第437回 番組審議会議事録

1.開催年月日
平成14年11月8日
2.開催場所 読売テレビ本社
3.委員の出席 委員総数 10名
出席委員数

7名

出席委員の氏名 金剛育子、林 千代、馬淵かの子、阪口祐康、
佐古和枝、老川祥一、川島康生
欠席委員の氏名 熊谷信昭、秋山喜久、野村明雄
会社側出席者 土井共成 (代表取締役会長) 以下13名
4.審議の概要 テーマ及び視聴合評対象番組
視聴合評番組 情報ワイド番組「あさリラ!」
放送日時 月曜~木曜午前10時25分~11時20分
放送エリア 関西ローカル
番組審議会では、情報ワイド番組「あさリラ!」について意見を交換した。
委員からは「単に主婦が考案した料理を紹介するだけではなく、プロに意見を聞いたり、その料理をメニューとして採用するかどうかを料理店の担当者に判断させるなど、よく工夫された番組だ」「最近は、レトルト食品などが氾濫しているが、この番組は料理を作る楽しみ、喜びをそそるという点で評価できる」「料理の作り方が丁寧に説明されており、実用的で便利だと思う」など、料理を切り口にして、様々な工夫が凝らされていることを評価する声が相次いだ。
一方、「集中して視聴しにくい時間だが、主婦が求めている情報はこうしたものだけではない。更に、時代が求めているニーズを探ってほしい」「料理を紹介するにしても、インスタントの調味料を使うのではなく、素材の味を引き出す方法を紹介するなど、本来の料理のあり方を伝えるような内容を盛り込めないか」など、主婦に対して発信するメッセージのあり方についても、様々な意見が出された。
この後、10月に寄せられた視聴者からの意見や抗議、苦情などについて概要を報告した。

【議事録】
(社側)本日ご審議いただきますのは、月曜から木曜の午前10時25分から放送しております情報バラエティー番組『あさリラ!』です。この番組は昨年10月、早朝の情報番組『あさイチ!』の姉妹番組『あさイチ!relax』としてスタートしたもので、当初は報道局が担当しておりました。
その後、番組内容の見直しが行われまして、所管を制作局に移しまして、9月からはタイトルも『あさリラ!』と変更して再スタートをきっております。

きょうは、木曜日の放送分をご覧いただきますけども、全体像についてご説明させていただきます。先ほども話にありましたとおり、9月に制作局に移ってまいりまして、若干のリニューアルを施しました。
午前8時台のワイドショーを、午前中のワイドショーの第1ステージとするならば、10時台は第2ステージということで、主婦が主なターゲットになっております。また、午前10時台は家事をしながらテレビを見る、という視聴形態が多いものと思われます。すなわち掃除、洗濯、育児に追われるという時間でして、どうしても、「ながら族」というか、何々しながらテレビを見る、という状況が多いようです。
そのために番組も、出来るだけ見やすいようにと工夫することも大切ですが、さらに耳に入ってくるトークに重点を置いて制作に当たっています。大阪で制作される番組は、丁々発止のやりとりといいますか、出演者のトークをベースにした番組が多いのが特徴です。この番組も、出来るだけ活発で面白いトークが展開できるようなメンバーを選び、内容的にもそのようなものに変更しました。
お手元に配りました資料に、月曜から木曜までの曜日ごとのテーマを紹介しています。月曜日は、身の回りにある時事的なニュース、それとそのニュースに関連する素朴な疑問ということをテーマにしています。火曜日は、家庭の悩みを中心に、嫁姑、夫婦の悩み、子どもさんの悩みなどをテーマにトークを展開します。そして水曜日は、1時間まるまる芸能関連の出来事をテーマにして、司会の森武史と未知やすえを中心に、パネラーを含めてスタジオでにぎやかに丁々発止の展開をしていくということを基本にしております。
きょうご覧いただく木曜日は、グルメをテーマに展開してきました。以前は、グルメの中でも一つの食材にこだわり、いろいろな料理をVTRで紹介してきたのですが、一工夫いたしました。関西の番組の一つの特徴だと思うのですけれども、一般の視聴者にテレビに出ていただく、ということが昔から多く行われてきました。新たな試みとして、この番組でも、家庭の主婦など一般の方々が自慢の料理をスタジオに持ち込んで、その料理を披露して、それを大手の飲食業界の方に判断していただき「これはいける」ということになれば、その料理のアイデアを実際に外食店のメニューとして採用しようという仕掛けを考えました。採用されればその方に10万円が贈られるというわけですが、なおかつ、お店のメニューになるということが、主婦の方にとっては、ある種のシンデレラストーリーになるのではないか、と企画したのが木曜日の「激突!グルメハンティング」というコーナーです。
このコーナーには、毎回3人のチャレンジャーが登場します。2人は一般の方で、アマチュアもいらっしゃいますし、プロの料理人もいらっしゃいます。もう1人は、料理が得意なタレントです。
それぞれが料理を披露して、スタジオで実際に食べていただいて、最終的に採用するかどうかを外食店の専門家が判定します。テレビをご覧になっている方々は、ひょっとすると、その料理が採用されるのかどうかということをドキドキしながら見ていただけるような番組になっております。
後半は「グルメ探偵」というコーナーで、これはタレントやプロの料理人が、お忍びで行く、安くて、おいしいものが食べられるお店を紹介するコーナーになっております。
前半が「グルメハンティング」、後半が「グルメ探偵」という二つのコーナーをベースに構成している1時間の番組です。

