犬夜叉 ストーリー
殺生丸との死闘で傷ついた身体が全快していない犬夜叉は妖怪・狼野干(ろうやかん)の襲撃を受け、苦戦を強いられていた。その頃、現代にいるかごめは北条とデートの真っ最中。しかし、犬夜叉が心配になったかごめは、北条を一人残して日暮神社へ戻った。祠の井戸に飛び込んだかごめの強い想いが通じたのか、かごめは戦国時代にタイムスリップしていく。
戦国時代に戻ってきたかごめは骨喰いの井戸の底で七宝と再会の喜びを分かち合う。が、それも束の間、狼野干の口から吐き出された狼が襲ってくる。かごめが戻ってきたことにいち早く気がついた犬夜叉は、間一髪のところでかごめを救い出し、狼を蹴散らすと井戸に刺さっていた大木を引き抜いて、そのまま狼野干の口へ押し込んだ。狼野干はもんどり打って倒れ、悶絶してしまう。 井戸を這いだしたかごめは犬夜叉に駆け寄ると、その胸に飛び込み抱きついた。
その時、奈落の気配に気がついたかごめは木の方をキッとにらむ。気配を勘づかれた奈落はついに犬夜叉と弥勒の前にその姿を現した。 奈落は50年前、動けぬ鬼蜘蛛のすさまじき邪念が洞窟の中にこもり、その邪気が妖怪を呼び集め生まれたのが自分であると明かした。そして四魂の玉を浄化していた桔梗の心を憎しみで汚し、汚れた四魂の玉を奪うため犬夜叉と戦わせたのも自分であると。それを聞いた犬夜叉は怒りに我を忘れ・・・。
奈落を追いつめて桔梗の仇を取ると心に固く誓った犬夜叉の一行は、再び四魂のかけらを求めて旅を続けていた。そんな中、弥勒が、ある姫の死魂(しにだま)を妖怪から守る仕事を引き受ける。だが、姫の亡骸(なきがら)を守る役目を犬夜叉とかごめに割り振り、弥勒は妹姫を見舞うためいそいそと彼女の部屋へ向かった。 その頃、とある村の川岸に子供たちとたわむれる桔梗の姿があった。裏陶(うらすえ)の術で復活し、谷底へ落ちた桔梗は犬夜叉への怨念を抱えたまま生きていたのだ。しかし、村の子・小夜を妹のように慈しむようになった桔梗は、巫女として村で生きることも考えていた。その様子を見ていた僧侶の晴海(せいかい)は桔梗を死人と見抜き成仏させようとするが・・・。
いっぽう、姫の亡骸を見守っていた犬夜叉の元に桔梗の操る死魂虫(しにだまちゅう)が現れる。
死魂虫を追って弥勒たちとはぐれてしまったかごめは、桔梗の張りめぐらす結界を通り抜け、巨木にもたれてかかってやすらかな顔で眠っている桔梗と初めて対面する。目を覚ました桔梗が、かごめの眉間に指を突きつけると、かごめの体は硬直したように動けなくなってしまう。そして犬夜叉がこの地へ向かっていると知った桔梗は結界を解き、犬夜叉をこの地へ誘った。そこへ現れた犬夜叉は桔梗と再会を果たすが、桔梗の術によって犬夜叉の目にかごめは映らなくなっていた。
犬夜叉への怨念に突き動かされ、死者の魂をまといこの世にあり続ける自分はおぞましいだろうと恨み言を言う桔梗に対して、犬夜叉は桔梗のことを1日たりとも忘れたことがなかったと告白。2人はかごめの目の前で口づけをかわす。
犬夜叉と桔梗が両想いだったことを知り、かごめは落ち込んでしまう。すると突然、犬夜叉と桔梗の足元に亀裂が生じ、割れた地面が盛り上がった。犬夜叉の意識を奪った桔梗が、そのまま地獄へ引きずり込もうとしたのだ。 それを見たかごめは、奈落こそ桔梗の命を奪った本当の仇(かたき)だと必死に訴えるが、桔梗は耳をかそうともせず、犬夜叉を地獄へ連れ去ろうとする。 桔梗があざ笑うかのように犬夜叉の唇に口をつけようとした瞬間、「犬夜叉に触らないで!」とかごめが叫ぶと、桔梗の体内から無数の死魂が飛び出していった。
かごめの声で目を覚ました犬夜叉は、かごめを金縛りにしていた死魂虫を切り裂く。「私よりかごめの方が大切なのか?」と犬夜叉に問いかけた桔梗は「おまえに口づけした気持ちに嘘はない」と言い残し、その場を去って行った。 楓の許を訪れた桔梗は、50年前、犬夜叉と自分を闘わせた妖怪・奈落が鬼蜘味だったという真実を聞き出す。しかし、死んでしまった自分の代わりに犬夜叉のすさんだ心を癒したかごめへの敵対心を消すことはできなかった。そして犬夜叉への未練も・・・。
妖怪退治屋の娘・珊瑚は山間の村に出没した怪物ムカデを倒し、その死骸(しがい)から四魂のかけらを見つけ去って行った。村人がその怪物ムカデの後始末をしているさなか、犬夜叉の一行がこの村を通りかかる。そして、妖怪退治屋の隠れ里で"四魂の玉"が生まれたという話を聞き、妖怪退治屋の里探しを始める。
いっぽう、里に戻った珊瑚は四魂のかけらを父親のお頭に渡した。50年ほど前、邪気を鎮める霊力を持った巫女に四魂の玉を預けたこともあった。が、その巫女も玉を巡る争いで死に、今は再び霊力を持つ者が見つかるまで、かれらを集め守っておくことが里の役目であるとお頭は言う。
