職の政治家であるとか、文化人、タレント、アイドルまで、いろんな方がスタジオに来まして、番組タイトルどおり、「そこまで言っていいんかい」というところまで、激論、トークを展開するという番組でございます。
 基本構成といたしまして、毎週、政治、経済からスポーツ、芸能まで、いろんなジャンルから話題を三つ取り上げまして、まず問題提起のVTRを提示しまして、それに対してコメンテーター陣が、それぞれの意見をモニターに出して意志を表示すると、その答えをもとにトークを展開、進行していきます。
 この番組、現在、全国21局で放送しております。関東エリア以外、ほぼ全国での放送となっております。視聴率も、昨年度で平均16%、占拠率31という高い数字を記録しておりまして、我々も、この影響力の大きさというのを、ひしひしと感じておりまして、番組の内容に関しましては、スタッフ一同精査して放送しているという次第でございます。
 きょう試写していただくVTRは、今年の3月23日に放送したもので、内容は北京オリンピックを無事開催させるにはどうしたらよいか、二つ目が、道路特定財源の仕組みは、このまま維持すべきか、それとも廃止すべきか、三つ目が、最近の子どもをどうすればよいかというテーマ、三つです。
 きょうは、時間の都合上、北京オリンピックと最近の子どもというテーマの一部を抜粋しております。どうぞよろしくお願いいたします。

社側
 それではダイジェスト版ですが、VTRをご覧いただきたいと思います。

<VTR視聴>

社側
 どうもありがとうございました。それでは委員長、よろしくお願いいたします。

委員長
 これは大変有名な番組なので、見ている人は大勢いらっしゃると思いますが、まずは委員、何かご意見ございますか。

委員
 オリンピックのことで、私も、今いろいろと当事者もおりますので、大分中国のことを調べて、選手を派遣するとか、要望を出せとかいうので、先ほど食べ物は持っていったらいけないというふうな形でテレビで出ていましたけれども、それは選手団として要望して、選手団の食堂の中で、例えば、日本のお米とか、おみそを持っていくとか、そういうのは駄目なんですけれども、各競技スポーツ団体あてに与えられた部屋には、ちゃんと台所がついていますので、日本のトレーナーなり、マネージャーが電気ガマを現地で買って、日本の米も持っていって、ウナギとか、メザシとか、スルメとか、海苔とか、すべてのものを持ち込むことはOKなんです。
 だから各競技団体、私は水泳のことしか知りませんけれども、それぞれ持っていっています。アルコールも持っていきます。それは、ちゃんと申告して、選手が個人的には持っていけないけど、チームにも、その中に入れるのは許可されているんです。
 だから、ちょっとした誤解もありますけど、ここにいらっしゃる方は、そういう認識を持っていただいたらいいかなと思って、選手団が入る食堂は、もう本当に世界各国、それこそ本当にベジタリアンから、宗教の関係の食堂も、もう全部ありまして、自由に、そこは24時間やっているので何の心配もないんです。
 私がオリンピック、3回も4回もコーチで行きましたけど、その昔は、日本から選手団の食堂にコックも連れていって、例えば、今帝国ホテルで有名なシェフだった方が、メルボルンのときには、ついていってくださって、日本食をつくってくださったり、それで、次のオリンピックのときも、そういうことはありました。しかし最近になってきてから、何か、ややこしくなって、持ち込みは禁止、選手団としては駄目だけど、チームごとはOKですよと、そういうことになっているはずです。
 一緒に見ていた友達が、麻雀牌がポンと出てきて「大三元を突きつけられた」とか、そういう場面がありましたね。「大三元て何?」と言われた人がいるので、これは私は麻雀しますから「大三元て役満でね、こんなんでね」と説明はできたんですけど、子どもも知らないだろうし、あの大三元、どういう意味で「大三元を突きつけられたのかな」というのは、私自身もちょっと理解しにくかったんですけど、どういう意図で、あの場面で大三元というのが出てきたのかなというのが、ちょっと疑問だった点です。
あとはもう、ほとんど皆さん、ご存じのように大気汚染も非常に悪いし、私、2月に行ってきましたけど、本当に鼻の穴こうしたら黒くなるんですよね。2月ですから、そこらじゅう、もう工事中で、もう砂ぼこりと、その黄砂と、ガソリンの排気ガスのにおいも、ホテルを出るとするんです。
 だから、あの状態だったら、2時間、3時間、外で走るのは無理かなと。競泳は、きれいなプールで空調も整っています。そういう立派なプールですから、水も素晴らしくきれいでよかったんですけど、スポーツによっては非常に問題があるなというのを思って帰ってきたんですけど、大会期間中は車を入れないからきれいくなるよとか、道はもっときれいに、ピカピカになっているし、木もいっぱい入れるから大丈夫とか、関係者の方は非常に楽観的に言ってはりましたけど、どうなるか、ちょっと楽しみな感じもします。

