第487回 番組審議会議事録

1.開催年月日
平成19年11月9日(金)
2.開催場所 読売テレビ役員会議室
3.委員の出席 委員総数 10名
出席委員数 9名
出席委員の氏名 熊谷信昭 、秋山喜久、金剛育子、林 千代、馬淵かの子、阪口祐康、佐古和枝、川島康生、吉岡征四郎
欠席者の氏名 菊池卓雄
会社側出席者 ・土井共成 (代表取締役会長)
・髙田孝治 (代表取締役社長)
・越智常雄 (代表取締役専務)
        編成・制作スポーツ・東京制作・報道担当
・三山秀昭 (取締役)
       内部統制・コンプライアンス・コンテンツ・事業担当
・本田邦章 (取締役報道局長)
・森岡啓人 (執行役員コンプライアンス推進室長)
・村上博保 (執行役員制作スポーツ局長)
・松本芳久 (東京制作局長)
・武野一起 (東京制作局チーフプロデューサー)
事務局 ・新谷 弘 (コンプライアンス推進室次長兼
        番組審議会事務局長兼視聴者センター部長)
・菱田千佳 (コンプライアンス推進室番組審議会事務局次長)
4.審議の概要 番組視聴:「カミングアウトバラエテイ 秘密のケンミンSHOW」
放送日時:毎週木曜日 午後9時~9時54分(視聴は10月18日放送分)
放送エリア:全国ネット
 11月度の番組審議会は11月9日(金)に、読売テレビ本社で開催された。
 審議会では、10月からスタートした新番組「秘密のケンミンSHOW」を視聴して意見交換が行われた。
 委員からは、「全国の地域ごとの文化がうかがえて、幅広い年代が楽しめる
いい番組だ」「単なるバラエティに止まらず、知的好奇心にも訴える企画だ」
といった意見が出た。
 一方で「情報を詰め込みすぎで後半だれてくる」といった指摘や「取り上げる話題の中で一つぐらいじっくり掘り下げて検証するものがあってもいいのでは」といった提案もあった。
 このあと、10月に読売テレビに寄せられた視聴者の意見・苦情について
概要を報告した。
 出席は、熊谷信昭、川島康生、馬淵かの子、秋山喜久、林 千代、阪口祐康、金剛育子、吉岡征四郎、佐古和枝の各委員と読売テレビからは、土井会長、髙田社長以下11名。
5.審議内容 別掲の通り
6.審議会の意見に対して取った措置
特記事項なし(議事録は関係部署に配布)
7.審議会の答申・意見の公表
●11月22日(木)付け読売新聞夕刊に議事の概要を掲載。
●12月8日(土)午前4時59分から放送の「声~あなたと読売テレビ~」の中で議事の内容を放送。
●本社コンプライアンス推進室に閲覧用として議事録を備え置く。
●インターネット読売テレビホームページ「テレビの門・話し合ったもん」で議事録を公表。(http://www.ytv.co.jp)
●社内LANにて全ユーザー(全社員および関連スタッフ)に議事録を配信。
8.配布資料 ●報告概要
●2007年10月に寄せられた視聴者からの意見・苦情
9.送付資料 ●民放連機関誌「月刊民放」
●民放連機関紙「民間放送」

【審議内容】


社側
 おはようございます。皆様お揃いですので、11月の番組審議会を始めさせていただきます。
 まず、委員の方々のご出欠の状況ですけれども、きょうは菊池委員が、ご欠席をされております。それから、私ども読売テレビのほうですが、編成局長の位寄が、民放連の用事で、きょうは欠席をさせていただいております。
 それから番組、きょうご審議いただくのが、東京制作局の番組ですので、東京制作局長の松本が同席をしておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは早速ですが、今回は『秘密のケンミンSHOW』という番組をご審議いただきます。
 前回の審議会で10月の番組改編についてご説明を申し上げまして、その中で新番組の目玉であるということを、ご説明申し上げましたけれども、その始まったばかりの、この『秘密のケンミンSHOW』という番組を、きょうは、ご審議いただきたいと思います。
 10月からスタートしまして、きのうの放送で5回放送いたしました、きょうは、そのうちの第2回目に放送した分をご審議いただきたいと思います。
 それでは担当の東京制作局の武野から、企画意図等について、ご説明を申し上げます。

