第476回 番組審議会議事録

1.開催年月日
平成18年10月13日(金)
2.開催場所 読売テレビ役員会議室
3.委員の出席 委員総数 10名
出席委員数 9名
出席委員の氏名 秋山喜久、金剛育子、林 千代、馬淵かの子、阪口祐康、佐古和枝、川島康生、吉岡征四郎、河内鏡太郎
欠席委員の氏名 熊谷信昭
会社側出席者 土井共成 (代表取締役会長)
髙田孝治 (代表取締役社長)
丸山和男 (代表取締役専務)
編成・コンテンツ・制作スポーツ・
東京制作・報道担当
越智常雄 (専務取締役)
内部統制・コンプライアンス・
総務・労務担当
吉野俊太郎(取締役報道局長)
久保哲郎 (執行役員コンプライアンス推進室長)
位寄雅雄 (執行役員編成局長)
村上博保 (執行役員制作スポーツ局長)
松下泰紀 (コンプライアンス推進室
視聴者センター部長)
事務局 新谷 弘 (コンプライアンス推進室次長兼番組審議会
事務局長)
菱田千佳 (コンプライアンス推進室番組審議会
事務局)
森本泰輔 (コンプライアンス推進室考査著作権部
兼法務コンプライアンス部)
4.審議の概要 読売テレビ10月番組
改編の報告
執行役員編成局長  位寄雅雄
読売テレビ番組全般についての意見交換
 10月度の番組審議会は10月13日(金)に、読売テレビ本社会議室で開催され、最近のテレビについて意見交換が行われた。
審議会では、まず10月の番組改編について読売テレビ側から説明した後、意見交換が行われた。
委員からは「どのチャンネルを回しても同じようなバラエティ番組ばかりになっている」「シニア層の見る番組がない」といった意見が相次いだ。
また、企業の立場から、番組をスポンサードするときにこれからは視聴率だけでなく、番組の質を重視すべきだといった指摘や、中期的な展望にたって編成を考えていくべきだといった提案も出された。
この後、9月に読売テレビに寄せられた視聴者からの意見や抗議、苦情などについて概要を報告した。
出席は、川島康生、林 千代、馬淵かの子、金剛育子、河内鏡太郎、阪口祐康、秋山喜久、吉岡征四郎、佐古和枝の各委員と読売テレビからは、土井会長、髙田社長以下12名。
5.審議内容 別掲の通り
6.審議会の意見に対して取った措置
特記事項なし(議事録は関係部署に配布)
7.審議会の答申・意見の公表
●10月26日(木)付け読売新聞夕刊に議事の概要を掲載。
●11月11日(土)午前5時14分から放送の「声~あなたとよみうりテレビ~」の中で議事の内容を放送。
●本社審査室に閲覧用として議事録を備え置く。
●インターネット読売テレビホームページ「テレビの門・話し合ったもん」で議事録を公表。(http://www.ytv.co.jp)
●社内LANにて全ユーザー(全社員および関連スタッフ)に議事録を配信。
8.配布資料 ●視聴番組 概要
●2006年9月に寄せられた視聴者からの意見・苦情
9.送付資料 ●民放連機関誌「月刊民放」
●民放連機関紙「民間放送」

【審議内容】
社側
 おはようございます。10月の番組審議会を始めさせていただきたいと思います。
 まず、委員の方々の出欠の状況ですけれども、熊谷委員長がご欠席になっていらっしゃいますので、きょうは川島副委員長に、委員長代理お願いいたしております。
 きょうは、事前にご案内申し上げましたとおり、いつものように番組を視聴していただいてご意見をいただくという形ではなくて、もうちょっと広い視点で読売テレビの番組全体、あるいは今の日本のテレビ全体みたいなところを見回していただいて、ご自由にご意見をお出しいただこうというふうに思っております。
 それに先立ちまして、私どものほうから10月の番組改編について、少しご説明をさせていただきます。我々テレビ局の場合、春の4月と秋の10月に番組改編ということで、番組の一部手直しをしたりしております。ちょうどこの10月からの新しい番組表が今出来上がっております。
 ということで読売テレビ、10月から、どういう番組を放送しているのかというあたりを初めに編成局長の位寄からご説明を申し上げたいと思います。

