第468回 番組審議会議事録
1.開催年月日 |
平成17年12月9日(金) | |
2.開催場所 | 帝国ホテル大阪「宝」の間 | |
3.委員の出席 | 委員総数 | 10名 |
出席委員数 | 10名 | |
出席委員の氏名 | 熊谷信昭、秋山喜久、金剛育子、林 千代、馬淵かの子、阪口祐康、佐古和枝、老川祥一、川島康生、吉岡征四郎 | |
欠席委員の氏名 | 熊谷信昭 | |
会社側出席者 |
土井共成 (代表取締役会長) 髙田孝治 (代表取締役社長) 丸山和男 (代表取締役専務) 編成・制作スポーツ・東京制作・事業担当 越智常雄 (専務取締役) 総務・労務・報道担当 久保哲郎 (執行役員審査室長) 森岡啓人 (執行役員報道局長) 位寄雅雄 (編成局長) 村上博保 (制作スポーツ局長) 本田邦章 (執行役員東京制作局長) 松下泰紀 (審査室視聴者センター部長) 松山浩士 (編成局1セグ放送推進部) |
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事務局 |
新谷 弘 (審査室次長兼番組審議会事務局長) 菱田千佳 (審査室番組審議会事務局) 前田義信 (審査室考査著作権部) |
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4.審議の概要 | 番組視聴 | |
「ワンセグを中心とした地上デジタル放送の進捗具合と展望について 」 | ||
報告者 | 松山浩士(編成局1セグ放送推進部) | |
12月の番組審議会は12月9日(金)帝国ホテル大阪で行われ、放送のデジタル化に伴って四月からスタートするワンセグ放送サービスについて意見交換が行われた。 審議会では、まず局側からワンセグ放送サービスの技術的な仕組みや特性について説明したあと、実際にワンセグ放送を受信できる携帯電話を使ってデモンステレーションが行われ、審議に移った。 委員からは、「なぜデジタル放送のフル電波ではなくワンセグメントなのか?」といった技術的な質問や、携帯電話などでテレビをみることが出来るようになることで、子供たちが過剰にテレビを見る事になるのではといった懸念が出された。 また、地震などの災害時におけるワンセグ放送の有用性についても意見が相次ぎ、緊急時のメディアとしてのワンセグ放送サービスについての期待の大きさが感じられた。 審議会では、この後11月に読売テレビに寄せられた視聴者からの意見や抗議、要望などの概要について報告が行われた。 出席は、熊谷信昭、秋山喜久、金剛育子、林 千代、馬淵かの子、阪口祐康、佐古和枝、老川祥一、川島康生、吉岡征四郎の各委員と読売テレビから土井共成会長、髙田孝治社長以下13人。 |
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5.審議内容 | 別掲の通り | |
6.審議会の意見に対して取った措置 特記事項なし(議事録は関係部署に配布) |
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7.審議会の答申・意見の公表
●12月22日(木)付け読売新聞夕刊に議事の概要を掲載。 ●2006年1月14日(土)午前5時25分から放送の「声~あなたとよみうりテレビ~」の中で議事の内容を放送。 ●本社審査室に閲覧用として議事録を備え置く。 ●インターネット読売テレビホームページ「テレビの門・話し合ったもん」で議事録を公表。(http://www.ytv.co.jp) ●社内LANにて全ユーザー(全社員および関連スタッフ)に議事録を配信。 |
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8.配布資料 | ●1セグの概要 ●2005年11月に寄せられた視聴者からの意見・苦情 |
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9.送付資料 | ●民放連機関誌「月刊民放」 ●民放連機関紙「民間放送」 |
【審議内容】
●社側
時間がまいりましたので12月度番組審議会を始めさせていただきたいと思います。きょうは暮のお忙しい中をお集まりいただきまして本当にありがとうございます。
きょうの出欠の状況ですが、委員の方々は全員ご出席でございます。
読売テレビ側は、レギュラーメンバーが全員出席しておりますので、よろしくお願いいたします。
きょうの議題ですが、先日、委員長とも打ち合わせさせていただきましたんですけれども、きょうは来年の4月1日からスタートします「ワンセグ放送」というものについてご説明を申し上げて、ご意見をいただきたいと思っております。
早速ではありますけれども、編成局で、このワンセグ放送を担当しております松山からご説明をさせていただきます。
●社側
ワンセグ放送推進部・松山と申します。どうぞよろしくお願いします。きょうは、来年の4月1日に放送が始まるワンセグというものについてご説明させていただきたいと思っています。
このワンセグなんですけれども、ここに、こういうマークが出ていることでもお分かりのように、携帯電話と非常に関係のある放送です。一言で言いますと、携帯電話で見られるデジタルテレビ放送だというふうにご理解ください。デジタルの電波、これはのちほど詳しくご説明しますけども、一部の帯域を使って、いわゆる移動体向けにデジタル放送をしましょうということなんですが、おそらく、その端末として一番普及するのが、携帯電話だろうと考えています。