社側
 よろしくお願いします。ただ今ご説明いただきました『カミングアウトバラエティ 秘密のケンミンSHOW』でございます。この10月11日から放送を開始しまして、昨今のテレビ離れということもあって、新番組のバラエティというのは大体12%を、当面、現場は目標にしてやっていこうとするんですが、ありがたいことに、3周目ぐらいから形になってきて、関西では15.9、17.0、17.0みたいな形で、ここ3週、関東でも13、14、13というふうに順調に推移してきております。
 この番組の意図なんですけれども、司会、みのもんた、久本雅美という、関東のみのもんた、関西の久本雅美という、東日本、西日本を代表した2人が司会をしまして、ここの概要に書いてあります「日本全国、同じ生活をしていると思ったら大間違い。いろんなところで、いろんな日本の生活があるんですよ」というところのギャップを楽しんでいきましょうということで企画しました。
 スペシャル2回、2時間特番というのを2回やりまして、その結果も、そこそこ出たものですから、この秋からレギュラーになったんですが、基本的には、読売テレビで東京制作に勤務して、私は14年になるんですけれども、私自身が経験してきた関東での言葉の経験、それは何というんですか、笑いになったり、戸惑いになったり、いろんなことがあったりするんですけど、勉強になったりすることもあるし、それはもう当然、そばのだしの味の違いもあれば、コンビニで「弁当をぬくめてください」と言ったら、「はあっ?」と言われるみたいなこととか、いろんなことがあって、多分これは大阪の読売テレビでも、大阪という大都会に対して、地方から来られて、大阪で頑張っている制作スタッフであったり、社員であったり、いろいろな人が経験していることであろうと。
 私の父親と母親ですが、父親が大阪で、母親が京都人で、雑煮が、そういえば三ケ日違うかった。二日目だけ違うかったなみたいなことがあったりして、皆さんの生活の中で、どこかで息づいている、その親戚付き合い、結婚しました、何かがありましたといったときに感じる、そういう部分というのを何かまとめて見せていくと、いろんな人が楽しめて、ある意味、楽しめるだけではなく、生活していく上でのプラスになればいいかなみたいなところも、まじめにいうと思ったりしながら、こういう情報番組をしてみようというところが根底にあります。
 バラエティですので、そこをどれぐらい楽しく見せるかというのは、この後のビデオでご覧いただきつつ、ああ、そうだよねと、そういえば自分の知り合いで新潟の人がいたら、こんなことがあったなとか、そんなところが、何か、それぞれの視聴者の皆さんの会社での会話、家族での会話、友人との会話、親戚との会話とかの中に潤滑油となって出ていけばいいかなと、そのような意味合いを持った、家族で楽しんでいただきたい番組でございます。
 この後の番組を見ていただければ分かるんですけど、基本的には「秘密の」と書いていますけど、知っている人は知っているんでしょうけれども、一般的に全国的に誰もが知っているとは言えないであろう、ごちそう、食べ物、ある県だけが食べている、もしくは、ある県の一部だけが食べている、もしくは、ある県の大半の学校だけが持っている学園の習慣。
 ごちそうでいうと福島県の一部では、饅頭を天ぷらにして食べていると、饅頭の天ぷらを、そばに入れて食べたりするというようなことがあって、ちょっと驚くと。あんこ入りのものを天ぷらにして、そばにまで入れるのかと。もしくは食卓の上に乗っていて、それをかじった後、ご飯を食べているおじいちゃんがいたりすると、「これ何がおかしいの」と。
 学園でいうと、長野県は「清掃無言」という習慣があって、掃除している間は一言もしゃべってはいけない。調べてみたら本当に一言もしゃべらない、先生もしゃべらない。それがもう「清掃無言」というのが各教室に張ってあって、これは長野県と富山県というのは教育県なんですけれども、その辺のところで発展していって出てきた習慣ではあるんでしょうけれども、これはこれで驚き、笑いながらも、もしかしたら「これいいシステムだな」とか思う人がいるんであれば、それを取り入れればいいしと、そんなようなことを学校や習慣やコーナーに切り分けてお見せするのがメインの企画でございます。
 それ以外に、後で見ていただいたら分かると思うんですけれども、ちょっと面白い、その県の片隅にあったバス停の名前であるとか、変わったオブジェであるとか、建造物みたいなものを、ちょっと「世界ケンミン遺産」というシャレの言い方にしてありますけれども、ちょっと新しい名所として、ご提案してみようかというコーナーであったり、島国日本ですから、ものすごい数の島があって、島の中だけで成立していることが、驚くようなことがあったりするので、これは準レギュラーのコーナーで、毎週やるわけじゃないんですけれども、この島だけの秘密みたいなものを見せるコーナーがあります。
 それで若者にも見ていただきたいので、連続ドラマと書いていますけど「県の中心で愛を叫ぶ」というのは、例えばスタジオに来ている、例えば愛媛県出身の眞鍋かをりなんかが、ものすごくスタジオでも共感を得るような、彼女のイメージ、経験も踏まえた上で、東京出身の東京人という設定のメインの男の子が、各県の女の人と恋をしようとする物語みたいなものをミニドラマで見せて、その県の若者が、どういうところで遊んでいるかみたいなことを、みんなで楽しんで見てみようとか、本当に老若男女が楽しめるよう幅広くやっております。
 現状のところでは、試行錯誤しながらやっているんですけども、きょう見ていただきまして、また、それのご意見を拝聴して、番組づくりの参考にしたいと思いますので、よろしくお願いします。

