第429回 番組審議会議事録
1.開催年月日 |
平成14年2月8日 | |
2.開催場所 | 読売テレビ本社 | |
3.委員の出席 | 委員総数 | 11名 |
出席委員数 | 11名 | |
出席委員の氏名 | 大島 靖、金剛育子、林 千代、馬淵かの子、野村明雄、 尾前照雄、阪口祐康、佐古和枝、老川祥一 |
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欠席委員の氏名 | 秋山喜久、熊谷信昭 | |
会社側出席者 | 土井共成(代表取締役社長)以下12名 | |
4.審議の概要 | テーマ及び視聴合評対象番組 | |
視聴合評番組 | 『ズームイン!!SUPER』 | |
放送日時 | 月曜日~金曜日 午前6時30分~8時30分 (審議当日は、1月24日放送分のダイジェストを視聴) |
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放送エリア | 全国ネット | |
番組審議会では、朝の情報番組「ズームイン!!SUPER」について意見を交換した。 委員からは「天気予報やニュースなど、朝に必要な情報が簡潔にまとめられた有用な番組だ」「役に立つだけではなく、楽しいもの、珍しいもの、新しいものが、多様に盛り込まれている」「タイムリーな話題を取り上げての、適切な解説には、忙しい時間だが手を休めて見入ってしまうことがある」など、情報や解説の内容を評価する声が相次いだ。 一方、「"占い"や"エンターテインメント"などのコーナーは、朝の番組には不要ではないか」「これが、この番組の特徴だ、という強い印象が残らない番組だ」という意見が出されたほか「同一のニュース素材が、何度も繰り返されて違和感があった。同じニュースでも、時には詳しく、時にはヘッドラインだけを紹介するなど工夫が必要ではないか」など、表現やコーナーのあり方に課題があることが指摘された。 この後、昨年12月と1月に寄せられた視聴者からの意見や抗議、苦情などについて概要を報告した。 |
【議事録】
●(社側)本日ご審議いただきますのは朝の情報番組『ズームイン!!SUPER』です。この番組は、月曜日から金曜日までの毎日午前6時半から8時半まで2時間にわたりまして生放送している情報番組です。
この番組は1979年3月に始まり、22年間続けてきました『ズームイン!!朝』という番組を引き継ぐ形で昨年の10月にスタートをしました。
『ズームイン!!朝』は、系列のネット局が、制作面でも積極的に参加して、各地からの中継を軸に展開するユニークな制作体制をとってきましたが、その伝統は、この番組も一部受け継いでいます。
それでは番組のねらいや意図についてご説明申し上げます。
●(社側)今、説明がありましたが『ズームイン!!SUPER』は昨年の10月にスタートいたしました。それまでの22年間は、日本テレビ系列の朝の番組の顔とでも言うべき『ズームイン!!朝』という番組を放送していました。これは系列全体の力を挙げて制作するという番組でして、系列全体の番組制作力、すなわち企画力、演出力、技術力、キャスターのリポート能力等々を高めてきた番組だったと、思っております。
『ズームイン!!SUPER』も、そのネットワークの力を存分に戦力として活用しながらスタートして、4か月ほど経ったという状況でございます。
『ズームイン!!朝』と大きく変わったところは、主な内容を、朝に必要な情報の提供に絞ったことです。ヘッドライン形式のフラッシュニュースや辛坊解説委員の「新聞のミカタ」、それからニュース現場からの生中継を原則とする「ニュースSUPER LIVE」「一撃コラム」などが続きます。元内閣安全保障室長の佐々さん、読売新聞の久保潔さん、橋本五郎さんの解説、それから、辛坊解説委員が出てきて「追撃コラム」という形で、ニュースをさまざまな場所から、また、さまざまな出演者によって解説をしてもらうというような部分が、以前の『ズームイン!!朝』とは大きく変わったところです。
その他、芸能とか、スポーツとか、それ以外の情報も盛り込んで、朝に必要な情報をすべて網羅している番組だろうと、思っております。