今でも、アナログテレビの付いた携帯電話というのは発売はされているんですけれども、この4月から始まるワンセグというものとは大きく違います。
その大きな違いというのが二つあります。一つが、やはりデジタル放送ですから、これ実は後で実際に画面を見ていただこうと思っておるんですが、非常に画面も音声も鮮明です。それから、例えば、電車の中であったりとか、車の中であったりとか、そういう移動しているところで見ても非常にきれいに見えるということで、従来は、テレビというのは、やはりお茶の間とか、個人の部屋とか、そういう屋内での視聴というのがメーンだったんですけれども、これは屋外でも、どこでも見られる。ちょっとはやりの言葉でいうと「放送のユビキタス化」みたいな感じで、非常に視聴者の皆さんにとっては、視聴機会が増えるということなんです。
そこが、おそらく、きれいに見えるというところが、多分アナログのテレビが付いた携帯電話と大きく違うところだろうなと思っています。
もう一つ大きく違うところというのは、これデジタル放送なんですが、このデジタル放送の一つの持ち味であるデータ放送、これが実際には放送画面というのは、こんな感じのものになるんですけれども、上半分に例えば実際のテレビ放送が映ります。下半分にデータ放送が、そのまま同時に表示されるという特徴があるということです。
これが結構、重要なことでして、しかも携帯電話というのは電話ですから、ある意味、放送を受けると同時に、それ自体が上り回線を持った機械でもあるということですから、通信との連携が非常にやりやすくなるということなんです。
最近、非常によく言われる「放送・通信の融合」みたいなことが、おそらくこのワンセグというものにとっては密接な関係を持って、非常にやりやすくなるという感じで、多分ワンセグでこそ、おそらく放送・通信の融合というのが一番ぴったりと当てはまるのではないかなというふうに考えています。
こういう特徴を持っているということは、つまりこれ、もともと、このワンセグというのは、災害時のための緊急放送というものを念頭に置いてつくられたものなんですけれども、そういう災害時の情報のライフラインツールとして非常に有効なのではないかなというふうに考えています。
このワンセグなんですが、どういうふうに位置づけられているかというと、今の免許上では、デジタルの家庭向けの放送を補完する放送だと、補完放送だというふうに考えられております。
今の免許のもとでは、サイマルで放送するということが条件です。なので、この4月1日から始まる放送についても、今の固定テレビに流れている放送と全く同じものが、コマーシャルを含めて流れるということなんです。
ところが、これ実際に、このワンセグのこの受信端末が普及をして、一つのメディアとして広く認知された場合、この次の免許更新というのが2008年にあるわけなんですが、この免許更新時に、免許要件が緩和される可能性もあるということで。
となると、今度は固定向けテレビと、このワンセグとで番組の別の編成ができる。あるいは、コマーシャルの別売りが可能になるという可能性もあります。
そうなると我々テレビ局にとっては、今までとは違った新たなビジネス展開の可能性というものも生まれてくるという、そういう意味では非常にちょっと将来性のあるメディアではないかなというふうに考えています。
それで、このワンセグの放送スペックといいますか、どういうふうに放送されるかということをちょっと簡単に説明したいと思っていますが、今のデジタルTVの放送というのは、一つのチャンネルを送る電波が13本のケーブルを束ねたようなものだというふうにご理解いただければいいんですが、その13本のケーブルのうちの12本のケーブルを、これを固定の家庭テレビ向けの放送に使います。残りの一つ、この1本のケーブルを使って放送する。このそれぞれの12本の1本1本のことをセグメントというふうに呼んでいるわけなんですが、そのうちの一つのセグメントを使う放送なのでワンセグという名前になっています。
実際に、この一つのセグメントで送れる情報量というのは、大体1秒間に300キロから400キロビットですから、これちょっと文字量に直すと1秒で原稿用紙50~60枚分の情報が流せるんですが、その領域を使って、映像、音声、それから字幕、それからデータ放送、そういったものを全部まとめて送ってしまおうということです。
ですから、基本的には電波全体の13分の1ぐらいの伝送容量しか使っていませんので、それほど高画質ということではありません。画面の解像度も、これは横が320ドット、縦が180ドットぐらいの解像度です。
1秒間当たりのフレームも、今のテレビが毎秒30フレームなんですが、ワンセグの場合は1秒間に15フレームと。ですから、今のテレビに比べると多少ギクシャクした動きにはなりますが、ただ携帯電話の小さいテレビで見ている限りは非常に鮮明な画面で見ていただけるのではないかなというふうに思っています。
このワンセグが、実際に4月1日に、どれぐらいの地域で放送が開始されるのかということなんですけれども、基本的に民放、NHKも含めて、放送が始まるのは東京、名古屋、大阪・関西、大体この3地区になります。この東名阪の3地区に関しては、全局始まるんですが、あと富山県の北日本放送であったりとか、静岡県の静岡放送であったりとか、あと全国の広いエリアでNHKがワンセグをスタートするということで、全局ではないにせよ、かなり広いエリアで4月1日には、このワンセグが見られるようになるということです。
実際に、このワンセグを視聴できる端末が、いつ発売されるのかということなんですが、実は、もう一番早い機種、これはauの機種なんですが、これはもう来週には発売になります。12月16日発売です。