社側
 編成局長の位寄でございます。よろしくお願いいたします。先生方のご自宅のほうに、実は事前に同じような番組表ですが、若干カラーで色づけをしたものをお送りしておりまして、意図は、これだけの番組量がございますが、基本的に、その中で読売テレビがつくっているのはどこで、日本テレビから送られてきているのは、どこだということで大きな差がございますのでお伝えしたかったのですが、きょうお持ちでなければ、お答えの中で説明していけると思っております。
 今司会が申しましたように、10月の改編作業というのが終わって、実はこういうものを出すのは、これはテレビの基本番組表と申しまして、全社がこの情報で動き回ると、余計なことがいっぱい書いてありまして、細かいですので、分かりにくいところがあると思いますけど、技術的な部分でありますとか、ネットの条件でありますとか、いろんなものを書きこんだ表ということで、これで統一しております。我々が新聞記者さんに発表する場合も、これをお渡しして、これで説明するという形で、ほぼやっていくものでございます。
 大変長ったらしい縦に長い番組表ですが、ほぼ下半分のご説明になるかと思います。横軸に曜日がありまして、縦軸に時間が流れております。先ほど委員からも「何で28時なんだ」というのがちょっと聞こえましたけども、24時を越えてからは一応コンピューターの関係上、25時だとか26時だとかと言っていきまして、これはテレビ業界の時間の指定です。それで28時59分までありまして、29時をもって今度は逆に5時とするというコンピューターの制御上の問題でございます。
 そのうちのこれからご説明しますのは19時のラインから、ほぼ24時のラインのご説明をいたします。19時、午後7時でございますが、そこから22時、午後10時までの3時間のことをテレビの業界でゴールデンタイムと申しております。それから1時間足しまして、22時台を入れて23時までの19時からの4時間をプライムタイムという言い方をしまして、これは相当古い話ですが、要するに営業が売るときのセールスで「この時間帯はどうだこうだ」ということで多分ネーミングされてきた時間帯で、わずか1時間の差しかないんでございますが、その時間帯でのいろんな指標を争うということになっております。
 その19時から23時のプライムタイム枠の中で、YTVの制作と、あるいは日本テレビから、どれだけの時間が送られてきているかということについてですが、1日4時間、7曜日ですから、このゾーンでは28時間の週間の放送をしております。
 その28時間のうち、YTVが全国へ発信しておりますのは4時間でございます。どの枠かと申し上げますと、月曜日の19時台、30分が2本ありまして、『結界師』という番組と『名探偵コナン』、これはいずれもアニメーションであります。この2枠1時間をYTVから全国28局にネット送りをしてございます。
 同じく月曜日の21時、『芸恋リアル』というふうに書いてございます。ちなみに、その下に「YTV発」となっているのは、そういう意味でございまして、これもこの21時、1時間を全国28局にネット送りで出しております。
 この2時間と、次は木曜日でございますが、木曜日の21時の「『ニッポン旅×旅ショー』<YTV発>」と書いてございますが、この1時間枠、それと、ちょうどその下にあります『ダウンタウンDX』と22時の枠でございますが、この1時間を全国ネットで送り出しております。
 都合、月曜日の3枠2時間、木曜日の2枠2時間、合計4時間が、このプライムタイム枠の中でYTVが、いわゆる大阪、関西から全国へ発信する枠というふうになっております。
 この枠量の在阪の比較で申し上げますと、毎日放送さん、ABCさん、関テレさんではどうなっているかということですが、ほぼ同じぐらいの時間でございます。正確に申し上げると毎日放送さんはネット送りは3時間なさってございます。それ以外に全国には送らないけれども、この時間帯で1時間おつくりになっているということもあります。ABCさんは3時間やっぱりお送りになっております。関西テレビさんは3時間、全国に送って、2時間は大阪ローカルだけの放送というふうになっておりますので、大体ネット送り、全国に発信する時間としては約3時間から4時間ということで、ほぼ在阪各社、同様の時間になっております。
 おそらく、これは過去のいわゆる営業の仕方でありますとか、制作力の問題でありますとかいうことで、ほぼここに落ち着いてきたのかなというふうに思われます。YTVでも過去に最長は確か5時間お送りしたこともありますし、一番少ないときは3時間枠になったこともある。ここ十数年は、今申し上げました4時間枠というふうになっております。
 今回の改編で、その4時間、枠的には5枠ございますが、二つの枠を改編いたしました。ちょうどお手元の資料に斜がかかってございます枠がそうでございまして、月曜日の19時『結界師』という、これはアニメーションの企画でございます。ちょうどこの枠で約2年間、手塚治虫の原作『ブラックジャック』というアニメーションをずっとやってまいりまして、この10月に企画を切り替えるということで『結界師』という番組をスタートさせます。
 これは、その下の『名探偵コナン』というアニメーションが約10年続いてございまして、ちょうど丸10年に今入りまして、大変評価の高い支持も受けている枠なんですが、19時の枠というのは、むしろいろいろシリーズで切り替え切り替えをしてきているソフトでございます。
 この『結界師』というアニメーションは、原作が小学館出版の「少年サンデー」というコミック誌に連載されておるアニメーションでございます。これを今回、新作として初めてテレビ化するということで新番組としてスタートさせました。
 もう1枠、木曜日の21時。この枠は実は『どっちの料理ショー』ということで、これまた約10年続けてきた番組でございましたが、長く続いてきて、10年間の全体平均数字も決して悪くないのでございますが、ここ数年、若干金属疲労が出てきたと。ある種マンネリ感もあるし、「三宅さんと関口さんのあれもちょっとな」という部分もいろいろ聞こえてまいりまして、約半年がかりでいろいろ研究いたしまして、この『どっちの料理ショー』そのもののソフトはいつでも通用するのではないかという実はある種、保管をしておきたいと、いったんレギュラーでは止めて、年末年始の特別番組でありますとか、期末期首の特別番組のときに、もっと登場させていきたいということで、ある種ソフトを温存しながら番組を切り替えるという作業に入りまして、ここは『ニッポン旅×旅ショー』ということで、出演的には関口宏さんと三宅祐司さんというのは変わらないんですが、対立構造ではなくて、司会者とプレゼンテーションということで区分けをして、番組をちょっと開発してみたいということでチャレンジいたします。
 まだスタートしておりませんで、先ほどの『結界師』共々来週の新番組スタートというふうになります。先週、収録を終わりまして、どうしても、まだ『どっちの料理ショー』の残存もあるかというぐらいに、うまくはいっているといえばいっているんですが、まだ新品への切り替えが、これからまだ課題であるという番組でございます。
 これまで約10年間、料理の対決ばっかりで、いわゆる天丼だ、マグロ丼だ、何とかの対決をずうっとやってまいりまして、食べものに関しては非常にもう知り尽くした番組ですが、今回は旅行ということで、特に日本の絶景を取り上げてみたいとか、風土でありますとか、そういうものをちょっとチャレンジしてみたいと、ある種、旅と旅の、これは戦いということではないんですが、二つの旅をプレゼンテーションすると。なるべく、これまでメディアに出てきていない温泉の発見であるとか、食べものも含めての発見であるとか、景色であるとか、そういうものをちょっと探してみたいなと、ちょっとグルメを離れて旅に出たい。
 ご承知のとおり、我が社は日曜日の朝に『遠くへ行きたい』というのは、もう36年間、旅番組としてずうっとやってまいりまして、ある種の旅のノウハウを持っているのですが、ベーシックな旅とは違って、ある種プライムタイムでお見せできるような、若干『遠くへ行きたい』よりは、テンポの出る番組かなと思いますが、そういう旅の番組に挑戦してみたいということで番組を改編いたしました。
 従いまして、YTV、月曜、木曜と4時間持っている中の1時間半の改編ということでありますので、そういう意味では、ちょっと大きな改編に今回はYTVとしては取り組みました。
 日本テレビともどもという言い方をしますと、今回逆に日本テレビはちょっと改編を手控えておりまして、来年の4月に大改編をやるために、枠的には今申し上げますが、月曜日の22時に『極上の月夜』という番組がスタートいたします。これはスタジオ的には生放送ですが、ある種ドキュメンタリーの部分に特化したような番組ということで、これまた来週からのスタートになります。
 それから水曜日の22時と土曜日の21時という二つのドラマ枠の改編になります。これはドラマ枠は毎3か月に1回ずつクール替わりしますので企画改編でございますので、大きな枠改編ではございません。水曜日の22時の水曜ドラマ『14才の母』というのは一昨日放送がありまして、お陰様で、この枠では久々に大ヒットを予感させるスタートとなりまして、大阪のほうでも20%を超えるということで大変期待されるシリーズかなと思われます。
 もう一方、土曜日のドラマ『たったひとつの恋』というのは、あすからスタートいたします。ここはこれまで『女王の教室』でありますとか、『ごくせん』でありますとか、かなり学園もののドラマにチャレンジしてまいりまして支持をいただきまして、今回は、若干それと離れて、北川悦吏子さんという原作者をつかまえて、ちょっとロマンス系のドラマにチャレンジするという枠になりました。
 従いまして全体で見ましても、日本テレビがドラマを含めても3時間、YTVが1時間半と都合、このプライムタイム28時間の中では4時間半だけの改編ということになりました。
 日本テレビのほうでは、もっと大きな改編といたしまして、実は同じく、その今ご覧いただいております23時台でございますが、22時54分から23時55分、金曜日だけ23時30分からになってございますが、『NEWS ZERO』という番組をスタートさせました。
 この枠は、実は約半世紀『きょうの出来事』という枠タイトルでずうっとニュースをやってまいりまして、あるときは30分枠、45分枠、1時間枠と、いろいろな形の枠であったり、中のキャスターもいろいろ交代もしてまいりましたが、そういう意味では約半世紀ぶりに枠タイトルを変えまして、一応ゼロからのスタートということで『ZERO』というタイトルを持ちまして、このニュース全体の中にスポーツも取り込みながらチャレンジしていこうということでございます。
 これのキャスターには、財務省から関西学院大学の教授をなさっております村尾教授をキャスターに抜擢いたしまして、これは先週からスタートしております。まだ見ておりましても若干不慣れでありまして、今のところ、まだ顔見世程度にしかなってございませんが、裏の同じ時間帯のニュース枠の戦いに今参画しだしたというところでございます。
 従いまして、今期の10月改編、いつもは、この5割増しぐらいの改編をするのですが、日本テレビとしては、この『NEWS ZERO』という、ある種大きなベルトのニュース枠の改編に着手したいということで、ほかの時間帯でいいますと月曜の22時と、あとドラマが2枠ということになりました。
 そういう意味でいえば相対的にYTVの2枠1時間半というのは、日本テレビに比べまして大きな改編で、なおかつ先行的な改編かなというふうに思っております。これで半年間、戦っていきたいと、そういう改編作業を今回はいたしました。以上でございます。

社側
 お聞きのように、主に夜のよくテレビを見ていただく時間帯を中心にご説明をさせていただきました。ご議論は委員長にお任せをいたしますけれども、別に今ご説明をした番組に限らず、読売テレビの番組全体あるいは今の日本のテレビ全体について自由なご意見をいただければというふうに思っております。それでは、副委員長よろしくお願いいたします。

副委員長
 こういういつもとは違う議論をしようという企画のときに限って委員長がお休みになりましたので、どうぞお手柔らかにお願いいたします。
 そういうことで、きょうは自由なご議論をというお話でございますけども、今もご説明はいただきましたけれども、そのほかに委員の皆さん方で、やはり「わしにはよく分からん、ここが分からん」ということがございますでしょうか。そういったご質問ですね、議論に先立ってのご質問がございましたら自由にお尋ねいただきまして、それから議論を進めてはどうかと思います。何か、そういうご質問がございましたら、まずお聞きいただければと思います。
 私なんかは、この長い紙を初めて見せていただきましたけども、昼間は一体テレビは何をしておるのかなと思ったんですが、それもちょっとご説明いただけますか。