委員
 非常に堅い問題を面白く取り上げたという意味では、大変有意義な番組だと思います。特に3番目の最近の子どもはどうすればいいかと、こういう問題は、我々あんまり知らなかった問題にスポットに当てて掘り出されたということで、社会の人たちが新しい認識を持ったんじゃないか、また教育問題なり、裏サイト問題について、どうすればいいのかということについて、大きな関心を呼び起こしたんじゃないかなと、こういう意味で、3番目のテーマは非常によかったんじゃないかなというふうに思います。
 それから、いいもの順に言うと、その次は、1番目の北京オリンピックの問題。これ今先生が言われたように、当時の東京オリンピックの時代とは全然違うと思うんです。黄砂もありますし、大体飛行機が飛べなくなるぐらい黄砂と煤塵とスモッグで、ちょっと日本の比ではないと思うんで、「きょうは曇りか」と言ったら「いや晴れているんです」といって、そのぐらい煙たなびいているんですな。
 そういった意味では、これは大変かなと思います。それを工場を全部止めて、車も止めて、平常でない状態でオリンピックをするということが、本当の意味でのオリンピック精神に合っているのかどうかというふうな問題があるんで、むしろ当初の計画では2008年までに大気をきれいにしますと、そのためには天然ガスを入れますと言っていたのに間に合わなかったというふうなこともありますので、本当は中国政府自身が環境をよくしてくれないと、その煙は全部日本へ来てしまうんですが、日本のpHが、かなり上がってきているというふうな問題もあるんですが、世界的な問題として、やっぱり、もうちょっと突っ込んでいただいてもよかったのかなというふうに思います。
 それから、きょうは出てきませんでしたが、道路特定財源については、今一番カレントな問題なんですけども、これの本質的な議論は、どこかで、もうちょっとしてあげないと、聞いているほうは、どこに問題点があるのか、よく分からないんじゃないかなと。
 ガソリンに税をかけて道路をつくるという目的税で導入したわけですけども、最近、道路をつくることはけしからんというふうな論調の中で一般財源化するということになっていますけども、一般財源化するんであれば、本来は消費税でやるべきであるというふうなこと。
 そうじゃなくて、環境税的な意味でガソリンに税金をかけるんだということであれば、世界的な風潮としては、そういうのもありますけど、それなら暫定税率を下げるというのはおかしな話になってくるわけで、環境がこれだけうるさくなってきている時代に環境税を下げるというニュアンスになると、一般財源化して環境福祉、そういったものに充てるというんであれば、もうちょっと今のところで議論をしてもよかったかなというふうに思います。
 聞いておられるほうは、ちょっとどこにどう論点があるのか、2番目の道路特定財源問題については、やや我々聞いていても分かりにくかったなというふうな気がいたします。
 それから一番問題なのは、ここに出てきませんですけど、最初に「安藤美姫は屁みたいなもんだ」という、こういう話が出てくるんで、あれは安藤美姫さんに対して、ちょっと失礼かなと、何かフィンランドの何か、ものすごくきれいな人が出ていて「安藤美姫はどうですか」と言ったら「あんなものは屁みたいなもんだ」と、屁と言われては、ちょっと美姫さんもかわいそうだというふうに思います。
 それから日銀総裁人事についても、問題意識として自己責任ということであれば、あまり軽々しく、ああいったところで政治問題を、民主党だけの議員が言うということでいいのかどうか。そしたら自民党側の誰かの反論がなければ、あるいは政府側の反論がなければおかしいと思うんですけど、そういった意味では、あまり政治問題のものを民主党の議員だけが出ている場で言うのが本当にいいのかどうか、その辺はちょっと気になったところだったです。