社側
 ということでご案内しました2回目の放送分、10月18日の放送分のダイジェストですけれども、ご覧いただきたいと思います。

          <VTR視聴>

社側
 ありがとうございました。それでは委員長、よろしくお願いいたします。

委員長
 どうもありがとうございました。この番組は、いろんな年齢層の人も結構楽しんで、面白く思いながら見ているんじゃないかと思いますね。加えて、知らない間に自分の国の身近にも、いろんな知らなかった、変わったことがいっぱいあるんだということが分かって、大げさに言いますと教育的な意義といいますか、効果もあって、これは非常に企画、狙いがいい番組だと思います。
 私は、そういう意味で、これは近来傑作な番組だというふうに思っているんですが、皆さま方はいかがでしょうか。辛口のご意見も、ご遠慮なく、ご自由にお願いしたいと思いますが、いかがでございますか。

委員
 今、委員長が言われたように大変面白く、また教育的な意味で、いい番組だと思います。大げさな言い方をすると、大体地域とか、国の発展というのは、その文化とか伝統の多様性、これを維持していくというか、それが磨かれていく中で培われてきたというふうに思います。
 近年、ちょっとテレビの悪口を言いますと、テレビの普及で、みんな何か日本全体が均一化してきているという要素があるんではないかとなというふうに思いますけども、例えばルーズソックスを誰かが履くと、みんな中学生がルーズソックスを履くということで、あまり自分たちの自己主張といいますか、自分たちの伝統文化というものを、やや軽んじてきているんじゃないかなと、これが、ある意味では、国の発展の原動力を失わさせているというふうに言えるかと思います。
 そういった意味で、こういう番組をつくっていただいて、各地域々々で、また、それなりの伝統なり、文化なり、言葉なり、そういったものが残っているということを日本人自身が、みんなで再認識するというのはいいことだし、また非常に楽しめる番組であるというふうに思います。そういった意味で、これからも出来るだけ長寿番組として、いろいろと掘り出していっていただきたいというふうに思います。
 ただ、そこで気をつけなければいかんのは、だんだん、だんだんネタがなくなってくると、やや1000人のうち、1人か2人しかやってないようなことでも、いかにもそうであるようにしがちではないのかなと、これは危惧かもしれませんけど、そういった意味で、今はやりの捏造といいますか、そういったことにならないように、出来れば、なぜそういった風習が出てきたかというふうな裏。さっきの富山県民なんかの話は、ある意味では裏がとれていますけども、きょうは出てきませんでしたけど、せんべいを天ぷらにするというのは、おそらく、その地域でたんぱく質が足りなかったから、何か、そんな知恵を働かせたんじゃないかなというふうな、その裏といいますか、根拠があるんじゃないかなというふうに思いますんで、ちょっと出来れば、その辺も検証しながら、やっていっていただくということが、非常に少ないものを、いかにも、その地域の習慣のように受け取れる番組にならないというためには必要じゃないかなというふうに思いますんで、ぜひ、この番組は続けていっていただきたいというふうに思います。

委員
 お2人が非常におほめになりましたので、ちょっと言いにくくなりましたけれども、前半は私も非常にいいなと思って見させていただいていました。中あたりで、ちょっとダレてきたかなと、一番最後は、ちょっとこれは、そこまでストーリーをいじくる必要があるのかなというふうな気もいたしました。
 しかし、全般的に見まして、私もバラエティ番組の悪口は、もう散々言ってきましたので、もう、これ以上、申し上げませんけども、バラエティ番組でも内容がよければ、やはり見られるものだなという感じがして拝見しておりました。
 やはり知的好奇心を満足させるようなバラエティ番組ではなかったか、そういう点では、やはりお2人の先生がおっしゃったように、バラエティとしては非常にいい番組であるというふうな気がいたしました。
 ただ、ここの、私ちょっと、きょう早く来ましたんで、この視聴者から来ている意見・苦情等を見ておりましたら、「特定の県民性や文化をバカにしすぎている」というふうな投書が来ているというの、これはどういうことかなと。
 バラエティのものの言い方は、大体バカにしたような言い方も多いんで、それを、私も、たくさんバラエティを見させていただいて慣れてしまったのか、そういう感じはあんまりいたしませんでしたけれども、その内容の面白さにひかれて、このバラエティというのを、たまに見た人は、やっぱりそういう感じがするかもしれんなと思いました。全般的に見て私は、この番組は今回は楽しく見させていただきました。
 ただ、一部しかやっていないことを、その県の代表選手であるように言うのはよくないという話がありました。それから、その県だけしかやってないように言われても、ほかでもやっていることがあるという、最初、制作者がおっしゃいました饅頭の天ぷらですか、どこのあれなんですかね。