発売にはなるんですけれども、ところが、実際に本放送が始まるのは4月1日ということで、実際に端末が売り出されてから見られるようになるまで結構時間があるようなんですが、ところが、実は試験放送という形で、各局、年明けぐらいから、もう今の固定テレビ向け放送と同じものを流す予定になっています。
この4月1日までというのは、例えば、トリノオリンピックがあったりとか、そういうちょっと大きなイベントがあったりしますんで、それをやはりワンセグの普及に、役立てたいという判断です。
先ほども言いましたが、このワンセグの大きな特徴としてあるのが、この放送と通信の連携ということなんですが、これは具体的に、どういうふうに画面で連携していくのかということを、ちょっと見ていただきたいと思います。
最初に、この端末の電源を入れました。そうすると上半分に、いわゆる映像、音声が流れます。下半分にデータ放送が表示される。このデータ放送が、実は、この携帯上でクリックできるようになっています。
ここのデータ放送で、いろいろ情報を流せるんですが、ところが、さっきも言いましたように、ワンセグの伝えられる、その情報量自体が、やっぱり少ないものなので、ですから、ここでデータ放送で、例えばニュースを出しましょうといった場合、あまり詳しいニュースは載せきれないんです。じゃあ詳しいニュースを伝えるにはどうするかというと、データ放送を使って載せることはできないので、その携帯電話の通信を使います。
その通信の機能を使って、サーバーから、例えば、詳しいニュースであったりとか、詳しい天気だとか、そういう情報を引っ張ってくる。ですから、ここから、このデータ放送の画面から通信の画面に移ることができるということです。ここで特徴的なのは、この絵と音と通信の画面が同居できるということがポイントです。
さらに、この通信領域と、この画面の混在表示をしている、この領域のことを1次リンクと呼ぶんですけれども、さらに、ここから従来の今までのiモードであったりとか、EZ-WEBであったりとか、そういう従来の通信コンテンツにもリンクすることができると。
ですから例えば、ここで読売テレビのニュースの見出しが出ています。詳しいニュースの内容は、ここで読むことができる。さらに、ここから読売テレビとか、読売新聞の携帯サイトに跳ぶことによって、さらに詳しい情報が分かると、こういうコンテンツの移動が可能になってくるということ。これがワンセグが持っている非常に大きな特徴です。
ほかに、このデータ放送とか、1次リンクを使って、どういうことができるんだろうということなんですけれども、例えば、この双方向性というものを生かして、こういうサービスを今我々は考えています。
まず、番組と連動したサービスが可能になります。例えば、上半分の映像ではクイズ番組を放送します。下のデータ放送では、実際に視聴者の方にも番組中にクイズに参加してもらう。それで回答を送ってもらうみたいなことですね。あるいは、番組中に視聴者の意識調査アンケートなんかをやるみたいな、こういう番組と連動したサービスが可能になります。
それから、これはさっきも例に出しましたけれども、ニュースのヘッドラインの表示、ニュース速報であったりとか、スポーツニュース、緊急ニュースなんかを、ここにデータ放送を使って配信するみたいなことも可能です。
あるいは、視聴者の方の住所とかを、住所といっても、そんな詳しく登録してもらう必要はないんですけれども、郵便番号ぐらいのレベルで構わないんですが、そういうものを登録してもらうことで、例えば、その視聴者の方が住んでいるところあたりの交通情報であったりとか、電車運行情報であったりとか、それからピンポイントの天気であったりとか、あるいは災害時なんかは、例えば、その見ている方の近くに、どういう避難所があるかみたいな、そういう情報みたいなものが、その地域、あるいは視聴者が住んでおられるエリアに特化した情報の配信なんかができる。こういうサービスも可能になります。
あと、これはもう言わずもがなのことでもあるんですけれども、番組を見ながら、その番組を補完する情報なんかを表示することができます。例えば、上でドラマを放送している。例えば、途中から見た人のために、下ではドラマの粗筋であったりとか、あるいは視聴者の方のニーズが多い主題歌の情報であったりとか、それから上で料理番組をやっている場合、下で詳しいレシピを出すとか、そういう番組を補完する情報なんかを提供するサービスも可能になってくるということです。
ですから、こういうサービスが、一つの画面上で可能になってくるというのが大きな特徴かなと思っています。
このワンセグなんですが、どういうふうに一体見られるんだろうということなんですけれども、実際に今ちょっと赤と緑のラインが二つ並んでいますが、この緑のグラフというのは、今の家庭にあるテレビが、どういうふうに見られているかというのを示すグラフです。下、横軸に並んでいるのは、これは朝5時から、ずうっと深夜の4時までの時間区分なんですけれども、今の家庭向けのテレビというのは、見られている時間というのが大きく分けて三つピークがあるわけです。
一つが朝8時前後、それから昼の12時前後、それから夕方からどんどん高くなっていって、いわゆる19時から23時という、この4時間、これがいわゆるプライムタイムと呼ばれる時間なんですけれども、ここで一番高いピークを迎えます。これが今の家庭のテレビの見られ方です。
ではワンセグというのは、どういうふうに見られるかということなんですけれども、これは、まだ当然、機種が出ているわけではないので、あくまで視聴率ではなくて、こういうワンセグが出た場合、「どういう時間に利用したいと思いますか」という調査をYTV独自で行った結果なんですけれども、やはりこれも非常に特徴的な幾つかのピークがご覧いただけるかと思います。