委員
 この番組、前々から視聴率がいいと、人気番組やというのは聞いておったんですけれども、最初、私のイメージは大体40代後半ぐらいまでの視聴者層かなと勝手に思っておったんですが、ところが、うちの事務所で裁判官やっていて、裁判官やめられてから来られた人、今70ぐらいの方なんですけれども「非常にファンだ」と、こういうふうに2、3年ぐらい前に私は聞いたんですけれども、そのほかの事務所の人に聞いても、性別とか、年齢を問わず、割と幅広く見ている。
 それで私が、その元裁判官の人に「何がええんですか」という話を聞いたら、テーマが非常に大きなテーマというか、みんなが関心を持つような大きなテーマを取り上げて、だから自分らも見ていても、興味があるテーマをやるんで見る。その中で、いろんな激論がある中で、ちょっとタブーに入るようなところまで踏み込んでやる。
 その中で一つの例でいうたら、田嶋さんが、ある意味、極論みたいなことを言う中で、三宅さんが、普通の人間やったら、ちょっと言えないようなこともパシッと言うて、ビシッと抑えてくれて、それが「言いたいことを言うてくれた」というので留飲が下がるといいますか、面白いというようなことを言うてはりました。
 ただ、きょうも、その人に「先生、実は、きょうこれが取り上げられるんで、先生何か意見ございませんか」と聞いたら、「わし、あれ最近ちょっと見てないんや」と、こう言うんですね。「先生、何で見はらへんようになったんですか」と、こう聞きましたら、「最近ちょっとテーマが矮小化しているん違うか」と、こういうふうに言われたんです。
 「先生、どういうことですか」と聞いたら、一番最初に出てきたのが、私ちょっと知らなかったんですけど、大阪府の橋下さんが知事になって、何かそのテーマを取り上げたとき見はったみたいなんですけれども、その人いわくは、大阪府のどうしたこうしたとかいうような問題は、ある意味、わしからいうたらどっちでもええんや、まあいうたら大阪府の地方の問題やないか。そうやなくて、もっと、きょう取り上げたような中国のオリンピックの問題とか、そういうことを、大きなテーマでやってもらいたいんやと。
 それで、ちょっとそんなことが何回かあったんで、最近、見んようになってんのやと、こういうことで、それで、ちょっと来る前に『そこまで言って委員会』のホームページを見てみたら、大阪府の、橋下さんが多分出られたときの、あのときの視聴率が非常に高かったんです。ただ、よく考えてみると、確かに視聴率は取れるとは思うんですね。だけど、そういう、テーマが、ちょっと矮小化したようなやつやと固定客を逃すんじゃないのかなというのを、その先生と議論しながら思ったことです。