人見城に出没する妖怪退治を頼まれた退治屋たちは、手練(てだれ)を集めて城に参上した。そこには珊瑚と、初めて実戦に参加する珊瑚の弟・琥珀の姿もあった。まもなく、巨大な化け蜘蛛が現れるが、村一番の使い手である珊瑚と退治屋たちは絶妙なチームワークで化け蜘蛛を退治する。しかしその瞬間、琥珀の首筋に小さな蜘蛛が飛びついた。その途端、琥珀は妖怪に操られ、父と仲間の退治屋たちを惨殺してしまう。 驚く珊瑚は琥珀を操る城主の正体に気づくが、琥珀の鎖鎌(くさりがま)で深手を負う。さらに城主の命令で、家臣たちから弓を射られてしまう。 城主・人見の異変に気が付いた若殿の蔭刀(かげわき)は、城主を乗っ取った蜘蛛妖怪を退治した。
また、退治屋たちを気の毒に思い、蔭刀は家臣に彼等の埋葬を命じる。 同じ頃、退治屋の隠れ里を探す犬夜叉たちは禍々(まがまが)しい殺気を放った妖怪の大集団を目撃する。妖怪たちが向かっているのは退治屋の隠れ里だった。主戦力を人見城に送っていた里は妖怪の総攻撃を受け、全滅。その里の中には妖怪をそそのかし、攻撃させ、密かに四魂のかけらを集める奈落の姿があった。
奈落にだまされ、犬夜叉を仇と信じて仇討ちに向かう珊瑚だが、弟・琥珀(こはく)に負わされた傷は重傷だった。奈落は傷の痛みをおさえるため、珊瑚に四魂のかけらを与え犬夜叉の下へ向かわせた。
同じ頃、退治屋の里で犬夜叉は妖怪たちの残骸を乗せた荷車を村のはずれにある鍾乳洞へ運んでいた。冥加(みょうが)から四魂の玉が、この鍾乳洞で生まれた伝説があると聞いた犬夜叉たちは中に入ろうとするが、結界が張っているため中に入ることはできない。犬夜叉の一行は四魂の玉が生まれた事情を聞くため、城へ妖怪退治に行ったという手練(てだれ)に会いに出発する。
鬱蒼(うっそう)と茂る山の獣道を進んでいる犬夜叉たちを、突如、木々をなぎ倒して巨大なブーメラン・飛来骨が襲う。里に戻ってきた珊瑚が犬夜叉を見つけ攻撃を仕掛けたのだ。弥勒は風穴で珊瑚の飛来骨を吸い込もうとするが、弥勒の前に毒虫・最猛勝の巣が投げ出された。この最猛勝(さいみょうしょう)の出現で弥勒の風穴は封じられてしまう。 犬夜叉は珊瑚の背後にいる奈落を見つけ鉄砕牙で斬りかかるが、犬夜叉を里の仇と信じる珊瑚がその邪魔をする。激突する鉄砕牙と飛来骨。そんな珊瑚の背中には四魂のかけらが光っていた。いっぽう、弥勒は錫杖(しゃくじょう)で奈落に攻撃を繰り出すが、一瞬のすきをついて奈落はかごめから四魂のかけらのペンダントを奪い取る。 四魂のかけらを持って逃げる奈落を見た珊瑚は、雲母(きらら)を追手に差し向け、犬夜叉と闘い続ける。しかし、失血がひどく気を失ってしまう珊瑚。奈落は珊瑚に死ぬまで犬夜叉と闘わせるつもりだったのだ。
奈落を追った弥勒は雲母の助けをかりて奈落を追いつめる。そこへ気絶した珊瑚とかごめを背中に乗せた犬夜叉も追いつき、ついに鉄砕牙で奈落の首を切り落とすが・・・。
珊瑚の怪我が回復するのに10日が経った。かごめは奈落を倒すために一緒に旅をしないかと珊瑚を誘うが、珊瑚は1人で奈落を討ち果たすと宣言。そんなかごめに珊瑚は仲間を弔ってくれたお礼に、四魂の玉が生まれたわけを教えようと村のはずれにある鍾乳洞へ案内する。鍾乳洞の結界に弾き飛ばされないために、妖怪の骨や皮で作った武具を着込んだ一行は鍾乳洞の中へ。
その奥には竜や物の怪などが合体した妖怪に、半身が飲み込まれている鎧を着た巫女のミイラの姿があった。さらにミイラの胸には大きな穴が開いていた。
その時、かごめが持っていた四魂のかけらが輝き始めた。犬夜叉、かごめ、弥勒、珊瑚は同時に意識を無くし倒れてしまう。4人は四魂の玉の伝説の中に取り込まれてしまったのだ。 そこで犬夜叉たちは鎧を着た伝説の巫女・筆字がー瞬にして数匹の妖怪を浄化させていくのを目撃する。彼女は妖怪の魂を取り出して喜める術を使い、十匹の妖怪をー度に滅ぼすほどの霊力を持っていた。 弥勒の説明によるとこの世の物は人間でも動物でも木でも石でも四つの魂でできており、荒魂、和魂、奇魂、幸魂の四つが一つにそろって一霊となり、肉体に宿ったのが心だという説あり、この一霊(四魂)は行いの善悪によって良くも悪くも変化するという。
妖怪を浄化して滅する力を持つ翠子を恐れた妖怪たちは彼女を倒すために融合して闘いを挑んだ。しかし、多くの妖怪がひとつに固まるには邪心を持った人間をつなぎに使う必要がある。そこで翠子を秘かに慕う瑠璃丸の心の隙につけこみ妖怪たちは融合した。