社側
 ほとんど昼間は横一横一という形になってございまして、朝の『ズームイン!!SUPER』という5時台のほうからずうっとございまして、いわゆる情報ワイドショーという番組を、ほぼやっている時間帯というふうにご理解いただければ結構です。
 このページで言いますと朝の『ズームイン!!SUPER』というのは日本テレビを中心にいたしまして、もちろんYTVも参画しておりますので、日本全国を、ある種リレーでつないでいくような番組でございます。大変古い番組ですが、若干実は裏との関係でいえば、今疲労を来しております。
 それから8時からの『スッキリ!!』というのは芸能情報を中心としたような、これもいわゆるワイドショーということで、日本テレビから全国に発信しているものを大阪も受けていると。その下の9時55分からの『なるトモ!』というのが、これが実はYTVが独自につくっている、これまたワイドショーといえばワイドショーでございます。これは大阪ローカルだけの放送をしようとしていたんですが、実はローカル局のほうから「取らしてくれ」ということになりまして、現在はYTV以外3局にネットしております。名古屋中京テレビと広島テレビさん、熊本県民テレビさんという3局へYTVからお送りしているという枠になってございます。
 それから12時以降も、ほぼワイドショーといえば、一括りでいえばワイドショーになるんですが、『午後は○○おもいッきりテレビ』というのは、例のみのもんたさんが、健康情報にかなり重きを置いたワイドショーです。ただし当然、ワイドショーといいながら、この中にもニュースのコーナーというのが存分に持ってございますので、生対応できる約2時間枠というふうにお送りしております。
 その下の『ザ・ワイド』というのは、これはお話しすれば大変長い枠なんでございますが、実は読売テレビが東京の日本テレビと合同して、場所的には日本テレビのスタジオからYTVの責任で全国へ送り出しているという2時間のワイドショーでございます。
 これは草野さんを司会者に立てまして、形としては、もう草野さんだけで十数年やってまいりまして、YTVとしては、正式には04年から、きちっとYTVが責任を持つと。それまではYTV半分、日本テレビ半分でありますとか、上がYTVで下が日本テレビとか、いろんなことが、実際、過去ございましたが、現在は、そういうことでYTVの責任で、ただし場所は日本テレビから送り出していると。
 その下の15時50分から17時50分までの大きな2時間が、これは実は新しい番組でございまして、7月からつくり出した『情報ライブ ミヤネ屋』と申しまして、これは実は大阪ローカルの放送でございます。ここは、いろんな私どもリピート放送をしていたのですが、毎日放送さんが例の角さんの『ちちんぷいぷい』というのを長くやってございまして、朝日放送さんが『ムーブ!』という同じく番組をやってございまして、YTVと関西テレビだけが、実はつくっていない時間帯だったのですが、どうしても地域密着型のきちっとした番組をつくろうということで、実は、これは今年の7月からスタートをさせまして、そういう意味でいえば、10月の前に、この7月でこの約2時間、5曜日ですので10時間の改編をしたという、こういう昼間の時間帯です。
 従って半分は日本テレビから、半分はYTVが全国へ、あるいはローカルへつくり出している枠であります。そういうことでよろしゅうございますか。

副委員長
 ありがとうございました。皆さん、前もってこの基本番組表というのをご覧になっておられると思いますが、何かご質問ございませんですか。
 基本的なことですが、視聴率というのは、やっぱりゴールデンタイムとか、プライムタイムというのと、お昼の横枠の時間というのは随分違うんでございましょうね。

社側
 基本的には、やっぱりゴールデンタイム、プライムタイムというのは、もともと見るお客さんが多いから、そういうふうに名づけたと思うんですね、営業的に申し上げまして。
 従いまして、今現在の平均値でいいますと、ゴールデンタイム、プライムタイムというのは世帯で約68%から70%の視聴率です。
 もう一方、昼帯という、いわゆる朝の6時から24時までを今度一括りにしますので、そこを一括りにしますと大体45%のセット・イン・ユースといいまして、約45%で半分ちょい下の世帯の方に見ていただいている。
 それに対して、それより約5割増しの68、70%ぐらいが、このゴールデンタイム、プライムタイムにご覧いただいているという枠というふうに言えます。

副委員長
 もう一つ、お尋ねしますが、広告料というのは視聴率ともろに並行しているんですか。

社側
 これは営業局長がいませんので、代わりに申し上げますが、テレビの収入は大きく申しまして二つありまして、番組を提供していただくという形の提供のタイム料金というのと、1本ずつスポットで入れるというCMの入れ方がありまして、それを両方合わせて我々の場合は収入構造になっているので、しかも、そのタイムの場合には、我々はネットの番組で全国へ送り出した、先ほどご説明したような番組に提供していただくのは、当然28局ネット全国ですから大変高うございます。
 それが今度は大阪ローカルだけの、また番組提供していただくという値段があります。これをまとめて、ネットタイム、ローカルタイムということでいただくんです。
 それ以外は、あと番組のほとんど間、間と、実はゴールデン以外のところの番組の中にも出しますので、それを今、月間10何万本でしたか、ありますので、これも各社ほとんど一緒なんですが、それを売りに出すと。
 その1本1本に視聴率というのがついておりますので、100本まとめて、例えば何パーセントあるのだというのが、実は売り買いの基礎になっております。
 従いまして、1%を1万円で買って、それが100本あれば100万円という値段で実はクライアントさんとずっとやりとりをしていくというのがベースですので、視聴率がものすごく結びつきます。

副委員長
 なかなかすぐには理解できませんけれども、ほかにどなたか、ご質問はございませんか。
 読売テレビの番組をというご注文でございましたけれども、なかなかどれが読売テレビなのか、そう思って見ておられる方は少ないと思いますので、結局は民放全般のご意見になるかもしれませんけれども、それはよしといたしまして、それでは、やはりいつものように委員からお願いします。

委員
 今回のテーマをいただきまして、非常に初め、漠然としていて、なかなか難しいなと思いまして、それで、そういうとき大体私は事務所のいろいろな人に何か、読売テレビとは聞きませんで、「最近のテレビについてどう思う」ということで、いろいろ情報収集はしたんですけれど、なかなかちょっと共通的なのはなかったんで、その中で、ドラマが非常に少なくなっているようなイメージが、やっぱりみんな共通で持っていました。ドラマやっているけど、あんまり見なくなったというのも含めまして、そうやって考えると、また確かに自分で振り返っても、昔のドラマで今でも、あの場面といえば大体同世代で共通で認識があるというのはあるんですけど、最近のドラマは、ちょっと見なくなっているからかもわかりません。そういう印象のあるドラマというのは少なくなってきていると。
 私もドラマはずっと最初から見るというのはほとんどなくて、ものすごく評判になって、それが評判になって大体放送13回で8回目ぐらいからチョロチョロ見出すとかいうのがあるんですけれども、それでもあんまり今思い出して印象に残っているという場面が、少ないように思いました。
 ただ自分が今までテレビで見ていたのを振り返って、ドラマの中で、いろんないい場面、あるいは心に残る場面というのは、やっぱり今でも覚えていて、それはやっぱりいろんな意味で、自分の成長であるとか、いろんな形で影響を及ぼしているように思います。
 だからやっぱり、ドラマで何か残るようなのを残してもらえたらなというのがちょっと思いました。
 その反面、意見として多かったのは、どう言ったらいいかな、一括りに言うたらバラエティーと、みんな言うていましたけれども、芸能人の人が、いろんな形でスタジオでしゃべってやるという番組が非常に増えたなと。中には面白いのもあったり、つまらんのも、いろいろあるみたいですけれども、やっぱり見ている側から言ったら、何か多過ぎるのかもわかりませんが、あんまりどれもこれも何か似たような感じというような印象を持っているような、これは何となく共通項かなというふうに思いました。
 もう一つ、ドラマの話に、もう一度戻りますと、じゃあドラマを見なくなって、ドラマ自体にみんな興味がなくなっているのかというと、どうもそうではないみたいで、私の年齢、あるいはもっと歳の年配の人にも聞いてみても「映画は見る」と、こういうんですね。あるいは、うちの家内に聞いても、ケーブルの関係で海外のドラマは見ると。決してドラマ自体に興味がなくなってきたというのでもないのかなと。
 それで総括しますと、もうちょっとドラマで印象に残る、あるいは心に残るようなのが、何か別に、なかなかドラマというのは難しいというのは、私もいろいろお聞きして知ってはいるつもりですけど、何かそういうので残るような番組がつくってもらえるようにできたらなというのが私の印象です。とりとめのない意見ですけれども、以上です。

副委員長
 ありがとうございました。きょうは番組全体についての意見交換ということが内容でございますので、委員の先生方も、どうか他のご意見に対して自由にご発言いただければと、こういうふうに思います。
 
委員
 私も委員と同じような意見なんですけれども、家にいるときは、見ていようが見てなかろうが、とにかくテレビはつけっ放しにしているほうなんですけれども、何か同じような番組が多いなと、ワイドショーにしても、どこのチャンネルを回してもワイドショーばっかりやっていて、何か何チャンネルのどれというのが区別がつかないような感じであったり、それから夜のほうにしましても、何かドラマが少ないなと、毎週何か楽しみにして「きょうは、あれだから見なきゃ」という番組が、最近、全般的にちょっと少ないなというふうには思っています。
 何か落ち着いてじっくり見られるような番組が、もう少しあってほしいなと、バラエティーとか、そういう視聴者参加の番組で、何かドタバタ騒がしいといいますか、見ててくたびれちゃうような番組が結構あって、もう少し本当にじっくり見たくなるような番組が増えてくれるといいなというふうに思います。
 それと、これを見て改めて思ったんですけど、本当に昼間ってワイドショーばっかりで、私は何か昼間、家にいるときはワイドショーを避けて、ドラマの再放送を探しながらチャンネルを渡り歩いているんですが、本当に10チャンネルなくなっちゃったんですよね。
 このワイドショーの中で、同じ時間帯でワイドショーをやっているところは多いと思うんですけども、この番組はよそに勝っているぞというのは、どのあたりですか。

