結界師 ストーリー
夜の烏森学園。結界師の墨村良守は結界術を操り、妖(あやかし)を追い詰める。
傍らには墨村家付きの妖犬の斑尾。が、寸前のところで同じく結界師の雪村時音、
妖犬の白尾に獲物を横取りされてしまう。この後、妖が自由になってしまい、
良守がトドメを刺す事に。
翌日、良守が結界術の修行をしていると、墨村家21代目の当主で祖父の繁守が様子を窺いにやってくる。繁守は結界術の基本をしっかりやれと命じ、烏森の地を妖から守る事が墨村家の家業だと自覚のない良守に釘を刺す。良守の手のひらには間流結界術正統継承者の証、方印があり、そのために繁守は兄弟の中でも特に良守に対して厳しいのだ。
良守が家の外に出て泣いていると、隣に住む時音が嫌ならやめればと声をかけてくる。2歳上の時音は良守と違い、結界師の仕事に誇りを持っているのだ。 2人が話す姿を見つけた雪村家21代当主で祖母の雪村時子は墨村家の男と口を聞くなと時音に注意。すると、繁守が出てきて時子に食って掛かり、2人は言い争いを始める。間流結界術の開祖、間時守が子を成さなかったため、弟子だった墨村家と雪村家はどちらが正統な継承者なのか、400年前から争い続けているのだ。
夜、良守は父親の修史、弟の利守、繁守と夕食を囲んでいたが、妖の気配を感じて外へ出て行く。良守と斑尾が烏森学園に向かうと、すでに時音と白尾が妖退治に来ていた。時音はつまらなそうな顔をする良守に文句を言い、妖を探しに向かう。良守は修行を始める前の時音と仲が良かった頃を回想。良守は昔のように時音と仲良くしたいのだ。この後、良守と斑尾は池にかかった橋の裏側で妖を発見。ボイラー室付近の裏庭へと追い詰める。
そこには怯える1人の少女の姿。良守が少女の外見に惑わされていると、少女は大きな妖・弓鉄(ゆみがね)へと変化し、良守に襲い掛かる。時音は良守を庇い、右手を弓鉄の爪で切り裂かれてしまう。時音は結界術を使い、弓鉄を消滅させると、妖に情けをかけた良守に叱責する。が、時音はそのまま気を失ってしまい、良守が時音を雪村家へ運ぶ。時音は命に別状はないが、しばらく熱が下がらず、良守は責任を感じて泣き出してしまう。
5年後、良守は14歳、時音は16歳に成長。中学生になった良守は絶対に強くなると決意を新たにしていた。
妖退治をした翌朝、良守が家を出ると隣の時音とバッタリ会う。中等部と高等部は同じ敷地にあるため、通学路は同じだが、時音は良守に話しかけるなと冷たい態度を取る。時音は逃げるように学校へ向かうが、良守もその後をついていく。そんな2人の姿を良守の級友の田端ヒロムが見つめる。良守は授業中も休み時間も昼寝ばかり。そんな良守に田端は時音の事をいろいろ訊ねる。時音は一部の男子の間で人気があるという。授業中でも時音はスラスラと問題を解き、級友の川上きららに憧れの眼差しを向けられるが、篠原真桜からは優等生ゆえ嫌味を言われる。
放課後、帰宅した良守はかねてから計画していたお菓子の城を作り始める。だが、すぐに繁守に文句を言われて2人は口論に。この後、良守は庭に出て昔の事を回想する。以前、良守は時音がお菓子のお城を食べたがっていると知り、ようかんの姫路城を作ってあげた事があった。だが、時音が食べたがっていたのはケーキでできた西洋のお城。以来、良守はいつか時音のためにお菓子の城を作ろうと計画しているのだ。
夜、烏森の地に妖が進入する。それを察知した良守は斑尾と共に烏森学園へ向かうが、時音と白尾は先に到着していた。時音と白尾に嫌味を言われた良守は対抗心をむき出しにして妖を探し始める。そして、良守のミスで一度は逃げられたものの、時音は校舎そばで妖・土蝦蟇を発見。だが、土蝦蟇に岩を撃ち込まれ、時音は防戦一方になってしまう。良守はその様子を離れた場所から眺め、草履をスニーカーに履き替える。
そして、良守は時音の元へ駆けつけると、追い込まれた時音を援護。さらに良守は土蝦蟇に向かっていき、結界で囲む事に成功する。良守は体を張った戦いで負ったケガの痛みに顔を歪めるが、それを押し隠して土蝦蟇を退治。無茶をする良守に呆れた時音が先に帰ってしまうと、良守は式神を操り、戦いで壊れた学園内を修復する。そこへ時音が式神で壺を運んでくる。中には手紙と打ち身に効果がある塗り薬。時音は良守がケガした事に気付いていたのだ…。