闘いは七日七晩続き、力尽き体を食われ魂を吸い取られそうになった翠子は最期の力で妖怪の魂を奪い取り、自分の魂に取り込んで体の外に弾き出した。そのあとに残った魂の塊が四魂の玉である。だが、肉体が滅びた妖怪と翠子は、今も四魂の玉の中で闘い続けているという。そして四魂の玉を浄化するために預けた巫女・桔梗の命さえも奪った因果が自分へ引き継がれていることをかごめは知る。
新たに珊瑚(さんご)も加わった犬夜叉の一行は、奈落の城を探す旅の途中、水神(すいじん)に子供の生贄(いけにえ)を差し出す村を通りかかる。犬夜叉たちは生贄にされるはすだった名主の子供から、自分の身代わりになった使用人の子を助けるため水神退治を頼まれた。湖の中央にある社に乗り込んだ犬夜叉たちは水神と対面するが、神器「あまこいの鉾(ほこ)」の神通力によって水の底へ追いやられてしまう。 犬夜叉の仲間に新たに珊瑚も加わり、一行は奈落の城を探して旅を続けていた。そんな中、水神に生贄を差し出す村に通りかかる。子供を生贄にしていると聞き、弥勒は御祓(おはら)いを申し出るが、村の名主によって断られてしまう。
名主の不自然な断り方に不審を抱く犬夜叉たちの前に、むしろを被った百姓風の子供が現れ、反物や蒔絵箱(まきえばこ)を投げ出し、代わりに水神退治を請け負えと横柄な態度で犬夜叉たちに強要する。その子供は生贄にされるはずの名主の息子・太郎丸であった。太郎丸は自分の身代わりになった使用人の子・末吉を助けるために犬夜叉たちを雇おうとしたのだ。 湖の中央にある水神の社に乗り込んだ犬夜叉たちは兵隊たちを蹴散らしながら水神のもとへ向かった。しかし、水神が使う神器「あまこいの鉾」の神通力によって水の底へ追いやられてしまう。
かごめは七宝、太郎丸と共に水神の前に引き上げられるが、太郎丸を食おうとする水神に咳き込むかごめは気がつかない。そこへ末吉が太郎丸を助けるため、覚悟を決めて水神に立ち向かっていく。やっと我を取り戻したかごめが、矢を放つと水神の片腕が粉砕された。その隙をついてかごめは七宝、太郎丸、末吉を連れて逃げ出す。 社の外に出された犬夜叉たちは水神に仕える金魚女官たちに助けられる。今の水神は神器を奪った蛇の精霊が水神に成り代わっており、本物の水神は岩屋に幽閉されているという話を金魚女官から聞いた弥勒は早速、水神を助け出す。
いっぽう、かごめが心配で彼女のもとへ駆けつけた犬夜叉はいち早くニセ水神と闘っていた。ついに蛇の正体を現したニセ水神が犬夜叉を水の中へ引き込む。 そこに、弥勒が本物の水神である女神を伴い駆けつける。女神は水を左右にわけ水中で窮地に陥っていた犬夜叉を救い出すが、ニセ水神は神器「あまこいの鉾」の力を使って、竜巻を起こし村を押しつぶそうとする。
旅の途中、かごめたちが妖怪退治をしている最中、弥勒は美しい娘に誘われて娘の後をついていく。しかし、彼女の正体は大蟷螂妖怪であった。弥動は風穴で難なく大蟷螂を吸い込むが、その際に風穴を傷つけられてしまう。
翌朝、弥動は傷の手当を頼むため犬夜叉たちには何も言わず、育ての親・夢心和尚の寺へ向かった。このまま傷を放置すると寿命が縮まってしまうためだ。弥勒の祖父も父も奈落がうがったのろいの風穴が広がり自らも飲み込まれて死んでいた。すべての事情を知る夢心は傷が治るまで風穴を開くことを弥勒に禁ずる。
本堂で手当をすることになった弥勒は夢心から傷を縫うために痛み止めとなる麻酔薬を渡される。しかし、手術前に夢心は突然現れた妖怪・壷使いの放つ蠱壷虫に取りつかれてしまう。麻酔によって身体が麻痺した弥勒を見下ろす夢心は渾身の力を込めて鉈(なた)を降り下ろす。が、朦朧(もうろう)としながらも弥勒は危機一髪で夢心の攻撃をかわしていく。弥動は辛くも八衛門狸(はちえもんだぬき)の手を借りてその場を逃げ出すが、弥勒を殺そうと無数の妖怪たちが集まってくる。妖怪たちがうごめく中、弥勒は座禅を組み結界を張るが、麻酔が効きはじめ次第に弱っていく。
いっぽう助けを求めるために寺を脱出した八衛門狸は犬夜叉の一行と遭遇。弥勒の危機を知った犬夜叉は急いで夢心の寺へ向かう。まさに危機一髪のところで弥勒の元へ駆けつけた犬夜叉。しかし、夢心は弥勤の恩師のため思うように闘えず犬夜叉は苦戦する。 そんな中、さらに無数の妖怪たちが来襲してくる。犬夜叉たちを助けるため死を覚悟した弥勒は禁じられていた風穴を開き妖怪を吸い込むが、風穴の傷をさらに広げてしまう。それを見た犬夜叉は強引に数珠を握らせて弥勒の風穴を封印し、ひとりで襲いかかってくる無数の妖怪に立ち向かっていった。
犬夜叉が鉄砕牙の真の力を引き出し、ピンチを切り抜けたという報告を最猛勝(さいみょうしょう)から受けた奈落は犬夜叉たちを殺そうと、さらなる策略を張りめぐらす。
