第477回 番組審議会議事録
1.開催年月日 |
平成18年11月10日(金) | |
2.開催場所 | 読売テレビ役員会議室 | |
3.委員の出席 | 委員総数 | 10名 |
出席委員数 | 8名 | |
出席委員の氏名 | 熊谷信昭、秋山喜久、金剛育子、馬淵かの子、阪口祐康 佐古和枝、川島康生、吉岡征四郎 |
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欠席委員の氏名 | 林 千代、河内鏡太郎 | |
会社側出席者 | ・土井共成(代表取締役会長) ・髙田孝治(代表取締役社長) ・丸山和男(代表取締役専務) 編成・コンテンツ・制作スポーツ・東京制作・報道担当 ・越智常雄(専務取締役) 内部統制・コンプライアンス・総務・労務担当 ・久保哲郎(執行役員コンプライアンス推進室長) ・位寄雅雄(執行役員編成局長) ・村上博保(執行役員制作スポーツ局長) ・松下泰紀(コンプライアンス推進室視聴者センター部長) |
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事務局 |
新谷 弘(コンプライアンス推進室次長兼番組審議会事務局長) 菱田千佳(コンプライアンス推進室番組審議会事務局) 森本泰輔(コンプライアンス推進室考査著作権部兼法務コンプライアンス部) |
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4.審議の概要 | 番組視聴 | |
「NNNドキュメント'06 飛鳥美人の涙 高松塚壁画劣化の深層」 | ||
放送日時 | 平成18年10月8日(日) 深夜1時20分~1時50分 | |
放送エリア | 全国ネット | |
11月度の番組審議会は11月10日(金)に、読売テレビ本社会議室で開催された。 審議会では、10月8日に放送された「NNNドキュメント‘06 飛鳥美人の涙 高松塚壁画劣化の深層」を視聴して、意見交換が行われた。 委員からは「文化財の保護について問題点を指摘したすぐれた番組だ」といった意見や「保護にかける地元の人々の熱い思いが伝わってきた」といった推奨の声があった一方で、「壁画劣化の本当の原因が追究されていない」といった指摘もあった。 また、今後壁画の解体、補修が決まっていることから続編の制作を要望する声もあった。 この後、10月に読売テレビに寄せられた視聴者からの意見や抗議、苦情などについて概要を報告した。 出席は、熊谷信昭、川島康生、馬淵かの子、金剛育子、阪口祐康、秋山喜久、吉岡征四郎、佐古和枝の各委員と読売テレビからは、土井会長、髙田社長以下12名。 |
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5.審議内容 | 別掲の通り | |
6.審議会の意見に対して取った措置 特記事項なし(議事録は関係部署に配布) |
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7.審議会の答申・意見の公表
●11月24日(金)付け読売新聞夕刊に議事の概要を掲載。 ●12月9日(土)午前4時59分から放送の「声~あなたとよみうりテレビ~」の中で議事の内容を放送。 ●本社コンプライアンス推進室に閲覧用として議事録を備え置く。 ●インターネット読売テレビホームページ「テレビの門・話し合ったもん」で議事録を公表。(http://www.ytv.co.jp) ●社内LANにて全ユーザー(全社員および関連スタッフ)に議事録を配信。 |
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8.配布資料 | ●視聴番組 概要 ●2006年10月に寄せられた視聴者からの意見・苦情 |
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9.送付資料 | ●民放連機関誌「月刊民放」 ●民放連機関紙「民間放送」 |
【審議内容】
●社側
おはようございます。11月の番組審議会を始めさせていただきたいと思います。
まず、委員の方々の出欠の状況ですけれども、林委員と河内委員が所用のため、ご欠席になっていらっしゃいます。私ども読売テレビのほうですが、報道局長の吉野が出張のために欠席をさせていただいております。ご了承いただきたいと思います。
先月はいつもと違いまして、読売テレビの番組全般についてのご意見をいただきました。貴重なご意見をたくさんいただきまして、ありがとうございました。
きょうは、毎週日曜日の夜に放送しております『NNNドキュメント』、私ども系列でつくっていますドキュメントの中から10月8日に放送いたしました『飛鳥美人の涙~高松塚壁画 劣化の深層~』という番組をご覧いただいて、ご批評いただきたいと思います。
ご承知のように高松塚が発見されてから、もう三十何年経つわけですけれども、その間にきれいな壁画が劣化してしまいまして、それについて日ごろから取材をしている成果をまとめた番組でございます。
はじめに、この番組を担当しました報道局の波止荘子から趣旨等について簡単にご説明をさせていただきます。
●社側
番組の制作を担当いたしました報道局記者の波止と申します。どうぞ、きょうはよろしくお願いいたします。