委員
大阪府知事を生み出した番組であるということなんで、大変楽しみに見させていただきました。私も、この審議会に出させていただいて、ずうっとドタバタ番組、バラエティー番組の悪口ばっかり言ってまいりましたけれども、この番組は、まさに討論会のバラエティー仕様といいますか、ドタバタ仕様といいますか、そういうことで、一般にそういう政治的な話題に関心のない人を、こういう領域に、そういう人たちに、そういったことに対する関心を持たせるという意味では、大変大きな役割を果たしておられるんではないかなというふうに思いました。
 そういう意味で大変いい番組であると私も感じましたが、それだけに、やっぱり読売テレビの責任が大変大きい番組であるなというふうに思います。
 結論の持っていき方によっては、非常にたくさんの人の考え方を変えていくと、あるいは、場合によっては偏った方向に向けてしまうという可能性もあると思います。
 そういった意味では、委員がおっしゃいました道路特定財源の話なんかも、もう少し突っ込んで、特に、やはり代議士が一党からだけ出ておると、議論を高めるためには野党の議員だけがいたほうがいいのかもしれませんけれども、やはり公正な議論を展開してもらうためには、与党、野党、一人ずつ入れるぐらいのお考えがあっていいんじゃないかなという気がいたしました。
 それと、やはりこういう番組は、プロとコンの討論という形式が一番盛り上がりますね。そういう点では、テーマとしては道路特定財源のテーマが一番議論になったと思います。その内容のよし悪しは別といたしまして。
 最近の子どもが、とんでもない行動に走るということについての討論は、皆さんがどうしようもないといって、お手上げになっている議論を持ち出してこられたわけですので、あんまり議論にならない、お知恵拝借というふうな感じですね。
 あれも、やはり設問の仕方で、もう少し「誰が悪いんのか」「この人が悪い」「こっちが悪い」というふうな討論をしたほうが面白かったんではないかなという気がいたしました。
 私は、医者としての意見かもしれませんけれども、あの議論は、出来上がった人間を「こんなときにどうしたらいいのか」というのも確かに問題でありますけれども、「なぜ、こんな子どもができてしもうたんか」という議論を、もう少し掘り下げていただいたらよかったんではないかなと思うんです。
 私は、いつでも言うんですけども、人間でも動物でも、生まれたとき、卵からかえってきて胎児の間の格好なんて、みんな一緒ですよね。遺伝子レベルで見たら、猿となんか、ほとんど変わらんというふうなことは、このごろ解明されてきております。皆さん、よくご存じのとおりですけれども。
 ということは、赤ん坊が生まれてから育ってくる過程で、一番最初のうちなんて、あれは、もう全く動物そのものですから、動物をしつけるのは、やっぱり叱る、たたく、辛い目に遭わさんことには動物は覚えませんからね。
 それを、いつまでもやっていると変なことになるんで、その時期々々にうまく合わせて、しつけをしていかなければならん。そういうところを、もう少し考えて、教育学者といわれる人たちも、みんな人間、子どもの人格とか言いますけど、子どもなんというたって、もうピンからキリまであるわけですね。そこを、もう少し科学的にやっていただき、そういう議論をしていただきたかったなという気がいたしました。これは番組どうこうというんじゃなしに、私の考えを申し上げたにすぎません。
 そんなところですけれども、あのモデルさんは、どういう目的で呼ばれたんですか。

社側
 幅広い視聴者層を対象にしているということで、たまたま、今ダイジェスト版では発言がなかったんですけれども、一応教育の問題を扱うということで、若い女性の代表としまして彼女をブッキングいたしました。