<VTR視聴>
(社側)なお、この番組の視聴率は、月曜から木曜の平均が大体3%台です。視聴者のほとんどが女性で、その中でも35歳以上の女性層よりも、どちらかというと20歳から35歳までの比較的若い女性の支持を集めているということです。それではご審議をよろしくお願いいたします。

今言われたように、この番組の視聴者はヤングミセスが多いのではないかと思います。ヤングミセスの中でも、最近は働きに出る人が多いので、見ている人たちの中には、育児だけに満足しない人が結構いるのではないかと思います。
そうした人たちを、この番組で、満足させるという意味から言えば、まず月曜日の「白黒つけまショー」というコーナーでは、喜怒哀楽など人間が興味を持つもの、感情の中の一つ、つまり闘争ですか、争い。こういうものを見るのは、人間にとって結構面白いと思うのです。
欲求不満の日常の中で、ヤングミセスにとっては「他人の不幸は蜜の味」と言うか、こうした内容は見ていて欲求不満の解消になると思うのです。
また、のぞき見という観点から言えば、他人のプライバシーも見ていて面白いと思う人も多いのではないでしょうか。他人の家のこと、特に芸能人のプライバシーについてはいろいろ知りたい、そういうものは面白い、という欲求に答える形で、月、火、水、の企画は、見ていて欲求不満の解消にはなると思うのです。
けれども、この木曜日に関して、今見せていただいた部分では、視聴者が出てきて、料理が採用されて、10万円いただくという内容ですが、これはもしかしたら「ええなあ」いう意味で反発を買う部分があるのではないでしょうか。出演している人はいいけれども、見ている人にとってのメリットというものは、あまりないのではないかと思うのです。
それともう一つ、この番組から視聴者が得るプラス要素はないように思うのです。特に最近は、こういう「美食ハンティング」という番組があまりにも多すぎて、この番組が今まで見ている番組とどこが違うかと言われても、新しい発見はないように思うのです。
たまに「食べに行こうか」と思ったときに、欲求不満の解消ということを考えると、女性はどちらかというときれいに着飾って、いいところへ行って食べたいと思うのですが、この番組で紹介された店は、着飾っていくような店ではなかったし、ちょっと違うかなという感じを受けました。
情報番組、美食ハンティングとしては、ちょっと掘り下げ方が足りない、つまり制作者側のコンセプトがどこにあるのか、訴える力が弱いのではないかと思うのです。多分、視聴率では木曜日が他の曜日と比べてちょっと下がるのではないかと思うのですけれど、その辺はいかがですか。

(社側)おっしゃるとおり、非常に苦戦をしているのが現状です。確かに他局の有力番組と競合しているのですけれども、特に他局の月曜と木曜の企画が強く、木曜日が苦戦しています。

何か、もうちょっと違う形の「美食ハンティング」というのをされたらいかがでしょうか。ただ単に、関西の外食のフランチャイズの人たちを並べるだけでは、個人の受け止め方に留まってしまいます。例えば、主婦層を集めて「これはどうか」と検討し合うなど、視聴者全体が共感できる何かがあれば、もっとインパクトの強い番組になるのではないかと思うのです。
また、一つ気になったのは、なぜ男性リポーターの方が蝶ネクタイを付けているのでしょうか。テレビを見ているものは、服装や態度など、トータルで見ているもので、ちょっと違和感を覚えました。
この木曜日に関して言えば、「私だけ何で子どもを、みなければならないの」とか「私も働きに行きたいよ」などと思っているヤングミセスに、食事や育児を切り口として、少子化が叫ばれている中で、子どもを育てることが、どれだけ大切かということを訴え、共感を得られるように作れば、もっと見ている人たちにインパクトを与えられるのではないかと感じました。