番組の中身につきましては、お手元の概要のとおりでございますが、こちらのほうに書いていないことをちょっとご紹介させていただきますと、この番組は、まず壁画の劣化問題が発覚した2004年6月から日々のニュースの番組の中などで、ずっと追跡した内容をまとめてきたものです。
今現在、高松塚古墳では、来年3月に石室を解体して、バラバラにして運び出して修復するという作業が決まっておりまして、それに向けた準備が進められております。その解体の前に、もう石室がバラバラになってしまう前に何とかこの問題について総括しておきたいということで、この10月のタイミングの放送となりました。
私自身、この制作にあたって一番心を砕いたところというのは、単に文化庁を叩いて終わるというのではなくて、今後の文化財保護のあり方とか、行政のあり方について少し考えていただけるものにしたいということを考えてつくらせていただきました。
私は、この10年ほどの間、違うものを担当していた時期もあるんですが、さまざまな形で文化財報道に携わってまいりました。関西では、特に奈良なんかで取材をする機会が多いんですけれども、ここに遺跡があるから、例えば道路をつくれない、家を建てられない。そういったことは当たり前のように日常茶飯事であります。
でも、そうしたときに、たとえ、そういった遺跡によって不便を感じることがあったとしても、地域の誇りとして、そういう文化財を守っていこうといったような住民の理解とか、思いがあって、初めて文化財保護というのが成り立つのではないかということを日常的に感じて取材を続けてまいりました。
その中で、例えば発掘の現場なんかを取材に行きますと、実際に担当している掘っている技師の方なんかは、発掘を始める前に周辺の家々に、きちっとあいさつに行って「ご迷惑をかけますけど、よろしくお願いします」というところから発掘が始まって、住民の方がのぞきに来ると、丁寧に「この発掘の意義は、こういうことですよ」という説明をしたりとか、そういった場面をずうっと見てきましたので、現場の方というのは、その地域からそっぽを向かれてしまうと自分たちの仕事は、文化財の保存というのは成り立たないんだなということを日々感じて努力しているんだなというふうなことを見てきたんです。
ですから高松塚の取材を始めたときに、文化庁の考え方とか、スタンスというのが非常に「実際の現場から遠いなあ」というものを感じました。それで2年間、取材を続けてきて、これを集大成したものが番組ということになります。
あと、もう一つちょっと見どころを、ご紹介させていただきますと1970年代のフィルムを随所に使わせていただいているんですけれども、それは弊社の先輩記者の人たちが非常に当時、熱心に取材をして蓄えていたものというふうに聞いておりまして、当時の修復を担当していた人とか、いろんな文化庁なんかに聞きますと、高松塚古墳内部のフィルムに関しては、文化庁も保管していないし、おそらく聞いた話では、ほかの民放も持っていないということだそうなんです。ある意味、お宝映像なんですけれども、これを、その財産があって初めて今回、番組をつくることができたんですが、文化財報道というのは、ある意味、ちょっと地味な部分もあると思うんですけれども、そのフィルムを今回掘り起こしてみて、改めて続けていくというか、継続報道ということの大切さというのを自分自身が感じているところであります。
私からは以上です。どうぞよろしくお願いいたします。
●社側
それでは早速、番組をご覧いただきたいと思います。
<VTR視聴>
●社側
どうもありがとうございました。それでは委員長にお渡ししますのでよろしくお願いいたします。
●委員長
いろんな意味で考えさせられる貴重な映像番組であると思いましたが、皆さまのご意見を承りたいと思います。委員、何かご意見があれば。
●委員
私は、ちょっと関係者みたいなところもあるので。
●委員長
どういう意味でですか。
●委員
私はキトラ古墳のほうの委員をやっていまして、キトラも本当は「あすは我が身か」というほど危ない状態なんで、高松塚は他人事じゃないし、また一方、学会のほうでは、「高松塚・キトラ問題検討委員会」というほうに入れられてしまって、先週も文化庁に対する声明文の下案を朝の4時までかかって作っていて、だから両方にいるような、ちょっと何か変なことになっているんですけども、だから一般の(視聴者)の皆さんとは、ちょっと感想が違うかもしれないんですけど。
10月から、解体をするということになって調査が始まっています。「解体前に総括をしたい」ということと、今後、何かと考えてもらうためという先ほどのご説明は、非常に意義があることだとは思うんですけども、でも、その内容が本当に番組にあったかなという部分はちょっと、あまり伝わってこなかったなと、結局何を伝えたかったのかなというのを一番に思いました。
今後のあり方を考えてもらうためには、やっぱり原因が何だったのかという、きちんと総括しなきゃいけないと思うんですけど、番組に出てくるのは、何かもう文化庁の無責任体質がメーンでしたよね。
それも文化庁の中の何が問題かというと、結局、記念物課と美術工芸課の縦割のシステムがまずかったわけですね。高松塚というのは、壁画が国宝に指定されたもので、古墳だったら考古学の遺跡ですから、文化庁の中の記念物課というところが扱うんですけれども、その壁画だけが国宝に指定されたもので、壁画は文化庁の中の美術工芸課が担当しているんです。