社側
 福島県でした。

委員
大阪の非常に有名な1、2を争うような天ぷら屋さんは、最後に饅頭の天ぷらを出すんですけどね。
 ひょっとすると、その大阪の天ぷら屋さんは、そこのご出身かもしれませんね。いろいろお調べになって、やっていただければ面白いと思います。ありがとうございます。

委員長
 その地域の人にとっては、バカにされたとか、笑いものにされたというような、そういう気持ちになる可能性もあるかもわかりませんね。

委員
 そうですね。

委員長
 だから視聴者が笑うのはいいんですけれども、司会者はやっぱり、ちょっと注意しないといけませんですね。
 委員、いかがでございましょうか。

委員
 全体的な印象としては、何か今までのバラエティ番組の中に、今までイメージといいますか、そういう今まで、ずっとドタバタが多かったり、あまり内容的にも見る気のしないようなのが、ちょっと多かったような気がするんですが、今回は、そういうバラエティのイメージを払拭するというか、ちょっと面白いなと思って拝見するところが多かったんです。
 やはり先ほど皆さん、おっしゃったように、県民ということで、日本のいろいろ都道府県の各地方に注目した番組というのは、あまり今まで例がなかったかなと思いまして、地方の時代とか言われながらも、どうしても東京一極集中が、なかなか、その傾向がやまない時代で、テレビで、こういうふうに取り上げてもらうと、こういう県は、こういう面白いところがあるのかと、非常に各地域の特色ですとか、非常に興味がわいて、そういう意味では、何か地方の時代というのを非常に後押しするような番組で、ちょっと面白かったなと思っております。
 それで司会者の2人の人も個性的で、あまり嫌味がなくて楽しく見られますし、そういう意味でも、ただ各コーナーで、やっぱりそれぞれ特色がありますので、バラエティ番組というのは、ずうっと見ているというよりは、自分の興味のあるところだけ、ちょっとつまみ食いみたいなことが多いですので、その意味では自分の興味のあるところを見て楽しめればいいのかなという、それぞれの、そんな興味のあるところを見て、そういう楽しみ方でいいのかなと思います。そういう感想を持ちました。

委員
 私も楽しく見せていただいて、実は毎週見て、ファンになっているんです。きのうも見ましたけど、好奇心ですかね、この狭い日本でも、いろんなことをやっているというのが、すごく面白くて、特に食べ物とか、私は方言なんていうのも、すごく興味ありまして、本当に通じなくなっちゃった地方もあるし、島の人同士でしゃべっていたら全然通じない。これは英語より難しいわと思ったこともあるし、それからお酒なんかでも、4、50年前に鹿児島に行ったときに、結婚式に呼ばれたんですが、当然、日本酒だと思ったら焼酎であって、全部焼酎、日本酒探しても、どこも出てこなかった。三々九度も焼酎でやるのかしらと、聞きそびれたんですけどね。
 それほど、やっぱり今はもう焼酎は、そこら中に出ましたけど、当時は驚いたんですけど、そういうのが、すごく興味があって、この番組すごく楽しみに見ているんですけど。
 先ほども、おっしゃいましたが、みのもんたさんと、久本さんが非常に間合いがよくて、トークをパパッとうまく笑いを取るようなことをポンポンやられるので、ずうっと、それ好感を持って見ていて、5、6回見てますけど、彼女は非常にいい人材というか、本当に面白いことを、ちょこちょこと言うので、タイムリーなコメントが出るのがすごく好きで、もともと私は、あの方は好きでしたけど、そんな関係でも見ているんです。
 ちょっと途中のほうで本当にダレてきて、何か「ケンミン遺産」と、それから「ヒミツの美人ママ」のところ、あのあたりになったら、しんどくなってきて、大体ワンパターンになっていますから、みのさんに、えらいご機嫌とりの時間をあげていらっしゃるなと、そんなことまで勘ぐってしまって見ているものですから「ちょっとねえ」という感じが、ちょこっとしているんですが、ネタ切れにならないように、これいろんな、やっぱり結構、お金もかかっていると思いますね。ロケに行ったりしているんで、もう種切れになってしまって、それこそ、ヤラセをやったり、つくり上げてしまったりしないように、本当に現地の声を聞いたり、いろいろな情報をいっぱい集めて、面白そうなものを、どんどん探してきていただいて、楽しみにしておりますので、よろしくお願いいたします。