委員
 ちょっと、やっぱりミスキャストですね。

社側
 ただ発言はなかったですけど、彼女が画面に映っているだけで、いわゆる共感を覚える世代もあるかと思います。

委員
 そうですか、はい。

社側
 一方的な議論にならないように、若い世代の代表として入れましたが、今後の検討課題にしたいと思います。

委員
 結構でございます。

委員
 私は初めて拝見いたしまして、その前段で、つい最近なんですけど、大阪の著名な方が、この番組を大変楽しみにしていて、なるほどなと思うことが、しばしばあるんだという話を伺っておりました、それから、うちの会社の若い女性社員ですけども、「家にいる限り、この番組を見るんですよ」という話も聞きました。
 私は、日曜日に家にほとんどいない人間ですから初めて見まして、なるほどなと思ったのは、これ多分、人の悪口をいう面白さなんだろうなということでありまして、上司の悪口を肴に飲む酒ぐらい、うまいものはないというもんですからね。出演の皆さんも、本当に言いたい放題、田嶋さんも久しぶりに見ましたけど、まあ相変わらず言いたい放題。三宅さんは、さらに言いたい放題という、こんな感じなんです。
 見ていると胸のつかえが取れるようなことも、いろいろありますね。だからどうってことはないんですが、スカッとして終わるという番組が、その人気の源泉の一つなんだろうと、こう感じました。
 ただし、私にとって大変苦手な番組でありまして、声の大きい人がしゃべり続けるというのは、見ていて、私は大変つらい思いをしてしまうもんですから、VTRを送っていただきまして、1時間半ですか、それで道路特定財源のところまで一生懸命見て、ちょっとギブアップさせていただきまして、子どもの問題はVTRでは、ちょっと勘弁させていただきました。
 今拝見して、なるほどなと、いいテーマをうまく取り上げてくれているなと改めて思ったものですから失礼いたしましたと、テレビの方には言いたいんですが、しかし、あの問題は、何となく最後は笑って済ませたみたいな、あの最後の締め方はどうも、いかがなもんかなと、非常に深刻なテーマを含んだ問題でありますから、笑いでごまかすんじゃなくて、もうちょっと、あのエンディングの仕方に工夫があってもよかったかなという感想を持ちました。
 
委員
 私は以前から、この番組が好きで、ずっと見ていたんですけれども、なぜかというと現代の政治とか、経済の動向をパネリストの個性がぶつかり合いながら見せていただけるという形で、本音が垣間見えるというところが面白いというので見せていただいておりました。
 それで、やしきたかじんさんという毒舌のタレントを置きながら、結構重い問題を分かりやすく解説しながら、若い人にも見てもらうという意味では、先ほども言われているように、この番組の意義は大きいと思います。
 ただ今回、先ほども出ましたように、あのモデルさんは何やろうと、若い世代の代表といわれましたけれども、やはりこれ若い女性じゃなくて、若い世代、女性の代表じゃなくて世代の代表で、それなりに、やはり分からない問題に関しては、見ている人たちが「ちょっと、ここを突っ込んで、分かるように説明してほしいな」という、素直に「分からない」と言える発言ができる人が、やっぱりいいんじゃないか。それで見ている人たちに、そういう人たちもいるんやなと安心して聞ける。私自身は、ざこばさんとかの視線が、やはりよく分かります。
 その中で過激な発言もありますけれども、安心して聞けるパネリストが置いてあって、緩急の間、それから共感を持てるという意味から言えば、とてもトークバラエティーであってもいいと思います。すごいよく分かるし。
 今後も、こういう形で難しい問題を、ちょっと専門家も置きながら、分からない人には質問するというのを当日のパネリストの視線で聞いてもらって、していただけたら、とても入っていきやすいと思います。
 ただ、どういう問題を取り上げるかというのを、やっぱりその当日、時間内に限りがあるので、芸能とか、経済、政治があると思うんですけれども、その辺にちょっとバラエティーを見せていただけたらいいなと思います。
 でも以前、辛坊さんは、もう少し、切れのある発言をされていたように思うんですけれども、最近ちょっとおとなしいかなというようなことがあるので、もうちょっと辛坊さんらしいという面も見せてもらえたらうれしいとお伝え願えたらありがたいんですけれども、以上です。