その考古の担当と美術工芸の担当が全然連絡ができてなくて、私たちも聞いて唖然とするような実態があって、奈良には奈良の国立文化財研究所があり、発掘調査も手伝った奈良県立の橿原考古学研究所があるんですが、一切何の連絡もなかった。
そんなことで、まともな管理ができるはずないんですけども、美術工芸の方は、多分物を扱っておられるから、遺跡の中にある、ああいう壁画の扱いの難しさというのが、やっぱりあまりお分かりになってなかったんじゃないかなというところです。
だから、確かに無責任、もう逃れようもない、「これ人災だ」と言えるぐらい、やっぱり文化庁の対応の問題はあったんですけども、でも隠蔽もあるんだけれども、それはそれとして「じゃあこれからどうしたらいいのか」という部分が、あんまりどう、とらえておられるのかなという部分がちょっと伝わってこなかったなという印象を受けました。
それと細かい点になるんですけども、事実関係の確認なんですが、被葬者が「天武天皇の皇子と言われている」と、言われてないでしょう、一部の人が言われているというだけで少数意見だと思いますよ。あんなふうに断定までされると困っちゃうなというところがあります。
それから立ち入りが厳しく制限された。もう担当者だけに制限されたとナレーションは言っていましたけども、そんなことないですよ。それができなかったから、あそこまでカビがきたんですね。
聞くところによると昭和天皇が入ってから、もう非常にルーズになって、外国の政治家が来ただとか、国会議員が来るだとかいうと、もうどんどん入れていたらしいんですね。
だから、そういうのはマスコミさんは膨大なデータをお持ちでしょう。調査日誌か何かご覧になれば分かると思うし、結構関係する人たちは知っていることです。小渕さんも首相になる前に入っているし、その辺で管理が非常にずさんだった。
人間の出入りが一番まずいのに非常にルーズだった。虎塚は小渕さんが首相になってから来ても断ったと。その辺は、やっぱり虎塚のほうが厳しく出入りは管理していますね。
だからその辺がちょっと何か事実関係の確認という面で、ちょっと甘いんじゃないかなということと、それから虎塚と比較するというのは、一部の考古学者が言いますけども、私は、虎塚というのは、もう似て非なるものなんで、比べること自体あまり意味がないと思います。
だから、あれを比べて言えるのは何かというのも、番組で何となくはお分かりいただけたかもしれないけど、やっぱり国が管理するというのは無理で、地元の自治体が、ああやって目配りを効かせながら管理するのが本来の姿だということしかないと思いますね。高松塚というのは非常に特殊な事例だったんで、普通の遺跡は地元が管理するのが当たり前なんで。
あと何が違うかというと、虎塚というのは石に直接顔料を塗っているんで、そんなに劣化が深刻にはならないんですね。それから、あれは前方後円墳といって、積んでいるマウンドの土がすごく多いんで、やっぱり土で保護されている。土ってすごいなと、いろんな壁画古墳の保存処理、いろんなことをやってきたけど、結局土で覆っておくのが一番いいというのが最近の到達点です。
だから何百年も、ずうっとその環境、土に覆われているというところで、一番いい状態でバランスがとれていて、守っているのを人間がガーッと発掘して現代の空気に触れちゃうと、もう絶対劣化するのは防ぎようがないんですね、どっちかというと。
だから村民の皆さんも、多分多くのみなさんも、処置をすれば発見時の状態が永久に残ると期待なさっておられるかもしれないけど、無理ですね。
だから比較するのであれば、高松塚みたいに漆喰塗って、その上に絵を描いている、中国にありますよね。そういうのと比較してご覧になって、いかにきれいな状態で残すということが難しいかということも、やっぱり検証してみていただければよかったんじゃないかな。要するに漆喰が難しいんですね。腐った豆腐みたいになっちゃっているんで、そんな上に描いている壁画をどうするか。
だから漆喰を使ってない虎塚と比べてもしょうがないし、覆っている土量、土の量が全然違うので、高松塚は終末期古墳なんで、ちょっとしか土で覆われてない。だから外気の影響を受けやすいということもあって、逆に何か「虎塚はきれいに残っているのに、何だ文化庁けしからん」と、そういう論調でよく使われることがあるんで、きのうも朝日新聞で虎塚の特集が出ていましたね。「そういうもんじゃない」ということが、多分担当者は言いたかったんだなという特集だと私は受け止めました。
だから何を取り上げるかという部分で、その狙いの趣旨の2点は、すごく嬉しいことなんですけども、結局、番組の内容を見たときに、何を伝えようとなさったのかなという部分が、いまいち、あまりよく分からなかったです。 だから10月8日という、この時期の放映なんだったら、むしろ解体のための調査が始まっているわけですね。本当に解体していいのか、解体するということに、いっぱいいろんな問題が、また新たに生じるわけですね。
今、私たちは、今というか、もう今はあきらめましたけど、もう解体しなきゃしょうがないと、もうあきらめたけど、あきらめるに至るまで、ものすごい議論してきたんですよ。