私は、あまりグルメの番組は見ないのですけれど、送っていただいたビデオには、まじまじ見入ってしまいました。単純に面白く拝見しました。
先ほどもお話があったように、多分この時間帯に家にいらっしゃる方というのは専業主婦の方が多いことと思います。専業主婦は、いろいろな方面でセミプロまがいの腕前を持っていても、なかなかスポットライトが当たらないのです。この番組では、そうした部分に光を当てており、料理を好きな方が見ると「わたしもちょっと頑張ってみようかな」とか「こういうチャンスがあるのだったら楽しいな」と思うのではないでしょうか。
だから、家の中にこもって、評価されにくい主婦の人たちにスポットライトが当たるような場面をつくることは、それなりに意義があるのではないか、と思って見ていました。また、ただ単においしかったかどうかという評価だけではなく、外食のフランチャイズ店の人たちが出演して、採用、不採用を決め、さらに採用した後、店側でいろいろ検討する様子なども見せるなど、普通のグルメの番組とちょっと違っていて、私は面白く拝見しました。

私も、午前中テレビを見ることは少なくて、この番組は昨夜、20代前半の娘と一緒にビデオで初めて見させていただきました。娘は、「面白いね」とか言って結構喜んで見ておりました。グルメの番組は多いですけれど、この番組のように外食店のプロが採用をするかどうかを決めるという趣向の番組は、私の知る限りなかったと思うので、そういう意味ではちょっとドキドキする場面もあったりして面白いと思って見ました。
また、お料理を作る過程を、材料の紹介から、細かく丁寧な説明がありましたので、実用的で、作り方が分かって便利だなと感じる面もありました。やはり見る方は主婦が多いと思いますので、即その日のメニューに採用しようかと思うときでも役に立つと思います。
木曜日の企画に関しては、そのように見せていただいたのですが、配っていただいたプリントにそれぞれの曜日の企画が載っています。その項目を見ますと、今の若い専業主婦の方たちが求めているものは「これだけかな?」と、ちょっと疑問に思いました。日中は、"ながら族"として家事をしながら見るので、じっと集中的に見る時間帯ではないのは分かるのですが、ある程度、内容があるいいものを放送すれば時間を取って見る主婦もあると思うのです。
今の時代が求めているものは、もうちょっと何かほかにあるのではないかと思いますので、そういう意味で、この時間帯だから、こういうものと決めつけずに、番組をつくっていただきたいと思います。そうしていただくと、私なども、ちょっとマークして、見せていただいたりする時間もありますので、お願いしたいと思います。

私は、この番組を非常に面白く見させていただきました。家庭によって、いろいろ努力して作っているメニューが、大手飲食店に並ぶかもしれないというところを、楽しく見させていただきました。
ただ、これは邪推ですが、この番組審議会で、この番組を取り上げた理由の中には、朝の番組のどうしようかというところもちょっとあるかと思います。それで、素人ながらの意見ですけれども、2点ほど述べさせていただきます。月曜日から水曜日は知らないので木曜日だけについて申し上げます。
一つは、主婦の意見によりますと、ここまで手の込んだ料理は、なかなかやらない、もっとパパッと簡単にできる料理ほうが、興味を持って見るというのです。ちょっと見る分には楽しいのですけれども、この料理を自分で作ろうとは、なかなか思わないだろうなというのが一つです。
もう一つは、先ほどご説明にありましたように、この時間帯はいろいろなことをしながら耳で聞くことが多いのではないかと思うのです。料理の作り方の説明なのである程度やむを得ないのですが、この番組はどうしても映像に頼る内容になっています。そうすると例えば、洗濯物をたたみながら、あるいはアイロンをしながらという中で、テレビを聞いている方には入ってきづらいのではないかと思います。