その頃、かごめは温泉に入りながら珊瑚から弟・琥珀の死んだ経緯を聞いていた。妖怪退治を生業(なりわい)にしている珊瑚の一族は、その日も妖怪退治を頼まれ城に赴いた。そこで妖怪に操られた琥珀が珊瑚の背中に傷を付けたことなどを。かごめも自分の体の中から四魂の玉が出てきたことや、桔梗の生まれ変わりであること、また妖怪と一緒に四魂の玉を砕いたことなどを打ち明ける。そんな風にうちとけ合った2人の入浴姿を偶然、覗いてしまった犬夜叉と弥勒は2人にしたたかに殴られる。
一夜が明け、旅の支度をした一行は再び、奈落の住む城探しを始める。珊瑚は弟・琥珀の在りし日を思い出しては、沈んでいた。 しかし、城で死んだはずの琥珀は生きていた。奈落に操られた琥珀は村を全滅させ犬夜叉たちが現れるのをひっそりと待ち受ける。そこへ血の臭いを嗅ぎつけ全滅した村にたどりついた犬夜叉たちの前に突然、現れる琥珀。その姿を見た珊瑚は衝撃を受け、逃げ出した琥珀を慌てて雲母(きらら)に乗って追いかける。犬夜叉たちも慌てて珊瑚を追うが、結界が張られ珊瑚を追うことができない。
奈落の張りめぐらした結界の中で対時する奈落と珊瑚。奈落は身体の中に仕込んだ四魂のかけらが琥拍の命をつないでいると明かし、弟の命を救いたかったら犬夜叉から鉄砕牙を奪ってこいと珊瑚に交換条件を持ち出す。 やがて結界が消滅し珊瑚はかごめたちのいる元へ戻るが、真実を打ち明けられず1人悩みを抱えたまま犬夜叉の一行は夜を迎える。
奈落から弟・琥珀の命と引き換えに犬夜叉の鉄砕牙を奪ってこいと脅かされた珊瑚は、囲炉裏(いろり)を囲んで雑魚寝(ざこね)する犬夜叉たちを前に1人悩んでいた。しかし、どうしても琥珀を救い出したい珊瑚は眠っている犬夜叉の鉄砕牙に手を伸ばす。かごめも薄目を明けてそんな珊瑚の様子をうかがっていた。
そこへ数十匹の妖怪を引き連れて琥珀が現れる。犬夜叉は琥珀を捕らえようとするが、琥珀は自分の身体の中から四魂のかけらを取り出そうとする。かけらを取り出したら、たちどころに琥珀が死んでしまうと悟った珊瑚は犬夜叉から鉄砕牙を奪い、琥珀を追って奈落の城へたどり着く。 しかし、そこにはかつての自分の命を救ってくれた人見城の若殿・蔭刀がいた。蔭刀こそが奈落の素顔であった。珊瑚は刀を渡すと見せかけ隠し刀で奈落を倒そうとするが、逆に身体の自由を奪われてしまう。珊瑚は巨大化した雲母(きらら)を奈落に差し向けるが、奈落の持つ毒と瘴気(しょうき)で雲母は苦しそうにのたうち回る。さらに珊瑚は奈落に操られた琥珀の攻撃で重傷を負ってしまう。
いっぽう、最猛勝(さいみょうしょう)に誘われ奈落の城に到着した犬夜叉は珊瑚を助けようとするが、瘴気に包まれピンチに陥る。弥勒も死を覚悟して封じていた風穴を開こうとするが、弥勒の身を案じた犬夜叉は当て身を食らわし弥勒を気絶させる。そんな様子をあざける奈落に怒りが爆発したかごめは、ついに奈落の気配を感じ取り破魔の矢を放つ。すると建物に矢が突き刺さり壁が爆発し、腕を吹き飛ばされた奈落が姿を現す。それと同時に周囲の瘴気も薄れていく。さらにかごめの放った矢は奈落に命中し、その瞬間、奈落の上半身が吹き飛ぶが・・・。
奈落との死闘で毒が身体から抜けない雲母を助けるため、犬夜叉とかごめは2人で毒消しの薬草を探しに出た。 その途中、人喰い妖怪に襲われた若い娘を運ぶ村人と出会う。彼らはすべては薬草の畑を守る妖怪。地念児の仕業と言い、犬夜叉に妖怪退治を依頼する。しかし、地念児を退治しようとした犬夜叉は地念児から血の臭いがしないことを不思議に思う。しかも、村人から石を投げられた地念児は大きな体を震わせて泣き叫ぶ始末だった。すかさず飛び出してきた地念児の母親から事情を聞くと、地念児は心優しい半妖で人を喰うような悪さをするはずもをく、かえって村人たちにいじめられていると言う。
地念児から、刻んだ薬草を紙包みにしてもらった犬夜叉とかごめは、母親からとばっちりをくう前に早く帰れと促される。 帰り際、地念児たちのことが気になりながら麓の村の前を通ると、武器を集めて地念児を襲撃しようとする村人を目撃する。地念児の誤解を解くために、犬夜叉は本当の人喰い妖怪探しに。いっぽう、かごめは村人に犬夜叉が戻るまで地念児を襲わないように頼み込み、地念児の元ヘ残り畑仕事を手伝う。地念児はかごめといることで初めて心の安らぎを覚える。
闇に包まれた森の中で、犬夜叉は妖怪の巣を襲撃するが、巣の中はすでにもぬけのからであった。そこで卵の殻を見つけた犬夜叉は、人喰い妖怪が生まれたばかりの自分の子供に人間の狩りを教えるため村人を襲いに出た後だったと悟る。しかし、その村人たちもかごめとの約束を破って地念児を退治しようとしていた。そこに人喰い妖怪が現れ…。