委員
 エンターテインメントと、それからジャーナリズムというのが、テレビの二本柱というふうに言われていると思うんですけども、最近この二つが、だんだん融合してくる傾向が見られるように思います。
 この番組も、まさにそういったエンターテインメントとジャーナリズムが融合していく、そういう種類の番組じゃないかなというのが、まず第一感です。
 この娯楽番組と報道番組が融合していくということは、決して悪いことじゃないわけでして、先ほどから何人かの委員の方もおっしゃっていますように、堅いニュースを分かりやすく視聴者に伝えるとか、そういった効用は、もちろんあるわけですけど、やはりその一方で、ある種、世間をミスリードしかねないリスクもはらんでいるということも否定できないと思いますんで、やっぱり両刃の剣という側面を持っている。
 ですから、どういう番組のつくり方をしているのかということが、非常に大事になってくるんじゃないかなというふうに思います。
 この番組に即していえば、私は非常に面白いと思って見たんですけども、二つ大きな魅力があった。
 まず、一つ目は、もう既に何人かの方がおっしゃっていますが、非常に痛快な、快刀乱麻のトークが非常に痛快でありまして、モヤモヤとした欲求不満が解消される、非常に留飲が下がるというところがありまして、これはこの番組の、まず第1番目の魅力。
 もう一つは、実は意見の違うパネリストがディスカッションするというところが、なかなかこれが値打ちがあるんじゃないかなと思うわけで、もし同じようなことばかり言う、お仲間が集まっていると、やはりあんまり面白くないなと。ですから何人かの人が意見対立があって、ディスカッションするという場面がありましたけれども、やっぱりそのことが、この番組の深みをつくっていると、値打ちを上げていると、価値を上げていると、そういうふうに思います。
 ただ、先ほど両刃の剣と言いましたけれども、やはり今の世の中は、なかなか単純にいかないわけで、利害関係も非常に錯綜しているわけだし、価値観も多様化している中で、多くの問題は、なかなか白黒はっきりしないことが実体は多いわけでして、あまりそこを無理して受け狙いというようなことで、極端な単純化した極論に走ってしまうと、これは少しミスリードすると、そういうことになりかねません。
 先ほどプロデューサーの方は、責任を持つということをおっしゃいましたけど、まさにその言葉が、この番組のコンセプトとして非常に重要じゃないかなということで、やはりそういった、あまりにも単純化した極論に走らない、そこをコントロールするというあたりが、一つのこの番組の質を維持していく上でのポイントなるんではないかというふうに思った次第であります。

委員長
 ありがとうございました。
 私は、テレビを見ている延べ時間でみますと、平均よりは、かなり少ないほうじゃないかと思うんです。ですから、この番組も、たまたまの時しか見られないんですけれども、たまたま見た時には、面白い番組だと思ってます。
 面白いという言葉には、いろんな意味がありまして、いい意味でも、悪い意味でも、幅広い意味があるんですけれども、この番組については、バカバカしいという気もしないし、退屈もしないという意味で面白いと、私にとっては言えると思うんです。
 ただ、番組として見た場合の意見というか、希望というのはいくつかございまして、例えば、最初から、この番組を見ようと思ってテレビのチャンネルを回すわけではないものですから、最初に出演者の紹介がちゃんとあるのかどうかも知らないんですが、きょうなんかも見てますと、私は、名前も顔も職業も全部分かるという人は3分の1ぐらいしかないんです。顔は見たことはあるけれども、名前は正確には分からんとか、職業がまるで分からんという人が、もうほとんどなんです。ですから、せめて途中ででも、途中から見る人がいるというのは、もうラジオでもテレビでも、おつくりになる側は、いつもお考えになっているはずですけれども、やはり名前と職業ですね、それぐらいは字幕で入れていただけないものかなという気がします。
 さっき委員もおっしゃいましたけども、大体モデルということも全然分からないし、名前はもちろん分からないし、全く分からんというのは、興味も発言の内容と照らし合わせて考えたりする時に、興味も減るし、やっぱり残念ですね。
 それから、取り上げられているテーマについては、見る人が、それぞれに自分の意見とか考え方があるでしょうから、きょう拝見したテーマについても、それぞれのテーマについて、銘々意見があると思いますが、それは、別に番組のつくり方としては問題になるわけではないんで、非常に共鳴して拍手したくなったり、反対に反発したくなるような、そういう反応、それは視聴者が銘々持つでしょうが、番組として見た時には、今、言ったようなことをお願いしたいと思います。
 それから司会は、たかじんさんと、もう一人局の方ですが、さっき委員は、あの人になるべく発言を、もっとさせてほしいと言われましたが、司会ですからね、自分の意見をあんまり言うなとお伝えいただきたいと思います。
 意見をいう立場で出てくるなら別ですけれども、番組をつくっておる局から出ておる司会者というんであれば、司会者は司会者です。意見を言う人とは別な立場なんで、その点を心得て、あんまり自分の意見を言うなと、司会者としての分を守ってやってほしいと私は思います。
 これは再放送は?

