狐火流し殺人事件
File.1
はじめが美雪と部屋の整理をしている時に電報が届く。それは月江茉莉香が他界したという知らせだった。6年前、カブスカウトのキャンプに参加した小5のはじめ。風邪を引いた美雪はそのキャンプに不参加だった。そのキャンプ中にはじめを含む10人が遭難。茉莉香は遭難したメンバーの1人だった。
後日、はじめと美雪、一緒に遭難した桃瀬心平、蝉沢忍、緋森美咲、鐘本あかり、梨村亮、神小路陸、乾光太郎が白狐村にある茉莉香の実家に集まる。白狐村は遭難した時にキャンプした場所だった。茉莉香の実家には一緒に遭難した霧谷凛が住んでいた。3年前、凛の父親と茉莉香の母親が再婚したという。はじめたちは葬儀に参列するために集まったが、茉莉香が他界したのは2ヶ月前だった。
すでに葬儀は終わったらしく、凛は茉莉香が狐の嫁入りに見立てられて殺害されたと告白する。裸に白い布をまとい、白狐のお面を破せられた茉莉香の遺体は土蔵で発見されたという。村は白狐様の祟りと騒ぎになり、犯人はまだ捕まっていなかった。はじめは茉莉香が殺害された事、2ヶ月も経って電報が届いた事に嫌な予感がする。凛は夜、狐火流しという村の習わしがある事を皆に教える。毎年、村の若い女性が白狐様に嫁入りする花嫁役として白狐稲荷前のひな壇に座り、それと同時に狐火に見立てた灯籠を川に流して先祖の霊を弔うという。
花嫁役に選ばれた凛は一晩中、神社のひな壇に座っているため、灯籠を流せないらしく、はじめたちが茉莉香のために灯籠を流す事に。凛は祭りが始まるまで村を案内。土手沿いにある空き地はキャンプの時にサッカーをした場所だった。はじめたちは昔を思い出し、落ちていたゴムボールでサッカーに興じる。だが、はじめが蹴ったボールは土手の向こうにある田んぼへ飛んでいく。
夜、はじめは美雪、心平、美咲、陸と灯籠の流し場へ向かう。途中、はじめたちは白狐稲荷神社で狐の面をかぶって座っている凛に気付く。花嫁役は喋れないため、凛は鳥居にいるはじめたちに小さく手を振る。この後、はじめたちは灯籠の流し場であかり、亮と合流。すると、そこに置いていかれた忍もやってくる。光太郎は姿を現さないが、はじめたちは先に灯籠を川に流して黙祷する。
結局、1時間経っても光太郎は現れず、はじめたちは凛の家に帰ろうとする。その時、川面を遠くから灯籠2つが並んで流れてくる。灯籠の後ろにはゴムボートがついていて、乗せられた誰かの足の先が見える。はじめは嫌な予感がしてボートに向かって駆け出す。ボートに乗せられていたのは息絶えた光太郎だった。光太郎の腹部は血だらけで、顔には狐の面がつけられていた。
登場人物
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桃瀬心平
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霧谷凜
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鐘本あかり
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梨村亮
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緋森美咲
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蝉沢忍
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神小路陸
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乾光太郎
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月江茉莉香