だから何で解体しなきゃいけなくなったのか、その解体することによって生じる問題点はどうなのか、これからどうすればいいのか。ちょうど、このタイミングで放映なさるんだったら、10月から始まるというのは、もう早い時期から分かっているんで、やっぱりその辺の投げかけというのが本当は、この時期であれば知っていただけると、やっぱりこれからにつながっていく番組になったんじゃないかなという気がするんですが、河上さんだけじゃなくて、もっといろんな方に意見を聞かれたら、保存科学の先生も含めてですね。もっといろんな方に意見を聞かれたらよかったんじゃないかなという気がしました。すみません、長々と。
●委員長
最初に非常に専門的なお話をいただいたんで、後の委員は意見を言いにくくなりましたけど、非常に参考になるご意見でしたけど、あれでしょうか、要は、きょう拝見した番組は、文化庁の責任を問うというストーリーになっているわけだけども、いろんな専門家の意見や参加を求めてつくったほうがよかったという、そういうご趣旨もあるわけですか、ご意見では。
●委員
はい。もうちょっといろんな人に意見を聞いてもらったほうがよかったんじゃないかなと。文化庁の責任追及というのは、それはそれでいいとは思うんですけれども、取り上げ方というのは、ちょっとどうかなと。
●委員長
文化庁は文化庁で、今おっしゃったような意見を言えばいいのに、それも言わないというのも、ちょっとおかしいですね。文化庁のほうが、今、委員がおっしゃったような、いろんな見方が、あるいは、いろんな事情が専門的にはあるんだということを説明していませんよね、文化庁は。「申しわけなかった」と、謝ればそれでいいというもんでもないんで。
●委員
だから「もっと説明しろ」と、ずうっと言うんですけど「最大限しているつもりだ」とは言っています。
●委員長
ああ、そうですか。
●委員
文化庁のホームページに議事録を載せているというだけなんで、「不十分だ」ということは、ずっと言い続けてはいるんですけどね。
●委員長
ご専門の立場から、この問題は文化庁の制度上の問題、システム上の問題とか、縦割の制度上から来る大きい問題点があったというご指摘もございましたですけどね。いろいろありがとうございました。
●委員
文化財というのは、日本なり、その国の歴史の原点でありますんで、この保存というものは非常に大事なことだということを、このドキュメントで警鐘を鳴らされたというのは非常に大きな意義があったんじゃないかなというふうに思っています。
そこでテレビでやるべきか、あるいは我々が考えるべきかは別として、その「飛鳥美人の涙を文化財の未来につなげるべきだ」と誰かが言われましたけども、そういったことをするために日本人が何をすべきかということを非常に考えさせられる番組じゃなかったかなと思います。
一つ目は、日本人はどうしても建設とか、発掘という表の行動を重視して、後のメンテナンスとか、保全とか、こういったことを軽視するというか、あんまり考えないということで、国の建物というのは建設費は出るけど、メンテナンス費用は出ないというふうなこと。
あるいは、遊歩道でも、市はつくるけど、その遊歩道をきれいに保っておくということをしないというので、どうしても建設とか、そういったふうなことを重視して、メンテナンスをしなければいいものは残らないという発想がないですな。
ドイツなんかですと、フォルクスワーゲンを日本に進出させるときに、先に修理工場をつくるんですね。それから、後からフォルクスワーゲンを売りに来るということで、やっぱりメンテナンスができないものをつくったり、発掘したらいかんと、こういう発想が逆転の発想というか、そういったことが必要だと思うんですけどね。
だから我々でも発電所を止めるときには、その中に窒素を封入して錆びたりなんかしないようにメンテナンスということを考えるし、原子力をやるときにも、先に運転員を訓練して、メンテナンスをやる人間ができてから建設をするということをやっていますけど、その辺で日本人全体が、どちらかというと物をつくるほう、あるいは新しいものを発見するというポジティブな面に目を注いで、メンテナンスとか、そういったことについて、あまり考えないということ。
これはやっぱり、今おっしゃったように保存科学なんかあると思うんで、何かやっぱり、もしも発掘した後はどうするんだと、窒素でも封入すればいいのか、あるいは、その上に何か塗ればいいのか、そのメンテナンス方法が確立してないときに掘るということが間違っていたんじゃないかなというふうに思いますけど。
今、奈良でも「駅が邪魔だから下に入れてくれ」と、こういうふうにお願いしますと、そうすると水脈が変わるんだそうですね。そうすると木簡なんか、多分まだたくさん埋まっているだろうと。その木簡が水の中にあるから保存されているのに水脈を変えたらば、その保存状態が悪くなって、まだ未発見の木簡が全部駄目になってしまう恐れがあるということで、その駅を地下に入れることはあきらめていますけど。
そういった意味で、自分たちがやる行動の後に文化財保護から見てマイナスの効果が出るようなことにならないかどうか、よく検証してから蓋を開けにゃいかんと思いますけど、その辺ができないのに「発見した、発見した」と喜んでいると、本当の意味での文化財保護になってこないんじゃないかなという点、これは単に美術保存、文化財保護だけじゃなくて、国全体のものの考え方として、やっぱりそういったメンテナンスなり、保存なりということを歴史を生かして、あるいは未来を生かすために非常に大事だということが、この教訓として出てくるんじゃないかなと。