一つが、やはり朝なんです。それから昼の12時、それから夕方3時ぐらいから、どんどん、どんどん高くなっていって、テレビのプライムタイムとは、ちょっと遅れたところでピークに達する。
これは、どういうことかということなんですけれども、これは結局、このワンセグを見たい時間帯というのは、今実際に携帯を使っているユーザーの方が、携帯を利用している時間と、ほぼ重なるわけです。
この朝と昼のピークというのが、それぞれ何を意味しているかというと、これ、まず出勤とか、登校時間なんですね。それから12時というのは昼休み。あとこの夕方から、ずうっと夜9時、10時ぐらいにかけて上がっていく、この一つのピークというのは、これ実は帰宅時間です。
ですから、この朝、昼、それから夕方から夜にかけて、この時間というのは、おそらくワンセグというのは屋外で見られるであろうと。例えば、会社に行きながら電車の中で、例えばニュースを見るとか、昼休みに、ちょっとワイドショーを見てみるとかみたいな見方。
その一方で、この22時以降から24時ぐらいにかけて、この深夜帯のこのピークというのは、多分、屋内での利用になってくる。これは、どういう見られ方かというと、例えば高校生なんかが、これ自分の部屋にはテレビがない。でもテレビを見たいという場合でも、あんまり家族と一緒にいたくないみたいな場合というのは、これは自分の部屋に携帯電話を持ち込んでテレビを見るみたいな利用のされ方というのが結構あるんではないかなというふうに思っています。
ですから、この屋外で利用されるされ方と、屋内で利用されるされ方というのは、多分結構違うんです。一つ、この屋外で見られる場合というのは、これはおそらく携帯電話のバッテリーを使って、日常のいろんな生活シーンの隙間の時間にテレビを見るという、そういう見方になるでしょう。ですから、極めて断続的な見方になると思います。そこで見方も、例えば、ちょっと情報を得るために見ようとか、ちょっと暇つぶし、5分、10分の空き時間ができたから見ようとかという多分こういう見方が支配的になるでしょう。
その一方で、この深夜帯、屋内で利用される場合というのは、おそらく本当に究極の個人視聴になるでしょう。それから屋内ですから電源が利用できますので、多分、利用時間も長いであろう。見られ方もメインテレビの代用であったりとか、あと携帯を使って、携帯の上り回線を使って番組に参加しようとかみたいな使われ方が、おそらくメインになってくるだろう。
ですから多分、この昼間と夜の見られ方の違いというのは、ちょっと我々もきちっと考えながら番組を組んでいかないと、なかなか視聴者のニーズに応えるということができないのかなというふうに思っています。
最後になりますけれども、そういうワンセグなんですけれども、今までお話ししてきたことを簡単にまとめると、ワンセグというものには四つの特徴があるということなんです。この四つの特徴を持つ、このワンセグが普及することによって、テレビ視聴というのが、どういうふうに今後変わってくるのかということを、ちょっと簡単にまとめてみました。
この四つの特徴というのは、これはまずポータブルなテレビ視聴であるということ。パーソナルなテレビ視聴であるということ。それからデータ放送とリンクしたテレビ視聴であるということ。それからに上り回線を持ったテレビ視聴ということ。
このそれぞれが、どういうふうにテレビ視聴のあり方を変えていくかということなんですが、まず、このポータブルなテレビ視聴ということは、おそらく、やはり即時性であったりとか、リアルタイム性を持ったコンテンツが見られるという機会が増えるであろうと。
これは例えば、ニュースであったりとか、災害情報であったりとか、それから例えば、野球とか、サッカーみたいな、そういうスポーツ中継ですね。こういうもの、例えばスポーツ中継なんかの場合、なかなか家には帰れないんだけれども、じゃあ帰りの電車の中で、ちょっと見てみようとか、そういう形でのおそらく視聴が増えてくるだろうと思います。
それからパーソナルなテレビ視聴ということでいうと、当然こういう小さい画面で見るわけですから、これは家族揃って、見るわけにはいかないので、多分1人が見るということになるんですけれども、携帯のヘビーユーザーというのは、やはり若い人たちですから、多分そういう若い人たちのテレビを視聴する機会というのが増えるだろうなというふうに思っています。
実際、今のテレビ視聴というのは、一番テレビを見ていない人たちというのは、実はやっぱり10代、20代、30代前半ぐらいの男性・女性なんですね。その理由は、もう簡単なことで、家にあまりいないからなんですけれども、そういう人たちが外で気軽にテレビを見られるようになるということによって、多分こういう若い人たちの視聴が、おそらく増えるだろうというふうに考えています。
それから三つ目のデータ放送とリンクしたテレビ視聴ということでいうと、これは先ほどからもご説明しているように、その番組を補完するような情報提供サービスというのが可能になってくるということです。となると少し、ちょっとテレビの見られ方というのも変わってくるかもしれないなというふうに思っています。
というのは、これ携帯でテレビを見るというのは、実際には、ずっと手で持っているわけです。それで結構、手持ち無沙汰なんです。結構、何かポチポチ押したくなってしまう。これはちょっと我々は「指さびしい病」というふうに名前もつけているんですけれども、結構、そういう携帯を割とヘビーに使っている人たちの、そういう何か癖みたいなものというのを、このワンセグに取り込むことによって、ちょっと今までとは違う、いろんなサービスというのが可能になるんではないかなというふうに思っています。
