第445回 番組審議会議事録
1.開催年月日 |
平成15年9月12日 | |
2.開催場所 | 読売テレビ本社 | |
3.委員の出席 | 委員総数 | 10名 |
出席委員数 | 8名 | |
出席委員の氏名 | 熊谷信昭、金剛育子、林 千代、野村明雄、 阪口祐康、佐古和枝、老川祥一、川島康生 |
|
欠席委員の氏名 | 秋山喜久、馬淵かの子 | |
会社側出席者 | 土井共成 (代表取締役会長) 以下14名 | |
4.審議の概要 | テーマ及び視聴合評対象番組 | |
視聴合評番組 | 「たかじんのそこまで言って委員会」 | |
放送日時 | 毎週日曜 午後2時00分~午後3時00分 | |
出演 | やしき たかじん、辛坊治郎ほか | |
放送エリア | 関西ローカル | |
番組審議会では「たかじんのそこまで言って委員会」について意見を交換した。 委員からは「肩の凝らない形で色々なテーマが要約されており、手早く情報を知ることが出来、面白く見ることが出来た」「出演者の発言に悪口雑言などがなく、庶民の感覚に近い意見が多くて共感できた」「川柳に見られるような風刺や、ピリッとした言葉も聞かれた。新しい文明評論という見方も出来るのではないか」など、辛口の娯楽番組として評価する声が上がった。 一方「『終身雇用か?能力主義か』など、古い感覚で問題を提起しており安易な印象を受けた。視聴者の関心は、もっと先に進んでいる」「出演者の発言が、見ているものと同じ意見ならフラストレーションの解消になるが、逆の場合はきわめて不愉快な結果になる。バランスには十分注意する必要がある」と、出演者の発言やテーマの選択、提示の仕方に配慮を求める意見も出された。 この後、7月と8月に寄せられた視聴者からの意見や抗議、苦情などについて概要を報告した。 |
【議事録】
●(社側)本日視聴していただきますのは、毎週日曜日の午後2時から1時間の枠で放送しております『たかじんのそこまで言って委員会』です。この番組は去る7月13日に第1回を放送した、スタートしたばかりのレギュラーのトーク番組です。関西ローカルの番組ですけども、土曜、日曜の午後の枠は各局とも独自の自社制作番組をぶつけ合う形になっておりまして、制作力を競う主戦場になっております。
その主戦場に思い切った発言で人気のあるタレントのやしきたかじんと読売テレビの辛坊治郎解説委員を司会に据えて打って出たのが、この番組でございます。
それでは番組の内容や狙いなどにつきましてプロデューサーから説明をいたします。
●(社側)この番組は、過去、特別番組として3回放送して、内容的にも、視聴率的にも好評を得ました。その結果、この7月から週1回のレギュラー番組として放送することになりました。
内容は、政治、経済から芸能、スポーツまで、旬の話題を題材に出演者が議論するという、トークバラエティー番組です。けれども、ほかの番組と違うのは、番組のタイトルどおり「そこまで言っていいのか!」、というところまで踏み込む過激なトーク展開を期待させるキャスティングと演出で、そこが視聴者に受け入れられている点だと思っております。
今説明がございましたが、司会進行にやしきたかじんと読売テレビ解説委員の辛坊治郎、この二人が組んだということが特に大きな目玉です。あらゆるテーマに毒づいたり、揶揄する話術を持つ、やしきたかじん、そして分かりやすくニュースを伝えることでは定評のある辛坊治郎、この二人の丁々発止のやりとりが、番組の魅力になっております。
ほかの出演者は各世代を代表する個性的なタレントを起用しており、さらに国会議員、弁護士、評論家など、さまざまな分野からキャスティングをしております。そして、それぞれの立場から自由に発言してもらっており、それぞれの専門分野が違うということで、時に脱線していくことも、この番組の面白い点になっているのではないかと思います。
例えば、娘のような若いタレントが国会議員に向かって、今さら聞けないようなことを聞く、そして国会議員は、それに対してきちんと答える。また逆に国会議員が若者の世相や風俗などを理解しようと努めるが、なかなか理解できない。そういうやりとりの中から出演者の本音といいますか、気持ちを浮き彫りにしようというのが演出の狙いです。
放送が日曜日のお昼ということで、ターゲットはまさにファミリー層でございます。そのため、娯楽性を高めることはもちろんですが、この番組には分かりやすくニュースを伝える側面もあります。この番組を見て、若い視聴者が政治に関心を持ったり、家族が社会の現象について話し合うきっかけになればということで、我々スタッフ一同、精進していこうと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