もう一つは、もう政府の失敗だという声があった。小泉さんが「ぶっ壊す」ということで、構造改革で「官から民へ」ということでやりましたけど、民のほうは民のほうで、今度はライブドアが出てきて、市場の失敗ということになるんで、我々その間にやっぱり市町村だとかいう公、公の立場、こういったものを非常に生かしていく、これから、やり方があるんじゃないかなと。
やっぱり国というと300のうちの一つだという、さっきのお話が出てきましたし、縦割の問題もあるし、国というのは、言い訳は非常に上手ですけども、本気で管理しないだろうと。さりとて私的な管理というのは大変だから、やっぱり市町村なり何なり、自分たちにとって非常に大事なものなんだと、自分たちの財産なんだという気持ちを持った人たちが管理していくというふうなこと。
だから、これは政府の失敗と市場の失敗との真ん中に地方公共団体のような公という立場のものを、これから入れていかないと、すべての行政なり、文化庁だけではなくて、すべてのものについて、そういったものが必要になってくるんじゃないかなということで、国に、お上にあげれば金はつきますけども、かなり放っちらかしになるということで、やっぱり本当の意味での構造改革といいますか、中央から地方へという、地方というときに必ずしも民まで行かなくてもいいと思いますけど、地方公共団体、特に市町村のような住民生活に密着したところに、いろいろの管理や仕事を任せていくという体質をつくっていかないと、文化財保護だけじゃなくて、地域の環境保護だとか何か、すべての面が駄目になってくるんじゃないかなと、そういう意味で非常にいい警鐘を鳴らせていただいた番組ではないかなというふうに思います。
そこまで「テレビで言え」というのは、ちょっと無理だと思いますけど、これからみんなが考えていかなきゃいかん問題ではないかなというふうに思いますので、委員のように専門的な批判は、なかなかできませんけど、以上です。
●委員長
いやいや、基本的な問題点を突く、かなり専門的なご意見でした。ありがとうございました。
委員も、こういう文化にはご関係が深いですが、何か。
●委員
私も感想になってしまって申しわけないんですが、この番組を見せていただいて、まず感じたことは、日本の文化行政というのは本当にひどい、お粗末だなということを痛感しました。
「文化、文化」と非常にきれいな言葉で「文化は大事」という言葉がすごく並ぶんですが、結局、蓋を開ければこういうことで、常にこれは文化行政の非常に貧しさというのは感じていますので、やっぱり「こういう発掘の現場でもこういうことだな」ということを改めて痛感したという感じです。
文化庁が写真集を出したときに、「大きな傷みもなく、そのままになっている」という文書を出されたという、それ自体が非常に偽っていたわけで、結局、30年間放ったらかしにしていたという、ただそれだけのことだなという感じを受けまして、何といいますか、お役所仕事というか何というか、もう全然、血の通ったことをしてない、単なる上辺だけの権威主義という、何かそういう印象をすごく受けました。
能面などのことでも、うちなども大体、蔵に、もうずうっとしまいっ放し、昔のままでも、全然、最近のそういう科学的なとか、人工的なことを何もせずに、ただ蔵で、日本の自然の風土の中でしまっていますが、それが一番保存にはいいということで、ずうっと、そうして代々受け継いできておりますんで、最近、美術館ですとか、最新の科学技術のそういう中に入れると、やはりいろんな不都合が出てきたりありますね。
やっぱりそういう古い大事なものというのは、やっぱり昔ながらのやり方が一番いいようのことを、みんな能楽師の人たちが言っていますので、「最新の科学って何なんだろうか」ということをすごく感じます。
それで、うちの能面でも、代々いろいろ回っていって美術館にも入っていますが、そういう能面は舞台で人間の汗とか、息とか、そういうのがかかることによって、自然と空気と触れることによって、また長もちしたりということがありますので、あれ美術館に入ると、もう絶対使えなくなりますので、「ああ、もったいないな」と能楽師はみんな申していますので、そういうのを文化庁に言っても、やっぱりこれもなかなか認めてもらえないし、なかなか専門的なことを知っていられるようで、知られないような方が集まっているような感じを古典芸能の分野でも受けますので、今回、文化庁の体質というか、国の体質ですか、何か非常に危機感を持って見ました。
この番組は、そういう問題提起として、すごくいい番組だと思うんですが、何か最後、何といいますか、こちら側に何か暗い気持ちのままで終わってしまうので、これをいい方向に持っていくためにはどうしたらいいのかとか、そういう方向にちょっと明るい未来につなげていただくような、「このままじゃどうしようもないな」みたいなことで終わってしまいましたので、何かそういうことを今やらないと、いろんな意味で間に合わないんじゃないかなという感じを受けました。
●委員長
ありがとうございました。
委員は法律のご専門家としては、どういうご意見でございますか。
●委員
私も見させていただいて、この番組は文化庁の体質を問題視するというところに一つの力点があると、それは皆さんおっしゃるとおりなんですが、もう一つ私が感じたのは、地元の人の熱い思いというのも、同時に訴えているように思いました。
