
「恋愛や結婚が難しい時代を生きている自覚を持とう」
究極の選択
選択肢(A)「待てば、きっと白馬に乗った王子様が現れると思う」
選択肢(B)「待っていても、そんな人は現れない」
第6話では、会話の中に「王子様」というセリフが何度も出てきます。「王子様」とはもちろん比喩的表現。意味するところは「分不相応に素敵な男性」ということでしょうか。たとえば、客観的には、はるにとっての永冨が「王子様」のようです。
今週のテーマは、はたしてみなさんに「分不相応に素敵な男性」があなたを見つけて愛してくれるのかどうかです。見つけてくれると思うロマンチックな女性は選択肢(A)を選び、現実的な女性は(B)を選ぶことでしょう。
● 社会人女性の7人に1人が「白馬に乗った王子様」が現れると思っている
いまから10年前に女性を対象に上記のアンケートを実施したことがありました。対象者は高校生、大学生、社会人です。
事前に男性からは「何をそんなバカバカしいことを」、「そもそも日本には王子様も白馬もほとんどいないのに、なんだそれ?」、「選択肢(A)を選ぶなんてゼロだろ」という声が聞こえてきたので、意味のないアンケートだったかなと思いました。
ところが、1,000人以上にアンケートを行った結果、なんと
※ 高校生は約3人に1人(=32%)
※ 大学生は約5人に1人(=20%)
が選択肢(A)を選んだのでした。しかも現実を良く知っているはずの
※ 社会人も約7人に1人(=14%)
が(A)を選ぶという結果が出ました。
男性にはびっくりの数字ですね。なにしろ、待っていれば、素敵な男性が目の前に現れて好きになってくれるに違いないと信じている人がいるなんて…。
選択肢(A)と答えた方。それは無理だわ。待っていたらおばあちゃんになってしまいますよ。さらには将来、孤独死の準備もしなければなりません。
● わが国の少子高齢化が恋愛と結婚に悪影響を与えている
幻想を抱いている女性の目を覚ましてもらうために、データを用いて解説します。
図表は1960年と2015年のわが国の人口構成です。1960年では、エジプトのピラミッド型をしていました。他方、55年後の現在は逆三角形です。
図表
1960年と2015年の人口構成
(出典 国立社会保障人口問題研究所)


また、日本人の年齢を全員足して総人口で割った「日本人の平均年齢」は1960年では28.5歳でした。当時は「犬も歩けば、若者にあたる」状態だったのです。このような時代だったら、「待って」いても、素敵な男性があなたを見つけてくれたかもしれません。
しかし、現在はご覧の通り、若者が極端に少ない時代。無理です。なにしろ、現在の日本人の平均年齢は46歳なのですから。待っていては、既婚者のおじさんやおじいさんにしか出会えません。それで良いというのでしたら問題ないですが…。
確率の側面からもこの点を考えてみましょう。
たとえば、1,000人の男性が集まるパーティに出席したとします。そのうち、何人くらいと相思相愛になれるでしょうか?100人くらいは可能だと思いますか?
たとえば、みなさんが30代(あるいは20代)の女性だとして、同じく30代(あるいは20代)に出会う確率はたったの13.5%です。1,000人ですから、135人しか年齢の対象者はいないということです。
ただし、そのうち、すでに結婚している男性もいますよね。その割合は約50%です。2人に1人が既婚者。これも上記の数字から差し引かなければなりません。ということで、30代男性の未婚者は68人となりました。
話はここで終わりません。まだ恋人がいるとか婚約しているとかそういった人たちが含まれていないからです。この割合は最新の統計によると50%程度ですから、34人になります。
あらら、1,000人いて、恋愛・結婚対象者がたったの34人になってしまいました。残りの966人は対象外、対象者は割合にすると4%未満です。
もちろん、さらに年収は最低400万円はほしいとか(だいたい30代5人中3人)、学歴は大卒が良いとか(男子の大学進学率は56%)、身長は172センチ以上が良いとか(男性の平均身長なので50%)、不潔な人は嫌だとか、遠距離は嫌だとか、好き勝手に条件を加えていくと、1人もいなくなってしまいます。
さらに問題なのは、みなさんが好きになれても、相手から好きになってもらえるとかいった問題もあります。そのように考えると、いかに特別の努力をしないと恋愛や結婚ができない時代になったのか、おわかりになるでしょう。
● 出会いは積極的につくらないといけない時代
というわけで、もしみなさんの中で「出会いがない」、「恋愛相手が見つからない」と嘆いている方がいたら、それはわが国特有の少子高齢化という社会現象の影響をもろに受けているということです。
解決策は?
まずは現状に焦ることが重要です。「待つ」とは「省エネ」。「省エネ」では恋愛が難しい時代です。もっと現状に焦って、恋愛や結婚に対してガツガツしましょう。
具体的には「新しい出会い」を求めましょう。合コンでも、ホームパーティでも、異業種交流会でも、街コンでも、あるいは友だちの紹介でもなんでも良いです。自分の性に合った出会いのパターンがあると思いますので、そのような形で出会いの総数を増やしていくことが不可欠です。数打てば、そのうち当たります。
当てるのは、たった一人で良いのです。その一人と結ばれれば、あとの人生、がんばる必要はありません(むしろ、がんばっては困るのです)。このコラムを読んだら、ぜひ、実行に移して、恋愛を成就していただきたいものです。