社側
 数字だけを申し上げますと、『ズームイン!!SUPER』は、私ども1979年から実は始まっておりますので大変古い番組でございますが、今横並びでいうと大変大阪では苦戦をしております。
 特に、この4月から毎日放送さんが、みのもんたさんを使いまして『朝ズバッ!』というのが出てきまして、これがもう予想以上に大きな数字を取り出しました。これが1番か2番です。
 それから朝日放送さんは、朝日放送さんで独自に『おはよう朝日です』という番組、これまた長くやっておられまして、これは大阪だけやっていらっしゃる番組なんですが、これも大変高い数字をお取りになっております。
 それから関西テレビさんは、実は東京CXからの『めざましテレビ』という番組をお取りになってございまして、これもよく取っておりまして、この三つに比べますと、大変『ズームイン!!SUPER』というのは横並び的に苦労しております。
 それで申し上げますと、あと、その下の『スッキリ!!』という番組もYTV的には大変苦労しておりまして、これは課題でございます。
 その下の『なるトモ!』というのは、お陰様で今横並びで、これは逆に1位でございます。陣内君となるみさんというローカルでやりました番組が、今のところ1位です。
 昼間帯は『おもいッきりテレビ』枠というのは、我が方はみのもんたさんですが、裏で強いのは『笑っていいとも!』というタモリさんがやっている番組、これがまた長い番組ですので、面白いんですが、これ春休みとか夏休みになりますと、当然ものすごく視聴率を取ります。高校生とか、大学生が休みに入りますと。それ以外は『おもいッきりテレビ』のほうが若干上かなということです。
 それから『ザ・ワイド』という時間帯は横並びでいうと、全国ネットでやっておりますのは我が系列だけでございまして、あとローカルでTBSさんがちょっとやっているとか、実は、ここ私どもは長いことずっと1位でございまして、他局があんまり入ってこれなかった時間帯ということで、この草野さん司会の番組は元気でございます。
 その下の『情報ライブミヤネ屋』の枠というのは、先ほど申し上げましたように『ちちんぷいぷい』と朝日放送さんの『ムーブ』というのが両雄でございまして、私どもはチャレンジしておりますが、まだ、そこの域には達していないという表裏の環境だと思います。

委員
 ありがとうございました。こういうワイド番組の情報発信も大切かもしれませんけども、何か、お昼の部分も、もうちょっと静かに、ゆっくり見られる番組が欲しいなという気がいたします。以上です。

副委員長
 かなり似たようなところもあるご意見でございましたけれども、ほかの委員の方、ご意見ございませんか。
 それでは委員、お願いいたします。

委員
 私は、ちょっと自分の生活を振り返ってみますと、テレビといっても、ほとんどニュース中心のような感じで、あとは自分の興味のあるのを見せていただくと、何かそんな感じで、あんまりこういうのはよく分からないんですけど、先ほどの委員のように、周囲の人にいろいろ聞いてみますと、「あまり最近テレビを見ない」という人が、ものすごく多いもので、ちょっとそれが「ああ」と思って、視聴率というのは「高い」とか、いろいろおっしゃいますけど、どういった方を対象の視聴率ですか。

社側
 基本的には、日本の今の人口構成と同じくなるようなサンプリングという取り方を、それぞれの地区でしておりまして、統計学的には、今のところ一番正確なサンプル数でいっているというふうに聞いております。

委員
 私の限られた範囲ですけど、いろいろ聞くと、世代的には「あんまり最近見ない」みたいな人が割と多いので、どういった基準で視聴率調査がされているのかなと、ちょっとチラッと思いましたので。
 ちょっと、やはりこのゴールデンタイム、プライムタイムを見ても、あまりにちょっと、こういう私どもの世代だからかもわかりませんが、「ぜひ、これを見たい」というのは、すごく少ないような気がして、非常にそれが残念だなと思いますのと。
 それと、きのうも、たまたまちょっと、きょうがありますので、『ダウンタウンDX』というのを初めて見てみたんですけど、とてもやっぱり「長く見たいな」とは正直いって思わなくて、何といいますか、きのうは、たまたまどう言ったらいいんでしょうか、服の値段みたいな、誰が一番高いのを着ているかみたいな、最後、何億の着ているみたいな人が1位になるような、そういう内容。
 やはり今こういう時代に、北朝鮮の問題とか、いろいろワーワーやっている中で、やっぱりこういうふうなことをやっていていいのかみたいな、そういう感じもありますし、何かちょっと最近のやっぱり日本の風潮の金権主義ですとか、やはり若い人に、あまり見せたくないような番組だなというのを、たまたまきのうのは、そういうふうに感じて、やはりさっき皆さんがおっしゃっておられるように、ちょっとドタバタですとか、そういうふうなのが、あまりにも多過ぎて、それと言葉遣いなども、もうものすごく乱雑な乱暴な言葉になっているので、やはり今、日本語の美しさとか、そういうのを見直そうということを、すごく言われている中で、やっぱりテレビの責任というのは、ものすごく大きいと思いますんで、ちょっとそういうことを、きのうは感じました。
 それと、きのうまた『NEWS ZERO』というのを、ちょっと拝見して、これも今まで櫻井さんの『きょうの出来事』から、あれから、ずっといろいろ見ています。非常に何か、すごく新しいやり方だなと思うんですが、これはどういった形を狙っておられるんですか。ゲストの方なんかも、いろいろ多彩に呼んでおられて、一般の分かりやすいとか、そういうちょっと狙いのほうをお聞きしたいなと。

社側
 今の現状では、おそらく現場も相当試行錯誤をしている状況かと思いますけれども、冒頭、編成の位寄局長のほうから概要説明がございましたけれども、今までの『きょうの出来事』が52年間続いて、なおかつ中身が、ほぼストレートニュースという印象が相当根強いかと思います。
 そんな中で、言葉上は、すべて原点に一度立ち返ろうということをコンセプトに、実は今まで『きょう出来』に関しましては、いわゆる報道主管ということになっておりましたけれども、今回のこの番組は、報道とスポーツ情報、それから制作と、いわゆる局横断のコラボレーションという形の情報エンターテインメント番組ということでスタートしております。
 そんな関係上、確かにメーンの村尾キャスターの、ある意味では素人でスタートされておりますので、その辺の多少不安な部分、それと当然彼一人では番組は成立しないということで、周りを非常に多く配した番組になっております。
 そんな中で、多少落ち着きのない状況が続いているかと思っておりますけれども、先ほど申し上げましたとおり、情報エンターテインメントということに大きく切り替えたという中では、スタートの現状では、ある部分、やむを得ない状況が一方であるのかなというふうには思っておりますけれども。
 ただ我々も、実は全く時間帯は違いますけれども、夕方帯の情報番組の『ミヤネ屋』、これを7月からスタートしております。この番組も実を申し上げますと編成局、それから報道局、それといわゆる制作スポーツ局と、これも当社では初めての試みということのコンセプトでつくり上げている番組です。
 当然ターゲットは違いますので、『ZERO』とは一緒という観点で見るわけにはいかないと思いますけれども、日本テレビさんのこの『ZERO』のある意味では成功ということも、我々としては、今大いに期待していきたいというふうには思っております。そんな状況ですけども。

委員
 今、小泉政権も代わり、国際情勢も今大きく変化している中で、私ども視聴者としては、正確な情報とかを、いろいろ知りたいなというのは、すごくどなたにもあると思うので、そういうところを根本に置いていただいていったら、いろんな方が見やすいような形で、今後、始まったばかりなので、ちょっとそういうふうに見守っていけたらいいなというふうな期待をしておりますけど、やはり全体に感じたのは、何といいますか、どうしても、ドタバタみたいなものが目についてしまうので、やはりテレビが、もうそういう若者とか、青少年というのを引っぱっていくということを、ちょっと置いていただいて、やっぱり視聴率、先ほどの話で大事なのは、よく経営上わかるんですが、やはりそういう社会性ということをちょっと考えていただいて番組づくりをしていただきたいなというのを思います。
 この間からテレビで何か横田めぐみさんの映画がアメリカでつくられて、いろんな人の声を聞くと「ああいうのをテレビでやってほしいな」とか、そういう声もありますし、またいろんなものを取り入れていただければというふうに感じました。ちょっと感想のようなことですけれども以上です。