委員
 私も、とても楽しく見させていただきました。古代史をやっているときに、日本は地域の個性がとても豊かなんだということをしゃべるんですけども、今でもすごく豊かなのに、ここまで何か、いろんな地域の個性というのが残っているというのは、本当に新たな発見もいろいろあったし、そういう意味でも非常に面白かったです。
 それをバラエティという形で、軽く、気楽に笑いながら見せていただけるということで、すごくよかったんですけども、だんだん軽さに疲れてくるというか、やっぱり途中から、ちょっとしんどくなって、ドラマ仕立てのあたりから「美人ママ」とかいうのは、仕事じゃなかったらチャンネル変えていたかなという気がしました。
 だから、せっかく、こんなに楽しい雰囲気で、いっぱい、いろんな情報を発信していただいて、すごく興味を持てる内容なんだから、どこかワンポイントでもいいから、ちょっと重みのあるコーナーを、おつくりになって、例えば、仏壇の話でも、先ほど委員もおっしゃったように、その歴史的な背景をちょっと探ってみるとか、横の広がりを探ってみるとか、どこか1か所でも、そういう落ち着いて静かに見られる時間があると、何か全体のイメージも違ってくるのかなと、ここで雰囲気も、流れも、気分も変わって、また、ほかの部分も楽しく見られるのかなという気がしました。
 それと私は、今回ビデオを送っていただいて、初めて番組を拝見しました。こんなに楽しい番組なのに知らなかったなというのは、何か損した気がしたんですけど、私は番組表を見て、見たい番組はつけるんです。番組表で、このタイトルだけ見たら、見ようという気がしなかったかなという、こんなことを今さら言っても、しょうがないことなんでしょうけども、「カミングアウト」というと、何か同性愛の方が告白するとか、あるいは自分の国籍を隠していた方が告白されるというときに、よく使われる言葉ですよね。
 そこに「秘密」というものがくっついてくると「何なんだろう、この番組は」と。それで「ケンミン」がカタカナだから「あれ、何か薬局、薬の話かな」とか、多分このタイトルだけ見たら、何だか見ようかなと思わなかったのかなという気がしました。中身はすごく良質で楽しい番組だから、何かこのタイトルで、ちょっと残念だったかなと、ちょっと思いました。

委員
 楽しんで見せていただきました。それで先ほどから皆さん言われているのと同じようなんですけど、後半ちょっと、ダレてくるんですね。何でかというと、やっぱり小鉢物というのか、小ネタが多過ぎるんです。あまりにも、ああやこうやという形で、これ、もう少し県民性を、例えば、北と南とかで、じっくりと、その中で人間性とか、食べ物とか、見せていただけたらいいのかなと。
 じゃあメーンディッシュは何やねんというときに、ああ楽しかったなという形だけで終わってしまうのと、やはり先ほど言われたみたいに、お母さんが京都で、お父さんが、私のところも父は大阪で、母が京都で、やっぱりお雑煮は2種類ありました。これが嫁いだときに、その嫁ぎ先の母が香川の方で、31日にお餅つきをして、あんこをつくる。何やと思っていたら、1日の日にあんこ入りのお雑煮なんです。これは「香川の人は全部そうだ」といわれて、お正月が来るのが、すごい怖くて、必ず二つ、三つ食べろと言われると。これを後で、いろんな方に聞くと、やっぱり香川は全員があんこのお餅入りやという、こういうような違いとか、それからお祭りのお寿司とかも全部違うと。
 じゃあ、あまり、あっちこっち飛ばないで、もう少し集中的に見せることによって、頭の中に残るような形での、せいぜい二つとか、三つを対比して見せていただけたらいいかと思ったんです。
 それと、せっかく楽しい、こういう県民性のバラエティ番組をつくられたときに、ひな壇みたいに並んでいる、あれが「ああ、また、この手か」と、ちょっと考えていただけたらよかったかなと、非常に面白いし、新しい企画でよかったと思ったんです。
 それと先ほど言われたみたいに「カミングアウト」という言葉が、性同一障害とか、そういう人たちの言葉で日本が勝手に動いていると、これ辞書で調べてみましたら、いろんな意味があると。例えば、イギリスなんかの場合には、社交界にデビューするというのもカミングアウトと、でも、やはり日本の場合には、ちょっとマイナーなイメージがあったので、このバラエティでカミングアウトということは、ちょっと損かなと思いました。
 それと、ここに載ってある「バカにしている」ということは、司会者とか、ナレーションとか、そういう方たちの、ちょっとしたアクションとか、リアクションが偏りすぎているのでかなと思ったんですけれども、やはり中立であるべきやないかなと思いましたけれども、県民性ということを考えたときに、やはり幕末の薩長じゃないけれども、それぞれの有名人が坂本竜馬とかが出ているところに、ちょっと人間性的なものを、この番組に入れていただいたら、もう少し重みが出てくるんじゃないかと、それが一つの薄っぺらい部分で流れていっている部分の中で、重みを持っていただいたら、これから、もっと楽しんで見せていただけるんじゃないかと思いました。
 もうちょっとだけ重みをつけていただけたらと私は感想として述べさせていただきました。