これは明日香に住まれて、ずうっと昔から明日香で育っていて、ただ当然、地元に対する意識というのも強いと。ただ、振り返って見て自分はどうかと、私は西宮に住んでおりますけれども、西宮に、それほどの郷土意識というのは正直言ってないと、それが今の日本の現状かなと、そういう僕みたいなのが多数派やと思うんです。
ずうっと昔から、そこで住んで、住み続けているという方は少なくて、今、住んでいるところというのは、つい最近住んだ、せいぜいいっても3~40年ぐらいという、そういうものから見ると、あの文化財にかける思いというのは、私どもは非常に新鮮に受けました。例えば、僕が仮に今住んでいる西宮の山の中に、何か古墳が見つかってなったとしたら、あそこまで熱い思いは私、恥ずかしながら、ちょっと持てないなあと思ってまして、そこの部分が非常に出てきて、私は、そこで新鮮さを、私は不勉強なだけなんですけれども、感じました。
それが故に、その熱い思いを持っている人が、信用して国に託したのが裏切られたから、当然怒りは普通の倍増となるのは当然だと思うんですけれども、そうすると、そこの視点をどう生かしていくかと、やっぱり基本は、あの種の文化財の保存というのは、地元に任していくと、ただ、それでも、その当時、1972年の時に国に移管を決めた方は、結局は、お金的に無理やということが根本やと思うんですね。
そら、一番熱い思いを持っているのは地元の人やと、地元の人で保存するのが、任すのがいいと、しかし、じゃ、それだけのことできるんかと、できへんのや、できへんのやったら、もうしようがない、上に任せましょうというところになったと。
結局、今の見てたら、お金の出し手と保存する手というのが、ほんまに一緒でなければならないのかと、分けてもいいんじゃないのというところが、一つの問題提起の切り口だったのかなというのが、私なりの感想です。
ただ、いろいろあると思うんですけど、30分という制約の中では、言いたいことというのは、多分一つしかきっと言えないんだろうなと、そういう意味で見たら、私は文化庁の体質とともに、地元の人の熱い思いを伝えていただいたというだけで私は、それで十分満足させていただきました。
●委員
最初に専門的なご意見があったんで、もうあまり言うことはないかもしれませんが、最初これを見させていただいたときに、私は、医療事故の報道とよく似ておるなと思って見ておりました。
というのは医療事故の報道というのは二つあるんです。一つは、カルテを改ざんしたとか、隠蔽したとか、そういうことに関するけしからんという報道。それと、もう一つは、その原因が防げたか、防げなかったか、本当の原因は何なのかという、この二つをはっきり追及しなければならんのですけども、大体において隠蔽工作とか、そういうことのほうが報道の中心になって、その本質は何であるかということは、あんまり追及されてないんですね。
例えば、最近のたらい回しして最終的に阪大病院へ連れて来られたけれども、亡くなったという話でも、それじゃ、どこが悪かったのかという、その原因を追求するという報道は、あまりないんですね。最近の腎臓移植の病気の腎臓の移植の問題でも、けしからん、けしからんといっているけれども、それはルールにもとっておるという、その報道ばっかりで、その真意が何であるかというのが、このごろちょっと出てきていますけれども、本当に、それは専門家の意見を聞いたんかと、移植をやっている人間の意見を聞いたんかと、我々の意見は、どこにも反映されない、出てこないんです。
それと実によく似ているなと思った。それ、けしからんということを、文化庁を攻撃はされているけれども、それじゃ本当に、あのカビ防げたのと、どうしたらよかったのということについては、ほとんどと言っていいほど報道されてない。
と思って、ここへ来ましたら、担当者の方から、そういう二つを文化庁を攻撃するだけじゃなしに、その二つを追及しようと思って企画したとおっしゃっているんで、その意図はあったんだなというふうには思ったんですけども。委員の話を聞いて、全然そうはなっておらんという話で、やっぱり、そうかという気でおりました。
やっぱり、これは非常に難しいことでありますけれども、番組としては、単に報道するというだけではなしに、非常にいい番組だと私は思うんですよ。非常にいい番組だと思うんですけれども、本当は、それはあんまり受けないかもしれませんけれども、本当の原因は、どこにあるんだというところの追及も、やっぱり番組としてはやっていただきたいなという気がいたしました。
そしたら、誰にその意見を聞いたらよかったのかということすら、私たちには分からないし、番組をつくっておられる方も、おそらく分からないんだと思いますけれども、そのカビの専門家というのは、本当に日本におられるのかなというふうなことから、調べないといけないです。
今の委員の話は、保存課の先生というようにおっしゃいましたですね。そういう人は、やっぱりおられるんですね。
●委員
今は生物、カビとかダニとか、そういう専門の先生方も委員会に来ていただいて。
●委員
ああ、そうですか、そういう方の意見を求めたら、どうしたら本当によかったのかというのが、もう少し追及できるんではないかなという気がいたしました。
それと、もう一つは、システムの悪さというのは、今おっしゃったとおり、文化庁の中の縦割行政ということが言われましたけども、その1点は、どの役所にも共通したことで、改善しなければならないといわれながら、全然改善されずに今日まで至っているシステムなんですけど。