副委員長
 ありがとうございました。委員お願いできますか。

委員
 あんまりテレビ見てないんで、個々のテレビの内容の良し悪しということは、あまり申し上げられないし、皆さん方、いろいろなことを調査されて、これがいいだろうということで、この10月の基本番組表をおつくりになったんだろうと思います。これは、これでいいと思うんですけれども、むしろこれから中期的に見て、いろいろな変化が起こってくる。その辺をにらんで今後のテレビ内容のあり方ということを考えていく必要があるんじゃないかなと。
 政治的には北という最貧国が核を持つという非常に大きな変化が起こっているんですけど、極端に言えば量から質への転換が起こっているんじゃないかと。
 そういう中で、テレビにとっては、テレビの視聴者と、それからスポンサー、それからテレビをめぐるいろいろな環境、こういったものをどう読んで、それにどう対応していくか、その一歩として、例えば10月、あるいはその次の4月の番組編成ということと、それから大きな変化への対応の準備ということだと思います。
 企業にとってみると今までは「売れればいい」というか、そういうふうな時代であったと思います。そういったときには非常に視聴率というのが大事な要素だったと思うんですけども、今はCSRという言い方で企業の社会的責任を担ってくると、必ずしも視聴率だけではなくて、企業に対するイメージをどうアップするかというふうなことになると、やっぱり提供している番組の内容ということも、かなり問題になってきているんじゃないかなと。
 我々、今感じているのは、「CSRだけやってりゃいいのかね」と、こういうことで、もっと企業自身が本当に社会に役立つ企業とは何か、あるいは社会だけではなくてステークホルダー、株主とか消費者に対する役立つ企業とは何か、あるいは企業価値とは何かということが、今これから急速に問われてくるんではないのかなというふうに思っています。
 だから、そういった中でテレビ番組のスポンサーとして、どんなテレビの内容のものを求めていくかということが、2、3年のうちには、かなり大きく変化してくるんじゃないのかなというふうに思います。
 消費者のほうも、今まで笑いといいますか、バラエティーというか、そういうものを求めておられたことは事実だというふうに思いますけど、今、きょう3人の方々のご意見でもありますように、だいぶテレビに求めるものが違う層も出てきていると。だから非常に多様化してきて、なおかつ求めるものの変化が出てきているという中で、そのバラエティー的なものを中心とした編集でもっていくのかどうかということなんで、そういった消費者のニーズの変化とスポンサーのニーズの変化、この辺をどうマッチングさせてテレビをつくっていくのがいいのかということがあるかと思います。
 それからテレビをめぐる環境としては、一つは通信と放送の融合で、だんだん、だんだん、テレビをパソコンなり、携帯で見るような時代になってくると、あまりコマーシャルを見てくれなくなる可能性が非常に強いということへの、それじゃ何で収入を得ていくのかというふうな対応を考えておかないといかんかなというふうに思います。
 それからデジタル化して、かなり金をおかけになったけど、そのデジタル化のメリットが単に綺麗だというだけじゃもったいないと思うんで、何か双方向というのは非常に難しいかと思いますけど、インタラクティブにやれるかどうかは別として、何かいろいろ、そういったものに対するデジタル化時代への対応というふうなことを考えていくということも大事になってくるんじゃないかなというふうに思います。
 それから、これは両方を統括してですけども、やはりテレビ局も「何のために社会に存在するんだ」という役割的なものを問われてくるというふうに思うんで、日本人自身が非常に最近はワンキャッチフレーズで「もったいない」という人が知事になっちゃう時代なんですが、何か思考能力が、かなり低下してきていると。
 これはテレビのようにパッと瞬間的に見て「面白い、面白くない」とか何か、ややある意味ではテレビの悪影響かもしれませんけども、テレビ自身が、そういったものの日本人の考える能力を、あるいは理解力、判断力、そういったものを育成していくということも何か必要になってくるんじゃないのかなと。
 これはテレビが非常に新聞よりも、今注目されているだけに、かえって新聞が負っていたような社会的な責任をテレビ自身が持っていかなきゃいかんのではないかなというふうに思います。
 だから、こういったものに対応するために、出来るだけ各縦割の部局じゃなくて、若手でも、あるいは部長クラスでも集まって、ワイワイガヤガヤ、これからどんなことの環境変化が起こるのかというプロジェクトチームをつくって、そういうことを議論して、2年先、3年先に他局にどう差別化、他局との差別化をどう進めるのかということを、かなり生き残りの戦争が激しくなってくると思いますんですわ。
 そういう時代に、それを先駆けるために何か、各部局を横断的なワーキンググループなり何なりをつくって検討していくということが必要になってくるんじゃないかなというふうに思います。
 あんまり見てないんで、きょうのテーマにふさわしくないかもしれませんけど、以上です。

副委員長
 企業という立場から、少し違った観点でご意見をいただきましたですけど、これは読売テレビ側としては、今のご意見に対する、ご意見や何か、ございますでしょうか。
 委員の会社が変な番組、変な番組といったら悪いですが、そういう番組のスポンサーになっておられるというのはあんまり見たことがないんですけども、各企業はやはりみんな、スポンサーになられるときには、一応内容を全部チェックしておられるんでしょうね。

委員
 それは、ある程度「こういう内容の番組のスポンサーに」と、こういうことは皆さんやっておられると思いますので。

社側
 従来、企業は視聴率を非常に重視してきましたけれども、視聴率だけじゃなくて、やっぱり「企業イメージを損なう番組は、たとえ視聴率がよくても駄目だ」というような、そういう企業が、だんだん増えてきておりますね。
 この間、ある雑誌を見ましたらトヨタさん、「アメリカでは、もう視聴率だけでは買わない」と「やっぱり自分たちの企業イメージを損なうような番組は買わない」というようなことを、どこかでしゃべったという話がありましたけども、だんだんそういうふうに変わってくる可能性はありますね。

委員
 見てくれて、買ってくれるかというと、ここへ結びつかなくなってきているという、その辺で、それを今度、企業側としては、どう結びつけるかということで、今はインターネットや何かで「この商品を欲しい」という人に対して、いろいろカタログを送って売るとかいうふうな、割合多様化してきて、付加価値が高くなってくると、そういう売り方も出てきているとなると、マスメディア的にワッと流すのがいいのか悪いんかという話も出てくると思うんで、そういった中で、テレビがどう生き残っていくかということを、インタラクティブにするのは非常に難しいんですか、あれは。

社側
 いや、そういうデータ放送というのも出てきます。それから、それとは別にテレビで商品を紹介して、実際に購入するのはインターネットの画面、視聴者が開いてもらって、そこから購入するといった、そういう意味ではテレビとインターネット通信が融合するような、そういう仕組みも今だんだん増えていくんだろうというように思っています。

委員
 いろいろやり方というのがあると思いますね。逆に通信をうまく使えば、あるいはデータ放送なんかを使っていけばいいと思いますけど、何か、よそより先取りでないと、すぐに真似されますよね。

副委員長
 ありがとうございました。

委員
 先ほどお聞きしていたら、昼間でも40何%の人がテレビを見ていると、夜になると7割ぐらいの人が見ておられるということで、改めてテレビというのは大変全体によく浸透しているというか、大変な影響力を持つものだということは認識をいたしました。
 私、今回プライムタイムの読売テレビさんの制作された番組について、少し何人かの意見を聞いてみたんです。20人ほど、大体30代、40代、50代ぐらいの社員の意見を聞いてみたんです。
 そうすると幾つか「へっ」と思ったんですが、まず一つは「意外に見ているな」というのがありまして、やっぱり意外にみんな見ています。見ているんですけども、50代以上の社員の視聴頻度というのが非常に何というか、やっぱり落ちているように、低いように思います。
 それはたまたまサンプルも多くないし、そうだったのかもしれませんけど、やはりどうもプライムタイムとか、ゴールデンタイムの番組は、どっちかというと若向きにつくられていて、あまりシニア世代に、ちょっと意識されてないことはないと思いますけど、どっちかというと若い世代狙いでやっておられるのかなと、それが悪いというわけじゃないんだけども、それに意図されてそうなのか、それともたまたま、こういうことになっているのか、よく分からないですけども、そんな感じは一つ受けています。
 ですから、もうちょっとシニアの人も見られるような番組もあってもいいのかなというのが一つの印象です。
 それから、この四つの番組に比べて内容的に、私の予想に一番反して、一番支持率が高かったのは実は『ダウンタウンDX』というやつでして、やっぱり聞いてみると「ダウンタウンという人は面白いから」とか、非常に人気があるようですけども、『芸恋リアル』というのはダントツに評価が低かったですね。「リアリティがない」とか、そういうような評価ですね。
 こういうことを見ますと、やっぱりかなりのたくさんの人にテレビが支持されているといいますか、受け入れられているということは事実だというふうに思います。
 ただ先ほど委員がおっしゃっていたんですけど「絶対見たいか」と言われると、やっぱり必ずしもそうじゃなくて、ついスイッチをつけてしまうとか、つい見てしまうという人のほうが、やっぱり多数のように思いますんで、どうしても見たいというほどの吸引力があるかといえば、必ずしもそうじゃないのかなというようなことが、20人ほどの社員に聞いて、そういう印象を受けました。
 先ほども、ちょっとおっしゃっていましたけど、作品の質と視聴率の関係です。これについては、たまたま毎月、『月刊民放』という雑誌を送っていただいているんですが、その9月号に読売新聞の鈴木さんという方が書いておられまして、「最近ソフトとか、コンテンツということがよく言われるようになっているんだけども、そのたびに値打ちが下がるような気がする」と、要するに「テレビの番組というのは、そんなに安っぽいものじゃなくて、作品性と、それから商品性というか、いわば微妙なバランスで成り立っているのがテレビの番組なんだと、言い換えれば、中身のある、つくり手側の創意だとか、創造性だとか、そういったものと、組織としては、より高い視聴率を求める組織原理とか、これがバランスするところで成り立っている」というようなことを書いておられまして「なるほど」と思ったわけでございまして、そういう作品と商品といいますか、そういったものの葛藤が、どれだけつくるときにあるのかということによって、中身の深さというのも出てくるのかなと。
 ですから、すべて情報源あるいは健全な娯楽ということで受け入れられているからといって、それで満足するものじゃなくて、もうちょっと「どうしても見たい」とか、そういった作品が少しでも多くなることを期待するわけであります。以上です。