委員
 私も見させていただいて、非常に印象としては意欲的というか、「攻めている番組やな」という印象がありまして、皆さん言われたように、ものすごい情報量が詰まっていると思うんです。あの情報量で多分つくろうと思ったら3、4本つくれるのを1本にギューッと押し込めている、多分意識して、そうされていると思うんですけども、それを非常に感じました。
 それは、ある意味では、私もちょっと年齢のせいかもわかりませんけど、途中でちょっとしんどくなるというのも、多分そこに原因があるだろうし、ただ、これは見る年齢層とかもあると思うんで、それが、今の若い人には、ちょうどいいテンポなのかもわかりませんし、その辺のところは、いろいろあるかと思いますけど、非常に勢いというか、攻めているなと。
 やっぱり新しい番組として、他の番組に殴り込みに行っているというたら言葉は悪いですけれども、そういうことで攻めていっているのかなと。
 確かに、皆さん言われるように、僕も、もうちょっと、どこかでテンポを落とすとか、もうちょっと、ここを突っ込んでほしいなとか、そういうのはありますけど、それは徐々に、最初から多分成熟された番組というのは、なかなかできないと思いますんで、だんだん、そういう形で目指されるんだろうなということで、今後を期待したいというふうに思います。

委員
 バラエティ番組ということでは、以前から何といいましょうか、偏見というか、先入観があったわけですけども、今回、虚心坦懐な気持ちで、これを見させていただきましたら「案外捨てたものではない」というか、「なかなかいいじゃないか」と、そういう印象を持った次第であります。
 最近、特に地方と都市の格差とか、あるいは日本のいろんな場所で、村おこしとか、町おこしとか、いろいろされていますが、そういった状況で、日本各地の風俗とか、習慣とか、食べ物とか、それも特に、よくみんなが知っているメジャーなものじゃなくて、非常にローカルなマイナーなもので、特にそこにこだわりを持って着眼されたというのが非常に面白いんじゃないかなというふうに思います。
 どういう題材を取り上げるかというのが、一つの大きなポイントになってくるんでしょうけど、非常に率直に言って、ザーッと全部見た感じで言いますと、取り上げられたテーマは、やや玉石混淆というふうな感じもしないでもありませんでした。
 ただ、見るほうも、いろんな人が見ているわけですから、すべて打率10割というのは難しいでしょうし、まあ仕方がないんでしょう、こんなもんかなという面もあります。
 掘り下げ方について、何人かの方が意見をおっしゃいました。確かに、そういうものはあったんですけども、おそらく、これは出来るだけ、あんまり難しい詮索は、ほどほどにしておいて、出来るだけ気軽に楽しもうというようなトーンでおつくりになった番組かなと、そういう受け止めをしています。
 視聴者からのちょっときつい反応があったようですけども、多分、表現とか、いろいろな問題もあるんでしょうけど、ポイントは多分、この取り上げた素材とか、内容についてのシンパシーといいますか、つくる側のシンパシー、あるいは共感といいますか、そういったものが感じられれば、そういった方向には行かないんじゃないかなというふうに思います。
 一日仕事が終わりまして、ちょっと気分転換に肩の凝らないテレビでも見てみようかという向きには、手ごろな番組ではないかというふうに思いました。結構、幅の広い層で楽しめる番組ではないかなというふうに思いました。以上であります。