読売テレビ独自の枠もあります。我々は「差し替え」と言っているのですが、要するに関西エリアでしか見られない部分がありまして、天気予報などは、ネットしている各局ともに、それぞれに差し替えており、それぞれのエリアの天気情報を流すのが、基本になっています。
読売テレビの場合は現在、番組前半のエンターテインメントの部分を差し替えており、視聴していただいた日は、阪神の星野監督が就任した阪神のキャンプ情報を4~5分間、関西ローカルで放送しました。
それから後半、8時前ぐらいに、ネットでは「イチおし生中継」ということで、色々なところから生中継をする部分があるのですが、ここを関西では「イチおし一番乗り」ないしは「イチおし生やねん」というタイトルを付けて、近畿エリアの情報を生中継で伝えるというコーナーに差し替えています。
●三つ申し上げたいと思います。先ほどの説明にもありましたように、朝に必要な情報が精選されて提供されているという点で、非常に分かりやすい、いい番組ではないかと思います。
例えば、ニュースと天気予報ですが、特に私どもサラリーマンは、一番早いニュースを見たいわけですから、ヘッドラインだけでかなり理解できるわけです。それに加えて、さらに詳しい中継があったり、あるいは解説があったりしますので非常に分かりやすい、いい番組だと思います。
それから各紙の新聞をそれぞれ比較しながら、説明がありました。これも面白い試みであろうと思います。
個人的な事情から申しますと「占い」ですとか、あるいは「エンターテインメントパラダイス」が朝の情報として本当に必要かどうか、とは思いますが、様々な需要があるのではないかと思います。
二つ目は、この番組をつくられるにあたって多様な情報の整理が大変なのではないかなと思いました。限られた時間の中で、いろいろな系列局から出てくる発信を整理するわけですから、広域情報の整理という点で、制作する側は大変ではないかと思います。
しかし、これからブロードバンドの時代になったり、新しい放送システムが出てまいりますと、コンテンツが多様化しないといけないのと、いろいろなものを抱えておかないといけませんので、新しい時代に移行していく過程として、こういった番組は非常に大事だと、思います。
それから三つ目は、テレビ局の中では費用対効果論をどのように考えているのか、私にはよく分からないのですけれども、私どもの企業の中では、こういうことをしたらどのくらいの経費がかかるかという、計算をします。テレビ局では、おそらく視聴率との関係でバランスを取るのだと思いますけれども、そういった点を考えると、随分お金のかかる番組ではないか、という印象を受けました。
●この番組が『ズームイン!!朝』のときから、時間があるときは見ていたのですけれども、『ズームイン!!SUPER』になってから、あまり関西を強調することもなく、また東京を意識させることもなく、まんべんなくいろいろなところから中継するという傾向が一層強くなったような感じで、その辺は非常に好感を持っています。
ものをつくるときの心得として、世阿弥が花伝書に「面白きこと、珍しきこと、新しきこと」ということを書き残しています。そうした要素を持ったものをつくれば、多くの人に受け入れられると、既に室町時代に言っていたのです。
この『ズームイン!!SUPER』の中には、まさに、そのような要素が含まれています。2時間の中に、見ている側が非常に面白いこととか、珍しいこととか、それから新しいこと、そういうものが生中継とか、様々な形で盛り込まれており、興味が尽きません。
同じような朝の時間帯の番組について言えば、キャスターの魅力で、どの番組を続けて見るか、ということを選ぶのだと思います。『ズームイン!!朝』を見てきた私の立場から言いますと、多分この番組が初めて取り入れたのだと思うのですが、朝の天気予報のときに大きな温度計を置いて、言葉で寒いとか、暑いとか言うのではなく、目の前に温度計を置いて見せるなど、非常に新鮮な演出でキャスターの魅力を引き出しており、新しい番組になってもやはり、その辺は面白いと思うのです。
