たぶらかし~代行女優業・マキ~

ストーリー

STORY

今週のゲスト

1話「死者の代役」

 所属劇団が突然解散し、多額の借金を背負った冬堂マキ(谷村美月)は女優オーディションの記事を読み、ORコーポレーションを訪ねる。社長の松平トキタダ(段田安則)はマキの演技の才能を瞬時に見抜き、すぐに女優として働いてもらう事に。そしてマキが演じる舞台はリアルな世界だと言う。ORコーポレーションの仕事とは、リアル世界に女優を派遣し、依頼された役を演じきる“代行女優業”だった。今回マキが演じるのは、練炭自殺した新進気鋭の女流画家、白鳥ゆりえ(内田慈)の代役=葬儀の死体役を演じる事だった。
 現在、ゆりえの遺体は司法解剖中。遺族は表向き、病死とした為、葬儀の死体が必要だった。葬儀中、ゆりえの幼馴染みと名乗る男性が突然現れ、ゆりえは継母の白鳥桜子(宮崎美子)に殺されたと騒ぎ出す。継母の桜子は、資産家である白鳥家の財産目当ての後妻だと噂されていた。この後、マキが事務所に戻ると、幼馴染みの男性がいた。彼はマキと同じように代行俳優業をする水鳥モンゾウ(山本耕史)だった。ゆりえの遺体は警察にあるという噂があり、松平は葬式を早く切り上げる為にモンゾウに騒ぎを起こさせたのだ。
松平は芝居がもう一幕追加されたとマキに伝え、ゆりえの夫、白鳥博人(忍成修吾)を紹介する。博人は、桜子がゆりえを自殺に見せかけて殺害したと疑い、その証拠を掴む為に力を貸して欲しいと言う。博人とゆりえは、事実婚で入籍していなかった為、ゆりえの遺産を相続するのは桜子だった。博人は、ゆりえが絵に行き詰まって命を絶ったとは考えられない。遺産目的に桜子に殺されたと主張する。松平は、桜子のゆりえ殺害の証拠を掴む為、もう一回ゆりえの代役を演じる事をマキに命じる。
 翌日、博人はゆりえが自殺したアトリエにマキを案内。アトリエの鍵はゆりえだけが持っていて、亡くなった後は自分だけが持っていたという。マキはこのアトリエを楽屋として使う事に。美大で知り合ったゆりえと博人。博人はゆりえの才能に敵わないと気付いて画家を諦め、サポート役に回っていたという。博人は過去に取材を受けた時のゆりえの映像をマキに見せる。嫌々ながらゆりえの代役を引き受けたマキだったが、絵を描くゆりえの迫力に魅入られ、女優としてのスイッチが入る。そして、映像にギャラリーのオーナーが出てくると、博人はこのオーナーがゆりえの愛人だと告白。オーナーは創作活動で疲れたゆりえを精神的、肉体的に満たし、博人も公認の関係だったという。この後、マキは映像を繰り返して見て、ゆりえの仕草や目線などを研究する。
 夜、桜子はすすり泣く声に目を覚まし、ゆりえの扮装をしたマキを目にする。桜子はゆりえの幽霊と思い込んで動揺する。そして、桜子はアトリエから音楽が流れている事に気付く。それはゆりえがよく聴いていた曲だった。アトリエに向かった桜子は姿見に映るゆりえ(マキ)を見て「許して」と謝罪する。博人は盗み撮りした桜子の詫びる姿を警察に提出。警察は殺人事件として捜査を始め、桜子を拘束する。博人は代役を終了する事を松平に伝えるが、ゆりえの映像を見返したマキは、ゆりえの表情を何度も真似して演じ、ゆりえの表情に隠された事件の真相に気付く…。

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