委員長
 ありがとうございました。ほかに、あと追加とか、補足のご意見はございませんですか。
 私も、委員がおっしゃったのかな、「全国美人ママ」というコーナーは、一番面白くなかったですね。これは婦人層、女性の視聴者にとっては、バーやクラブの美人ママなんというのは、もう本能的に拒絶感がありますし、男のほうは「俺だったら、もっと別嬪のママいくらでも知っている」と、ほとんどの者が思いますからね。もう本当、美人ママというぐらいだったら、全国のとんでもない肝っ玉母さんなんというのを、そんなのが、よっぽど面白いと思いますね。
委員も、これは非常に意義もあるし、この番組は、続けられることを望みたいとおっしゃいましたが、私も、そういう気がしますが、そのうち日本中、全部、探し尽くして、面白いネタがなくなったときには、例えば対象を国外にも広げて、それで世界各地の変わったものというと、これまた限りなくあって、かつ笑いものにするとか、バカにするという、そういうことになったらいけませんけれども、やっぱり国際化の時代に、それはそれで大変教育的意義があると思うんですよ。
 前にも、この番組審議会で委員がおっしゃったんですけれども、例えば、白いバラなんていうのは、中国ではお葬式のときに使うもんだし、お客さんの靴を向こうへ向けて揃えるというのは、韓国では帰ってくれというサインだということですしね。
 それからアメリカなんかでお家に呼ばれて、奥さんの最後のご自慢のデザートのケーキなんかを食べる余力は残しておかないといけないというのは聞いていましたけども、遅くまで話し込んでいて、奥さんが「コーヒーおかわりいかがですか」と聞かれたら、なるべく、お菓子も全部食べないといかんと、「コーヒーどうですか」と言われたら「お願いします」と言わなきゃいけないと思っているのは、やっぱり逆で、「コーヒーのおかわりいかがですか」というのは「もうボツボツお開きにしましょうか」というサインなんです。
 知らないと「いただきます」というと本当はコーヒーがなかったりして迷惑をかけるんで、そういう意味もあって、これは決して要望とか、提案じゃないんですけれども、そういうことを考えれば、国外まで考えると、いろんな面白い話はたくさんあって、この番組は20年でも、30年でも続く可能性もあるんじゃないかと思いましたですね。
 そちらのほうから何か、我々の意見を聞いて、ございますか、よろしゅうございますか。

社側
 ありがとうございます。言いわけというわけではないんですけれども、この1回目、2回目の資料の流れでいうと、視聴者からのご指摘の声が11月11日の28件から25日から12件というふうになっているので分かっていただけると思うんですけど減らしてきております。
 基本的に1回目の放送とかで、ここのスタジオのこの流れのポイントかなと、気になるところがあったので、そのあたりは現場に指摘して、編集のほうで対応していっていますし、MCのほうとも、話をしておりますので、多分、今後、放送を見ていただいて、そのようなところは非常に強く出るという展開は、もう皆無に等しいという状況で、今番組は進めておりますということは一つあります。
 それと、あと部分的なことというのは、先ほどのかき氷の杉の葉のところも、山之辺町名物というふうに書いておりましたけど、基本的に、その辺のテロップの処理とか、ナレーションのフォローでいうと、番組のカラーとして「愛知県民は」とか言っていますけど、何々町に住む愛知県民は、これをするらしいとかいうこととか、その辺の細やかなところも全部対応するように今しておりますので、その捏造とか、その辺のところをバカにしたりとか、そういうことに関しては、実はもうやっておりますので、オンエアを見ていただきたいなと思います。
 それと非常にアップテンポの番組だったのは、ご指摘いただいたとおり、ちょっと番組スタートということで、あえてやっているところがありまして、ちょっとこの3週後ぐらいに、初めて2時間スペシャルみたいなことを平場でやるんですけど、そこでは、ご提案いただいたのと、ちょっと地方サミットみたいな形の第1回ということで、東北県民6人で、東北人のイメージを、いろんな地域から聞いたものを、どう受け止めるか、ちょっとトークしましょう、みのさんと久本さんとみたいな、そのようなコーナーも設けたり、実は1月以降に向けても、ちょっとVTRじゃないコーナーも、うまく展開していけたらなということでやっていきますので、応援いただきたいと思います。よろしくお願いします。