もう一つは、現場の貴重な意見が、それを管理している人に全然伝わってないと、これはまた、民間企業でも、おそらくそうなんですけども、役所では殊にそうですね。それが現場の意見というのは、そもそも今回は現場がすり替わってしまったわけですから、一層難しくなったんだろうというふうな気がいたしますけれども。
そうは言いながらも、いろいろと非常に教えられるところの多い番組でした。私、この番組を先に見ておったら、先月の会議のときに、こういう番組作ってくださいと言うところだったが、非常に参考になる番組でした。
●委員
私は、その難しい話より何より、この番組を見ているうちに「ああ、もったいない。ああ、残念」と、ものすごく思ったのは、私、特に72年にこれが発見された時に、ちょうど子育て最中だったんですが、家の隣に刺しゅうの先生がいまして、新聞にカラーがバアッと出ている写真を持って来はって、うちの父親は絵かきだったんですけど、その時、もう亡くなっていまして、私もちょっと絵ごころがあるから、刺しゅうの下絵なんかを描いてあげたりしてたので、これをこのまま刺しゅうにしたいので、この原画を、この4人の美女を書いてほしいと、精密にきちっと線描き、想像でもいいから、色が出てまして、カラーでしたから。
それで私、もう本当に真剣に顔の輪郭から衣装のヒラヒラから、それを書いて先生にお渡しして、その先生が刺しゅうなさったんです。結構きれいな、本当に蘇った美人になりまして、衣装も本当に古い形は全然なくて、新しい色でしたけど、「ああ、当時はこんなんだったんだ」と、それぐらい思い入れが強くて、それで一生懸命眺めた線が、画面を見ると、もう無くなってましたから、愕然としたんですよ。ただただ、それだけがすごいショックで思い出が強かった絵と。
それと、もう一つ、5、6年前に西安の歴史博物館に行きました時に、随、唐の時代、ずうっと殷の時代から、ずうっとくるんですけど、ぱあっと入った大きな展示室に、いきなり飛鳥美人の模写ですけど、パーンと、ご覧になりましたか。ありますよね、もう私、恋人に出会ったように嬉しくて、ウワァッと思って、それでよく見ると、やっぱりこれは日本の飛鳥の時代のあれだと、その時代のほかの唐の美人画の壁画があるんです、その横にずうっとあった時に、もう本当に感激しましてね。こんな美しい唐の美人と並べても遜色ないぐらい美しく陳列されているんですよ。今度、西安へ行かれたら、ぜひご覧になって下さい。
とりあえず、その思いが強かったので、このお墓が、こういうことになっちゃって、解体したら、このあとどうなるんだろうかとか、もう一遍修復して元に戻しはるのかとか、そういうことばっかり気になっている次第で、科学的なことはあんまり考えんと、とりあえず、あの解体した壁画を元に戻すことができるのかということだけを聞きたかったんです。私の意見はそれだけです。
●委員
門外漢でありますけれども、感想をちょっと言わせていただきます。 関西大学の網干先生が、この高松塚の壁画を初めに発見された時に、その非常に感動されて、それを歌にされてまして、それを私、人から聞いたことがありますけども、「落ち着けと心に言いてしかとみし青き裳裾の彩りの像」と詠まれたそうでありまして、それほど、非常に感動をされた、その「青き裳裾の彩りの像」が汚れたということは、非常に残念なことであり、我々にとっても大きな損失だというふうに思うわけでありますが、そういう意味で、この番組は、そういった文化財の保護というのは、いかにあるべきかとか、あるいは、保護と公開というのは、その有り様はいかがあるべきかというようなことを視聴者に対して投げかけるという意味では非常にいい番組だったというふうに思います。
これ門外漢でよく分からなかったんですけど、劣化については今までもおっしゃってますように、文化庁の拙劣なやり方いうのは、これは間違いなく拙劣だったんでしょうし、それが劣化を促進させたということは、これ一つの事実だと思いますが、もう一つ、これも先ほど来、委員がご指摘されていますように、劣化のメカニズムとか、劣化の原因というのが基本的につかめてないんじゃないかと、ですから、基礎的な保存技術というのが全く確立できてない状況の中で、実際、手探りでやっていたんじゃないかという素人なりに、そういう印象を受けたわけでありまして、そっちのほうの問題も、非常に大きな問題だなと。
ですから、そういうことを考えますと、むしろ今後の有り様は、いかにあるべきかということは、ぜひ、この番組の続編を私は期待したいというふうに思っています。
特に解体して、その修復に10年もかかるというようなことを言われていますが、こういった貴重な財産を少しでもいい状態で保存するというためには、どうしたらいいかということを、もう少し体制とか具体的な方法も含めた、そういう続編の番組をぜひ期待したいなというふうに思いました。以上であります。
●委員長
ありがとうございます。どんな物事にも、いろんな側面があって、それを見る場合にも、いろんな視点というものがありますので、テレビ番組をつくるときには、特にこういうドキュメンタリー風の番組をつくるときには、大変難しい問題があると思うんですね。やはり番組として見て楽しんでもらおうと思うとストーリーをつくりたくなるんですね。
