第479回 番組審議会議事録

1.開催年月日
平成19年2月9日(金)
2.開催場所 読売テレビ役員会議室
3.委員の出席 委員総数 10名
出席委員数 8名
出席委員の氏名 熊谷信昭、金剛育子、林 千代、馬淵かの子、阪口祐康、佐古和枝、川島康生、河内鏡太郎
欠席者の氏名 秋山喜久、 吉岡征四郎
会社側出席者 ・髙田孝治 (代表取締役社長)
・丸山和男 (代表取締役専務)
 編成・コンテンツ・制作スポーツ・東京制作・ 報道担当
・越智常雄 (専務取締役)
 内部統制・コンプライアンス・総務・労務・事業担当
・吉野俊太郎(取締役報道局長)
・久保哲郎 (執行役員コンプライアンス推進室長)
・位寄雅雄 (執行役員編成局長)
・村上博保 (執行役員制作スポーツ局長)
・綿谷 登 (制作スポーツ局エグゼクテイブプロデューサー)
・松下泰紀 (コンプライアンス推進室視聴者センター部長)
事務局 新谷 弘 (コンプライアンス推進室次長兼番組審議会事務局長)
菱田千佳 (コンプライアンス推進室番組審議会事務局)
森本泰輔 (コンプライアンス推進室考査著作権部兼法務コンプライアンス部)
4.審議の概要 番組視聴
「情報ライブ  ミヤネ屋」
放送日時 毎週月~金 午後3時50分~5時50分 生放送
視聴日 平成19年1月17日(水)
放送エリア 関西ローカル
 2月度の番組審議会は2月9日(金)に、読売テレビ本社で開催された。
 審議会では、毎週月曜日から金曜日の午後3時50分から放送している「情報ライブ ミヤネ屋」を視聴し合評が行われた。
 委員からは「色々な工夫がなされていて、この時間帯の他局の番組と比べても新鮮な感じがしてよかった」、また当日の阪神大震災12年の特集についても「身近な問題としてとらえていてよかった」といった意見があいついだ。
 しかし、「コメンテイターの人選に違和感を覚える」といった声や、「ニュースのターゲットとして視聴者を軽く見ている感じがする」といった指摘もあった。
 このあと、昨年12月と今年1月の二か月間に読売テレビに寄せられた視聴者からの意見や抗議、苦情などについて概要を報告した。
 出席は、熊谷信昭、川島康生、馬淵かの子、金剛育子、阪口祐康、林千代、佐古和枝、河内鏡太郎の各委員と読売テレビからは、髙田社長以下10名。
5.審議内容 別掲の通り
6.審議会の意見に対して取った措置
特記事項なし(議事録は関係部署に配布
7.審議会の答申・意見の公表
●2月22日(木)付け読売新聞夕刊に議事の概要を掲載。
●3月10日(土)午前5時14分から放送の「声~あなたとよみうりテレビ~」の中で議事の内容を放送。
●本社コンプライアンス推進室に閲覧用として議事録を備え置く。
●インターネット読売テレビホームページ「テレビの門・話し合ったもん」で議事録を公表。(http://www.ytv.co.jp)
●社内LANにて全ユーザー(全社員および関連スタッフ)に議事録を配信。
8.配布資料 ●視聴番組 概要
●2006年12月2007年1月に寄せられた視聴者からの意見・苦情
9.送付資料 ●民放連機関誌「月刊民放」
●民放連機関紙「民間放送」

【審議内容】

社側
 おはようございます。2か月ぶりになりますが、今年もよろしくお願いいたします。
 まず、きょうのご出席の確認ですが、委員の先生方は、きょうは秋山委員と吉岡委員がご欠席になっていらっしゃいます。それから、私ども読売テレビのほうですが、会長の土井が所用のため欠席をさせていただいております。よろしくご了承ください。
 きょうは『ミヤネ屋』という番組をご審議いただく予定なんですが、それに先立ちまして、ご承知かと思いますが、関西テレビの番組で、非常に重大な問題が起こっておりまして、他局の問題とはいえ、民放全体の問題でもありますので、社長から、少し経過についてご説明をさせていただきたいと思います。社長、よろしくお願いいたします。