社側
 やりません。1回限りです。

委員長
 ですから、日曜日のこの時間帯というのは、外で用事がない場合、そして雨の場合に家にたまたまいる時に見られる時間帯で、用事がなくても天気がよければ、この時間帯は散歩に出てますし、ゴルフに行く人もいるし、山登りに行く人も、いろいろあるでしょう。ですから、最初に申し上げましたように、たまたま見た人が、出演者のせめて名前と職業ぐらいは分かるようにお願いしたいという希望があるんです。
 ほかに、どなたか追加のご意見ございませんでしょうか。

委員
 あえて言えば、チベット問題は、オリンピックが終わってからでいいですけれども、どこに、どういう問題があるのか、確かあれ1951年でしたか、朝鮮動乱の最中に、どさくさで占領しちゃったんですな。歴史的には清朝のものだという理屈もあるんですけども、文化的な宗教的なものを弾圧してますから、政治的に統一しているんなら、まだいいけれども、文化とか宗教まで統一しようとしているというのは、ちょっと横暴ではないのかなというような気がするんですけれども、どこに問題があるのか我々は、よく分からないんで、オリンピックの前にやると非常にもめますから、終わってから、もしも取材ができるんだったら、そういうチベット問題の本質ですな、この辺を解明していただきたいなというように思います。

委員長
 大体時間ですのでお返しいたします。

社側
 どうもありがとうございました。
 それでは3月に視聴者から寄せられました声について簡単にご報告をさせていただきたいと思います。
 総数は6,335件で、大体平均的な数です。少し多いかなというぐらいです。
 前にも申しましたけども、番組というよりは、番組で取り上げたことに対するご意見が、やっぱり多かったです。
 一つ目立ったのは、3月10日に北京オリンピックのマラソンの代表選手が発表されたんですが、陸連の記者会見が午後3時からだったんですけれども、選手の名前が事前に漏れて、NHKなんかお昼のニュースから、内定みたいなことをやりだしたりしていたものですから、うちが「3時から中継します」というようなことをやっているのを見て、「もう決まっているはずだろう」というのが、電話が目の前で鳴ったのが、へえ、そんなふうに見ているんだなという非常に不思議な気持ちがしたんですが、55件、結構うちとしては殺到した数でございます。
 それから、野球が始まりまして、ジャイアンツの開幕3連戦が中継、うちの局的にはございませんでしたので、ジャイアンツをやってほしいという声が、こういうぐらいの数が来ております。
 次回ですが、毎年申し上げていますけれども、4月が年度のおしまいでございまして、1カ月ずれておりまして、来月5月が新年度の始まりということになります。新年度第1回ということで、5月9日に場所は「クラブ関西」を予定しております。また改めてご案内は差し上げますけれども、時間は同じ時間帯ですが、場所を変えて新年度第1回という形で次回は開催をさせていただく予定でございます。
 それでは4月の番組審議会は、これで終了させていただきます。ありがとうございました。


以上

  • 平成19年度読売テレビ番組審議会委員
  • 委員長    熊谷信昭   兵庫県立大学名誉学長、大阪大学名誉教授
  • 副委員長    馬淵かの子   兵庫県水泳連盟   顧問   元オリンピック日本代表
  • 副委員長    川島康生   国立循環器病研究センター   名誉総長
  • 委員    秋山喜久   関西電力株式会社  顧問
  • 委員    金剛育子   能楽「金剛流」宗家夫人
  • 委員    林  千代   脚本家
  • 委員    阪口祐康   弁護士
  • 委員    佐古和枝   関西外国語大学教授
  • 委員    北前雅人   大阪ガス株式会社   代表取締役副社長執行役員
  • 委員    谷  高志   読売新聞大阪本社   専務取締役編集担当