この四つ目、最後の特徴なんですけれども、このデータ放送とリンクしたということと続いてなんですが、ここから上り回線を持ったテレビ視聴だということです。これによって、いろんな双方向のサービスが可能になる。視聴者参加なんかも非常にしやすくなってくるでしょうということです。
あと、この上り回線ということを、例えばビジネス面に生かすと、例えばドラマの主題歌を着うたにして配信する、しかも有料で配信するとか、あるいは番組で放送しているものが、その場で購入できるみたいな物販であったりとか、そういう有料コンテンツ配信であったりとか、物販ビジネスみたいな、今までなかなかテレビ局ができなかったビジネスというのが、ワンセグによって新たに開けてくる可能性もあるという、こういうワンセグが、この先普及することによって、いろんなサービスが可能になるし、それは視聴者にとっての利益にもつながるし、それから我々テレビ局にとっても新たなビジネス機会の創出という面で非常に期待できるメディアではないかなというふうに考えております。
ということで、ざっと本当に簡単にですが、この4月から始まるワンセグについてご説明させていただきました。
●社側
一応これで説明を終わりますが、ワンセグ放送が実際どんなものかを見ていただきたいと思いますので。今から見ていただくのが、実はYTVが今試験電波を出している映像と音声です。
(実物の携帯電話で試験電波を視聴)
●社側
それでは、この後、委員長にお任せいたしますので、ご質問、ご意見を。
●委員長
皆さん、いろいろとご質問がおありだろうと思うんですが、口火を切る意味で申し上げますと、説明をお伺いしていますと、なぜやらないかんのかとか、本当に今までできなかったことが、できるのはどこだというのが、一番最後の例えばまとめみたいなものでも、ワンセグの特徴で、ポータブルなテレビ視聴というと、これ今できておるわけやから、そうでしょう。
それからパーソナルなテレビ視聴、これだって今できているわけです。では、どこがどう違うんだというのを明確に我々素人に分かるようにご説明いただくとしたら、どういうことになるのかなと思うんです。みんな今、できていることばかりですよ。
●社側
確かにポータブルな、小さい持ち運びができるテレビというのは、今も確かにあります。ところが、実は、こういう機種って全然普及してないんです。
それは、なぜかということなんですけれども、結局、実際、見ていただいて、アナログテレビとデジタルのワンセグとの画質の違いを見ていただいたかと思うんですけれども、やはり画面の鮮明さというのは、やっぱりテレビの場合、非常に大事なものではないかなというふうに思っています。
●委員長
おっしゃるとおりなんですけども、時間の問題で、すべてのテレビ放送はデジタル化するわけですね。そうしますと、いわゆるテレビ電話というのは全部デジタルで受けることになるんですわね。だから、画像の鮮明さが好ましいからワンセグがいいんだというのは何でやということなんです。
●社側
ところが今の12セグ、固定向けテレビの放送を、携帯端末で受信するのは、なかなか難しいんです。
●委員長
今すぐはね。だけど、今何で、そんなに慌てて見ないかんのやということになるんですわ。
●社側
ワンセグというのは、実は電波の一部分を使って行いますので、実は、この12セグ、今の固定向けテレビよりも受信エリアが大分広くなります。というメリットがあって、多分これが一番大きいです。受信エリアが広くなるということです。
●委員長
先ほど、ワンセグというのは別なメディアとして続くというような感じのご説明がありましたね。独立したメディアとして、将来、認められた場合にはというようなお話がありますね。どうしてそんなことになるのかなと。
●社側
このワンセグというのは、そもそもの発想は、固定テレビ向けの12セグの放送と、この携帯向けの放送を分けようということなんです。
どうして分けるかというと、そのワンセグのほうが、まず受信エリアが広くなるということ。あと、このチューナーであったりとか、みたいなものを、より小型化できるんですね。
●委員長
テレビ放送が全部デジタル化になった場合でも、ワンセグのほうが広いんですか、そういうことは考えられないわね。
だから今の過渡期における試験的なもの、あるいは調査、データを取るための調査研究的なものとして見るのか。この話だと非常に大きな特徴があるので、将来これが独立のメディアとして認知された場合にはというような話があるわけでしょう。そんなことあり得ますか、何が特徴で、そんなことが起こるんですか。
●社側
ですから、このワンセグという電波の一部だけを使いますから、非常にこういう小型の端末で受信するには非常に便利なんですね。今の12セグの電波を、例えば、こういう携帯テレビで見ようとすると、僕はちょっと文科系の人間なので、あんまり詳しいことは分からないんですけども、多分機械自体も大型化するでしょうし、こういうふうに、なかなか小型化はできない。なかなか、こういうポータブルな形での視聴というのができなくなるということですね。
●委員長
口火を切るつもりで大変プリミティブな質問のサンプルをお見せしたわけで、皆さん、どうぞご自由に、ご質問、ご意見等、おっしゃってください。
●委員
一番単純な質問として、これはテレビ局の収入は何で得られるんですか。
●社側