社側
 テレビ、新聞などで皆さんご承知だと思いますけれども、1月7日の関西テレビの番組、『あるある大事典II』で、「納豆でダイエットができる」という内容の放送がございました。
 ところが、この放送で、外国の学者のインタビューが改ざんをされましたり、あるいは、ありもしない実験データが使われたと、いわゆる捏造を指摘をされております。
 関西テレビでは、現在、社内に調査委員会をつくって事実調査を行っておりまして、3月には結果が公表されると聞いておりますが、事実とすれば、放送の歴史の中でも前代未聞ということになるんではないかと思います。
 日本民間放送連盟でも、事態を極めて深刻に受け止めまして、緊急の委員会をもちまして、事実関係の把握と再発防止のための方策を探っているところでございます。
 また総務省でも、東京、大阪、名古屋の主要な民放15社につきまして、番組内容のチェック体制などについての聞き取り調査を始めておりまして、私ども読売テレビも、昨日、近畿総合通信局でヒヤリングに応じたところでございます。
 もちろん読売テレビでは同様の問題はないと思っていますが、問題が明らかになりました直後に、私から全社に対して、そういうような事例がないかどうか、総点検を命じまして、今、点検をしているところでございます。
 きのうの近総通には、丸山専務以下、担当局長がヒヤリングに応じたわけでございますけれども、読売テレビも外部の制作会社に番組制作を委託しているケースもございます。そういうことで、類似の事例があるのかないのかということで、近総通のほうでも、そういう点を中心に、おそらくヒヤリングをされたのではないかと思います。ただ私どもの場合には、番組を委託する場合には、担当のプロデューサーだけではなくて、ディレクターも企画段階から立ち会っていると聞いております。それから、その担当の制作局以外にも、全社のあらゆるセクションで考査コンプライアンス責任者を置いて、全社的に、そういうような番組が出ないようにチェックをする体制をつくっております。
 ただ、いくらそういう体制をつくっても、やはり担当のプロデューサーなり、ディレクターなり、あるいは担当の局長なりの判断ミスというものは当然あるわけでございまして、そういう判断ミスが起きないように、全社向けの研修会を行いまして、この問題を取り上げて、改めて全社員に注意を喚起しているところでございます。
 そういうわけで、私どもも、よその局の問題と受け止めず、こういう問題が起きないように取り組んでおりますが、委員の方々にも、読売テレビの番組、こういう点が、おかしいということがございましたら、どしどしご意見をお聞かせいただきたいというふうに思っております。
 また、これからいろいろと事態の進展がございましたら、その都度、ご報告をさせていただきたいと思います。どうぞ、ご理解をお願いしたいと思います。

社側
 今の話にもありましたように、3月に関西テレビが調査結果を発表されるという話ですので、それを見て、また、いろいろなことが出てくるのかと思いますので、その都度、この場でご報告できることはしていきたいというふうに思っております。よろしくお願いいたします。
 それでは、きょうの審議ですが、昨年の夏から始めました夕方の情報報道番組『情報ライブ ミヤネ屋』という番組についてご審議をいただきたいと思います。担当のプロデューサー・綿谷が参っておりますので、まず番組の内容につきましてご説明をさせていただきます。

社側
 綿谷でございます。よろしくお願いします。『情報ライブ ミヤネ屋』という番組でございますが、放送は毎週の月曜から金曜日、午後3時50分から5時50分の生放送でお送りしております。放送地区としましては、関西ローカルでやっております。
 番組スタートは、昨年の7月31日を第1回目でスタートしました。番組をつくっておりますスタッフの体制ですが、プロデューサーが私をはじめ、菱田という制作スポーツ局のプロデューサー、それと報道局から若山というプロデューサーが出て、スタッフ共々につくっております。
 制作と報道がコラボレーションした番組という形でスタートしまして、情報としましては、生活情報、政治経済、事件等々の社会性に富んだニュースを主に扱っている番組です。
 司会としましては、元朝日放送のアナウンサーの宮根誠司さん、フリーになられて約4年になりますけれども、この方と私ども読売テレビのアナウンサー、ほぼ全員が出ておる形になりますが、彼のパートナーとして、毎日、各コーナーのリポート及び彼の横で番組の進行をしております。
 あとパネリストとしまして、市井の方々といいますか、一般の視聴者の方々の目線でコメントをいただくということで、芸能人としては秋野暢子さん、近藤サトさん、大竹まことさんと松尾貴史さんをはじめ、いろんな方に出ていただいております。この方々は週代わりという形で各曜日に、ほぼ出ていただいているという形です。
 あと専門家の声としまして、元日銀ご出身の池田健三郎さん、この方は経済ジャーナリストですけれども、あと原田武夫さん、外務省北東アジアの担当であった方であるとか、教育で造詣の深い原田隆史さん等々にもおいでいただいております。あと大宅映子さんとか、各番組でも有名な方々にもコメントをいただいております。
 この番組の中で、一つ核となりますのはニュースなんですけれども、前半が主に、その日のニュース、気になるニュースというのを中心に展開しておりまして、5時台には日本テレビの『リアルタイム』という番組を取り込みながら、読売テレビの報道部と連携しながらつくっております。
 5時台以降は芸能コーナーを含めまして、各曜日の企画です。主に衣食住にかかる生活情報などを中心にお送りするコーナーを毎日つくっているという形です。
 きょうご討議いただきます番組ですが、1月17日に放送しました阪神大震災12年目という形で特集しました番組をご覧いただきます。それではよろしくお願いします。