ですから、NHKの評判の高かった『プロジェクトX』というのも、この間、なくなりましたけども、やはり限られた時間の中でストーリーができているわけです。そうしますと自分の全然知らないものについては感動したり、非常に面白いと思って見るんですけれども、関係していた人たちは、ほとんどの場合、もっともっと苦労した。これがなかったら駄目だったという話が出てないとか、あんなことだけではないんだと、一番苦労した人の話が出てない。その人の話が出てないというのは、もうどの番組についてもあったんです。
ですから、これは確かにそうなんでしょうけれども、番組をつくる側としては、やむを得ない点でもあろうかと思うんですね。いろんな視点で、いろんな意見をそのまま集めたんでは、なかなか番組になりにくいんじゃないかと素人ながら思うわけですね。ストーリーがないと、やっぱりその番組にならないんじゃないかという気がするんです。
きょうは、非常に専門的な意見もございましたけども、我々の意見をお聞きになって、おつくりになった側としては、おっしゃりたいこともあるんでしょうが、ちょっと予定の時間も過ぎています。あまり長い時間は取れませんけれども、何かコメントなり、何なりございましたらどうぞ、簡単にお願いしたいんですが。
●社側
貴重なご意見ありがとうございました。まず、はじめに委員からご指摘いただきました、やっぱり原因は何なのかというところをはっきりさせるべきじゃないかと。解体を決める前にも専門家の方々の皆さんの間でも、やっぱり原因が分からないままに、バラバラにしちゃっていいのかという意見はすごくありましたし、そういったところを追及していければというところもあったんですけれども、なかなかその、例えばその土のマウンドがどういう影響があるかとか、いろんなことを立証できれば本当に今後のためにもなりますし、いいと思うんですけれども、ちょっとそこが正直、我々の力だけでは、なかなか、例えば科学的な実験をするとか、いろんな難しいのかなというところもあって、そこはちょっと詰めきれてないところもあると思います。
ただ、いろんな1300ページの内部資料というのが途中で出てきたんですけれども、それは高松塚34年間の修理日誌というか、記録でして、それを見ていますと、やっぱり当初の10年間は非常に文化庁のほうでも熱心に、やっぱり技術者の方を外国にやったりして、その方が、ずうっと同じ方が担当されていて、10年経って一区切りしたので違う方に代わったと。
代わっていく間に、どんどん、どこが悪くなっていっているのかとか、そういうことが、どんどん分からなくなってきている現状とかいうのを、ちょっと私は日誌のほうからは感じましたので、その日誌であったり、確かに虎塚の条件は全然高松塚とは違うんですけれども、虎塚の取材であったり、明日香村の人の話を聞く中で、やっぱり人のというか、情熱とか、思いを持ってああいうものを見つめていくというのが、一つ大事なことなんじゃないかなという思いがありまして、そういうところが前面に出たというところがあると思います。本当に、きょうはいろいろなご意見をありがとうございました。
●委員長
ありがとうございました。それでは、これで終わりたいと思いますが、最後に前回は、先月、私は、どうしても出席できない、のっぴきならない事情ができまして、大事な番組審議会を欠席いたしまして、皆さまにご迷惑をおかけしまして誠に申しわけございませんでした。お詫びを申し上げます。
●社側
ありがとうございました。きょうはご専門の方がいらっしゃったということで、非常に深いご議論をいただきましてありがとうございました。
この後、10月に視聴者から寄せられました声についてご紹介をしたいと思います。
この1か月間の視聴者の声の総数は7,847件でございます。これは平均的な月よりは少し多めになっております。
主だったところでは、一つは、最近いじめを苦に自殺するというふうな事件が相次いでいまして、どの番組ということではなくて、この報道全体について、いろんなご意見が寄せられています。
それから『ザ・ワイド』という番組で、国会議員の議員宿舎を「こんなに豪華なんだぞ」ということを紹介したところ、「よくやってくれた」というお声をたくさんいただきました。
それから前回のこの審議会でも委員からお話が出ましたけれども、『14才の母』というドラマについては、予想どおりといいますか、「そんなことを放送してもいいのか」みたいなお声がたくさん来ていまして、その制作を担当している日本テレビの回答をここに載せさせていただいております。
来月でございますけれども、毎年恒例になっておりますように、この場所ではなくて、場所を変えて帝国ホテルで12月8日に開催をさせていただきたいと思います。
詳しいご案内については改めてお送りをいたしますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
終わり
- 平成18年度読売テレビ番組審議会委員
- 委員長 熊谷信昭 兵庫県立大学名誉学長、大阪大学名誉教授
- 副委員長 馬淵かの子 兵庫県水泳連盟 顧問 元オリンピック日本代表
- 副委員長 川島康生 国立循環器病研究センター 名誉総長
- 委員 秋山喜久 関西電力株式会社 顧問
- 委員 金剛育子 能楽「金剛流」宗家夫人
- 委員 林 千代 脚本家
- 委員 阪口祐康 弁護士
- 委員 佐古和枝 関西外国語大学教授
- 委員 北前雅人 大阪ガス株式会社 代表取締役副社長執行役員
- 委員 谷 高志 読売新聞大阪本社 専務取締役編集担当