それから、飲み物に例えますと、ミックスジュースという感じがします。バナナだけとか、メロンだけではなくて、いろいろなものが取り込まれていて、十分に見る側が満足できるようにつくられています。偏った情報ではなく非常に楽しく、キャスターの魅力も十分あると思うのです。
それだけに、毎日これだけの生番組をつくっていくために、下調べとか、いろいろな準備にため息が出るほど、多くのご苦労が毎日続いているのではないかと思います。しかし、結果は、意地悪い目で見せていただいても非常に完璧ではないかと思って、毎日楽しみに見させていただいております。
先ほどお話に出ましたが、「エンタパラダイス」というのですか、芸能情報のコーナーだけは、私も朝からいただけないかな、と思っておりますが、それ以外の部分に関して言えば、非常に楽しく見せていただいておりますし、新しきこと、面白きこと、珍しきことを十分堪能させていただいております。
●私も、この番組を時計代わりにいつも見ていますが、今日あらためて見ると、すごく盛りだくさんだな、ということを初めて感じました。普段はあまり意識していなかったのですけれども、じっくりと見ると、プログラム的には分刻みで様々なコーナーが続き、その間にコマーシャルも入り、舞台裏ではてんてこ舞いしているような感じが、本当に実感として分かりました。
ただ、視聴者は、いろいろな情報をつかんで「今日はこんなことがある」「これは見損ねた昨日のニュースだ」とか思いながら、のんびりと見ています。見損ねていたニュースがポッと出てきたりするとくぎづけになって見ますが、それぞれの情報が要点だけなので、非常に忙しくしている時でもどのようなニュースがあるのか全体を見通すことが出来ます。私にとってはすごく強力な味方、情報源として参考にさせていただいております。
多分、一般の視聴者もじっと座って見ている人は、少ないと思うので、短く刻んで伝える方法は非常に成功しているのではないでしょうか。今日、コマーシャル抜きで見ると、こんなにたくさん情報が詰め込まれており、これは大変だというのが分り、私にとっては、むしろコマーシャルが入っているほうが良いことが分かりました。
●子供が、朝7時10分に家を出ますので、私もお弁当をつくりながら見ている、というよりも、時計代わりにテレビをつけっぱなしにしています。子どもに傘を持って行かすかどうかを判断するために、天気予報をどこでやっているのかと、パッパッとチャンネルを変えたりしています。おそらく、一番忙しい時間ですので、どなたもゆっくり腰を落ちつけて見ているのではなくて、天気予報をしているチャンネルにパッと変えてみたり、といった形で見ておられるのではないかなと思うのです。
この番組は、いつも見ているのですが、あえて言いますと「一撃コラム」ですか、そのときそのときのいろいろなニュースを解説するコーナーが印象に残っています。視聴者が最も知りたいと思うようなタイムリーな話題を取り上げて、的確な解説をしていただくのを、面白いなと思って、いつも楽しみに見せていただいております。
それから、辛坊さんが、8時前にやっておられる「追撃コラム」も楽しみにしています。今日も実は見せていただきましたが、新入社員の採用面接の話がすごく面白くて、忙しい時間でしたが、主人と時間を忘れて思わず笑いながら全部見てしまいました。短い時間で、みんなが今一番興味を持っていることを魅力的に、的確に伝えていると思います。
それから、先ほどからお話に出ていますが、「占い」と「エンターテインメント」については、私も余り興味はなく、そのときになるとチャンネルを変えたりしますので、おそらくそういう方が多いのではないか、ということを最後に付け加えさせていただきたいと思います。
●この番組は、テレビ局の実力がないと絶対できない、大変重みのある番組だと思います。しかし、朝というのは比較的忙しく、仕事のことを考えている皆さんは、この2時間を全部見ることはないだろうと思います。
相当重い内容も、軽く見える内容も混ざっていますが、大事な情報をピックアップして分かりやすく構成してあります。私は今、この番組を、どういう層の方々が一番エンジョイして見ているのだろうか、という思いで見ていました。