社側
 ということで早速ですが、20分のダイジェスト版を用意しておりますのでご覧いただきたいと思います。

<VTR視聴>

社側
 この番組を放送しております夕方の時間帯といいますと、各社とも、いわゆるローカル番組を編成している時間でして、はじめに説明にもありましたように、3時50分から5時50分ということですから、1日2時間、1週間で10時間という大変な面積を持っている番組です。
 長さも2時間ということで、いろんな企画が盛りだくさんなんですが、夜の時間とは、また違う意味で、いわゆる民放各局が激戦をしている時間帯でございます。
 それでは委員長、よろしくお願いいたします。

委員長
 最初に、この番組のタイトルの『ミヤネ屋』というのは、どう言うわけなんですか。ミヤネというのは、この司会進行するアナウンサーの宮根さんの名前を取ってつけているわけ。

社側
 はい。

委員長
 それに、このお店みたいな屋がついているのは、どういうつもりでつけたんですか。

社側
 番組スタートのとき、司会というのが一つの顔になりますので、宮根誠司という今はタレントさんなんですけれども、非常に視聴者の特に女性、40代、50代以上の女性に支持されている方だということがありまして、彼自身の目を通して、世の中を見ていきましょうということと、彼自身の目イコール一般の方々の我々が気になるニュース等を、この番組は扱っていきますよという意味で、親しみをこめまして『ミヤネ屋』という、屋号の屋は、お堅い情報番組というよりも、分かりやすい情報番組、自分たちが伝えたい、また逆に皆さんにお伝えしたい番組をお店のごとく最前列に並べていきましょうと、毎日いつも並べるものは変わりますよというような意味合いを込めまして、つけさせていただきました。

委員長
 いや、そんな有名なアナウンサーと、私はもう全く聞いたこともない名前だったんですが、そうすると、この番組の内容も、宮根アナウンサーが主体となってつくっている内容なんですか、アナウンサーとして司会進行をやっているだけなんですか、宮根という人の目を通した番組なんですか。

社側
 宮根誠司氏も、単なるお飾りの司会者という形ではなく、我々番組のスタッフと一緒に、毎日、番組が終わってからも反省会議にも出ていますし、次の日の打ち合わせも出ていると。当日、台本をポンと渡されて原稿を読み上げているという形ではなく、本当にスタッフと一緒にやっています。もちろん、うちの読売テレビのアナウンサーも、がっちり彼と彼の脇を固めまして番組を進めているという形をとっています。

委員長
 ウィークデーの午後の3時50分から5時50分というと、お互い仕事を持っている者にとりましては、ほとんど見る機会のない時間帯なんですけども、事前にビデオをお送りいただいたりして拝見していますし、中にはご覧になって、しかし毎日見ておられる方はおられないかと思うんですけども、ご意見とか、ご感想を承りたいと思いますが、いかがでしょうか、委員何か、ご意見ありますか。

委員
 私も普段はちょっとこの時間帯、なかなか見ることがなくて、ただビデオは今回はダイジェストですけど、もっと長いのを送っていただいたので拝見していまして、時間帯は、主婦の方が対象と思うんで、芸能とか、そういうのもとりまぜながらのニュースとか、そういう内容になるというのはわかるんですけど、今回、阪神・淡路大震災から12年目ということで、その特集を組まれて、それがすごく核になっていると思います。
 この12年ということで、各局でいろいろな特集が組まれて、震災のことをやっておられましたけど、この今回のビデオを見せていただいて、やはり地元の視点というか、すごく地元ならではの臨場感といいますか、そういうものが、あって、やはり東京とか、いろんな放送局で、こういう特集を組まれても、何か同じことを言っておられても、ちょっと離れた場所というような、そういう感じが、ちょっと間隔を置いて見たような感じがありますけど、この番組を拝見すると、やはり皆さんが、この時間にどうだったとか、すごく体験談のようなものを盛り込まれて、そういう意味では、この阪神・淡路大震災に関しては非常によかったんではないかなというふうに思います。
 それとまた、やはり近畿は地震の巣であるということで、今後どういうふうに対処しなければいけないかということも非常に細かく放送されていてよかったと思いました。
 ほかの点では、ちょっと私、芸能とかはあまり見ないのであれですが、やはり主婦のこれからの意識というのは、すごく大事だと思いますんで、こういう特集みたいなものに力を入れてやっていただきたいなというふうに思いました。