<VTR視聴>
●印象としては、飲み屋でのとりとめのない雑談を聞いているような感じですね。我々もよく酒を飲みながら、いろいろと悲憤慷慨したり、「いや、そうは言ったって」とか、そのような雑談をやりますけれども、それがそのまま、テレビという場でいろいろな分野の著名な人の間で交わされている感じです。だから、見ている人からすれば割と身近に感じられて、それで一定の視聴率が確保されているのかなと、思うわけです。
ただ私の希望とすれば、我々の日常の雑談のレベルをもうちょっと超えたところも欲しかったなという感じがします。例えば、「異常気象の原因は何だろうか?」という設問がありましたが、そのようなことを私に聞かれたって分からないし、番組の出演者に聞いたって分かるわけがないのですね。
そうではなくて、原因は一つではないでしょうけれども、「原因はこう言われているけれども、それについてどう思うか?」とかいうような設問であれば、もう少しためになる話や意見もあったのかなと思います。もちろん、この番組は教養番組ではないので、あまりクソ真面目な議論は誰も期待していないと思うけれども、少し問題の立て方が安易すぎるかなという感じがするわけです。
それから「終身雇用か?能力主義か?」という設問もありました。これも切実な問題なのですが、この問題の立て方自体は、もう10年ぐらい前の話だろうと思うのです。最後の方に「終身雇用かと思って入ってみたら、もうそうじゃない。現実にこういう状況になっているんだ」という議論があったように、「今ごろそんなことを言っているの?」というのが、見ている人の実感だと思うのです。「今、あなたは終身雇用を望むかどうか?」という問題の立て方をされ、また、それについていろいろ言われてみても、ちょっと実感と離れた感じがします。飲み屋での雑談は、もう少し先のことを議論しているのではないのかなという感じがします。
それから、久米宏キャスターが『ニュースステーション』を降板するという話題を取り上げたコーナーを見ていて、感じたことがあります。自民党から非常に厳しい攻撃を受けて、それで疲れたのではないか、という設定でずっと話を運んでいたのですが、そういう面がもちろんないとは言えないけれども、それだけではないのだろうと思うのです。
ダイオキシンの問題であるとか、久米宏キャスターのああいう感性で、政策的なテーマを非常に情緒的に扱うというようなことが問題だったのではないのかと私は思うのです。何か自民党に嫌われて、それと戦い続けてくたびれて降板したという前提にはちょっと違和感を覚えました。
少し欲張った意見かもしれませんけれども、雑談として面白く見ることが出来る面がある一方、ちょっと物足りないな、日常我々の周囲でしている雑談、放談のレベルの方が、ちょっと進んでいる面もあるのではないのかなというような感じも受けました。
●笑いがあって肩の凝らない形で、いろいろな話題をダイジェストして取り上げてあり、面白いスタイルになっているのではないかなと思いました。手っ取り早くいろいろな情報を知ることが出来、そういう面では面白く拝見しました。
けれども、異常気象のことなどは、もうちょっと突っ込んで知りたいなと思っているうちに、コロッと全然違う話になってしまい、取り上げたテーマが言いっ放しになってしまっていることがあるのかなと思いました。取り上げた以上、もうちょっと視聴者にも「ああ、そうか」と思えるようなフォローがもらえたらよかったという気がしました。
それから、言いたい放題という部分がすごく魅力というか、売りものだと思うし、面白い部分だと思うのですけれども、時にはバランスを取るというか、たしなめる係の人も必要ではないかと思います。多分辛坊さんがその役割ではないかと思うので、辛坊さんに頑張ってもらいたいなと思います。
●いわゆるニュース番組として見ると、不満とか、突っ込み不足ではないかとか、いろいろな注文はあるかと思うのです。でも見方を変えて、昔、私らが子どものころに活躍した漫才師の人生幸朗さんがやったみたいに、時事のニュースを使ってのバラエティーというか、そういうものとして見たら、まあまあ面白いなというのが私の印象です。
ただ、そうなりますと、これは多分制作に当たっている方は、私などよりもずっとそこの点は気をつけていると思うのですが、面白いということと、「嫌み」というか、「そこまではちょっと…」という、バランスの問題が出てくると思います。そのバランスを取るのが辛坊さんなのかもわかりませんが、その辺のバランスがこの番組の生命線というか、一番の難しいところであり、そこがうまくいくか、うまくいかないかが、この番組の評価の分かれ目かな、というふうに感じました。