料理番組とかグルメ番組というのは、たくさんありますが、その中では、かなり工夫された番組だなという印象を持ちました。
料理番組を見ていて一番嫌なのは、食べて「ウーン」とうなったり、この番組のリポーターは言葉がなくて困っていたようでしたが、要するに語彙の乏しい人に食べさせることなのです。あれは本当に、もどかしい思いをするのですが、そういう番組が多いのです。
この番組のように、家庭の主婦を登場させて、家庭料理をお店の料理へと発展させようという発想は、あまりほかにない着眼だと思います。それから、お店も巻き込んで、いわゆるプロの側の判断も、そこに示す。さらに、それを採用するかしないかという過程での一種の緊張感もあり、なかなか工夫がされている番組だなという感じがしましたし、不快感は受けませんでした。
ただ、率直に言って、番組で紹介された料理を食べたいという気持ちは、全く起きなかったです。最初に紹介された「ライスコロッケ」で言えば、炒めた段階で食べさせてもらったら、どんなに旨いだろうと思いました。それを、あんなふうにお茶漬けにして、グチャグチャとほぐしてしまってね。創作料理というのは、あちこちにありますけれども、ああいうもので旨かったためしがないのですね。妙に凝り過ぎていて、あまりおいしくないという感じがします。
番組に注文をつけるとすれば、せっかく料理人が3人いてコメントしているのですが、なるほどと思うものも、いくつかあるのですが、もう少し、受けねらいではなくて、家庭の主婦にとって参考になるようなコメントをしてほしいと思います。先ほど見た番組では料理人の一人が「パン粉というのはカリッと揚げるところが魅力なんだ」というようなことをおっしゃっていましたが、まさにそうだと思うのです。
おいしく食べるためには、単に味がいいだけではなくて「料理にとって、こういうところが大事なんだよ」という、もっと、まともなコメントをしてもらうと、作る人は「ああ、そうなのか」ということで、参考になるのではないかという感じがしました。
評価すべき点としては、最近、電子レンジに頼る傾向が強くて、ご家庭で料理をするのが少なくなってきていますが、そういう流れに対して、工夫をして、いろいろな料理を作ることの喜びや楽しみをそそるという点です。そういう意味でも、料理を作る場合の注意点などが、その都度示されるといいのではないかと思いました。そうでないと、無理に手を加えて、ひねりにひねって余計なことをやって「ここが変わっているぞ」というようなところに、番組の内容が入って行ってしまうと、もうバカバカしくて見ていられないという反発にもつながってしまうのではないか、という感じがしました。
また、この番組に限らないのですが、CMの後のところで、CM前の場面を繰り返し「さあ、どうなる」というようなことを、かなり長くやるのです。これは、見ている側からすると誠にうっとおしい。こういう局面でスタートするのですよ、ということを、もう一回リマインドさせる意味で繰り返すのであれば、それもいいのですが、ほんのちょっとにしてもらいたいと思います。見ている側からすると、あまりに長くて、長くと言っても何秒か、なのでしょうけれども、少しくどいという感じを、受けました。この番組は料理番組で、"衝撃もの"みたいな番組とは、ちょっと違う番組だと思うので、そこが余計に気になったということでございます。

私は、ちょっと違った意味で、この番組非常にいい番組ではないかなと思うのです。といいますのは、人間の活動の中で一番大事なものは、創造性といいますか、イマジネーションではなくクリエーションではないかと考えています。医学用語でいいますと「トランスレーショナルリサーチ」といいまして、単なるラボラトリーでの研究ではなく、それを臨床に応用するための移行部分の研究が一番足りないと言われて、今それが推奨されております。
これは企業でも同じだろうと思いますけれども、そういう意味で単に奥さん方が研究した料理を、そのまま発表するというのではなく、それを料理屋さんに売り込む手伝いをしているというのは、非常に面白い企画だというふうに私は見させていただきました。
ただ、そういうふうに、なるほどいい番組だなと思うようになったのは、番組を全部見終わって、しばらく経って、この番組は一体何かなと考えてからなのです。番組を見ての最初の印象は「なんじゃ、このギャアギャア叫んでおるのは。何とかならんのか」というものでした。
月曜日から水曜日まで、ああいうふうに叫んでいて、木曜日だけちょっとトーンを落とすということを、同じタレントさんに言っても難しいのかもしれませんけれども、もう少しトーンを抑えたら、20歳代の人というよりも、もう少し高い年齢の方にも見ていただいて、視聴率も上がるのではなかろうかという印象を受けました。
私と年は変わらないのですが、私の家内も、ちょっと叫び過ぎであるということは感じていたようです。もうちょっとドタバタ性を抑えたほうが番組としてはいいのではないかなと思いました。
私に言う資格はないかと思いますけれども、一つだけ料理の内容のことを申し上げますと、サクサクしたものをお茶漬けにして何がうまいかというお話しがありましたけれども、これは日本料理を作る料理人の固定概念であって、例えば、コーンフレークみたいにサクサクしたものに牛乳をかけて食べるわけです。あれはやはりおいしいのです。いっぺん私、番組で紹介されたコロッケのお茶漬けを食べてみたいなと思います。