委員長
 委員、面白かったですか。

委員
 最初に委員長がお尋ねになりましたように、どういうところで、このプランがつくられているかというのは、私も大変関心があったんです。
 といいますのは、私、何度か、この審議会でも言わせていただきましたですけども、メディアの方というのは、どうもやっぱり暗い面を、日本のメディアは暗い面を取り上げたがるということです。
 この番組を見させていただきまして全般に流れるトーンというのは、「神戸は、まだまだ復興しておらん」と「こういうところも足らん、こういうところも足らん」というところを指摘する。そういう基調なんですね。
 本当にそうでしょうかと思うんです。12年の間、あんな立派な住宅が建って、あそこへ皆さん、お住みになっていると。きょうは出てきませんでしたけれども、「家だけつくって何じゃ」ということをおっしゃっています。
 家があったらいいじゃないですか、家をつくるのが第一なんです。それが、こんな素晴らしいものができて、それで「これでよかったな」というんじゃなしに、「こんなのつくっただけで何じゃ」というふうな論調なんです。それが本当にサイレントマジョリティーが感じているところでしょうか。
 家ができておるということの、おそらく「これでいいな、よかったな」ということを言えば、「いや、まだまだじゃ」という批判が多分たくさん出てくるんだと思います。そういうことを考えて、こういうふうなトーンのものをつくられたと思うんですけども、おそらく多くの方は「あんな立派な住宅をつくってもらえたらええな」というふうに思っておられるんではないかと私はそう思います。
 しかも、あれをつくっているのは我々なんです。我々の税金でつくっているんですよ。それで「こんなものつくって何じゃ」と言われたら「何を言うか」と、冗談じゃないよ、そんだけのもんつくって、そしてお年寄りばかり残っていると言うけれども、お年寄りがほかへ住めなかったら、ああいう立派なところへ住まわせてもらうんだと、これは素晴らしいじゃないですか。どうして、そういうふうに「復興がよくできた」というふうな面を取り上げないのかということで、私は非常に残念でしたです。こんなにいいマテリアルを持っておられて、もっと皆さんを鼓舞するような番組はつくれないものかなというふうに思いました。
 これは、しかし、ほかの番組でも全般に流れるトーンであって、メディアというのは、やっぱりどうしても批判というのを恐れられるというか、満足している人は黙っていますのでね。我々は、あれを見て、私たちは、「よかったな」というふうに思いました。それは最初の部分です。
 それから2番目の芸能コーナーは申しわけありませんが、ミヤネ屋さんの名前と一緒で私は全く何のことか分かりませんでしたので、これはもうコメントのしようがありません。お許しください。
 最後のクッキングは大変面白く見させていただきました。私はクッキングはいたしませんけれども、ああいう世の奥さん方が、料理をする方が見られたら本当にいいんじゃないかなというふうに思いました。
 全般に見まして、いわゆるバラエティー番組でドタバタではなしに、落ち着いたトーンでやっているというのは、これはやっぱりよかったと思いますけども、委員長がおっしゃいましたように、ミヤネ屋さんの意思で言っているんでしたら、あれは朝日放送で育った人で、決して私はいい感じは持てないキャラクターではないかなというふうな感じがいたしました。
 今回、1回だけの番組ですから、そんなことは申せないかもしれませんけど、私としては、かなり引っかかった編集であったような気がいたします。