副委員長
 ありがとうございました。高齢化が進むのに、その対策をどうするかということが非常に議論されているときに、高齢者が見ないということでは、ちょっと問題であるかなという今のご発言は大変重要かなという気がいたしました。
 
委員
 10月から少し初めのうち懸命に見てみました。2日の『名探偵コナンドラマ 工藤新一への挑戦状』というのを見てしまいました。もっとも若向きのドラマだとは思ったんですけれども、それでも最後までテンポがよくて、きっちり見切れました。
 ただタイトルバックで俳優の名前が全く知らない、学園ものですから当然なんですけど、次々若い俳優が出てくるので、「やっぱり時代かな」というふうには思いました。
 それと、その夜から54分からですか、『ZERO』がスタートしたと思います。私たち、どうしてもニュースというのはニュースという、もう本当に基本的な考えから、なかなか固定観念が抜け切れません。どうしても、そういう視点で見てしまいますと、村尾信尚先生の立ち上がりは、そんなに評価はできないんじゃないかと。
 これは先ほど編成局長がおっしゃいました、少しずつ時間とともに解決していくんではなかろうかということですけど、解決するためには、このテレビの番組に慣れてくるということではなくて、彼自身が何を持っているのか、持っているものをどんなふうに外へ出していくのか、これが全てじゃないかと思います。今のレベルで慣れてきても、そんなにインパクトの強い、そういう番組になっていくかということを少し思いました。
 それから、あと川原亜矢子さんなども出ていますけれども、彼女の使い方なんかをどんなふうに考えているのかなということを思いました。相当難しい使い方になるんじゃないかというふうに感じました。
 それからあと、これは慣れということとリンクするんですけれども、村尾先生の視点というか、視線が少し違うんじゃないかと、もう少し視聴者というか、我々のほうを向いて語りかけたほうがいいんじゃないかということを感じました。
 関連してニュースということで言いますと、これは一般的なニュースであります。アスベスト問題とか、社保庁の裏金問題とか、これはいずれも民放が口火を切ったような側面があります。ただ、もちろん読売テレビさんのほうの報道番組も、随分我々が慌てて追いかけたようなケースもたくさんあるんですけれども、新聞と違いまして、そのそれぞれ珠玉の特ダネ、あるいは非常に価値あるドキュメントというのが、なかなか私たちのほうに伝わってこない。インセンティブを持てないか、持たないのか。その辺が随分もったいないなという気が以前からしておりまして、要するに編集局の笑い話で、ニュースの最初に「きょうは大変な特ダネがあります」という天海祐希のドラマにも、そんな話がありましたけれども、例えば、そういう形で少しインパクトをつけて、その局が最も今力を入れているテーマ、問題を前へ前へ出していくという方法はないんであろうかと。
 もちろん北朝鮮から始まるというのは当然ニュースの仕組みなんでしょうけれども、それだけではなくて、売り方みたいなものがあるんじゃないかというふうに思いました。
 それから、あと横田めぐみさんのドラマにつきましては、委員もおっしゃいましたように、あの複雑怪奇な出来事を非常に分かりやすく説明されていたドラマだと思います。おそらく制作者は相当な苦労、困難に立ち向かったような気がいたします。
 ただ、あのドラマを一応終わりますと、その拉致問題の概論は、ほぼ理解できたような気がいたしますので、そういう意味では、いい試みだったと思うと同時に、それから元から予定されたのかどうか分かりませんけど、政治的あるいは国際情勢みたいなものが見事に、この10月3日にフィットしたなというふうには思っております。
 バラバラで取りとめもございませんけど、大体以上でございます。

副委員長
 ありがとうございました。よろしゅうございますでしょうか。
 それでは次、委員お願いいたします。

委員
 テレビを見ながら楽しませてもらっていることは、いい番組いっぱいあるんですけれども、きょう、ちょっと気になることだけ幾つか申し上げたいと思います。大体毎日6時過ぎ、早くて6時、遅かったら9時ごろしか帰らないので、『情報ライブ ミヤネ屋』というのは、今まで1、2回しか見たことないんですけれども、宮根さんというのは、朝日放送のアナウンサーというイメージが私には非常に強いんです。今も朝、多分出ていらっしゃると思うんです。それを、この時間帯に持ってくることによって、何か二番煎じというのか、きのう出たご飯を朝にもう一度食べるというのか、言い方をすれば全く同じようなしゃべり方ですので、ちょっと「なぜ、この人を新しく参入する情報番組に持ってこられたのか」というのが、よく分からない。読売テレビさんの中にも、いいアナウンサーがいらっしゃるんじゃないかなと思うんですけれども、これはちょっと分かりませんでした。
 それから9時の『ニッポン旅×旅ショー』という、このタイトルですけれども、読売テレビさんのタイトルは結構面白いタイトルがあるのに、ちょっとこれは私自身「違うんじゃないかな」と、こういうことを感じました。
 それから、あと『14才の母』ですか、この水曜ドラマに関しては、見てないんですけれども、かつて『同棲時代』とか何かという劇画があり、これがドラマや映画になって、今では、もうすぐに社会から受け入れられて、市民権を得る言葉になったと思うんですけれども、この『14才の母』というのは、これから先、これを否定するのか、肯定するのか、よく分かりませんけれども、今、親が子どもを暴力で、つい最近もあったと思うんですけど、生まれて、まだ2、3週間しか経っていない子どもを投げつけたりとかいうのがある中で、この『14才の母』というのを、何かタイトルを見ただけで、ちょっと私自身、年のせいもあるかもわかりませんけど、非常に嫌な、多分少子化とか、それから命の大切さというものを延長線上に置きながら、多分生むというところに持っていくんじゃないかと思うんですけれども、今の世の中に、このドラマの持つ意味を、もうちょっと考えていただけたらよかったかなと思っております。
 あと全般的なテレビについて言えば、金融機関のコマーシャルが、非常に若者が飛びつくような形でのコマーシャルで多いんじゃないかと思います。
 それとバラエティー番組の中で、登場するタレントさんに賞品や賞金を渡すということは、ちょっといまいちよく分かりません。例えば、世界一周旅行とか、それを含めていうと、そういうバラエティー番組の中で、「次にゲストを紹介します」というときに、大物俳優とか、大物女優とかいう言葉の大物という使い方も、ちょっと私自身は出てくる人たちに対して「えっ」と思うような人が多いので、その言葉の使い方とかいうものを非常に疑問に感じます。以上です。

