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【毎週更新】森川教授の明日話せる恋愛学のススメ 早稲田大学国際教養学部の森川教授がドラマ「恋愛時代」の登場人物の行動や心理などを分析し皆さまにアドバイスします!【毎週更新】森川教授の明日話せる恋愛学のススメ 早稲田大学国際教養学部の森川教授がドラマ「恋愛時代」の登場人物の行動や心理などを分析し皆さまにアドバイスします!
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夫婦の相性の話

今週の「究極の選択」
 選択肢(A)はると理一郎のふたりは、恋愛を復活させるべき。
 選択肢(B)はると理一郎のふたりは、恋愛を復活させるべきではない。


このドラマの主人公は、衛藤はると早勢理一郎。第1話でおわかりのとおり、ふたりは1年半ほど結婚していましたが、現在は離婚しています。離婚して2年。

離婚の理由はおいおい判明してゆくことと思いますが、連載の初回は、離婚の遠因となっている「性格的相性」の話をします。恋愛や結婚を科学的にアプローチして、みなさんに恋愛ドラマの裏側を分析するのが私の役割ですから、男女の性格、相性を科学的に分析してみます。


長い夫婦生活を営んでいく上で最も重要なもののひとつが性格的な相性です。性格って遺伝子に根差したもので変えることが困難なので、恋愛の過程で相手の性格を見極めて自分に合っているのかどうかを調べてゆかなければなりません。わが国の夫婦の離婚の原因第一位は「性格の不一致」。たいへん重要だということがわかります。

そのような性格を規定するものの一つは、どの程度活動的なのか(活発、アウトドア派)、物静か(保守的、インドア派)なのかという点です。これは脳内神経伝達物質のドーパミンの多寡によって決まります。どのくらい新しいものが好きなのか、どのくらい冒険が好きなのかを規定する物質でもあります。

社会内分泌学者によればドーパミンは「危険をかえりみない傾向、衝動性、旺盛なエネルギー、好奇心、創造性、楽観主義、情熱、精神的な柔軟性」を決めるものとしていますが、容易な言葉で言うと、ドーパミンが多いとアウトドア派になり、少ないとインドア派になるということです。スポーツやバンジージャンプや新しいことに挑戦する人をアウトドア派、読書や音楽鑑賞を好むといったインドア派に分類すると分かりやすいです。

夫婦の相性としては、ドーパミンが均衡するのが良い相性となります。多い人は多い同士、少ない人は少ない同士が、相性が良いということです(「ドーパミン均衡仮説」)。確かに、一方が音楽会に行こう、他方がスキューバダイビングに行こうでは、どちらか一方はいつも不満です。短期的に恋愛関係になったとしても長期的には難しいです。


さて、はると理一郎のふたりはどうなのでしょうか。初回を観るとふたりの性格がすぐに判ります。はるの性格は、典型的なドーパミンが多いタイプ。活動的であり、仕事もスポーツインストラクター。他方、その真逆に位置するのが理一郎で、文学が大好きで仕事も本屋に勤務です。こちらはドーパミンが少ないタイプです。

ふたりの性格的な相性としては、残念ながら良くありません。恋愛学者の私としては、ふたりの関係は戻さない方が良いと思います。

そこでみなさんに問いたい今週の「究極の選択」。


(A)ふたりは恋愛を復活させるべき。
(B)ふたりは恋愛を復活させるべきではない。


***


せっかくですから、みなさんも、自分自身の性格を診断してみましょう。また恋人や結婚相手がいる場合には、相手の性格も診断してみましょう。スポーツが好き、人前で話すのもへっちゃら、冒険心が旺盛といった場合には、ドーパミンが多くアウトドア派です。他方、週末は家にいるのが好き、趣味は読書、映画、将棋・碁が好きといった場合には、ドーパミンが少ないということでインドア派ですね。

なお、ドーパミンが多い人は「恋愛中毒」になる可能性が高いです。ときによっては「浮気性」にもなります。気をつけてください。

第1話でははると理一郎以外にも登場人物がいますし、第2話以降、新しい登場人物が出てきますので、その人たちのドーパミン値も考えながら観てください。必ず新しい発見があるはずです。

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