ある寺の境内で桔梗が霊力を使って戦で傷ついた大勢の雑兵たちの傷の手当をしていた。そこへ瀕死の重傷を負った兵士たちの傷までも治してしまうという噂を聞きつけ、人見城の家老が迎えに現れた。 主君の病を治せと通された部屋で、蔭刀(奈落)と対面した桔梗は強い邪気を感じ取る。奈落も死んだはずの桔梗が50年前の姿のままで現れたことに驚き、その身柄を拘束する。
同じ頃、犬夜叉の一行はバラバラに引き裂かれた妖怪の残骸が降ってきたという村を訪れていた。弥勒が村人から礼金を前払いで受け取ってしまったことから一行は事の究明に乗り出す。異様な邪気に包まれている山が怪しいとにらんだ犬夜叉たちは、その山へ向かうが、あまりの強い邪気に皆、一抹の不安を覚える。山腹で瘴気(しょうき)の噴き出す洞穴を見つけた犬夜叉は、珊瑚(さんご)とかごめらを残し、弥勒と2人で中に踏み込んで行った。 いっぽう人見城では奈落が意味ありげな顔をして邪気の立ち込める山を見つめていた。また、桔梗も同じように尋常でない邪気を山から感じとり、死魂虫(しにだまちゅう)を使って秘かに座敷牢(ざしきろう)を抜け出し山へ向かう。 邪気の渦巻く洞穴は巨大な空洞となっていた。その空洞の中で犬夜叉と弥勒は死闘を繰り広げている2匹の妖怪を見つける。何百という妖怪がいたらしく、底には妖怪の残骸が溜まっていた。その死闘の決着がつくと、負けた妖怪は勝った妖怪に吸収されていった。
その様子を見た弥勒はこれが巨大な"巫蠱(ふこ)の術"だと悟る。巫蠱の術とは一つの器の中に毒虫やトカゲを入れて殺し合わせ、最後に生き残った1匹が"蠱毒(こどく)"という生き物になる呪術だ。この洞窟こそ蠱毒を作るための巨大な器であった。残った妖怪は、さらに犬夜叉を発見し、犬夜叉を倒して洞窟を脱出しようとする。しかし、この場で闘う限り、たとえ大夜叉が勝っても妖怪と1つに融合されてしまうと弥勒から聞かされた犬夜叉は妖怪を攻撃することができない。そこへ邪気を追って桔梗も姿を現すが・・・。
蠱毒(こどく)によって新しい身体を得た奈落は桔梗をさらい、城へ連れ帰った。その城の一角にとらわれた桔梗は奈落の前身が、50年前に自分が命を救った"夜盗鬼蜘味"だと見抜く。 いっぽう、桔梗を助けに向かおうとした犬夜叉の一行の前に最猛勝(さいみょうしょう)が不気味な羽音を上げて現れ、犬夜叉たちを誘うように飛び去った。同時に死魂虫(しにだまちゅう)も現れる。近くに桔梗がいる証拠だ。犬夜叉は罠と知りつつも死魂虫の消えた霧の中に突っ込んで行った。
霧の中に入った犬夜叉が背後を振り返ると誰もいない。しかも周りを見ると、そこは50年前、犬夜叉が桔梗に封印された"日"だった。その時、50年前と同じように飛んできた桔梗の矢によって犬夜叉は胸を貫かれ大木の幹に叩つけられる。犬夜叉は奈落の罠だと必死に訴えるが、桔梗には通じない。まもなく犬夜叉はすべてをあきらめ・・・。同じ頃、一面の霧に囲まれた弥勒は自分の右手から、微かに風が鳴っていることに気付く。次の瞬間、凄じい勢いで風穴が右腕ごと吸い込み始めた。
七宝も珊瑚も霧の中で幻に包まれていた。犬夜叉たちは、それぞれの最も弱い急所をつく妖術"幻影殺"に捕らわれてしまっていたのだ。しかし、かごめだけは奈落の術は効かなかった。そんな中、かごめは森の中で奈落と桔梗の姿を見つけ、かごめは弓を射って奈落を倒そうとする。しかし、そこにいたのは奈落の操る傀儡(くぐつ)であった。奈落の傀儡はかごめの足元の大地を裂き、その中にかごめを落とそうとする。悲鳴を上げて落下するかごめ。その手が崖っぶちから垂れた蔓(つる)をつかむ。その時、動けるはずのなかった桔梗が奈落の傀儡を壊し、崖っぶちにつかまるかごめを上から見下ろした。
時を同じくして、奈落の幻影殺の中にいた犬夜叉はかごめのことを思い出し、辛くも呪縛から逃れた。そして弥勒を助けた犬夜叉は、弥勤に珊瑚たちの救出を頼み、かごめの救出に急ぐ。
殺生丸の手下・邪見(じゃけん)が刀鍛冶・刀々斎の仕事場へ依頼した刀を取りに行くと、そこはもぬけのからであった。刀々斎は好き嫌いが激しく、自分が気に入った者でないと刀を打たない偏屈者であるため、殺生丸から逃げ出したのだ。しかしこの刀々斎こそ、あの鉄砕牙を打った刀鍛冶であった。
その頃、街道沿いを犬夜叉たちが歩いていると、妖気をほとばしらせながら、三つ目の牛に乗った刀々斎が現れた。そして犬夜叉が本当に鉄砕牙に相応しい使い手かどうか確かめにきたのだという。しかも、相応しくなければ鉄砕牙を叩き折るとも。そこへ犬夜叉の兄、殺生丸が飛来する。