●私は、この手のドタバタ番組というと失礼かもしれませんけれども、この手の番組はどうもついて行けないのであまり見たことはないので、今回も、初めて1回だけ見させていただきました。それで批判するのはどうかと思いますけれども、この番組のようなやり方が視聴率を上げるのであれば、これも致し方がないなとは思います。
社会問題とか芸能問題を、いかにドタバタでおやりになっても、私は、あまり問題があるとは思わないのですが、問題は政治問題、あるいは経済問題、教育問題などを取り上げるときです。そうしたときには、やはりよほど気をつけないといけないなと思うのです。
確かに、こういう番組は国民のフラストレーションの解消には非常にいいのですから、人気が出ると思うのです。しかし一歩間違うと、無責任なアジテーションになってしまいます。それは、言いっ放しで、無責任でということで、久米キャスターの番組と同じことになりますね。ここに書いてある番組概要の中には「言いたいことは言う。ただし、その発言に責任はとります」と書いてありますが、なかなか責任はとれないだろうと思うのです。
「そこまで言って委員会」というタイトルから言いますと、おとといの石原知事の発言などが、かなりそこまで言っていいのかなという気がいたします。外務省の田中審議官の自宅に爆弾が仕掛けられたことに関する発言ですが、あんなことを言ってもいいのかなと思いますけれど、あの発言は、あの人が自分の政治生命を賭けて言っているのでしょうし、言った後いろいろ聞かれて「これはこういう意味だ」という説明ができます。
けれども、この番組は、おそらくそのような説明はできないと思うのです。そうするとやはり言ったことに対する責任はとれないわけで、よほど気をつけて言っていただきたいなという気がします。
きょう見せていただいたところは、問題はあまりないと思います。あれでいいと思いますけれども、一歩踏み外すと久米さんと同じことになるなという気がいたします。その点だけです。面白く見させていただきました。
●私も、この番組はあくまで娯楽番組として見たら大変面白く見ることが出来ると思います。特に「終身雇用と能力主義、あなたが学生ならどっちに就職したい?」とか、パッと見る分には面白いなと思いました。時間帯も日曜日のお昼ですので、ファミリーとか若い人向けの娯楽番組としての観点に限って見れば、いろいろなやりとりがあるのは面白いのではないかと思いました。
しかし、皆さんもおっしゃったように、北朝鮮の問題ですとか、異常気象の問題ですとか、大事な問題を取り上げており、先ほどの地球環境の問題でも、あれで終わってしまうと、もう言いっ放しで単なる娯楽で終わってしまっています。もうちょっと突っ込んだところがあった方が、やはりいいのではないかと思いました。
ですから、この番組は、あくまで娯楽番組としてとらえるか、もうちょっと突っ込んだものを期待する番組としてとらえるかで、評価が分かれると思うのです。そういう意味では、笑いっ放しで終わってしまうというか、ちょっと物足りなさが残りました。
今まで、こういう問題に興味がなかった人が、パッとこの番組を見て、それがきっかけとなってそういう問題を考えるようになる分にはよいのかもしれませんが、番組の内容がそこで留まってしまうのでは、ちょっとその辺は問題かなというふうに感じました。
●『たかじんのそこまで言って委員会』いう番組は、今回初めて見せていただきました。やしきたかじんさん、ざこばさん、モモコさん…このキャストを見ますと、過去、非常に危険、非常識、それからすぐにキレる、独断を言うというイメージがありましたので、もっと内容がひどいのかなと想像していました。
しかし、今回この番組を見ると、彼らも年を取って、家庭を持って、子どもができて、随分成長したのかなと感じました。この番組は、バラエティー番組として見ると、以前のような悪口雑言とか、憎まれ口とか、戯れ言とかがなくて、結構うなずけ、共感できるようなこともあって、非常に面白かったです。こういうトーク番組は、一般的な大衆がうなずけるということがすごく大事だと思うのです。
先ほどから、委員の方たちの話を聞いていますと、日曜日にテレビを見ている一般の人たちとはちょっと違った感じ方をされていると思うのですけれども、いわゆる大衆からすれば非常にいい娯楽番組だと思うのです。