テレビ局の収入は、これもし次の免許更新時に別編成が可能になったとして、そうすると、これはCMを今の固定テレビとは別に売ることができますので、今までとは別のスポンサーから別のCM収入を得るということが可能になります。
ところが、これ免許要件が緩和されないと不可能なことなんです。当面、短期的には、実はどうやって収入を得るかというビジネスモデルというのは、幾つか我々も、今模索中ではあるんですけれども、例えば、通信の機能を使ってのモデルというのは、今幾つか考えています。
例えば、さっきもご説明しました、このデータ放送から、今この上でアニメですが『名探偵コナン』を放送しています。それで下のデータ放送からリンクをさせることによって、実は読売テレビは『名探偵コナン』の有料の携帯サイトを運営していまして、そこにお客さんを連れて行くことによって、その有料のサイトのお客さまを増やしていくみたいな、そういう収入増というのがあるでしょうし、あと、なかなかちょっと幾つか解決しなければいけない問題はあるんですけれども、例えば、上の画面で取り上げている商品を、下で購入できるようにするという、例えば物販ビジネスであったりとか、そういうビジネスというのは、多分ちょっと短期的には考えていきたいなというふうに思っています。
●委員
それと、これ画面小さいですから、ドラマ見てもつまらんと思うんですね。相撲だとか、野球だとか、そういうのは見ると思うけども、コンテンツを変えられるんですか、それとも一般のテレビと同じコンテンツを流されるんですか。
●社側
今の免許のもとでは、今のテレビと全く同じものが流れます。
●委員
これ小さいと、相撲なんかだったら、勝ったか負けたか、野球だと分かるんだけども、それをこれで見ますかな。臨場感がないですからね、テレビなんかより。やってみなきゃ分からんけど、若者は、もっとこういうので、ポータブルであれば見てくれるんですかな。
携帯はセルとセルの間でよく切れますわな。これは、それは大丈夫なんですか。
●社側
これテレビも当然電波を受信していますから、実は、このデジタルの電波というのは、今のVHFの電波とは違って、UHFの波を使っていますので、今のアナログの電波よりも、より直進性が強いですから、ビル陰とか、そういう影響というのは非常に受けやすいんです。
結構ここでは非常に良好に映っていますが、屋内だと若干見えづらかったりするということはあります。
●委員
阪神高速なんか、中之島から石橋の間で3回ぐらい切れますからね。
●社側
ただ、ちょっと私たちも、結構どれぐらい受信できるかというので、これを持って、結構、京阪神、かなりうろうろしたんですけれども。
●委員
かなり見えますか。
●社側
はい。特に電車の中とか、交通機関の中であったりとか、あと阪神高速なんかを車で走っている限りは、もうほとんど切れないで良好に受信は可能でした。
●委員
これは読売テレビだけじゃなくて、各放送局、みんなこれをやるんですか。
●社側
はい、全局です。4月1日が全局揃っての放送です。
●委員
これ視聴率は分かるんですか。
●社側
視聴率は測定しません。
●委員
そしたらコマーシャルをどうして売るんですか。
●社側
というか、今はまだ、しばらくは、まだコマーシャルを売るということはできませんから、なんですけども、多分これは別編成が可能になって、コマーシャルを別売りするということになってくると、これは視聴率は何らかの形で測定することになると思います。
●委員
その何らかの形というのは、例えば、どうして。
●社側
これは携帯電話ですから、多分視聴率を測るのは、実は今の家庭テレビよりも簡単なんですね。本当に、これ個人が実は特定できちゃうわけですから、一人ひとりが、みんな視聴率測定器を持って歩いているのと同じような感じです。
●委員
どの番組を見ているかというのは。
●社側
測定できるのは、例えば、どの番組を見ているかというのを、この携帯電話で記録して、それを通信を使ってビデオリサーチなんかに送ると。
●委員
これは個人情報保護法の関係で、放送事業者は視聴情報て取れるようになっていましたっけ。
●社側
もちろんサンプル調査で了承をいただいた方のみに、そうしていただくということになります。
●委員
今ちょっと怖いなと思ったのは、母親の視点からいうと、「きょうはテレビ見ないで、はい、寝ますよ」と、布団に入った。それから見るという可能性は非常に高いし、だから塾が終わったら、もう小学生のほとんどが携帯を持っている時代に、ちょっと怖い部分も出てくるかなという危惧は持ちました。
●社側
その可能性はありますね。
●委員
私も同感で、これを見たときに、授業中にテレビを見られたら嫌だなというのは思いました。
●委員
それと将来の別編成ができた場合ですけど、これ番組のつくり方というのは、これはサイズに合わせて変わってくると予想されておられないんですか。
●社側
当然、変わってくると思います。
●委員長
これ用の番組を別につくって採算が成り立ちますかね。
●社側
実は、結局、どれだけ普及するかに、かかっているんです。今、全国で携帯電話は8,000万台とか9,000万台とか言われていますけれども、多分、そういうメディアとして認知される一つのボーダーラインというのは、おそらく2,000万台ぐらいではないかと我々は思っています。2,000万台普及すれば、これは多分メディアとして十分ビジネスが可能なぐらいの普及率に達するんではないかなと思っています。
●委員
これは値段は、普通の携帯と同じぐらいなんですか。高いんですか。
●社側
これの値段ですか。ちなみに、これ今見ていただいたのは、16日に発売されるもの、そのものなんですけれども、2万3,000円だそうです。
●委員
