#12
ツルイ警備代表、鶴井浩二(吉田鋼太郎)の元側近・森田勝利(川野直輝)は、警察庁特殊防犯課の警視・朝倉草平(伊原剛志)への復讐を決意。北柴田法務大臣の令嬢・マリエ(岡本玲)を朝倉の婚約者と勘違いして拉致監禁する。
女性を憎悪する森田は、朝倉から手ほどきを受けた緊縛でマリエをいたぶる。
朝倉の元に電話が入る。「新しい卵料理を作ったので、早く帰って来てください」と言う豊島署の辻恵一(松下洸平)の誘いをあっさり断る朝倉。
さらに、警視庁の伊達鉄人(川平慈英)からも「飲みに行かないか?」と誘いの電話が入る。それもあっさり断る朝倉は思う。「僕は……誰かに顧みられることも顧みることも下手クソだ……森田、今君はどうしてる?」と。
翌日、マリエから「北軽井沢の別荘に会いに来て」と連絡を受けた朝倉は、その背後で何者かが指示をしている気配を感じ、別荘へ赴く。
「もしかして君じゃないかと思って、そう期待してここに来た」。その別荘で朝倉を待ち受けたのは森田であった。
ツルイ警備訓練キャンプ“ルキフェル”の爆破事件以来、久々の再会を果たす。敵対しながらも、親に見捨てられた者同士、どこか共鳴する二人は「会いたかった」と複雑な心境を吐露。だが次の瞬間、森田は朝倉に日本刀で斬りかかる。「君がこの世からいなくなってくれないと……僕の心が安まらない!」。そんな二人の切なる闘いは、マリエ嬢の行方を突き止めた伊達が現れたことで中断する。「生きて、またいつか」と再会を約束し二人は別れる。
鶴井は「日本総警備計画」に代わる新たな計画を立案。特防課を潰すことを目論み、鶴井に取り入ろうと接近する柏木警視長(宅間孝行)を、その計画のリーダーに任命する。柏木の不審な動きを察知した朝倉の上司・叶美由紀(安達祐実)が、柏木を尾行する。連絡のつかない朝倉の携帯電話に伝言を残して……。
叶に尾行されているとも知らずに、作戦会議を行うために柏木が訪れた場所はとある遊園地。ツルイ警備特別部隊の毒島隊長(菅田俊)に、リーダーとして出迎えられ、満更でもない柏木。
一方、叶からの留守電を聞いた朝倉は、叶へ連絡を入れる。「もしもし、朝倉くん」と叶が出た瞬間、何者かによって叶の携帯電話が切られた気配を感じる朝倉。「叶さん!?どうしました!?叶さん!?」
早々に尾行がバレてしまった叶は、毒島に取り押さえられてしまう。
「なんでこんなことするんです!?」と叶に問い詰められて、誰よりも驚いたのは柏木だ。「叶くん!?私をつけていたのか!?」と焦る柏木に「大丈夫ですよ、リーダー。彼女には死んでもらうんです。私たちが起こすテロに巻き込まれて」と毒島が言う。
「テロ?私たち?」全く状況を把握していない柏木は、テロ組織のリーダーに祭り上げられようとしていた。現役の警視長がテロの首謀者となれば、警察の信用はがた落ちだ。そうなると国民は更に強い組織とリーダーを必要とする。それが鶴井の新たな計画であった。
ようやく鶴井に利用されていたことに気づいた柏木は、立ち去ろうとするが隊員たちに銃を突きつけられる。それでも逃げようとして、毒島に殴り倒されてしまう。一方、叶は猿ぐつわをされて拘束される。その傍らには爆弾が設置。 毒島が爆弾の時限装置を作動させる。タイマーは10分!
その頃、叶の携帯電話の位置情報を突き止めた朝倉が、遊園地にたどり着いた。
ツルイ警備の警備員だらけの園内を、叶を探して歩き回る朝倉。
タイマーは残り5分。減っていく時間……。爆弾の傍らに一人残された叶は、縄をほどこうともがくが……。