薔薇十字館殺人事件
File.2
はじめと美雪は地獄の傀儡師、高遠と共に薔薇十字館にやってくる。この館で行われる青薔薇の完成披露会に招待したのはローゼンクロイツという謎の人物だった。夕食の時間、最初の惨劇が起きる。突然、皆の前に絶命した大手生花チェーン社長の皇翔が現れたのだ。はじめはダムウェイター(配膳用昇降機)の中で仕掛けをした皿とクロッシュにすり替えられたと推理。はじめは薔薇が弾け、皆の目が一瞬それた隙に戸板返しによって、テーブルの下に貼り付けてあった皇の遺体が現れたと考える。
このトリックは誰でもやる事が可能。つまり、全員が容疑者だった。招待客たちは事件が起きたため、帰ると騒いで薔薇のアーチへ向かうが…。アーチには通路にもびっしりと薔薇が密集していた。小金井は無理やりアーチを進み、薔薇の棘が手や頬をかすめる。その直後、小金井は震えながら息絶える。薔薇の棘に猛毒が塗られていたのだ。はじめたちは心理的、物理的に薔薇の檻に閉じ込められた形に。
この後、毛利は薔薇風呂の準備ができたと皆に伝える。薔薇柄のタオルは1人1人違うものが用意されていた。美雪と白樹はジゼルと入れ替わりで女湯へ。女湯には薔薇(美咲と蓮花:薔薇の品種)が浮かべられていた。白樹は湯船に浸かりながら幼い頃に離ればなれになった兄弟がいる事を打ち明ける。はじめ、高遠、佐久羅は男湯から出ると使ったタオルを廊下の回収ボックスへ放り込む。遅れてきた祭沢は男湯の湯船を見て青くなり、風呂に入らずに「俺は潔白だ!」と言い残して部屋に戻る。
翌朝5時半、館内の時計が一斉に鳴り響き、皆は北の端の円形応接室前に集められる。そこで青薔薇がお披露目されるという。応接室は内側から鍵がかかっていて、皆はテラスから室内を見て絶句。室内には青い薔薇が床いっぱいに敷き詰められ、真ん中の枯れた白薔薇の十字架の上には胸に杭を突き立てた祭沢の遺体が置かれていた。それはキリストが2人の罪人と共に十字架に貼り付けにされたゴルゴダの丘のような光景だった。床の青薔薇は踏まれた形跡がなく、窓は全て内側から鍵がかかって、密室になっていた。青薔薇の花言葉は不可能、白薔薇の花言葉は潔白を失い、死を望むだった。この状況から八重姫は祭沢が皇と小金井を殺害した後、自殺したと考えるが…。
はじめと高遠は招待客の関係を整理。はじめは青薔薇という目的以外に招待客を繋ぐミッシング・リングがあると睨む。現場の状況から自殺の可能性もある祭沢。だが高遠は凶器が一度抜かれている事に気付いて他殺と断言する。はじめ、美雪、高遠が現場を検証すると、杭は遺体とカーペットを突き抜け、床まで達していた。高遠と別れた後、美雪は「高遠は信用できるの?」とはじめに確認。美雪は高遠が全て仕組んだ事かもしれないと不安になっていた。はじめは美雪の言葉を聞いて険しい表情になる…。
登場人物
-
月読ジゼル
-
白樹紅音
-
毛利御門
-
佐久羅京
-
祭沢一心
-
冬野八重姫
-
小金井睦
-
禅田みるく
-
皇翔