若い人たちは、自分が欲しいものは絶対買いますよ。例えば、辞書を「高いのを買いなさい。辞典を1万円で買いなさい」と、絶対買いませんけど、そういうものは買います。この携帯で字を調べているんです。でも、その携帯の機種を、どれだけ頻繁に変えているかということを思うと、多分若者は、それぐらいの値段だったら飛びつきますね。
●委員
それは普通の携帯プラス今のワンセグになるわけですか。
●社側
そうです。KDDIとか、ドコモの考え方というのは、このワンセグの受信端末というのが、いわゆる現時点では最高の機種という考え方なんですね。ですから、このワンセグが乗っている端末は、当然カメラも付いていますし、ネットから、メールから、すべて今の携帯に乗っている機能というのはすべて網羅しています。
●委員
やっぱり、これは放送業界にとってはビジネスチャンスが広がるということなんでしょうけれど、しかし、今まで静かにものを考えたり、本を読んだりしていた時間をなくして、みんなが、それをテレビを見るとなったら、これは教育者としては相変わらず抵抗がありますから、やっぱり内容を、よっぽど考えてつくっていただきたいという気がいたしますね。
●委員
特に若年層が多いというところで、内容を考えて、それ用の番組をつくっていただきたいなという気がします。
●委員長
しかし、どういう層というか、例えば若い層にしたって、ビジネスとして、私は分かりませんけれども、とにかく携帯でテレビを見ようと思ったら、画質はともかく今でも見られる。情報とか、データを得ようと思えばインターネットですぐ携帯から取れる。電話もできる。Eメールも打てる。
そういうようなことになると、これでなければという需要が、どれぐらい出るかというのをビジネスモデルとして、なかなか私は理解できないですけどね。
●社側
その危惧というのは、実は私たちもすごく持っています。これテレビ局にとって何かビジネス機会が広がるとはいっても、やはりこれ普及するかどうかに、ひとえにかかっていますから。
実は、これはさらに今までのテレビ放送と根本的に違うのは、この端末は、すべてキャリアといわれる電話会社が持っているということなんです。ですから、これ売れるのは、ドコモとauとボーダフォンだけなんです。
ということは、彼らが「ワンセグ端末って売れないんだ」という判断をしちゃうと、もう端末自体が世の中に出てこない。彼らはつくらない。これ最悪のシナリオですけれども、最悪の場合、もう全然キャリア側が端末をつくらない、売らないで、誰も見ていないところに向かって我々はいたずらに電波を出し続けるみたいなことは、ひょっとしたら最悪あるかもしれないです。
でも、ただ決して、そうはしてはいけないとは思っているんですけれども、やっぱりそうならないで、一つのちゃんとメディアとして認知されるためには、普及させるということは大事なんですけれども、普及させるためには、やはりこのワンセグでテレビを見ると、ちょっと今まで家でテレビを見ているよりも面白いというか、別の見方ができるんだねということを分かってもらうということが大事なんだろうなと思っています。
そのためには、そのデータ放送とか、通信の機能を使って、いかにそのさっきの「指さびしい病」じゃないですけども、遊んでもらいながらテレビを見てもらうという新しいテレビの見方のモデルというのを、我々がいかに提示できるかと、そこにかかっていると思っています。
●委員長
そうですね。だから、どれだけの人にアピールできるかという、あるいは、どれだけの人が、これを受け入れるかということにかかるわけで、ちょっと分からないですね。
●委員長
ほかにどなたか、一つ励ますようなご意見を。
●委員
非常に素晴らしいことですね。本気でやらないけませんね。
●社側
先ほど委員からも話が出ましたけれども、やはり災害放送のときは非常に意味があると、報道の立場から思っています。
去年、災害放送についての席で説明をさせていただきましたけども、通信が全く駄目になっても、電波さえ届いておれば。
●委員長
それは携帯ラジオではいかんのですか。
●社側
もちろんいいですけども、ただ阪神高速が倒壊しているという画面が、そこに流れてくれば、一目瞭然で地震の規模は分かりますから、それは違うと思います。先ほど説明がありましたけれども、その大きさの問題は決定的にあると思うんです。携帯電話は、もう誰でもポケットの中に入れて歩いていますから。
今でもポータブルのテレビなんというのは当然ありますけども、あれをわざわざ、車でレジャーに行くときならともかく、それはほとんど持って歩きませんものね。それは違うと思います。さらに、移動に強いというのと、インフラをさえ整備すれば、今のアナログ放送よりは、広い地域で、どこでもかなりクリアに見られますということだと思います。
●委員長
ほかにございませんか。皆さん、ご一緒に、ご成功をお祈りいたしましょう。
●社側
ありがとうございます。4月からですので、本当にどういう状況になるのか、やってみないと分からないと思っております。始まってから、また、ご報告をさせていただきたいと思っています。
それでは11月に読売テレビに寄せられました視聴者からの声について、担当から簡単にご説明をいたします。
●社側
11月の視聴者からの声について、ご報告申し上げます。
まず、件数としましては5,896件ということで、大体ここ数か月の中で言いますと2割減ぐらいになっております。これは特定の番組で意見や苦情が殺到するということがなかったというようなことが主な原因です。ですから全体で数が減った分、問い合わせ等はそんなに変わっておりませんので、ある意味、抗議、意見が若干減ってきたということです。