この番組を見て「えらい手の込んだ料理をしはるのやな」というのが第一印象でした。短縮版のVTRには出て来なかったのですが、もう一品料理が紹介されていました。それは、冷たいグラタンを作って、ミキサーを使ってサラダをつくるというもので「手間をかけて、材料をつかってこんな料理を作って、子どもが食べてくれるんだろうか」と、まず考えました。「私は食べたくないな、これは一番かなわん料理や」と思いました。すぐに「食べさせてやりたいな」と思うような、子ども向けの料理はありませんでした。
番組で紹介された「おむすびころり」は、見た感じは可愛いのですけれども、子どもは、熱い間に食べてくれないのですよね。ベチャベチャ、ベチャベチャ、ドロドロになって食べてしまうので「あれは一個食べたら、あと残してしまうんだろうな」とか、そういうことばかり考えながら見ていましたので、あまり番組そのものにのめり込んで見ることができませんでした。
最近は、食べ物を粗末にする時代で、これでもか、これでもかとおいしいものがあり過ぎるのですが、もうちょっと素朴なもので本当においしいものがあるのです。例えば、"おだし"の場合、料理の番組を見ていると、スープの素などをパーンと使って作るのです。ブイヨンですね。料理番組でも固形のものをポーンと放り込んで、だしの素のように使って、それを料理のスープとしてしまうものですから、どこへ行っても同じ味のものが出来上がってしまいます。
外食店では、大体食材はどこでも同じものを仕入れていますから、同じ味になっているのです。プロでも、このごろそのようなものを使うようになって、本式に鳥がらからだしを取って、スープ作っているというのは、中華料理の本格的な料理店などに限られるのではないでしょうか。
中国などに行けば、いまだにインスタントのスープなどはあまり家庭で使ってないのです。そのような料理が大変おいしいかったので、そういう本当においしい料理を紹介したり、中華料理の鳥がらスープは、どのようにして作るのかを、教えるような番組は出来ないでしょうか。
日本人も皆、均一の味に慣らされてしまって、寂しいなと思います。私たちは昔、素朴なイリコだしのみそ汁などを作って飲んでいたので、それをたまに作ると本当においしいのですね。この番組見て、そういうだしの取り方などを教えるような番組を真面目に作ってほしいなと、思いました。もし、そういう機会がありましたら、今の若い主婦も参考にすると思います。
「これはインスタントスープの味や」とか「これは本当にだしを取った味ですよ」とか、比べて飲んでもらったり、それを当てたりしてもいいと思います。そうした番組を通じて、本当のおいしさが分かるように、しつけてあげてほしいと思いました。
ただ、この番組はスタッフの皆さんが一生懸命考えて、いろいろな方に出演してもらってつくられています。そのエネルギーは買いたいと思っております。

(社側)ここで委員の皆さまに、ご理解とご了承をいただきたい案件がございます。実は来年12月に私どもの読売テレビも、地上波のデジタル放送を開始する予定になっておりまして、いよいよ来月には、そのための免許の申請を総務省に提出する運びとなっております。その申請にあたりまして、委員の皆さまに大切なお願いがございますので、久保哲郎審査室長より説明をさせていただきます。

(社側)読売テレビも来月、デジタル局の免許申請をする予定にしております。そこで、いわゆるデジタル局での番組審議会についてのお願いがございます。
つまり、来月免許を申請する新しいデジタル放送局にも、番組審議会の設置が義務づけられておりまして、申請に向けて、その構成を整えておく必要がございます。その中で、我々地上波のテレビ局がデジタル局を申請する場合は、デジタルへ移行していくという流れの中で、現在の番組審議会の委員の皆さんに、デジタル局のほうの委員も兼ねていただくことが可能だということになっております。
そこで申請にあたりまして、熊谷委員長はじめ皆さんに、そちらの委員も兼務していただくということで手続きを進めさせていただきたいというのがお願いでございます。この点についてご了解をいただければというふうに思っております。
実は先日、熊谷委員長にお目にかかる機会がございまして、ご相談をさせていただきました。熊谷委員長は「問題はない」ということで、きょうの審議会で「皆さんにお諮りして協力をお願いしたらいかがか」とおっしゃっていただきました。ひとつよろしく、お取り計らい願えればと思います。