委員長
 最後のお寿司の料理人の先生のものの言い方、あれ気にならなかったですか。

委員
 それはなりました。

委員
 あの人あんなキャラクターの料理人です。いつもあんな感じです。
 私は、木曜日は定休日なので、あの時間帯、家におればミヤネ屋さんをひねっているんです。それでカチャカチャと6チャンネルをやるとか、大体、情報番組やってますよね。私、あの日たまたま地震の日は休みだったので、どこもかしこも地震ばっかりやっているわと思いながら、ほかの局を見ていたんです。そうすると、後からまた、このビデオを送っていただいて、ほかの局と比べると、はるかにこっちの番組のほうがよかったと思います。
 私たちの目線で、私も震災に遭ってますし、神戸の人が、どんな苦しんでいるかいうことがよく分かっているんで、ああ、やっぱり、こういうふうに取り上げてもらったほうがいいかなと思いましたけれども、ほかの局は、あんまり身近な感じがしなかったです。よそ事のような感じがして、ですから、きょう両方見たので、ちょっと何か言えるかなと思って来たんですけれど。
 やっぱり委員がおっしゃったみたいに、暗い場面を撮るのが多いですよね。中には、それをうまく利用して立ち上がって成功している人もやっぱりいるんで、そういう人たちを、もっとクローズアップしたほうがいいかと思いますし、全般的に私も三宮に一つビルを持っているんですけど、親が残したビル、それが本当にえらいお金がかかりまして、また新たに銀行で借金しますでしょう。家をなくした人も、小金持ちの人はいっぱいいたと思うんですよ、もうローンが終わって、そこそこの預金はあるよと、その人たちが、もう一遍家を建て替えて自力でやってますから、銀行は貸してくれたんですけれども、自力で家を建てているから、もう本当にたいへんなんです。あの震災に遭われた方は、マンションの方もそうですけど。そうすると神戸の町で今まで飲み屋で払っていたお金、お父さんが小遣いでちょっと飲み屋へ行ったり、ちょっと奥さんが何か、そこらでぜいたくしたり、何かちょっと買おうかというのが押さえられるんですね。
 私は実感として、それは分かります。外見は非常に明るそうに見えるんですけど、内情は火の車、だから本当に、私たち神戸の人間が寄ると、全然復興してないよね、財布は空やもんね、というのが普段の生活で出てくるんです。
 助かった人も結構いるんですけど、助からなかった人がいるし、本当に人間性丸だしでいろいろ面白いドラマでも、話し出すときりがないぐらい面白いこと、今やから面白いことと思ってますけど、もう笑い話に済んでいる私たちは幸せで、ですから、苦しかったことを私のように笑い話で言える人をもっと取材したほうがいいですね。何か落ち込んでいるおじいちゃん、おばあちゃん、こうなっているより、もうこんなに元気になったよ、こういうふうに考えたほうがいいのよという、明るい人を呼んで来て、コメンテーターも、もうちょっと明るい人を呼んで来て、やっていただいたらよかったなと思います。
 委員のご意見を聞いて私は、そういうふうに感じたんです。
 木曜日に何か奥様変身さすというのがありますね。あれが私好きで、奥様が汚い格好して口紅の色が悪いのに、あのチュッチュッチュッと直したら格好よくなるんですよね。あれが私好きで、いつもあそこを見ています。(笑)そういう奥様もいるということを認識していただきたいと思います。

委員
 私は、あまりこの時間帯は家にいないことが多いので、見たことがないんですけども、テレビ欄見ていても、この時間帯がもう軒並みワイドショーがずらっと並んでいるなというのは感じていました。それまでは私、結構、サスペンスの再放送を楽しみだったので、あれがなくなって残念だなというのがあって、全部ワイドショーになっちゃったと思ってはいたんですけども、今回、見せていただきました。
 そういう思いがあったんで、多分この日は、もうどこも震災だろうなということと、多分、同じ局の中でも、もう震災のニュースが朝からずっとあるんだろうなという中で、この時間帯テレビを見ている方は、多分、主婦とか高齢者の方とか、きっと朝からずっとテレビつけっぱなしみたいな方も多いだろうという、そういう中で、この番組の何か特集する、その個性というか、差別化というか、ほかとは違うんだというこだわりは、どこにあるのかなあというのを他局を見ていないので分からなかったんですけど、いま委員のご意見を聞いて「ああ、やっぱりよかったんだな」というのを伺うことができました。
 そうやって、どこの局も一日中震災のことを思い出すということも、やっぱり大事なことだとは思います。ただ、どこをつけても震災の話というと、「ああ、もういいや」と見なくなっちゃう人も多いのかなという、そういう中で何かこだわりというか、何を伝えたいのかという部分というのが大事になってくるのかなと、今回のビデオを見せていただいて、すごく印象に残ったのは、ワークショップみたいなのをテントでやってらっしゃいましたね。
 体験者の方が若い人たちの質問に答えるというんで、救援物資は、こうやって送ってくれたらありがたいとか、ああいう情報って、やっぱり次につながっていく本当に具体的な大事な情報だなと、そういう部分を、どんどん、どんどん、もっと発信して教えてもらいたい。悲惨な部分、もちろん大変な部分も知っておかなければいけないと思うんですけども、やっぱり、あの体験を生かして次に、もっと私たちが動く、行動できるという、それこそ前向きの情報を教えていただけた。そういう部分をもっと出してもらうとありがたいなと思いました。
 それから、忘れっぽいって、確かに日本人は忘れっぽいというのがあると思うんですけども、ずうっと見ていて、じゃほかの自然災害に遭った人たちは、どうなのかなって阪神の震災だけじゃなくて、そういえば火山の噴火もあったし、津波もあったしみたいなこと、いろいろな地域でも何かあるのかなというようなことを、ふっと思ったりしました。
 だから、災害のその後という切り口であれば、ちょっとほかの人たち、ほかの地域の方々の情報がという切り口もあるのかなと。
 それと、よそ者、やっぱりよそ者みたいな目で見ておられるという、テレビの中でも、やっぱりよそ者なんですね。他人事として見ていたという発言が私には妙に何かグサッときて、そのよそ者みたいに見ておられる人たちの感想というのも、何かそっちと向き合ってみる。逆に何か、そういうふうに見られているんだなという、そういう部分がちょっと印象に残りました。
 あと料理の部分は、私もちょっと言葉遣いが気になって、身内で、夫婦で料理番組やっていらっしゃる番組がありますよね。夫婦とか身内で、ああいう言葉遣いをされるというのは、ちっとも違和感がなくって、こういうキャラクターの方だからと見れるんですけども、初対面の、しかも素人の方に向かって、いきなりあれはないやろうっていう気は、ちょっと私もしました。

