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ストーリー

第9話
11月29日(土)
「怪盗淑女 登場」

 快斗は海外にいる母親の千影とインターネット通話し、18年前の父親、盗一との馴れ初めの話を聞く。この後、快斗は怪盗キッドになって犯行を予告した博物館へ。宝石を奪ったキッドは中森警部に弁当を届けに来た娘の青子に変装して博物館から出て行く。宝石の裏のシールには「怪盗キッドよ 次は私のターンだ 月が猶予う土曜の夜 汚れ無き杭の頭に貴殿の宝石を封じ、18年前の借りをお返ししよう」と書かれていた。青子(キッド)はお目当ての宝石ではないため、中森宛の封筒に入れてポストに投函する。

 そんな青子(キッド)の行動を追う郷津会長。郷津は青子をキッドと勘ぐり、キッドを操る黒幕が中森と推理する。後日、青子は東都タワーの特別展望台の招待券に当選。来週、展望台では大富豪の秘蔵コレクション展でルビーが展示される予定だった。快斗は何者かの罠と疑いつつも中森に変装し、青子と一緒に東都タワーへ行く。青子はエンジン音が楽しめるという説明文に従い、展示された車のキーをひねる。すると次の瞬間、車体から伸びた手錠が青子の腕にはまり、麻酔ガスが噴き出てくる。

 青子が眠ると、郷津と拳銃を構えた部下たちが現れる。郷津は変装に気付かずに中森(快斗)の事を18年前の初代キッドと勘違いし、青子にキッドを引き継がせたと考えていた。中森(快斗)がこの状況をデジャヴのように感じていると、郷津は18年前の初代キッドの相方について話し始める。その相方とは女二十面相と謳われ、18年前に忽然と姿を消した怪盗淑女ファントム・レディ。中森(快斗)はこの名前を聞いてデジャヴではなく、千影が話した馴れ初めの話と同じ事を思い出す。

 18年前のフランス…。エッフェル塔の最上階で、ファントム・レディ(千影)は警察官たちに次々と斧を振り下ろし、警察官たちは意識を失っていく。だが、これは恐怖と血のりで警察官を失神させるというレディが仕組んだマジックだった。展示フロアに移動後、レディは1台のバイクにまたがり、タンクに埋め込まれたダイヤを確認するが、予想通り、ダイヤは偽物だった。そんなレディの手際を見て拍手を送る人物。それはシルクハットを被り、マジックショーの白い衣装に身を包んだ黒羽盗一だった。

 盗一もダイヤが偽物という事に気付いていた。何者かがダイヤは盗まれた事にして、闇で大量の模倣品を盗まれた本物と騙して売りさばこうと企んでいるのだ。レディはこのバイクをパリ市警に送りつけ、ダイヤが偽物である事を暴こうと考える。レディはパリ市警までバイクに乗っていこうとしてエンジンをかける。その瞬間、バイクから手錠が飛び出してレディの手にかかる。すると、そこに郷津と銃を構える部下たちが現れる。大量に作ったダイヤの模倣品を売りさばき、儲けようとしていた犯人は郷津だった。郷津は盗んだ偽物を警察に送りつけるレディの存在を邪魔に思い、この世から消そうとするが…。