いわゆる勤め人の人たちというのは、あまりゆっくり見ていられないのではないかと思うのですが、そういう人たちにはちょっともったいない気がするほど情報が豊富です。朝というのは頭が一番クリアで、今から仕事をしようと思う時間ですので、芸能のコーナーでヘソを出した部分などはちょっとどうだろうかと感じました。あれが、非常にいいと思われる方もいらっしゃるでしょうけれど、今から仕事をしようと思う人にはちょっとブレーキになるのではないか、という気持ちがしました。
いずれにしろ、この2時間の番組をつくる労力というのは大変なものだろうということは、よく想像できました。先ほどお言葉がありましたように、コマーシャルが入っていた方が楽でしたね。各コーナーを続けて見ると、ちょっと重いですね。
やはりコマーシャルが入って、少し軽く見られるほうが、朝はいいのではないかというような気持ちはいたしましたが、非常にエネルギーの入った情報がアップ・トゥ・デートに報道される番組として、有意義な番組だと思いました。
ただ、内容が非常に多岐にわたっているので、どういう人が番組全編をとおして見るのだろうか、という思いを持ちましたのですが…。
●普段は、落ち着いて見ることがないのですが、あらためてじっくり見ますと、先ほど来、お話に出ているように、ものすごく情報量が多いというのが、まず第一印象でした。
ただ気になったのは、情報量が多い分だけ、番組としての色が薄まっていることです。特色という意味で、網羅的だというのが特色だと言われると、そうなのかもしれませんが、見ていて、ものすごく印象に残ったコーナーというのが見当たらないのです。
朝の番組というのは、おそらく、習慣でチャンネルが選ばれるのだと思います。その中で、他局の視聴者を、こちらのほうへ引きつけるということになりますと、別に皆がそうでなくてもいいのですが、パッと印象に残るようなコーナーが一部分でもあれば、よりよいのではないかと思うのです。
それから、先ほど来、「占い」のコーナーの話が出ているのですが、私個人としてはあまり興味がないのですが、周囲にいる何人かに聞くと、割と占いというのは人気がある事が分かりました。今は、なくなりましたが、以前、抽選で選ばれた視聴者にスタジオから電話がかかってきて、自分の星座の運勢によって賞品をもらえるコーナーが、どうやらあったらしいのですが「あのコーナーがなくなって残念や」という意見も、何人かからありました。朝から人の喜ぶ声とか聞くと、何か、ものすごく嬉しくなる、というわけです。私自身の意見は別にしまして、占いは根強い人気のあるコーナーなのだ、ということを再認識いたしました。
●私も、この番組は何度か見ているのですけれども、ニュースの解説とか、情報のダイジェストとかという部分が多いので、大変ありがたい情報源になっています。
いろいろな分野が網羅されているというのも、いろいろな層の方が見ており、さまざまな好みに合わせている面もあるのだと思います。まあ、見たい部分を見ればいいのかなと考え、あまり関心がない部分は新聞を取りに行ったり、ゴミ出しに行ったりしているので、その辺は割り切るしかないのかなと、思っています。
そういう中で、先ほどお話がありましたが、番組の個性をどうやって出していくのかというのが、難しいだろうなと思います。
朝は頭がさわやかだ、という方もいらっしゃるでしょうが、私は朝は苦手で、寝ているのか、起きているか分からないようなときにテレビをつけて、あまりにテンションが高いと、ついていけないことがあるのです。ですから、強く怒りを訴えるとか、あるいはエンターテインメントで盛り上げるというところで、テンションを上げることも必要かもしれませんけれども、その度合いをちょっと考えていただけたらなと、思うときがあります。
●情報番組といっても、得てして情報自体をかなりデフォルメして面白おかしく見せようという傾向が、しばしば見られますけれども、この番組は朝の番組ということもあるでしょうが、非常にまじめに、デフォルメされていない形で素直に伝えてくれているという意味で非常に好感が持てます。
それから、キャスターあるいはコメンテーターも堅苦しくない中にも、まじめさがあって、変にふざけたり、茶化したりということはなくて、安心して見ていられるという感じがありました。また、テンポも歯切れよく展開されているな、という印象でした。