委員長
 ありがとうございました。委員いかがですか。

委員
 きょうの番組につきましては、「阪神大震災のその日」ということで、普段とは相当違うつくり方とエネルギーがあると思います。
 風化ということと我々は戦わなければならないというメディアの、ある程度、責務みたいなものを感じておりますので、どんな形であれ、繰り返し繰り返し報道していかない限り、その風化は進んでしまうということが一つあります。
 そういう意味では、全体的にニュース性ということで言いますと、そんなに私は、どこの部分が強いニュースだったという印象は受けませんけれども、非常にプレーンに分かりやすく現状と阪神大震災の実相というものを、うまく伝えられておられるなという気がしました。そういう意味では、これは繰り返し繰り返しやる時の手法で、先祖返りみたいに一応原点に戻っている仕組みだなと思いました。
 それから、もう一つは、これは我々も一緒なんですけれども、これから、阪神大震災をどう報じていくかという、これもまた我々に責任が負わされていると思います。その中で私たちの場合ですと、記者一人ひとりが、その時の体験を遺族あるいは被災者と、どのように心を寄り添えるかという、ここがものすごく大事なところで、記者の現場から遺族という存在が消えてしまえば、これは風化とたたかうわけにはいけないというふうに思っております。それは、ぜひすべてのメディアが、そうあってほしいなと願っております。
 それで今お話ししましたように、これは少し震災バージョンでありましたということで、その3日前のこの番組を見させていただきました。キム・ジョンイルの長男がマカオで目撃された。彼は一体どんな人物であるかというようなことがテーマの一つでありました。その時の印象も含めますけれども、この番組は今の主婦といいますか、40代から50代の女性のニュースに対するレベルを、どの程度のものとして把握されているのかという、数量化、数値化することはできないことだと思いますけれども、何か、もう少し今の女性たちは感覚的にも、それから知識的にも優れているんじゃないかという気が私は実感しております。
 そういう女性たちをターゲットにするニュースとしては、もう少しレベルを高くしてもいいんじゃないかという気が、ニュースと情報については、そう思います。
 それから、それに対するコメンテーターのコメントというのが、非常に少し違和感を持ちました。その日も、たまたま東京で住吉会と山口組の暴力団の発砲事件が取り上げられておりましたけど、コメンテーターの一人は「一刻も早く解決してもらわないと大変ですね」、「流れ弾が怖いですね」というような、そんなことはコメントではなくて、居酒屋の話みたいな気がするんですけど、ただ、親しみをもたせるという意味では、そういうコメントも必要なのか、その辺は少し分かりません。
 また、きょうのに戻りますけども、芸能コーナーですが、『ハケンの品格』は私も、ずっと毎回欠かさずに見ておりますけれども、篠原涼子は随分太ったなという印象を持っておりますけれども、なかなか時代感覚としては非常に今の国会が雇用国会といわれるほど労働問題というのが非常にクローズアップされている中で「ハケン」という言葉を、あんなふうにうまく使う仕組みというのは、なかなか知恵者がいてるなと思いました。
 それから、よそになりますが『華麗なる一族』も大好きで、ずっと見ております。とにかく、こういう日は仕事を早く終えて帰るのを楽しみにしておるということと同時に、それだけドラマというものは一定のパワーを持つなということにつながるかも分かりません。