副委員長
 ありがとうございました。

社側
 ちょっと宮根君のことについて。まず宮根誠司さんに関しましていうと、制作的にいうと、この時間帯はご存じのように、十数年、読売テレビはサスペンスのリピート放送をやっておりまして、先行するMBSさんとABCさんに対して、どれだけ差別化して視聴率的にも、なるべく早く横並びにするかというところで、じゃあどういうキャスティングにしましょうかというところでいうと、関西の主婦層に圧倒的に人気と支持がございます。宮根誠司さんですね。これを持ってくれば、もちろん最初から、ある程度、MBSさんとABCさんと戦えるのではないかなというようなところはもちろんございます。
 ただし、この『ミヤネ屋』に関しましては、宮根誠司さんと、それからYTVの局のアナウンサーと、局のアナウンサーかなり出演しています。同じように出演しておりまして、コラボレーションというような言い方をしておりますけども、宮根誠司さんのような力強いアナウンサーに早く成長してもらいたいなというような思いもございます。
 もちろん、中身が伴わないと数字がついてこないわけですけども、現状でいうと多分、委員がおっしゃっているように『おはよう朝日』と、番組の内容的に少しやっぱり、同じ情報を扱うというようなところがあるのかなと、従ってトーンがあまり変わらないかなというふうに見られているのかなというような気もいたします。
 現状少し違うのは、髪型が違うだけです。『おはよう朝日です』のときと『ミヤネ屋』のときは、ちょっと髪型が違うというぐらいでございますけども、我々制作陣としては、今のご意見は非常に参考になると思います。多分、番組の構成と企画の中身が、あまり『おはよう朝日』と区別されてないんではないでしょうかというような話だと思いますんで、ちょっと一層、企画の中身、それからニュースの扱い等に関しまして、よく研究していきたいなというふうに思います。以上でございます。

社側
 あとCM、金融機関のCMについて。営業局長がおりませんので、金融CMのご意見が出ましたけど、いろいろご存じのように消費者金融等、ここ近年ずっと増えていたというのはご存じのとおりでして、テレビとしては、いろいろグレーゾーン金利の問題も今も検討されていますように、なかなか難しい問題です。
 読売テレビとしては、当初から、他局に比べたら消費者金融については厳しい運用をしてきたというふうに思っています。
 そうした状況ですけれど、いろいろ景気の回復と言いながらも、なかなかテレビCMに跳ね返ってこないような現実の中で、それなりの厳しい枠の中で扱ってきていた経緯があるわけなんです。ところが、ご存じのように今年に入りましてからは、現状を申しますと最高裁の判決が幾つか出まして、グレーゾーンについて非常に厳しい判決、判例が出てきたようなこと。それからアイフルの事件なんかもありまして、業者側も自主規制をしているというような状況の中で、実はつい先日、編成局長、営業局長とも、この2クール、4月以降のチェックもしてみたんですけれど、ガタッとCMの放送本数が減っています。半分以上減っていた月もありました。
 去年までに比べましたら、金融CMの露出回数も大幅に減っているというのが現状です。
 そして今後については、金融庁も新しいグレーゾーンについても対応、自民党筋ともいろいろ詰めていますけれど、その動きを見ながら民放連、東京キー局とも調整しながら新しい対応を決めていくことになっていますが、ちょっとどういう対応になるかというのは現時点ではまだ見えておりません。

副委員長
 ありがとうございました。それでは最後になりましたが、委員、よろしくお願いします。

委員
 もう大体、皆さん、私がちょっと思っていることをおっしゃってくださったんですが、私いつも楽しみにして、昔からずうっと楽しみにして、うちの主人もそうですがロードショーですね。最近は本当に何か、見たいロードショーがなくて、怖い映画だとか、殺人やらホラーやとか、うちの主人もああいうのが嫌いで、もうちょっとほんわかするように「見てよかったな」というような映画は放映することできないんですか、それをやったら視聴率が落ちるのか、それをちょっと一番に聞きたかったことと、結局、中高年には向いてないんですね。若受けするために、こういう映画を選んでいるのか。
 それから火曜のドラマもなんですけれども、やっぱり話題は非常に若い人のドラマが多くて、これもちょっとあんまり見る気しないなというのがありましてね。それで、なぜかというと、私たちが勉強不足なのか知りませんが、出てくる俳優、若いイケメンの俳優やとか、可愛いアイドルがよう出てきているんですけれども、何かちゃっちいんですね、ドラマそのものが。あの人たちが出てきて会話をやっていると、昔から苦労して場数を踏んでいる舞台の人と滑舌も悪いし、演技指導もろくに受けてないのに、ただセリフを棒読みして長いドラマをやっているので、「もう、ようやるわ、こんな下手くそを使うて」と、結局そのドラマを見ながら「こんな下手な芝居をやっているわ」とか言いながら、もう切っちゃう。この2時間ドラマが非常にもったいなくて、私たち本当に、この時間帯を少しほっこりしている時間なのに、こういうふうな、あんまりいい映画がない、ドラマも安っぽくて若受けばかりしている。それがすごく不満なので、それだけはちょっと言うてこいと主人が、毎日、「きょうは何の映画、これをあかんわ」、もうそんなんばっかりなんですよ。それががっかりする一番のきょうの発言の主人の分も言いました。
 それと、あとは最近何か、すべてニュースでも何でも、北朝鮮もそうですけど、いやに字幕が出るんですよね。日本語ちゃんとしゃべってはるのに、そのとおり字幕が出るのは、あれは視聴覚の悪い方のために出しているわけですか。
 そうなんですか。英語を日本語に変えて出してくださるのは、まあまあ何とかありがたいんですが、すごくあれは全部見ないといけないような、私たち、そういうふうな、日本語でしゃべっていても、ちゃんと聞こえているのに読まないけないことになると、私たちの老眼やとか、だんだん目が悪くなってきている者にとっては非常にあの字が見にくいんです。
 そういう不満はないですか、皆さん。私すごく、このごろ気になりまして、この人何を言っているのかな、田舎のズーズー弁の人を正しい日本語にしてくださるのはいいんですけれども、普通の人が、安倍さんがしゃべっているようなことでも出てくるんです。ちゃんとした日本語でも。あれが、ものすごく目障りで、昔はあんなことはなかったんですね。それを急にああいうことになりだしたので、画面が小さかったら、なお見えませんし、私も車の中で見ているテレビなんかも小さいから全然それが見えないし、ましてパソコンやら携帯なんかになったら全くお手上げですよね、あれ出てくると。
 そういうのも、もう少し、いい方法がないのかなと。それもちょっと、きょう言いたいことの一つなんです。あれが、もうちょっと省略した簡単な言葉でパンと出るとか、あるいは見やすいような字幕で出るとか、ちょっと考えていただきたいなと思うんですけど、そういう不満が出るようなことはないんですかね、苦情があるとか、そういうので視聴者のほうから。

社側
 字幕に関しては、特に今ご指摘されたような意見は、あまり届いておりません。

委員
 そうなんですか。じゃあ私だけなのかな、ものすごく気になりまして、「あまり下手な日本語をしゃべるから、そんなん字幕が出るのよ」なんて、うちの子どもなんかがテレビに出ても、しゃべっていることがツッツッツーと出てくるんですよね。本当は、それを、その子が舌足らずな言葉でしゃべっていても理解はできる日本人は多いはずなのに字幕が出るから「あんたのしゃべり方が悪いから、こんなん出るのや」と、私の自分の選手がしゃべっているときも、そんなん出たときに、子どもがキョトンとしていましてね。「ちゃんとしっかりしゃべらないと、こういうことになるのよ」と、そうすると全部駄目じゃないですか、安倍さんのもなっているから説明しにくくなっちゃったりしましてね。
 ああいうのも少し、場面によって、字幕なんか必要ないと思うのをカットしていただいたほうが見やすいんじゃないかなと私は思っているんですけれども。
 あとは、この『どっちの料理ショー』というのは、もうマンネリになっているわとずうっと思っていて見ながら、今度変わるそうなので、これはちょっと楽しみにさせていただいて、いっぺんこの審議会の中でも討論してみたい番組じゃないかなと思うんで、楽しみにしております。以上です。

