#7
警察庁特殊防犯課の叶美由紀(安達祐実)は、ツルイ警備の創業者・鶴井浩二(吉田鋼太郎)の息のかかった官僚・企業を矯正執行の対象から除外すると決断した。
「鶴井派を敵に回せば、警察にいられなくなる。鶴井派を止めるのは、私ひとりの仕事よ」そう告げる叶を、部下の朝倉草平(伊原剛志)は複雑な思いで見つめる…。
豊島署の辻恵一(松下洸平)は、別れ話で揉め合う男女の修羅場に遭遇するが…。
男は車からゴミのように女を捨てて走り去って行き、泣きじゃくる女性も逃げるように去って行った。
その男・藤堂朔也(姜暢雄)が向かった先は、お金を払った分だけデートが出来る、派遣ボーイフレンド業を営む事務所。
「あの女、マンションも買えないなんて、時間の無駄だった」と悪態をつく朔也に、「なんだカスを掴んだな。しっかりしろよ」とオーナーの比留間次郎(松澤一之)が発破をかける。
すると朔也は、「もっと上客がいるから大丈夫ですよ」と余裕を見せた。
翌日。辻はまたしても、揉め事に出くわしてしまう。
高級スポーツカーに乗る若いカップルが、駐車違反を指摘した警官に抵抗しているのだ。
「私はあなたたちのような、たかが巡査が切符切れるような相手じゃないの」と言い放つ女は、前警察庁長官、現法務大臣の北柴田建の娘・マリエ(岡本玲)。
その隣でにやけているのは、なんと昨日の男・朔也であった。
「絶対、二股ですよ。北柴田大臣のお嬢さん、騙されてると思うんですよね」と辻に話を聞かされた朝倉は、「こいつのことですか?」と『派遣ボーイフレンド』のサイトにアクセスする。
従業員の写真の中に朔也を見つけた辻は、「え? 仕事ってこと? いや、あれは絶対騙してる!」と怒りを募らせる。
「イケメンばかりだから、辻くんには無理かなあ」と朝倉に言われた辻は、自ら率先して潜入捜査へ赴く。
「派遣ボーイフレンドは、女性にトキメキを与えるのが仕事だ!」と比留間が新人の辻へ訓示を垂れる。
「何がトキメキだ!」と内心毒づく辻だが、早速、常連客とデートをすることに。慣れない仕事にあたふたするばかりで…。
そんな中、朝倉の元へ『父倒れた』と電報が届く。その報せを握りつぶす朝倉の脳裏に、寂しげな母親の姿が思い浮かぶ。
そして、父親らしき男の影も…。
一方、朔也は新たな女性客とのデートに張り切っていた。そのお相手は、叶! 辻の捜査に進展がないのを見兼ねた叶が、自ら囮捜査を買って出たのだ。
ジュエリーショップの経営者を装う叶を、朔也はあの手この手で口説き落とそうとするが、全く歯が立たなくて…。
やがて朝倉と叶は、朔也たちが派遣ボーイフレンド業を隠れ蓑にして、客である女性と肉体関係を持ち、結婚をエサに車やマンションを買わせて転売するといった詐欺行為を働いていることを突き止める。
朝倉はマリエに近づき、それとなく朔也のことを伝えるが、マリエは聞く耳を持たない。
それどころか、「失礼な人ね!私のパパの一言であんたなんかどうにでもできるんだからね!」とキレる始末。
「どうぞご自由に。金にも出世にも興味ありません。僕は人生に絶望しているんです」と朝倉は切り返した。
一方、とあるホテルの一室──朔也が必死に叶をくどいている。
ベッドに押し倒された叶は、キスをされそうになって…。