第417回 番組審議会議事録

1.開催年月日
平成12年11月10日
2.開催場所 読売テレビ 役員会議室
3.委員の出席 委員総数 11名
出席委員数 8名
出席委員の氏名 大島 靖、金剛育子、林 千代、馬淵かの子、
野村明雄、尾前照雄、阪口祐康、佐古和枝
欠席委員の氏名 秋山喜久、熊谷信昭、小谷直道
会社側出席者 土井共成(代表取締役社長)以下12名
4.審議の概要 テーマ及び視聴合評対象番組
視聴合評番組 バラエティー番組「どっちの料理ショー」
放送日時 毎週木曜 午後9時00分~9時54分

【議事録】
この番組を見ますと、とても力が入るのです。というのは、自分はどっちかなと考えながら見ていて、当たらなかったら「あぁ!」と思い「何でこんなにおいしいものが、みんなには分からないの」という感じで見ているせいだと思います。
色々な番組を見ていますと、時に「これは見なければよかった」とか「後味悪い」という番組があるのですけれども、この番組に関しては絶対に裏切られることがない娯楽番組だと思っています。

"どっちの料理"というだけではなくて、「こんな人が、こういうところで、一生をかけて、この道一筋に、こういうものを作っているよ」という姿を人間ドキュメンタリーとして見る感動というものが毎回あるなど、色々な要素が入っているいうのも楽しみです。
料理のつくり方や、出演者の嗜好のリアクションがあったり、勝ち負けの行方が気になるというか、賭けが好きな人間の本能を刺激する部分もあって、ブロック、ブロックを担当するスタッフの方たちの真剣な取り組みが感じられます。
今のテレビ番組全体を見回しても、上質な健全娯楽という部分に入るのではないかと思います。

この番組は日本の食文化を追究していると思うのですけれども、めったに食べられない高級なものから、お好み焼きなど庶民的なものまで幅広くメニューを用意しており、視聴者の多様な嗜好をよく考えて作られていると思って、共感を抱きました。

私は画面からいい香りがしそうな感じで見ていました。一番の印象に残りましたのは、カメラの撮り方が非常においしそうに撮られていることです。ほかのお料理番組と比べても、いかにも食欲をそそるようにうまく撮っていらっしゃるなと思いました。

ラーメンといえば塩気の多い代表的な食べ物になっています。その塩気は、どっちが多いだろうかとか、大体うまいものというのはコレステロールが多かったりするのですが栄養学的な立場から見て、塩ラーメンと醤油ラーメンの二つの違いはどうかな、などと考えながら見ました。

この番組は、食文化論でもあると思うのです。そういう点で大変魅力があります。継続は力といいますが、そういった食文化論と楽しさ面白さを追究した番組の魅力が150回を越えるこの番組の継続を支えてきたのだと思います。
それからタレントの参加の仕方も、あくどくなくて面白いです。ゲストを空腹にして、その本心を引き出すそうですが、先ほどの曙の表情にも楽しいものがありました。番組づくりも、極上の食材探しをはじめ大変だろうと思いますが、同時に制作費も、かなり張り込んでおられるのではないかという印象を受けました。いずれにせよ、本当にいい番組だと、そう感じました。

これは面白い番組ですね。誰でもが普段口にするようなメニューで、なおかつ、ちょっとこだわりあるものの対決、例えば、今日のテーマであれば醤油派、塩派というように見ている方が肩入れをしたくなるような形で対決をさせられているというところが、ぐっと視聴者を引きつけるところかなと思います。それともう一つは、最後の負けた方が食べられないというのが面白いなと感じました。
特に私などは料理番組を見ていますと、「なんや芸能人はええもんばっかり食べて・・・」というような、ひがみみたいな感情がありましてね。それが負けた方が食べられない、現場にいながら食べられないというのは、見ている方よりさらに酷な立場にあるわけで、これが見ている方の溜飲を下げるような効果があるように思います。このあたりが魅力で、そこを計算した企画の勝利かなというふうに思いました。

私も大変面白く拝見させていただきました。ゲーム感覚もあるし、普段表に出て来ないけれども塩やイワシ煮干しのおいしい味を支えている方々の、努力している部分にスポットライトを当てて紹介する部分もありました。きっと、応援してあげようという気持ちがスタッフにあったのだと思うのですけれど、情報を得られて面白かった上、色々な要素が入っていて楽しかったな、と感じました。そして、やはり「どっち」という、この切り口によって無意識のうちに私らは、「どっち」かなというところに引き込まれ、知らず知らず番組に参加しているというところがあると思いました。

(社側)ところで、このところホームページの普及が進んでおり、先月、読売テレビのホームページも一新しましたが、その中で最も人気のあるページの一つが、この番組のページなのです。このページには、放送以来すべての回のデータが入っています。各料理の有名店の情報や、特選素材の生産者の連絡先、さらに料理のレシピなどの内容を網羅しており、毎週5万程度のページビューを記録しています。

(社側)視聴者センター部から報告します。10月1日から31日まで、視聴者から受けました総件数は6,859件です。数字的には、平均的なものだと思います。意見・苦情が届いた件数が多い番組は「ザ・ワイド」「日本シリーズ」「おもいッきりテレビ」そして「ウエークアップ」です。「ザ・ワイド」では、国勢調査に対して、40件近い抗議が来ています。その内容は「調査員が1世帯当たり千円をもらえる」というコメントに対して、国勢調査員の方から、「そんなにもらってない」「1世帯当たりにかかる経費が千円かも分からないけれど、私たちは、それほどもらってませんよ」という内容の抗議・苦情が寄せられました。番組の終了間際に「地域によって差があります」というお詫びといいますか、補正するコメントが入りました。次に、日本シリーズですが第4戦の福岡ドームでの試合で審判が巨人寄りではないかという苦情・抗議をいただきました。また、第6戦、巨人が優勝した試合ですが、試合終了後、長時間に渡って優勝関連の特別番組が入りまして、次の番組を楽しみにしている視聴者から100件近い意見・苦情が寄せられました。

(社側)続きまして「こども番組審議会」の開催につきまして、若干ご報告させていただきます。昨年、全国のテレビ局に先駆けまして読売テレビが実施しました「こども番組審議会」は、各方面に反響を呼びまして高い評価を受けました。
今年も11月23日に実施する予定です。今回は、子どもたちの話を聞くだけにとどまらず、子どもたち自身に、私たちプロのサポートを受けながらの番組づくりを体験してもらおうということで、現在、その企画を進行させております。
  • 平成12年度読売テレビ番組審議会委員
  • 委員長    熊谷信昭   兵庫県立大学名誉学長、大阪大学名誉教授
  • 副委員長    馬淵かの子   兵庫県水泳連盟   顧問   元オリンピック日本代表
  • 副委員長    川島康生   国立循環器病研究センター   名誉総長
  • 委員    秋山喜久   関西電力株式会社  顧問
  • 委員    金剛育子   能楽「金剛流」宗家夫人
  • 委員    林  千代   脚本家
  • 委員    阪口祐康   弁護士
  • 委員    佐古和枝   関西外国語大学教授
  • 委員    北前雅人   大阪ガス株式会社   代表取締役副社長執行役員
  • 委員    谷  高志   読売新聞大阪本社   専務取締役編集担当