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【毎週更新】森川教授の明日話せる恋愛学のススメ 早稲田大学国際教養学部の森川教授がドラマ「恋愛時代」の登場人物の行動や心理などを分析し皆さまにアドバイスします!【毎週更新】森川教授の明日話せる恋愛学のススメ 早稲田大学国際教養学部の森川教授がドラマ「恋愛時代」の登場人物の行動や心理などを分析し皆さまにアドバイスします!
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「一目惚れ」での結婚はいかが?

今週の「究極の選択」
 選択肢(A)一目惚れで結婚を即決してもよい。(出会ってから半年以内でのプロポーズもアリ)  選択肢(B)一目惚れはハイリスク、相手を充分に見極めてから結婚を考えるべき。 (出会ってから1年以上の交際期間があるべき)


第1話では、永冨がはるに一目惚れしたこと、また第2話では、理一郎とはるの出会いも理一郎の一目惚れであったことが描写されています。さらに第2話では、理一郎が「一目惚れって、なんか軽いんだよ。」って言う場面もあります。このように、一目惚れの是非が一つのテーマになっています。


そこで、連載第2回目では、この「一目惚れ」をデータに基づいて科学的に分析します。心理学者の間では「一目惚れ」とは、「出会ってから1時間以内に相手を好きになること」と定義します。


結論を先に言えば、「一目惚れ」は決して「幻想」ではありませんし、一目惚れを否定するのはむしろ間違いです。


米国の心理学者アール・ナウマン博士(「Love at First Sight」)は、「一目惚れ」について1,495人(男性547人、女性948人)の人々にアンケート調査しました。この調査が一目惚れに関する唯一の科学的研究です。

ナウマン博士の研究結果では、


① 男女平均で58%(男62%、女56%)の人が「一目惚れ」を実際に経験。

② 一目惚れで結婚した人々のうち、76%のカップルがいまだ結婚を継続中。

③ 17%の人が一目惚れを2回経験し、5%の人が3回経験。

④ 全体の54%が20歳以下で一目惚れを経験。

(ということは46%はそれ以降ということで、30歳を過ぎても15%の人たちが一目惚れを経験。)


これはどういうことかというと、2つの点が重要です。まず、一目惚れをするのは男性の方がやや多く、5人中3人が経験しています。男性は女性の見かけで恋愛できる動物なので、理一郎のように笑顔が素敵と思って恋に落ちることもできます。


第2点目は、直感で結婚した方が結婚が長続きするとも言えるのです。米国では初婚同士の離婚率が過半数を超えるのですが、76%の夫婦が結婚を継続中というのは、びっくりするくらい良い数字です。しばしば直感で決めるのは良くないというふうなことを言う大人がいますが、統計的には逆の結果となっています。


そこで今週の「究極の選択」です。


(A)一目惚れで結婚を即決してもよい。(出会ってから半年以内のプロポーズもアリ)

(B)一目惚れはハイリスク、相手を充分に見極めてから結婚を考えるべき。(出会ってから1年以上の交際期間があるべき)


 みなさんは、どちらでしょうか?

***


結婚は原則として短期決戦です。なぜかというと恋愛バブル(恋愛中のトキメキ感、ドキドキ感)は1年半~2年で消滅してしまいます。バブルが生じている間こそ、男性側からのプロポーズが可能なのです。でも、相手が本当に自分にふさわしいかどうか、長期的関係を築けるかどうかを確かめる必要もあります。

あなたはリスクに対して、賛成派か、反対派か。恋人同士で、賛成派、反対派に偏っていれば問題なし。でも、一方が賛成派で他方が反対派だったら…。そのときこそ、大きな問題です。

なお、前回申し上げた脳内伝達物質のドーパミンですが、ドーパミンは恋愛中毒をもたらすものなので、多いと一目惚れ「肯定派」、少ないと保守的で一目惚れ「否定派」と理論的には言うことができます。やっぱり、恋人同士、夫婦関係にはドーパミンの相性は不可欠ですね。

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