委員長
 それじゃ。

社側
 ありがとうございました。それでは10月に視聴者からいただきました声についてご紹介をいたします。
 1番は10月2日にジャイアンツが優勝した日なんですが、テレビ放送がなかったということについて、151件の抗議といいますか、ご要望をいただきました。
 先月の、この会議でもご紹介しましたが、『情報ライブ ミヤネ屋』という番組が、大阪以外の全国の局に流れるようになりまして、どうしても、関西色が強いので違和感があるというような、当然といえば当然ですが、そういう声が届いております。
 それから、今まさにあった『ケンミンSHOW』についても、ご覧いただいたような声が来ておりまして、やっぱり大きく分けると2点ありまして、一つは、「何とか県の」と言っているけれども、私も、そこの県民だけど、それはないよというようなのが、そのネタごとに、長崎県はこうだというと長崎の人から、富山ではこうだというと富山の人からみたいなことで、どうしても来ます。
 その中で特に多いのは、やはり一つの県でも、多分おそらく昔の藩だとか、それから地形の問題なんでしょうけども、一つの県でも何地区かに、やっぱり分かれるんでしょうね。だから県西部では、そうだろうけど、うちのほうでは違うとかみたいな、そういうお声が必ず何件か来るという、これはもう、ちょっとしょうがないんだろうなと、あまねく、その県で必ず行われていることだけというわけには、それはいかないでしょうから、そこは、さっきあったようなフォローをしていくという形でいかないと仕方がないんだろうなということと。
 もう一つは、取り上げられたことで、スタジオで笑い声があったりすることに対して、バカにされているというような受け取り方をする方が、ご意見を寄せて来られるということもあります。その辺は、だから演出の問題で解決をしていっていただけるのかなというふうに思っております。
 ただ、正直なご意見、こんなことが来ております。とりわけ大阪が毎回出てきて、結構、大阪というのは、何か笑いものにされているようなので、大阪の方からも結構、来ております。
 それから最後に、また付けておきましたけれども、私たちの番組という意味ではありませんけれども、亀田選手にまつわる報道について、こんなようなご意見が、たくさん寄せられております。
 そんなこんなで、先月は8400件という大体平均5~6000なんですけれども、少し多めの件数のお声をいただきました。これに関しては以上でございます。
 それから、もう一つ、きょう皆さま方のお手元の資料に、BPOからの見解というものを2枚ものの紙をお渡ししていると思いますが、この見解について、ちょっと私どものコンプライアンス推進室長の森岡からご説明をさせていただきます。

社側
 お配りしている資料でございますが、放送倫理番組向上機構、BPOと略称しておりますけれども、民放各社とNHKでつくっている組織でございます。
 その中に「放送と青少年に関する委員会」というのがございまして、その委員会が、先般、お手元にございますような見解を出しました。これは「『出演者の心身に加えられる暴力に』関する見解」ということで、実はバラエティ番組の暴力、それとか性的な表現に関して、7年前なんですが、2000年の11月に一度、見解を出しております。ところが、まだなお十分な改善が見られないということで、改めて今回、この見解を出したと、こういう経過がございます。
 見解の前文の中にございますように、制作者側のその後の対応を検討するということで、注視した上で、また何らかの見解を出すものというふうに思われます。
 罰ゲームに関しましては、7年前に見解が出されたときには、具体的な番組が実は取り上げられておりまして、言及された番組に関しては、そのコーナーを取りやめたというふうな経緯がございました。これに関しては、加盟各社に対して、こういう見解が出されて、改めて慎重な取り組みを求めたということでございます。
 これに関して、番組審議会のほうにも、ちゃんと報告をしてほしいということの要請がございましたので、この場で報告をさせていただいた次第でございます。

社側
 ということで、私どもも、この見解を受けた側ですので、番組を点検して、こういうことがないように努めていきたいと思っております。
 では、きょうの審議会は、これで終了させていただきます。
 次回ですが、12月14日の金曜日、今年最後の会議でございますので、恒例に従いまして、この場所ではなくて、帝国ホテルに場所を移させていただいて、夕刻の開催ということにさせていただきます。細かい時間等については、追ってご連絡をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

以上

  • 平成19年度読売テレビ番組審議会委員
  • 委員長    熊谷信昭   兵庫県立大学名誉学長、大阪大学名誉教授
  • 副委員長    馬淵かの子   兵庫県水泳連盟   顧問   元オリンピック日本代表
  • 副委員長    川島康生   国立循環器病研究センター   名誉総長
  • 委員    秋山喜久   関西電力株式会社  顧問
  • 委員    金剛育子   能楽「金剛流」宗家夫人
  • 委員    林  千代   脚本家
  • 委員    阪口祐康   弁護士
  • 委員    佐古和枝   関西外国語大学教授
  • 委員    北前雅人   大阪ガス株式会社   代表取締役副社長執行役員
  • 委員    谷  高志   読売新聞大阪本社   専務取締役編集担当