ただ、私も、ぽつぽつとチャンネル変えてニュースをやっている局を探すなど、部分的に見るケースが多いのですが、今回、全編を通してずっと見てみまして、若干違和感がある部分が2点ばかりあります。
一つは、ニュース素材が全部同じなのです。何回か出てくるのですがナレーションもほぼ同じ、映像も同じです。ただ時間の経過によって付け加わるプラスアルファ分が、少しずつ変わっているという格好で、その部分だけ見る人にとっては別に何の違和感もないかもしれないけれど、同じ情報、同じ映像が、繰り返し繰り返し流され、ちょっとずつ違うというのは、何か整理がされていない印象を受けます。
同じ素材でも、30分後には違う角度から伝えるとか、あるいは30分後には、これをもう少し詳しく説明するとか、そういうふうにすると、そのまま自然に見られるのではないかな、という感じがしました。
それと、場面転換について誤解させられるような部分がありました。例えば、新庄の映像が出て、その直後にいきなり「格好良かった、格好良かった」と言う女性の映像がつながっていました。新庄のことを言っているのかなと思うと、そうではなくて次に出てくる三味線の話なので、ちょっと戸惑ってしまいました。もう少し場面転換のところを、分かりやすく、うまく切り替えができるといいのではないか、という感じがしました。
もう一つは、直木賞作家の山本一力さんのご一家を紹介したコーナーです。これは、なかなかいい素材だったと思うのです。特に、家族そろって自転車でスタジオまで来てもらっており、この日のメーンにしてもおかしくないと思いました。
しかし、それにしては話の中身が、お粗末でした。単に自転車についての話だけで、彼の作品の『あかね空』がテーマにしている、家族というものに及びませんでした。せっかく朝早く、彼に自転車をこいでスタジオまで来てもらい、彼が受賞したときの話の中に出てくる、奥さんとか子どもとかも出演しているのですから、辛坊さんなり、久保さんなり、あるいは福澤さんなりが、あと数分語りあって、彼に何か印象に残るようなことをしゃべってもらったらよかったのではないかという感じがしました。ちょっともったいない。せっかくこれだけの素材を盛り込んでいながら、生かし切れてない、という感じがありました。
●舞台裏の話なのですが、例えば、来週はどのような話題を取り上げるかというのは大体決まっているのですか。
●(社側)今日は金曜日ですが、全体の半分ぐらいの素材は集まっていますが、半分はこれからになると思います。また、ニュースになりますと、前日に集めるということになります。
来週の火曜日の素材として、何があるかということを考えてみますと、今は全然何もないのです。けれども、前日になりますと、それなりに世の中の動きというものがありますので、その中から、この番組でお伝えしたほうがいいものは何か、と選んでいきますと、意外と集まる、というのが正直な実感です。
●それから出演者のしゃべり方なのですが、狂牛病の説明は非常に分かりやすかった。しかし、保険会社の統合について新聞を読んで説明した部分は、ちょっと聞きにくかったのです。
私は耳が悪くなったのかなとも思うのですが、どんなものでしょうか。人によってしゃべり方が、かなり違うとは思いますが、狂牛病の説明は、中身は非常に難しいでしょう。それが実に、はっきり分かるようなしゃべり方、視聴者に分からそうという気持ちのしゃべり方でした。
ところが、保険会社の統合のほうになると、時間に迫られて、早口で、とにかく処理したいというような感じのしゃべり方でした。耳が悪いからかもしれないけれども、私には中身が聞き取りにくかったです。
●(社側)まさにおっしゃるとおりだと思います。本当に時間に迫られてという事情が、確かにあったと思います。朝起きられてクリアな方もいるし、まだ頭がはっきり起きていない方もいらっしゃるわけですから、難しい話が話が出た場合は、せっかく説明するのであれば、丁寧にやらなければならないと思います。
視聴者の方に伝わらないなら、我々も何のために努力しているのか分かりません。それなりに、時間を取らないといけないと思っています。
●それから、ここに「芸能情報エンタ」とありますけれど、エンタというのは、エンターテインメントのことですか。