刀々斎は犬夜叉を倒したら新しい刀を打ってもいいと殺生丸を焚きさつけて2人を闘わせた。しかし、殺生丸に押され気味の犬夜叉を見た刀々斎は口から炎を吹きつけ殺生丸の目をくらまし、犬夜叉の一行を連れてその場を遁走(とんそう)する。 犬夜叉と殺生丸の父親である化け犬の牙から天生牙と鉄砕牙を作った刀々斎は、天生牙を兄・殺生丸に、鉄砕牙を弟・犬夜叉に渡すように遺言されていた。一振で百匹の妖怪をなぎ倒す鉄砕牙に対して、天生牙は一振りで百名の命を救うことができるという癒しの刀。しかし天生牙に満足できない殺生丸は刀々斎に新たな刀を打てと追ってきたのだ。
あまりの弱さに犬夜叉を見限って逃げ出した刀々斎だが、しばらくして牛に乗った刀々斎が土煙を上げながら戻ってくる。殺生丸に見つかったのだ。殺生丸は以前、犬夜叉に斬り落とされた左腕の変わりに新たに竜から奪った腕を付けて現れた。 犬夜叉は妖気がほとばしる鉄砕牙で殺生丸に斬りかかる。が、殺生丸は竜の左腕で難なく受け止め、さらに殺生丸は刀の真の威力を引き出す鉄砕牙の奥義"風の傷"を読み取ることができると豪語する。余裕の殺生丸を前にして勝機を見出せない犬夜叉は・・・。
かつて鉄砕牙を犬夜叉に、天生牙を殺生丸に たくした刀鍛治・刀々斎だが、闘う刀を欲する殺生丸は刀々斎に新たな刀を要求した。その騒ぎに巻き込まれた犬夜叉は、殺生丸の猛攻を受けることになる。
しかし、鉄砕牙の奥義「風の傷」の判らない犬夜叉は殺生丸に苦戦を強いられる。さらに殺生丸の放った毒華爪の毒で目をふさがれてしまった犬夜叉に、殺生丸は本性を現し始めた。そんな中、目の見えない犬夜叉は妖気の流れがぶつかる匂いから、ついに鉄砕牙の奥義「風の傷」を読み取り、渾身の力を込めて鉄砕牙をその軌道めがけて振り下ろそうとした。すると凄まじい風が地面を切り裂きながら殺生丸に襲いかかる。鎌イタチのような風をまともに受けた殺生丸だったが、その瞬間、腰の天生牙が光り、殺生丸の身体を包み込んだ。鉄砕牙を最後まで振り切れず、兄・殺生丸を殺せなかった犬夜叉に対し、刀々斎は冷酷になれない犬夜叉こそ鉄砕牙の真の使い手に相応しいと認め、再び鉄砕牙を研ぎ去って行った。
いっぽう、殺生丸は天生牙に守られたとはいえ、激しく傷を負って身体を動かすこともできずにいた。そこへ現れた人間の娘・りん。彼女はそんな殺生丸を何とかして救おうとする。村人からさげすまされ、殴られても殺生丸に食べ物を用意しようとするりんは、以前、目の前で夜盗に親兄弟を殺されてしゃべることができなくなっていた。
その頃、刀々斎と別れたかごめは四魂のかけらの気配を察し、谷間に見える小さな村落へとたどり着く。ところが、その村にたどり着いた犬夜叉たち一行はがく然とする。道や家の前には村人たちの死体が転がっていたのだ。犬夜叉はその臭いから、この惨劇を狼の仕業と見抜くが…。
四魂のかけらの気配を察し、とある村落を訪れた犬夜叉たちはそこで狼の群れが村人たちを襲っているのを目撃する。そこで狼たちを撃退していた犬夜叉の前に突如、つむじ風を伴って妖狼族の若頭・鋼牙が出現。 鋼牙は右腕と両足に四魂のかけらを仕込んでいた。手下の狼たちを犬夜叉に殺され、激怒した鋼牙は俊敏な足技と強力な鉄拳で犬夜叉と互角の闘いを繰り広げる。しかし、鉄砕牙の真の力を引き出そうと奥義「風の傷」を繰り出そうと、目を閉じて構える犬夜叉に危険を察知した鋼牙は、あっさりと身を引き逃げ去って行く。
犬夜叉たちも人食い狼を操る妖怪に四魂のかけらを持たせておくわけにはいかないと、一行は狼の臭いを頼りに鋼牙の後を追い始めた。 いっぽう、四魂のかけらが見えるかごめの霊力に興味を持った鋼牙は手下の狼に命じて犬夜叉の一行を襲わせ、犬夜叉たちが狼を相手にしている間に鋼牙はまんまとかごめをさらい逃げ去っていく。珊瑚(さんご)は雲母(きらら)に乗り上空に舞い上がり、空からかごめを探すが鋼牙とかごめの姿は複雑な岩山の中に消えていき2人を判別することはできない。猛スピードで鋼牙が消えていった方向へと飛んでいく雲母だが、その背後に音もなく不気味な翼の影が追っていた。その正体は人間の上半身を持つ異形の妖鳥・極楽鳥(ごくらくちょう)。この極楽鳥こそ鋼牙率いる妖狼族の天敵であった。
その頃、複雑な地形を超スピードでかごめを抱えたまま駆け抜ける鋼牙も極楽鳥に襲われていた。間一髪で極楽鳥の爪をかわす鋼牙は、群れの中に四魂のかけらを持った極楽鳥がいないことを確かめると、さらに加速し極楽鳥を引き離す。そしてかごめと、いつの間にか一緒にいた七宝は妖狼族の巣である洞窟へ連れ去られた。鋼牙は、四魂のかけらを集めるために、かごめの霊力を利用しようとしていたのだ。 同じ頃、かごめたちを捜す犬夜叉たちも極楽鳥の襲撃を受け・・・。