やはり先ほど申しましたように共感を呼べることが大切だと思います。モモコさんの話などは非常に面白く、主婦代表として共感できました。それからざこばさんとか、たかじんさんの話には、本音と建て前をない交ぜにしながら、核心を突いた一言があり「うん、そうやそうや」とうなずけました。だからバラエティー番組としては非常に面白かったと思うのです。失言とか問題発言、気になる一言を取り上げながら「うん、そうや」とうなずける部分はあったと思うのです。
けれども、この番組を見た後で、やはり「関西ローカルかな」と、ポツンとそういう思いが残りました。関西ローカルだけにこだわらないで、全国放送になったときにうなずける部分がほしかったなと思います。もう少し視点やつくり方のレベルを上げる必要がある、という意味で不満が残りました。
それともう一つ、異常気象のことについて言えば、その回に必要な気象予報士などを出演させて、説明はきちんとしてほしかったなと思いました。けれども、以前に比べたら、出演しているタレントがそれぞれ成長している分、安心して聞け、「ピー」が入らない分よかったかなと思いました。
●この番組は、本当に結構面白い番組なのですね。関西ローカルらしい身近さといいますか、親しみが持てる、そういう番組だと思います。表現がいいかどうか分かりませんが、川柳的な風刺というか、ピリッとしたところもあって、終わりまで飽きずに見ることができると思います。
その意味では今の時代に求められている番組ではないでしょうか。その結果として、日曜日の午後という時間に10%を超える高い視聴率を得ておられるのだと思います。ちょっとオーバーな言い方をすれば、新しい文明評論という見方ができるのではないかと思いました。
それだけに、何に関して言いたいことを言うのかという、テーマの選択に随分工夫をしておられると思いました。今回の番組もそうでしたが、深刻なテーマについて論理的に話を展開する人と、情緒的にものの見方を述べる方と両方あって、得難いキャストというかタレントを選んでおられるのだなと思います。また、その評価選択を聞く者、見る者、視聴者に委ねているのがいいと思うのですね。あまり説教がましくやられると「かなわん」と思うのです。
視聴者は、自分が共感できる発言とか、あるいは見解を述べる出演者に仮託してフラストレーションを晴らすというか、自分の胸の鬱憤を晴らすことが出来て、それで「よう言うてくれた」と思うわけです。ですから「面白い番組やな」というのが私の感想です。
●こういう番組は、おつくりになる側も随分難しいだろうと思うのですね。最初ご説明があったように、家族が見る時間帯だから、若い人も対象に考えないといけない。視聴者の層として非常に幅広い対象を考えると、みんなが面白いと思ってくれたり、興味を持ってくれたりする話題をさがしだすのはなかなか大変だと思うのです。
だから先ほどの委員の皆さんから「面白い面もあったけれども、物足りない面もあった」という発言がありましたが、めいめいが関心を寄せるテーマはちょっとずつ違いますので、それを全部満足させるのは、なかなか難しいのではないかと思うのです。
久米宏キャスターの後任に誰がなるかというのは、あの番組をずっと好んで見ておられたファンの方にとっては非常に関心の高い問題でしょうけれど、そうでない者にとっては「そんな大勢がやいやいと、口から泡を飛ばして議論をするような話かい」という感じでしょう。
だから、テーマを選ぶのは大変難しいだろうなと思うのです。そういう意味で私もこの番組を拝見したときに面白いなと思う部分もあったのですけれども、「毎回ぜひ見たいと思う番組か?」と言われたら、「どういう返事になるかな?」というのが、見終わってからの感じです。
だから、これはよほど注意をしないといけないと思います。普通のテレビのニュース解説とか、新聞などではなかなか言えないような率直な意見が次々に出てくると、「フラストレーションの解消になる」というご意見もありましたけれども、それは自分が思っている本音と合ったときに限ってそうなるのです。けれども、自分の考えとは逆のことを言われて、逆の流れになったら、甚だ不愉快になりますよね。これは制作側にご同情申し上げる点なのですけれども、そういう意味で、非常に難しいのではないかと思いました。
私は、この番組をこれから見せていただこうと思っています。大体、日曜日の午後2時ごろというのは、どの局もあまり面白い番組がないのですよ。この番組はいいところを狙っていると思うのですね。視聴率が高いということですが、ほかが面白くないからではないですか。私にとってこの時間帯は、新聞を読んでいるか、昼寝をするかの時間帯なので、この番組は戦いやすい時間帯を取っておられるなと実は思っているのです。