その中で15日から27日まで放送されました『ワールドグランドチャンピオンズカップ』、これはバレーボールの男女の世界大会ですけれども、これに関しましては、宣伝のプロデューサーということで,「KAT-TUN」という人気アイドルグループが、一つのメインになっておりましたので、それに関して賛否両論寄せられております。
「バレーボールを見たいので、あまりそういうアイドル的な要素を減らしてくれ」という意見と、その逆で「もっと盛り上がっているんだからパフォーマンスも見せてください」というような意見が寄せられました。それと、やはり「スポーツ番組なので生中継してほしい」と、放送が8時から9時半までの放送が主でしたので、どうしてもVTRになっている部分が多くて、その部分、「スポーツだから生で見たい」という声が多かったです。
それから『ベストヒット歌謡祭2005』、これは全国向けに大阪から発信している大きな音楽番組なんですけれども、今回に関しましては、司会のお二人に関して、ちょっと苦情が多く寄せられました。
ちょっと衣装が非常に派手であったということで、特に応援しているアーティストをお持ちの視聴者からは「メーンよりも目立ち過ぎていて不愉快だった」というような意見が寄せられております。
それから『たかじん』に関しましては、これもお褒めの言葉と、いろんな批判の言葉が寄せられておりまして、特に今回目立ちましたのが、舛添議員が、ちょっと広島の例の事件で「ゲートボールをやっている時間があったら、子どもを守ってください」というような意見に対して、かなりお怒りのご意見をいただきました。
それから民主党の西村真吾代議士が、この番組にパネリストとして多く参加しておりましたので、その点、もっときっちり追及してほしいというような形でのご意見をいただきました。
それから問い合わせは、相変わらず健康情報ということで、『おもいッきりテレビ』にたくさん寄せられております。以上です。
●社側
これで、きょうの審議は終了させていただきます。1年間、本当にありがとうございました。
ここで社長の髙田から年末のごあいさつをさせていただきます。
●社側
本日は、年末本当にお忙しいところ、全員出席していただきましてありがとうございました。ご承知のように、この1年間、テレビ業界は本当に激動の1年間でございまして、例のNHKの不祥事から始まりまして、受信料の不払い問題、NHKの番組をめぐる朝日新聞とNHKとの対立、さらにライブドアとか、楽天が「放送と通信の融合」ということで、テレビ局あるいはテレビ局の子会社の株を取得をしているという、それに防戦をするという大変激動の1年間でございました。
間もなく政府の規制緩和民間推進会議というオリックスの宮内さんが座長をやっている委員会が、間もなく答申を出すやに聞いております。その中には、NHKの経営問題、あるいは我々民間放送についても、新規の参入が、もう少し容易になるようにというようなことが、我々にとっては大変脅威になるような、そういう答申が出てくるんではないかと、まだ出てきていませんので分かりませんけれども、そういう話もございます。
来年は、さらにそういった放送と通信の融合、先ほど説明しましたのは携帯電話でございましたけれども、最近はインターネットで、とにかくテレビを放送すると、インターネットでテレビを放送する業者は既にあるんですけれども、そこには皆さん方のように番組審議会もない、何の縛りもない、放送法の縛りのない業者が、我々のテレビの分野に参入をしてきていると、こういった動きが来年も、さらに促進をされていくだろうということで、大変緊張感を持って、我々テレビの経営をやっております。
そういった動きに読売テレビとしても的確に対応していくとともに、差し当たっては、とにかく、この関西地域に、やっぱり地域密着といいますか、関西の皆さん方から愛されるテレビ局を目指そうということと。ただ準キー局でございますので、良質な番組を全国に発信していくという使命は当然やっていかなければならないわけでございまして、幸い地域との関連では、この番組審議会でもご紹介いたしました天保山での『わくわく宝島』、大変成功しましたし、全国発信では、幾つかの番組をやっておりますけれども、これもこの間の番審でご紹介しました大型ドラマの『六千人の命のビザ』、これも大変いろいろな方面から評価を得ております。来年も、そういう意味では頑張っていきたいというふうに思っております。
それから、もう一つ付け加えますと、今年、大阪で民放連の大会がございましたけれども、読売テレビは五つの部門で賞を取ることができまして、これも大変、日ごろから皆さまのご指導のお陰だというふうに思っております。そのようで来年もひとつよろしくお願いします。ありがとうございました 。
●社側
以上で、きょうの審議会を終わらせていただきたいと思います。
来年ですが、例年どおり来年1月は審議会をお休みさせていただきます。新年はじめの審議会は2月10日の金曜日、会場はいつもどおり読売テレビの会議室で開催いたします。
終わり
- 平成17年度読売テレビ番組審議会委員
- 委員長 熊谷信昭 兵庫県立大学名誉学長、大阪大学名誉教授
- 副委員長 馬淵かの子 兵庫県水泳連盟 顧問 元オリンピック日本代表
- 副委員長 川島康生 国立循環器病研究センター 名誉総長
- 委員 秋山喜久 関西電力株式会社 顧問
- 委員 金剛育子 能楽「金剛流」宗家夫人
- 委員 林 千代 脚本家
- 委員 阪口祐康 弁護士
- 委員 佐古和枝 関西外国語大学教授
- 委員 北前雅人 大阪ガス株式会社 代表取締役副社長執行役員
- 委員 谷 高志 読売新聞大阪本社 専務取締役編集担当