かごめは鋼牙に妖狼族の巣である洞窟に連れ去られていた。そしてかごめの四魂のかけらを見抜く霊力と度胸、その容姿に惚れ込んだ鋼牙は自分の女になれと言い出す。かごめは自分には犬夜叉がいると断るが、鋼牙は犬夜叉さえいなくなれば問題はないと尊大な態度を現した。
いっぽう、かごめを捜す犬夜叉たちの前に発光しながら成長する「泣きキノコ」が出現。それが七宝の目印だと気付いた犬夜叉たちはスピードをあげて森を駆け抜けていく。
その頃、かごめを連れた鋼牙と妖狼族、人食い狼たちは雲を突くような険しい山にそびえ立つ極楽鳥の巣へ襲撃を開始していた。巨大な満月の下、死闘を繰り広げる妖狼族とその天敵・極楽鳥。妖狼族は槍で、狼たちは鋭い牙で極楽鳥を攻撃する。それに対し極楽鳥は空中から急降下攻撃で、妖狼族を翻弄していた。
そんな中、かごめは突然、四魂のかけらの気配を察知する。すると突如、眼前の岩盤が崩れ現れたのは極楽鳥の親玉兄弟。この兄弟はそれぞれ、口の中に四魂のかけらを仕込んでいた。鋼牙は手下の妖狼にかごめを守るように命じ、親玉兄弟へ立ち向かって行く。しかし、合体して1つの身体になった親玉兄弟に鋼牙は苦戦を強いられる。
かごめは成り行きで1人の妖狼を極楽鳥から助けたことから、妖狼族から"姐さん"と慕われるようになる。そこへようやく犬夜叉たちが駆け付ける。 合体した親玉兄弟と戦う鋼牙は、犬夜叉が斬りかかってくることを察知し、身をかわす。すると、そのはずみで犬夜叉の鉄砕牙は親玉兄弟の翼を切り裂く。チャンスと見た鋼牙は四魂のかけらを仕込んだ右手を振りかざし親玉兄弟の兄の胴体を鋭い爪で切り裂いた。 親玉兄弟の弟は去っていくが、残った犬夜叉と鋼牙は…。
妖狼族(ようろうぞく)の若頭・鋼牙(こうが)をかばったことが原因で犬夜叉とけんかしてしまったかごめは、怒って現代の実家に戻ってしまった。しかし、実家に帰ってもかごめの不機嫌さは直らず、ピリピリとした空気が日暮家に漂う。そんな中、久しぶりに登校した学校では、いつもかごめに言い寄っていた北条に下級生の女子が急接近していた。 だが、そんなことをまったく気にしないかごめを見た友人の3人はたちまちかごめに彼氏がいることを見抜く。学校の帰り際、ハンバーガーショップで友人たちに問い詰められたかごめが犬夜叉の性格を説明すると、3人は極悪ヤンキーの最低野郎と勘違いしてかごめに別れるよう勧める。が、かごめがその彼氏のことが好きだと知りため息をつく3人。
いっぽう、かごめに謝まらせようと"骨喰いの井戸"を通って現代のかごめの部屋をこっそりと訪れた犬夜叉は草太に見つかり、口止めをして再び戦国時代に戻ってしまった。 翌日、学校で北条からデートに誘われたかごめは、友人の3人に促され思わずOKと返事をしてしまう。 その頃、かごめが現代に戻ったまま戦国時代に帰ってこないことをに業を煮やした七宝は犬夜叉を連れて楓(かえで)の家へ向かう。そこで七宝は犬夜叉、かごめ、鋼牙を犬、猫、狼に例え楓に今までの経緯を話し始めた。七宝は犬の元にいた猫をさらった狼を、犬がやっつけようとしたとき、猫が狼を逃がしてしまったと3人の関係を説明。さらに猫は怪我をしている狼をかばっただけなのに、猫が狼に気があるんじゃないかと犬が疑ったため、猫は怒って自分の国に帰ってしまったと語り、楓に恋愛指南を請う。楓は犬夜叉のことだと気が付きつつも、気付かないフリをして犬が悪いから迎えに行くべきだと助言する。また猫もそれを待っているとも。
かごめは井戸を通って戦国時代に向かおうとしたが、再び犬夜叉とけんかになってしまうことを恐れ、やめてしまう。その夜、草太が口を滑らし犬夜叉が来ていたことを聞かされたかごめは…。
四魂のかけらの気配を追って鬱蒼(うっそう)と繁る森の中へ入っていった犬夜叉の一行は、突然四魂のかけらを持つ化け熊に遭遇。この化け熊は珊瑚(さんご)の飛来骨(ひらいこつ)と犬夜叉の鉄砕牙(てっさいが)をかわすと森の奥へ逃げていった。化け熊を見失った犬夜叉たちだが、まもなく森の奥で無数の最猛勝がたかっている化け熊を発見。そこで四魂のかけらを持って飛んでいく最猛勝を見た犬夜叉たちは、奈落(ならく)の城を探し出すため最猛勝の群れを追っていく。
その頃、東の妖狼族の若頭・鋼牙の元に北の妖狼族から四魂のかけらを集めている城の殿様がいるという噂を聞いたので、協力してその四魂のかけらを奪いにいこうと誘いにくる。しかし、極楽鳥との死闘で負った右腕の傷が癒えない鋼牙はこの誘いを断る。北の妖狼族が噂で聞いた城にたどり着くと、そこで待っていたのは妖しい瞳を持つ女、神楽(かぐら)であった。