もう一つ、率直な意見を言うことについて、マスコミや一般の方々にぜひお願いしたいことがあります。
先日、長崎で子どもが事件を起こしたときに、大臣が「親の責任も非常に大きい」ということを言おうとして、「親は市中引き回しの上、打ち首だ」と言って、大きな問題になりました。それから先ほど話に出た都知事の発言もそうです。
鴻池大臣も本当に「後ろ手に縛って市中引き回して打ち首にすべきだ」ということを言っているわけではないことは明らかです。「親の責任も極めて大きいんだぞ」ということを言っているだけの話を「許し難い暴言だ」とか何とかという。その言葉を取り上げて、やあやあマスコミが言うのは、いわゆる識者というか、そういう人たちが騒ぐためで、本人が何を言おうとしているかということをつかもうとしない悪い風潮があると思うのです。
都知事だって「あんなやつ爆弾仕掛けられても当たり前だ」とテレビで言っているのを聞きましたけれども、本当に「爆弾を仕掛けるのはいいことだ」ということを言っているわけではないのです。「あいつは、もう俺なんかから見たら本当に許し難い外交官だ」ということを言っているだけの話なのです。そういうことを言うための別の表現を「許し難い暴言だ」というのは非常に問題だと思うのです。世の中面白くなくなるというか、何にも言えなくなりますよ。
私は、一般論として本音のことをみんなが言えるような世の中になってほしいと思っていますので、影響力の大きいテレビの皆さんには、ぜひそれをお願いしたいと思うのです。
●(社側)いろいろご指摘を受けたことは、スタッフの間でも話しております。まず日曜のお昼の放送ということが念頭にございまして、堅いものばかりでは受け入れられないのではないかと考え、テーマは硬軟取り混ぜて提示することにしました。
今回はたまたま軟の方ばかりご覧いただきましたけれども、番組では死刑制度についても真正面から取り組んでおりますし、若い世代だけではなくて、年配の視聴者の方にも満足いただけるものを目指しております。今後も自民党の総裁選とか、秋には総選挙を控えていますけれども、逃げずに真正面から取り組んでいきたいなと思っております。
ただ委員の皆様がおっしゃられますように、『そこまで言って委員会』というのは、視聴者の方から「よくぞ言ってくれた」という声もありますが、反面、それに対して怒りを持つ方もおられますので、その点は、重々気をつけており、スタッフの間でも常に議論しております。テレビ番組での発言の影響力は本当に大きく、これからも気をつけなければならないと思っております。
<視聴者センター部報告>
●(社側)続きまして、7月と8月に寄せられた視聴者の声をご報告します。
まず7月ですが、対応件数は総数で7,209件でした。7月、8月は、「その他」の項目が非常に多くなっています。普通の月ですと、「その他」というのは全体の5%程度なのですが、7月が12%、8月が15%と2倍から3倍になっています。これは特定の人から、毎日大体30件ぐらい電話が入っておりまして、それがこの数字になっているのです。
7月に戻りますが、7月の意見・苦情で多かったのは『おもいッきりテレビ』です。165件のうち100件は、司会のみのもんたさんが社長を務めております水道メーター会社が談合問題で捜査を受けました。これに関しての苦情・ご意見が多く寄せられております。それから『ザ・ワイド』には長崎の幼児誘拐殺害事件についてのご意見が目に付きました。
8月は苦情・抗議が1,000件を超えました。プロ野球中継で二元中継をいたしますと、ジャイアンツファンの方から「読売テレビは巨人のゲームだけやってくれればいいんだ」というご意見がたくさん寄せられております。
それから『24時間テレビ』では山田花子さんの110キロマラソンのゴールの場面が、番組の中に入らなかったということで、当日だけで106件の抗議がございました。
- 平成15年度読売テレビ番組審議会委員
- 委員長 熊谷信昭 兵庫県立大学名誉学長、大阪大学名誉教授
- 副委員長 馬淵かの子 兵庫県水泳連盟 顧問 元オリンピック日本代表
- 副委員長 川島康生 国立循環器病研究センター 名誉総長
- 委員 秋山喜久 関西電力株式会社 顧問
- 委員 金剛育子 能楽「金剛流」宗家夫人
- 委員 林 千代 脚本家
- 委員 阪口祐康 弁護士
- 委員 佐古和枝 関西外国語大学教授
- 委員 北前雅人 大阪ガス株式会社 代表取締役副社長執行役員
- 委員 谷 高志 読売新聞大阪本社 専務取締役編集担当