●(社側)エンターテインメントを略して「エンタ」と呼ばせていただいています。皆さんにご覧いただいた1月24日に取り上げたのは、芸能人を集めた、宝石にまつわるイベントですが、多分、この日のほかの情報番組でも、イベントのアトラクションとして登場した津軽三味線の人を紹介した芸能ニュースはなかったと思います。イベントのテーマとはちょっと視点を変えて、津軽三味線という古典のものを、新しい形で演奏しているという情報を伝えたのですが、これがこの番組の特徴なのです。
●この時間帯に、この番組を一番よく見ているのは家庭の主婦ですか。サラリーマンは、もうそろそろ出勤ですね。
●(社側)各家庭によって、それぞれ事情があると思いますけれども、お父さんを送り出して、その後、子どもを送り出すという中で、軸になっているのは主婦の方だと思うのです。
先ほど7時10分にお子さんが出られるというお話がありましたが、普通7時10分とか、あまり10分刻みで物事を考えないのですけれども、朝の時間ですと、バスの時間が7時13分とか、皆さん1分単位で物事を考る時間帯だと思います。しかも家庭によっては、この時間はお子さんがご飯を食べる時間だけれども、お父さんは着替えている時間だとか、人によってしていることが違います。そのような中で、チャンネル権をお持ち、という言い方がいいのかどうか分かりませんけれども、やはり主婦の方が軸として動かれていると思って、番組をつくっています。
●だから見ている側は、テレビをじっくり見る、じっくり聞くというのではなく、パッパッと聞きかじって会社や学校に出て行くというような感じになるのでしょう。
●(社側)私らも、気をつけなくてはいけないと思っているのが、重過ぎる話が続きますと、何かをしながらご覧になっている方が多いので「見たくないな」と思われてしまうということです。せっかく、いろいろな情報を集めて番組をつくっていますので、見てもらえなければもったいないと思っています。そのために、緩急といいますか、重くなり過ぎないよう、また軽くなり過ぎないように、非常に難しいところですが、工夫をしていかなければならないと思っています。
●(社側)それでは次に、視聴者センターからの報告をいたします。以前より、田中前外務大臣の、国民的人気のすさまじさは皆さまにお伝えしておりましたが、今回の更迭劇で、センター部に寄せられる意見、抗議のほとんどが、前外務大臣の擁護と、その周辺の人々に対する非難で、占められております。
それに反してメディアは、かなり詳しく報道している割には、雪印食品に対する抗議が、極端に少なく、多分これは国民が、きっともうあきれ果てて文句も言いたくないという心境なのだと推察いたします。
そのほかには、推奨の言葉をいただいている番組をちょっとご紹介しますが、『本家のヨメ』、そして『第78回箱根駅伝』、そして1月に報道いたしました『報道スペシャル~激震が襲う日~』などに推奨の声をいただきました。今月は以上でございます。
●新聞社の場合も、読者は同じような反応をしています。田中眞紀子問題については、非常に多くの電話がかかってくるのですが、雪印に関しては数件です。どうしてかな、と我々も首をひねっているのです。
●(社側)関西がことの発端となって、我々メディアも詳しく全国報道している割には、消費者から目立った抗議もありませんし「もっと詳しく報道しろ」というようなクレームも全然ありません。
一方、田中前外相の方は、更迭劇が始まってから毎日々々、田中擁護の声が寄せられています。「なぜ辞めさせたのか」という抗議が毎日届いています。
- 平成13年度読売テレビ番組審議会委員
- 委員長 熊谷信昭 兵庫県立大学名誉学長、大阪大学名誉教授
- 副委員長 馬淵かの子 兵庫県水泳連盟 顧問 元オリンピック日本代表
- 副委員長 川島康生 国立循環器病研究センター 名誉総長
- 委員 秋山喜久 関西電力株式会社 顧問
- 委員 金剛育子 能楽「金剛流」宗家夫人
- 委員 林 千代 脚本家
- 委員 阪口祐康 弁護士
- 委員 佐古和枝 関西外国語大学教授
- 委員 北前雅人 大阪ガス株式会社 代表取締役副社長執行役員
- 委員 谷 高志 読売新聞大阪本社 専務取締役編集担当