しばらくすると、鋼牙の元に北の妖狼族と一緒に城に向かった一族の1人が傷だらけになり四魂のかけらを1つ持って戻ってきた。鋼牙はその四魂のかけらを受け取ると、右腕の傷の中に埋め込み猛スピードで隠れ家を飛び出し、北の妖狼族が向かった城へと走り出す。だが、すべては奈落の仕掛けた罠であった。鋼牙の元に四魂のかけらを届けさせたのも奈落の差し金だったのである。
いっぽう、最猛勝を追って奈落の城にたどり着いた犬夜叉たちは城内に累々(るいるい)と横たわる妖狼族の死骸に慄然(りつぜん)とする。しかも、神楽に操られて妖狼族のゾンビ妖怪が突然、立ち上がり犬夜叉たちに襲いかかってきた。犬夜叉がそのゾンビ妖怪を切り捨てていると、さらに鋼牙が現れる。鋼牙は足元に転がる妖狼族の惨殺(ざんさつ)された死骸を見て逆上し、犬夜叉に殴り掛かっていった。
鋼牙の繰り出す拳を鉄砕牙で受け止める犬夜叉だが、圧倒的な拳圧に犬夜叉は鉄砕牙を弾き飛ばされてしまう。そこに会心の一撃がヒットし、犬夜叉は地面をえぐりながら、凄まじい勢いで飛ばされ・・・。
奈落の城に突入した弥勤と珊瑚だがそこには無数の最猛勝(さいみょうしょう)が待ち受けていた。最猛勝を粉砕し奈落を追いつめる弥勒たちだが、この奈落も傀儡(くぐつ)であった。そこで弥勤と珊瑚は傀儡に足止めを食らってしまう。
いっぽう、奈落の策略により1人で鋼牙との死闘を繰り広げる犬夜叉だが、右手の骨を砕かれ形勢は不利な状況に追い込まれる。さらに強烈な拳の一撃を叩きつけられた犬夜又は死んだように動かなくなってしまう。その一部始終を見ていた神楽がついに姿を鋼牙の前に現す。神楽は屍になった妖狼族(ようろうぞく)を操り、鋼牙に襲わせた。だまされたと気付いた鋼牙は神楽に攻撃を仕掛けようとするが、突然、右腕が動かなくなる。そこで初めて鋼牙は右腕に仕込んだ四魂のかけらが本物ではなく、毒と療気の結晶であったことに気付く。神楽の風の刃に切り刻まれていく鋼牙は屈辱に満ちながらも、立ち上がることすらできないでいた。
身動きができない鋼牙から神楽が両足に仕込まれている四魂のかけらを奪おうとすると、そこにかごめの放った破魔の矢か神楽の頬をかすめる。かごめは鋼牙を助けようと矢を放ったのだが、逆に神楽の繰り出す風の刃に襲われてしまう。
その刹那(せつな)、犬夜叉の鉄砕牙が風の刃をなぎ払う。気が付くとかごめの前にさっそうと立ちはだかる犬夜叉の左手には鉄砕牙が握られれていた。意識を取り戻した犬夜叉は神楽と対時するが、神楽が城の風と空気をすべて支配しているため、犬夜叉は鉄砕牙の力を最大に引き出す奥義"風の傷"を見いだせない。そこで犬夜叉は自分に向けて破魔の矢を射るようにかごめに指示する。 かごめは犬夜叉を信じて弓矢を構えると、破魔の矢を放った。すると矢は閃光となって犬夜叉に向かい、神楽の風の刃と竜巻を切り裂いていき…。
命からがら奈落(ならく)の城に帰ってきた神楽は、犬夜叉の鉄砕牙の力を試すため奈落に差し向けられたと知り怒る。しかし、奈落の身体から生まれ、心臓までも握られている神楽は奈落に逆らうことができない。まもなく奈落は神楽に続き神楽の姉・神無を刺客として犬夜叉に差し向ける。
いっぽう、犬夜叉の一行は油長者の家から逃げ出した娘・小春と知り合う。小春は弥勒の姿を見かけると思わず抱きついた。3年前、ひもじいところを弥勒に優しくされた小春は「私の子供を産んでくれぬか?」と口説かれて以来、ずっと弥勒のこと思い続けていたという。小春は弥勒にすがりつき一行に加えてくれと頼むが、奈落との闘いに巻き込むことはできない弥勒は、旅の途中で見つけた裕福そうな村の村長に小春を預ける。また、犬夜叉たちも一夜の宿を借りることになった。
その夜、突然村に現れた神無は鏡を使って小春の魂を吸い取ってしまう。小春と同じように神無に魂を吸い取られ、操られた村人が犬夜叉たちを襲うため村長の家に続々と集まってきた。上空に無数の最猛勝(さいみょうしょう)が飛び交っていることから、奈落の罠と悟る犬夜叉だが、村人を殺すわけにもいかず窮地(きゅうち)に陥る。
そんな中、かごめと珊瑚、七宝は魂を吸い取られ操られている小春にだまされ犬夜叉と引き離されてしまう。しかもそこには神無が待っていた、珊瑚(さんご)は飛来骨(ひらいこつ)を投げつけるが、神無の持つ鏡に弾き返され、珊瑚と巻き添えを食った七宝は気を失ってしまう。 一人残ったかごめも小春にはがい締めにされ、神無の持つ鏡の前にさらされた。するとかごめの身体から魂が飛び出し鏡に吸い込まれていく。 同じ頃、身動きのできない犬夜叉の前に神楽までもが現れ・・・。