(社側)ただ今の件ですが、ご了承いただけますでしょうか。

(全員「異議なし」の声あり)

(社側)ありがとうございます。きょう欠席をされております秋山委員と野村委員にも同じような説明をさせていただきまして、ご了承いただければ、そのように手続きをさせていただきます。ありがとうございました。(後日、秋山委員、野村委員の了承を確認)
次に視聴者センターからの報告です。視聴者センター部の小城 敏部長から先月寄せられました視聴者の声を報告いたします。

<視聴者センター部報告>
(社側)10月の対応件数は、総数で6,924件でした。9月は半年ぶりに8,000の大台に乗ったのですが、10月は、問い合わせが約1,000件減り、7,000件を割る数字になっています。ただ、意見・要望の件数はあまり変わっていません。
主な意見・苦情ですが、やはり北朝鮮によります拉致事件関連に集中しています。『ニュース』や『ザ・ワイド』『ウエークアップ』など番組に対しまして248件と、かなり多くの意見が来ております。
主なご意見ですが「番組の中で『謝るのは北朝鮮だ』と言っていたが、北朝鮮を、そうさせたのは日本にも責任があるのではないか。日本は戦後処理で何をしましたか」というご意見。それから「拉致被害者の帰国映像を何度も何度も繰り返し放送しているが、もういい加減にしてほしい、ほかの局でも同じようなことをやっているので、読売テレビだけでもレギュラー番組を放送してほしい」また「毎日々々大騒ぎし過ぎではないですか。帰って来られた方にいろいろ聞きたい気持ちも分かりますが、少しそっとしておいてあげたらどうですか。拉致被害者の方の微妙な立場を考えて報道すべきです」と、こういったご意見。
そして横田めぐみさんの娘のキム・ヘギョンさんに一部のマスコミがインタビューしたことに対しましては「あのインタビューは非常識である」と、ほかのマスコミはもっと非難すべきだという声と「自分たちが放送できないからといって文句を言うことはない」というご意見もありました。
ほかに、『ザ・ワイド』206件、『おもいッきりテレビ』『プロ野球中継』『ニュース・スクランブル』に、資料に記しましたようなご意見が来ておりますが、特にプロ野球のジャイアンツが優勝いたしまして、『優勝特番』が入ったためにこの後の番組が変更になったことについて「楽しみにしていた番組の録画ができなかった。特番の予定があるなら新聞に予告をしてほしいという」という意見が多数寄せられました。さらに、そのために見ることができなかった番組の再放送を望む声もかなりありました。

それでは最後にちょっとだけ宣伝をさせていただきます。読売テレビでは、メディアの発信する情報を主体的に読みとめていく能力、いわゆるメディアリテラシーの向上のために、以前から『子ども番組審議会』や『番組づくり体験講座』を実施するなど積極的に取り組んできました。
本日は皆さまのところにお配りしました封筒の中に入れさせていただきましたが、このほどテレビ番組の作り方を分かりやすく解説したテキスト「チャレンジ!テレビ番組づくり」を制作・出版いたしました。これは、「番組づくり体験講座」をやっておりまして、こうしたことをもっと広く知らせたいという思いから、我々自身の手でテキストを作ったというわけです。
こういったテキストは、これまでなかったということで各方面から大変大きな反響をいただいて嬉しく思っております。
最後にスケジュールのお知らせをいたします。次回は12月6日、金曜日の午後6時から、帝国ホテル大阪での開催を予定しております。本日は、ご審議ありがとうございました。
  • 平成14年度読売テレビ番組審議会委員
  • 委員長    熊谷信昭   兵庫県立大学名誉学長、大阪大学名誉教授
  • 副委員長    馬淵かの子   兵庫県水泳連盟   顧問   元オリンピック日本代表
  • 副委員長    川島康生   国立循環器病研究センター   名誉総長
  • 委員    秋山喜久   関西電力株式会社  顧問
  • 委員    金剛育子   能楽「金剛流」宗家夫人
  • 委員    林  千代   脚本家
  • 委員    阪口祐康   弁護士
  • 委員    佐古和枝   関西外国語大学教授
  • 委員    北前雅人   大阪ガス株式会社   代表取締役副社長執行役員
  • 委員    谷  高志   読売新聞大阪本社   専務取締役編集担当