委員
 私も、この時間ほとんど家におりませんので、送っていただいたビデオをしっかり目の前で座って見て、正直「長いなあ」と思いました。締め切りのある原稿を書いていると、なんでこんなに早く時間過ぎるのよと思うのに。
 この地震の報道の取り上げ方は、過去、現在、未来と見据えて内容的には、とても満足しました。これから起こる地震の知識も得てよかったと思います。
 12年前に、これからあるローン抱えて、どうしていこうかと言うていた人たちが、それからあと立ち直り、今を迎えているということを考えると、人間はなんて強いのか、それから、時が解決するということも大事やと思います。それを描いて一方に、そういう人たちが取り残されているということを描かれたら、それから、その批判をニュースにするのだけではなくて番組として、何か、その方法を社会的な意義で訴えられたら、この番組の意味があったんじゃないかと思います。
 あとちょっと、これは今回は特別でしたので、ちょっとビデオにとって見せていただきました。結構、面白かったです。一時ある局の番組が1位をとっていたというのがありましたので、それもちょっと見させていただいたんですけれども、何かちょっとそれに関していえば、お世辞でも何でもなくて、非常に色あせてそれが見えたんです。ということは、やはり今回、昨年から、この時間帯に参入されて、いろんな形で企画されて、新しい取り組みもされているところからいえば、新鮮さがあったのではないかと思って、とてもよかったと思います。
 ただ、パネリストというのか、コメンテーターが、今もちょっと言われていたことがありましたけど、たまたま私が見たビデオにとったときも、そうだと思うんですけれども、この時間帯に見ている主婦層が反発を抱く、つまり共感できないコメントが多々あったように思います。
 それで今回の関西テレビもそうだと思うんですけれども、あの時間帯、あるいは主婦層が見ていることを考えた時に、どこで共感するのか、多分その社会の接点としての意味でテレビを見ている人たちのことを考えたら、結構やっぱり普通の人たちが、その番組から得るものを信じるということを考えたら、やっぱり番組を提供する人たちは、そういう善良な視聴者層を裏切るようなことは絶対してはいけない。そしてまた、視聴率というものを考えた時に、コメンテーターが共感を得る意見が大切やと思うんです。
 一つだけ私が思ったのは、ここのパネリストに関していえば、ちょっとイマイチ華やかさがないというのか、スター性を生むものが非常に薄かったように思います。それは今後、ちょっと考えていただいて、視聴者がそこへずっと見続けていくためには大切なことではないかと思うので、そのパネリストの選択とかをお考えになっていただければと思いました。でも、非常に他局と違って新鮮な感じで見させていただきました。

委員長
 最後になりましたが、委員何か。

委員
 私も、この時間帯はほとんど見ませんので、参考までに、この時間に見ている私の周りの人間に聞いてみますと、この番組を見ている人って、宮根さんのファンが多いのか、割りといいイメージで番組をとらえてました。見ている人が言うのは基本的に面白いということ。
 もうちょっと突っ込んで聞くと、前半はニュース番組があって、後半、先ほどご説明があったような芸能的なところがあるんですけど、全体的にニュースのほうも、そう硬過ぎず、バラエティのほうも、そうオチャラケ過ぎずというような形で、全体的にバランスがとれているのじゃないだろうかというのが、私が聞いた範囲でのことでした。
 また、先ほど委員も言われましたけど、企画もので何か面白いのがあるみたいで、宮根さんと森アナウンサーか何かが若い子のはやりであったり、女性のはやりであったりを体験するようなコーナーがあるんですかね、それも非常に面白いということで好評でした。
 私が見たのは、きょうのビデオをいただいたやつだけなんですけれども、確かに、そういうように言われると、宮根氏自身も朝の番組も私見たことがあるんですけど、ちょっとトーンは変えていたし、題材も震災ということだったので、彼自身も多少押さえたような形の話し方をされていて、それはそれで僕は「なるほどな」と思いました。
 ただ、先ほど来出ていましたコメンテーターの人が、私、正直に申し上げまして、ちょっと違和感があったんです。私は西宮に住んでますけど、あの阪神間の人間にとっての震災というのは、いろんな意味で重たいテーマだと思うんです。それは、どう取り上げるかは別にして、その中でちょっとコメンテーターの方と、ちょっとそこがマッチングしてなくて、コメントの内容も、ちょっと違和感があって、そこのところは非常に気になりました。これは震災だったからかもしれません。ほかのテーマだと違ったのかも分かりませんが、きょうのテーマについて言うと、ちょっとコメンテーターはどうだったのかなというのが私の印象です。

委員長
 ありがとうございました。
 綿谷さん、委員の意見や感想をお聞きになって何かございますか、おっしゃりたいことは。

社側
 最初の「ミヤネ屋」の番組のタイトルでご説明を申し上げたんですが、誤解のないように、ここはご説明させていただきたいと思いますが、宮根誠司は、あくまでも司会者であり、キャスターではあるんですけれども、彼の意見も取り上げながらですが、あくまでも制作主体というのは我が社にありますし、我々の社員が前面に立ってやっている番組だということは、もう一度ここで重ねてお伝えしたいと思います。
 それと社会情報を含め、このニュースを取り上げるのは我々メディアの責任だと思いますが、暗い面、先ほど震災のトーンといいますと、暗い基調のものが多いとご指摘をいただきました。まさに、そういう部分は我々も反省すべき点が多いかなと思います。
 ただ、復興のエネルギーという形で、明日につながるものというのが、特に今回のテーマに関して言うと、その部分において我々も注意してつくったつもりではありますけれども、なかなか、そこがうまく表現できなかったのかもしれません。
 ただ、先ほどご指摘いただきました若い方の力とかいう部分も、我々の中では少しながらでも表現できたのかなというところがあります。
 これはスタートしまして、この番組約半年を少し過ぎましたところで、今いろいろご意見いただきましたけれども、スタッフも、やっと制作と報道という二つのセクションがコラボレーションしまして、やっと核融合がいい形で、核融合という表現はよろしくないですけど、お互いのパワーがいい形で交ざり合ってきたときかなというところで、このテーマをきょう見ていただきましたので、現場にまた、きょうのご意見を下ろしまして、より一層視聴者の方々に伝わるような情報番組にしていきたいなと思っております。ありがとうございました。

