- 第5話
- 11月1日(土)
- 「緋色の誘惑」
快斗のクラスに転校生、小泉紅子は世界で一番美しいのは誰かと鏡に訊ね、鏡は紅子様と答える。鏡は「世界中の男は紅子様の虜。たった1人を覗いては…」と続け、紅子は動揺を抑え、それは誰かと訊ねる。鏡に浮かび上がったのは怪盗キッドだった。2月14日のバレンタインデー、青子は誰にも貰えなかったらかわそうだからと言って快斗にチョコを渡そうとする。だが、青子が今夜は雪が降ってホワイトバレンタインになるかもしれないとロマンチックな気分に浸っている間に快斗はいなくなっていた。
教室ではクラス中の男子たちが紅子のチョコを欲しがっていた。そこに快斗がたくさんのチョコを抱えてやってくる。紅子は自分のチョコを欲しがらない快斗に驚き、快斗とキッドが同一人物ではないかという疑惑を抱く。帰宅後、紅子は召使いと共に儀式を始める。紅子は煮えたぎる大きな鍋に必要なモノと共に快斗の分身として手に入れた快斗のハンカチも入れる。紅子は赤魔術の正統なる後継者だった。
夜、キッドは予告通り、美術館から宝石を奪おうとする。その時、宝石から催眠ガスが噴出し、展示ケースの中からガスマスクを被った中森警部と警官たちが現れる。キッドは天井に貼り付くが、眠気に耐え切れずに落下。その頃、紅子は儀式の真っ只中。紅子は木槌を振りかぶり、人形の左胸に大きな針を突き刺す。その人形はキッドそっくりだった。それと同時にキッドは左胸に突き刺されたような痛みを感じる。キッドは動けず、警官たちに捕まって連行されてしまう。次に紅子はキッドの人形の額に針を打ちつけ、キッドの額からは血が流れ落ちる。キッドは最後の力を振り絞ってその場から姿を消す。
外に逃げたキッドは宙に浮かび上がり、不気味な声(紅子の声)に導かれるように舞っていく。この後、キッドの前方にカラスの大群を引き連れ、宙に浮く紅子が出現。紅子はあなたの心を盗んであげると言うと、挑発するようにキッド人形をぐっと握り締める。キッドは全身の痛みに耐えながら紅子に近づき、キッド人形を奪おうとする。だが、これは紅子の罠だった。次の瞬間、キッドは地面から放たれるまばゆい光に吸い寄せられて落下。気付くとキッドは巨大で真っ赤な魔法陣に囲まれていた。
紅子は魔法陣の中で身動きが取れないキッドに対し、私のしもべになりなさいと命じる。キッドが反抗的な態度をとると、紅子は満月の光を稲妻のような衝撃に変えて、キッドに浴びせかける。その衝撃で魔法陣に火がつき、真っ赤に燃え上がる。紅子は熱さに苦しむキッドにチョコを食べるように命じる。そのチョコを食べれば苦しみから解放できるという。この時、キッドは対峙している魔女がクラスメイトの紅子だと気付く。チョコを受け取ればキッドの心は永遠に紅子のものになってしまうが、吸い寄せられるように紅子のもとへ行ったキッドはチョコにかぶりつこうとして…。