社側
 ロードショーが何かつまらなくなっていると言われましたけど、実は本当につまらなくなっていましてね。どうしても洋画の買いつけ競争がかなり激しかった時期がございまして、例えば、例の『タイタニック』という映画を買いつけるためには、もう入札していくと何億、何十億という形になっていくんですね。
 実際は、それだけを実は買うのではなくて、大体映画の場合は、それ1本とB級のやつを何十本というセット販売になっているんです。そうするとキー局がTBSでも、テレ朝でも同じなんですが、まとめ買いをしますから、1本いいのがあっても、結構つまらないものが多いんです。それを必ずしも、その枠で全部かけるかということじゃなくて、深夜でかけたり、いろんなかけ方をするんですが、どうしても大きくかける制作費というのは、1回当たり幾らというふうに、もうアベレージを決めていますから、大きい買い物をすると、ほかにしわ寄せが出ているということは確かにあるんです。最近だから、どの局も実はロードショーに対しては本当につまらなくなってきています。それは事実でございます。
 実は日本テレビも、その辺大変困っていまして、来年の4月を目指して、このロードショーを1年間走りきるだけのきちんとした作品が揃えられるかどうかということの吟味に今入っております。
 幸い日本テレビは、例のジブリと組んでおりますので、『ハウル』だとか、『トトロ』だとか、『もののけ』だとかというものは、正直に言いまして、もう何回も何回も、ここでかけさせてもらっていますが、また子どもにもいいアニメーションですので高い支持をいただく。まだ日本テレビの場合には、ジブリがある分だけ、ある種助かっているのですが、その洋画、邦画の買いつけについて大変苦労していて、今よくなくなってきているのは事実かなと。
 その分、映画の出資という行為のほうで、むしろつくる段階からテレビ局も入り込んで、私どもで言いますと『三丁目の夕日』というのはアカデミー賞を取りましたが、そういうものに、まず映画で当てておいて、ここへ、もう一度移すというのをやっていますが、必ずしも全部成功しているとは思いませんが、そういう邦画洋画の買いつけから、今度出資のほうへちょっと動いたりというふうにしているのが今の実情かなというふうに思います。

副委員長
 ありがとうございました。もう時間も大分押しているようですので、私も何か申し上げなければならんと思うんですけど、その前に一応ご欠席の委員長が、「ちょっとこれだけは言うておいてくれ」とおっしゃったことがありますので申し上げておきますが、委員長も、どうもあんまりテレビを見ておられなくて、深夜と正月ぐらいしか見られないらしいんで、このご注文は「深夜番組をもうちょっと工夫してくれ」と「なぜマンガやアニメを夜中にやっているのか」と「こんなのを見ている子どもがおるのか」というふうなご意見と、それから「連続コマーシャルをなぜやるのか」ということをおっしゃっていました。これは私、見たことありませんので、どれだけ続いたら連続コマーシャルなのか分かりませんが。
 それから正月三が日の放映というのを、羽根つきみたいなのばかりやらずに、もうちょっと名画をかけるとか、お金をかけずに、いい番組を流せるんじゃないかというふうなことをおっしゃっておりました。
 もう意見が出揃ってしまったと思いますが、私もあまりテレビを、よく見るほうではありませんので、具体的な話をするのは難しいんですが、バラエティー番組というのは、どうもこの審議会では、あまり評判がよくないようですけれども、バラエティー番組を、あんまりお好みでない方ばっかりが委員になっておられるからではないかというふうにも思います。
 これも先ほどお話がありましたように、そういう全国民の比率からいうと、やはりこれのお好きな国民が多いからで、やはり視聴率を上げるためにはやむを得ないことではないかなと思いますが、そのために、そういうバラエティー番組でありながら、もう少しましな番組ということで、先ほどお話しになった情報エンターテインメント番組なんというのをお考えになったんではないかなと思うんですけども、それはそれで、やはり全くのドタバタ番組だけやっているよりも、かなりいいんではないかなという気がして拝見しておりました。
 しかし1点、「どのチャンネルを回してもドタバタばっかりで、結局切ってしまう」というご意見がございましたですけども、そんな時間帯というのは、いい番組を流すチャンスではないかなという気が私はしておりました。
 それから、やはりこれは委員のご意見にもございましたけれども、やはりテレビというのが本当にエンターテインメントだけではなしに、これがやはり国民を引っ張っていくと、日本人の育成ということにも、「そこまでは望めん」とおっしゃるかもしれませんが、やはりそういう志は持ってやっていただければなという気がいたします。
 ニュースにしても、殺人の話、談合の話でどれだけ時間を取っているか。それよりも、やはり少しは国際的な話とか、それをうまく先ほどの情報エンターテインメントでも結構ですので、国民に、何といいますか、もう少し日本の将来を考えさせるような、そういう番組をつくっていただければなというふうな気がいたしました。
 それが私の意見でございますが、もう一つだけ具体的なことで、ちょっとこういうのはどうかなと常々思っていることがありますので申し上げたいと思うんですけども、それは委員長は大阪府の教育委員長をやっておられましたけども、教育委員会というのは、口を開いたら「子どもにテレビを見させないように」ということを言いますけれども、教育委員会が「子どもさんに、このテレビを見させてください」というふうな、そういう番組はつくれませんでしょうかね。
 学校の先生が「帰ったら、このテレビを見なさい」というふうな、そういう番組ができたらなというふうに、夢かもしれませんが、例えばマンガで野口英世の話とか、結構、子どものときに私たちは、そういうのを見た記憶があるんですけれども、そういうのをテレビで、どこかの時間帯でやれたらいいなというふうな考えを常々持っておりましたので、この際、ちょっと言わせていただきました。
 何か、まだ言い足りなかったということはございませんでしょうか、どなたか。時間がちょっと押しておりますが、それではこれで意見交換会を終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

社側
 お疲れさまでございます。本当にいろいろなお立場から、いろいろなご意見をいただきまして、ありがとうございました。また機会を見て、委員長ともご相談をして、こういう場を設けられたらいいなというふうに思いました。
 それではちょっと押していますが、9月に視聴者の皆さま方からいただきましたご意見等についてご報告をさせていただきます。

社側
 9月に視聴者の皆さまからいただきました声についてご報告申し上げます。
 まず総件数ですが7,148件ということです。今月も特定の番組に偏って意見なり、抗議が集中したということはありませんでした。
 ちなみに最近で言いますと、TBSさんの疑惑の判定、亀田興毅のタイトルマッチというのが、1日に5万5,000件、苦情が寄せられたということがありまして、先日MBSさんで聞いても、1日に1,000本ぐらい抗議電話があったというようなことが各局の中である中で、比較的7,000件ぐらいという、いい状態というか、形になっております。問い合わせが、どうしても6割程度を占めますんで、意見、抗議等は約3割から4割という形になっております。
 その中で、やはり特定の情報を連日報道するということで、紀子様の男児ご出産に関しても「同じ内容ばかりを流すな」というようなことであったり、「雅子様の心情を察するように」というようなご意見をいただきました。
 それから『ザ・ワイド』、それから『ミヤネ屋』の中で、コメンテーターの発言に関して、「『うつ』というような発言を、あまり素人考えで気軽にしないでください」というような意見が寄せられております。
 それから先ほどから話題に上がっております『どっちの料理ショー』ですが、約10年続きましたけれども、この方は「9年間、家族でずっと見てきました。年齢を問わず楽しめ、いろんな食材、生産者の苦労や気持ちなどがテレビを通じて感じ取れるいい番組でした。また、ぜひつくってください」ということで、先ほども申し上げましたけども、「今後は期末期首の特番等でスペシャルバージョンでお届けします」という形になっております。
 それから、やはり問い合わせが多かったのは、健康情報であったり、お店情報という形になっております。
 それから1件だけ付け加えさせていただきますが、芸能ワイド『えみぃSHOW』という番組の中で「突然、地雷ルーレット」というコーナーがございまして、要は電子的なルーレットで、ピピピッと電飾が回転する中で、その止まった人が、何か裏ネタを、その場で突然発表しないといけないというようなコーナーだったんですけれども、ここで地雷ということに対して、「今、世界中でいろんな方が被害に遭われている中で、あんまり軽々しく使うべき言葉ではないのではないか」というような意見が数件寄せられておりまして、何回かにわたって現場に、それをフィードバックしておりましたら、これは現場の判断としてですけれども、先月末ぐらいから「地雷」という言葉を外しまして「突然ルーレット」というような形で、少数意見ではありますけれども、そういうものを現場の判断で一応改善しているというようなことが発生しております。以上です。

社側
 どうもありがとうございました。
 きょうは、ちょっと新しい形でたくさんのご意見をいただきまして、時間が少し押してしまいましたけれども、これで10月の審議会を終わらせていただきたいと思います。
 次回ですが、11月10日の金曜日、同じこの場所で開催をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 きょうは本当にありがとうございました。

  • 平成18年度読売テレビ番組審議会委員
  • 委員長    熊谷信昭   兵庫県立大学名誉学長、大阪大学名誉教授
  • 副委員長    馬淵かの子   兵庫県水泳連盟   顧問   元オリンピック日本代表
  • 副委員長    川島康生   国立循環器病研究センター   名誉総長
  • 委員    秋山喜久   関西電力株式会社  顧問
  • 委員    金剛育子   能楽「金剛流」宗家夫人
  • 委員    林  千代   脚本家
  • 委員    阪口祐康   弁護士
  • 委員    佐古和枝   関西外国語大学教授
  • 委員    北前雅人   大阪ガス株式会社   代表取締役副社長執行役員
  • 委員    谷  高志   読売新聞大阪本社   専務取締役編集担当