社側
 それでは、1月が休会でしたので、去年12月と今年1月の2カ月に私どもに寄せられました視聴者からのご意見についてご報告をさせていただきます。

社側
 それでは12月の声からご報告させていただきます。
 まず、一つ目ですが、『おもいッきりテレビ』で、教育再生委員会の義家弘介委員の「いじめをした生徒を出席停止にする」という提案があったんですけれども、それ対して伊吹文部科学大臣が「乱暴だ」というふうに答えたということに対して、みのもんたさんが「いじめをしたら家で反省しなさいというのは当たり前のことだと、どうして、それが乱暴なのか、さしで話しをしたい」というようなことを言われたんですけれども、 それに対する共感の声がたくさん寄せられました。
 それから、『天才!志村どうぶつ園』という番組で、動物と会話ができるというアニマルコミュニケーターの方が、原因不明で寝たきりになっている子犬とコミュニケーションして、子犬が心配していることに対して、「ずっと一緒だから大丈夫という家族の思いを伝えたら、子犬が自力で何とか立とうと努力したというのに大変感動しました」というような非常に素直な感想をいただきました。
 それから、12月20日に『14才の母』というのが終了したんですけれども、それに関して「演技力を通じて命の尊さを強く訴えるという、美しいドラマとしてとらえました。ただし、中学生の子どもを持つ母親として、この14歳の出産ということがテーマになっているということに、かなりいろんな意味での難しさを感じました。今後つくられる時には、いろんなことに配慮して下さい」という感想が寄せられております。
 問い合わせ、その他はやはり健康情報であったり、グルメ情報というものに多くの問い合わせが寄せられております。
 それから、1月の分は5,742ということで、比較的少な目、おかげさまで特定の番組に特に抗議、意見が集中するということはありませんでした。
 1月1日に放送されました『お笑いウルトラクイズ』に関しては、いくらお笑いとはいえ、危険極まりない行為が多くて、メディアとしての影響力をもっと考えてほしいというような意見が多く寄せられました。それから、きょうたまたま取り上げた、この『ミヤネ屋』なんですけれども、震災12年目というものを各局で扱っていたけれども、この番組はよかったと、人の温かさを感じられる内容であったり、災害時の記憶を生かすための番組ということで非常にありがたかったという意見が寄せられております。
 それから、ちょうどこれは『あるある』があったすぐ後だったんで、余計過敏に反応されたんですが、1月15日の放送の『ザ!鉄腕!DASH!!』という番組で、TOKIOが「ゆりかもめ」と自転車で競走するというものをしていたんですけれども、「ゆりかもめ」が駅に止まる度に車両ナンバーが違うということで、「これはおかしいじゃないか」というような抗議が、それこそねつ造だというような形で意見が寄せられましたが、制作をしている日本テレビに確認いたしますと、対決したのは間違いなく同じ一つの車両ですと、ところが撮影の都合上で、そのホームに入ってくる電車に関しては、別撮りで撮影したために、こういう現象が起きてしまいましたという説明がされております。以上でございます。

社側
 これが2か月のご意見でしたが、1月は正直言いまして、例の『あるある』問題が起きてから読売テレビの番組でも、そういうことがあるんじゃないかみたいな声も幾つか寄せられております。
 きょうは少し長くなりましたが、本当にありがとうございました。
 次回は3月9日、金曜日に、この同じ場所で開催をさせていただきます。よろしくお願いいたします。


終わり

  • 平成18年度読売テレビ番組審議会委員
  • 委員長    熊谷信昭   兵庫県立大学名誉学長、大阪大学名誉教授
  • 副委員長    馬淵かの子   兵庫県水泳連盟   顧問   元オリンピック日本代表
  • 副委員長    川島康生   国立循環器病研究センター   名誉総長
  • 委員    秋山喜久   関西電力株式会社  顧問
  • 委員    金剛育子   能楽「金剛流」宗家夫人
  • 委員    林  千代   脚本家
  • 委員    阪口祐康   弁護士
  • 委員    佐古和枝   関西外国語大学教授
  • 委員    北前雅人   大阪ガス株式会社   代表取締役副社長執行役員
  • 委員    谷  高志   読売新聞大阪本社   専務取締役編集担当