#4
豊島区のマンションで、OLの木原聖子が性的暴行を受けたあげく、ロープで縛られて吊るされた遺体となって発見された。部屋は荒らされ、財布からは現金とカードが抜き取られていたが…。豊島署の刑事・辻恵一(松下洸平)と武士沢義人(渡邉紘平)は、この残忍な手口から、単なる物盗りではなく、動機は怨恨ではないかと推測する。
だがそこに、「グーッド! バット、惜しい」という場違いに陽気な声が響いた。高級スーツを身にまとったその男は、アメリカでの研修を終え帰国したばかりの警視庁の警視・伊達鉄人(川平慈英)。FBI仕込みのプロファイリングを得意気に披露し、この犯行は秩序型の快楽殺人であると見立てた。その論理的な分析力に、「…すごい」と尊敬の念を抱く辻であった。
そんな辻たちを、豊島署で待ち受けている男がいた。警察庁特殊防犯課の警視・朝倉草平(伊原剛志)だ。思わぬところで朝倉に再会した伊達は、嫌がる朝倉をハグ! 二人は子供の頃からの親友というのだが、そう思っているのは伊達だけのようだ。「相変わらず無駄に明るいな君は…」と呆れ顔の朝倉は早速本題に入り、伊達の見立ては間違っていると指摘した。「この犯罪は、美学や哲学のある秩序型快楽殺人とは思えない」とロープで縛られた被害者の写真を示し、緊縛にこだわりのある人間なら、そんな縛り方はしない。犯人はもっとゲス野郎で、所詮、目的は金だと告げた。「犯人はまだカードを使っていない」と伊達は勝ち誇った笑みを浮かべるが、タイミング悪くコンビニのATMで使われたと連絡が入って…。
コンビニの防犯カメラ映像には、明らかに女装した男がマスクで顔を隠している姿が映っていた。伊達は、時間が経てば口座が凍結されると判り切って、あえて犯人がカードを使ったのは、自分の知能をひけらかして警察を挑発するためだと判断した。被害者の交友関係と行動パターンを徹底的に洗い出せば、必ず犯人に繋がるという伊達のプロファイリングを元に、豊島署は捜査に乗り出した…。
翌日。警察庁特殊防犯課の叶美由紀(安達祐実)を、伊達が訪ねて来た。美由紀との再会を喜び、花束を渡す伊達だが、やはりそう思っているのは伊達だけのようで、苦笑いの美由紀であった…。
そんな中、朝倉の指示で動いていた辻が未解決の二つの事件との関連を突き止めた。一つは、キャバクラ嬢が通り魔にナイフで顔を切られた事件。もう一つは、初老の女性が歩道橋の階段から突き落とされた事件だ。被害者二人に、木原聖子殺しの容疑者・女装男の写真を見せたところ、同一犯だと判明したのだ。
「どうなってるんだ? キャバクラ嬢にお婆さん、殺された木原聖子とはタイプも年齢も違う。プロファイリング的にあり得ないことが起きている」
伊達はそう言いながらも、絶対犯人は聖子と接点がある筈だと譲らなかった。
折よく、聖子が大学時代のサークル仲間・青木信二と頻繁に連絡を取り合っていたことが判明した。彼は現在、同じサークルの別の女性と結婚しており、聖子との不倫関係の疑いが浮上する。
結局、青木と妻・理沙には完璧なアリバイがあることが明らかになったが、「犯人は必ず俺が捕まえる!見ていてたまえ!」と伊達は常に前向きであった…。
やがて朝倉は、理沙が『呪いのハローワーク』というサイトを利用していた事実を掴む。それは、呪いをかけてもらいたい人間が、呪いをかけることのできる呪術者を探すサイトだ。夫を聖子に寝取られたという理沙は、「殺してくれなんて頼んでいない! 聖子をちょっと痛い目を遭わせたかっただけなのに…」と泣き崩れた。
そのサイトの管理人は、根津海斗(阪田マサノブ)というデイトレーダーで、ワンクリックで数千万から億単位の金を動かす男だ。「恨みや怒りをどこにもぶつけることができない不幸な人が、このサイトで誰かに呪いを頼むことで精神的な安らぎを得られるんです」そう話す根津自身は呪いを信じておらず、ボランティアで運営しているだけだという。犯罪を助長するつもりなはいとアクセスデータを自ら提出した。
朝倉と辻は囮捜査によって、木原聖子を殺害した女装男・三輪二郎を確保。「逮捕はトクボウの仕事じゃない」と、全く状況が読めていない伊達に引き渡した。
三輪はキャバクラ嬢とお婆さんへの犯行も認めた。それらも『呪いのハローワーク』の利用者からの依頼だという。根津への怒りを募らせる辻に、「殺人幇助に問うのも難しい」と朝倉は告げるが…。
「あんたのサイトがなければ、すべての事件は起こらなかった」そう突きつける朝倉と辻を前にして、根津は平然としていた。「たとえ復讐に利用されたとしても、弱いものが泣き寝入りしないですんだんだから、それは正義でしょ。私は正義が行われる場所を提供しているんですよ」そう告げる根津に、朝倉のロープが放たれた!「ゆがみまくったお前の正義を僕が強制的に矯正してやる!」
と……!!