- 第17話
- 2月7日(土)
- 「グリーンドリーム」
中森警部と警官たちはこけら落とし公演「マルスとローザ」の初日を明日に控える劇場に集結する。怪盗キッドは劇中で明日だけ特別に使用される世界最大のエメラルド、グリーンドリームを奪うと予告していた。快斗は小道具のバイト少年に変装して作業しながら警備の状況を確認する。舞台上では新人女優の古畑恵がヒロイン役を演じる先輩女優の今泉麗子から芝居の事で怒られていた。この劇団のオーナーの一人娘である麗子は役者の才能がないと恵に言い放つ。舞台スタッフは親の力でヒロイン役になった麗子を快く思っていなかった。
夜、バイト少年(快斗)は舞台に残り、一人で稽古している恵を見かける。恵は自分の役だけでなく、他の役も稽古していた。恵に気付かれると、バイト少年(快斗)は演技を褒め、もっと良い役をもらえても良いと声をかける。すると恵は人前に出ると足がすくんでしまうと悩みを告白。恵は観客の視線が怖いらしく、今回初めてセリフのある役をもらったが皆に迷惑をかけっぱなしだと打ち明ける。バイト少年(快斗)は観客を畑に並んでいるカボチャと思えば良いとアドバイスする。
翌日、快斗は青子と一緒に「マルスとローザ」の初日の公演を観に行く。中森は万が一、場内の電気が消えた時に備え、バッテリー付きライトを20ヵ所に設置。暗闇に乗じて盗むキッドの手口を封じる対策を講じていた。この舞台は中世ヨーロッパで、敵対する国同士に生まれた王子と王女が数々の障害を乗り越え、最後に結ばれるというラブロマンス。恵の役柄は召使いAだった。この後、開演の時間になり、劇中でグリーンドリームを使用するシーンに。中森たちは警戒するがキッドは現れなかった。
このシーンが終わるとグリーンドリームは袖で待機していた警備の警官に手渡される。グリーンドリームが警備の手から離れ、観衆にさらされるシーンはあと1回あり、中森はキッドが狙うのはその時と睨む。この後、恵の出番になるが、恵は麗子の身勝手なアドリブに動揺して演技をとちってしまう。うろたえた恵はセットを倒して転び、観客から笑いが起きる。
控え室に戻った麗子は舞台を台無しにする気かと恵に激怒し、目障りだから消えてと言い放つ。恵はとうとう泣き出してしまい、共演する女優たちに慰められる。まだ恵には舞踏会のラストシーンの出番が残っていた。この後、舞踏会のシーンが始まり、グリーンドリームが再び観衆にさらされる。中森は闇に紛れなければ姿を消す事はできないと勝利を確信。だが、姿を消すのは暗闇だけとは限らなかった。キッドは華麗な方法で姿を消してグリーンドリームを奪うと、恵に驚くような魔法をかけて…。