授業中、時音はやさしかった亡き父、時雄の事を思い出す。そして学校が終わった後、雪村家に異能者の自治組織、裏会の使いとして春日夜未が訪ねてくる。夜未の任務は極秘だが、実地調査のようなものらしい。そんな夜未を雪村家がしばらく世話する事に。夜未は時雄に世話になったと昔の事を時音に語り出す。だが、時音の胸中は複雑だった。結界師だった時雄が妖との闘いの末に亡くなった日の事を思い出してしまったのだ。 その夜、烏森学園を警護する良守と時音は妖の気配を感じる。間もなく邪気は消えるが、その直後に夜未が上から落ちてくる。夜未はしまったという表情を浮かべ、実地調査の対象が烏森の地だと時音らに明かす。先ほどの異変は夜未の仕業らしい。
そして、夜未は良守にあいさつし、良守が正守の弟と気付いて興奮する。この後、3人でお茶を飲んだ際、夜未はまた時雄の事を話し始める。良守は困った表情の時音を見て、気持ちを察する…。
次の日の夜、良守が烏森学園に行くと、すでに夜未が来ていた。良守は時音の前で時雄の話をするのはやめてほしいと夜未に頼む。時音が辛い事も思い出してしまうからだ。その頃、時音は家から天穴がなくなっている事に気付き、夜未を疑う。学園では、夜未が良守のやさしさを甘いと呆れる。そして、薬を飲まされた良守が倒れると、夜未はヨキに合図を送り、ヨキが地鳴りと共に地面から姿を現す。この後、駆けつけた時音は夜未の作った落とし穴に落下。ヨキは呪力除けの岩で穴を塞いでしまう。鬼使いの夜未は烏森の地を乗っ取る計画だったのだ。同時に夜未は烏森でヨキの力も強くしようとしていた。
夜未は穴の中にいる時音に対し、邪魔しなければ殺すつもりはないと説明する。だが、時音は結界で横穴を開けて脱出。すると、夜未は人質の良守を時音に見せる。この後、良守はヨキと闘う時音の声で目を覚ますが、両手を縛られ、口にはさるぐるわをされ、身動きが取れない。この後、夜未は時雄が大嫌いだったと時音に言い放ち、時雄を侮辱し始める。その間にもヨキの力は増大していき、時音は耐えるのが精一杯になる…。
縛られていた良守は結界を使って自由になるとヨキへの攻撃を開始。良守は結界でヨキの足をちぎり、踏み潰されそうだった時音を助ける。時音は良守にヨキの相手をするように指示し、その隙に時音が夜未を捕える事に。ヨキは回復力が格段に上がり、ちぎれた足が完全に再生する。この後、良守は指示通りにヨキを攻撃。ヨキは体勢を崩し、ヨキの肩の上にいた夜未は放り出されて梢に落ちる。その瞬間、時音は夜未の体を押さえ込む。だが、夜未は鬼使い。言葉を発さずにヨキに助けてもらう。良守は烏森の地から出ていってくれと夜未に頼む。すると、夜未は生まれながらに力を与えられた良守への憎しみで顔を歪める。夜未もヨキも力がないため、周囲に認めてもらえないという苦い経験をしているのだ。この後、烏森の力で急激に進化していったヨキは夜未との契約を破棄し、夜未の言う事を聞かなくなる。夜未はヨキが自分を必要としない事に衝撃を受けて茫然となる。
その頃、時子は裏会の白道、黄道と共に烏森学園へ向かい、繁守もそれに並走する。良守は夜未を時音に託し、暴走するヨキに向かおうとする。すると、夜未が進化するヨキの邪魔をしないで欲しいと頼む。良守は殺すつもりはないと夜未に説明し、ヨキとの闘いを再開。良守は人のサイズになり、スピードが上がったヨキに手間取る。この後、良守はヨキを結界で囲む事に成功するが、ヨキは体を巨大化させ、結界を破ろうとする。
その時、白道が現れてヨキを真っ二つに切り裂く。黄道、時子、繁守も学園に駆けつける。体を再生しようとするヨキに対し、今度は黄道が攻撃。炎の球を放ち、ヨキの体は四方に散らばる。そして、白道と黄道は裏会総本部の命令で離反者の夜未を捕える。白道は良守に気付くと、兄からの言付けを伝える。別れ際、良守はヨキの角の先端を夜未に手渡し、その爪から小さなヨキが再生する。この後、良守は白道の言っていた事がわからず、その事を繁守に訊ねる。すると、繁守は兄の正守が裏会にいる事を良守に明かす…。
良守は家でケーキのお城作りに励むが、繁守に邪魔される。その夜、烏森学園に妖の毛鞠が出現。良守はケーキ作りの事ばかり考えて妖退治がおろそかになる。そんな良守に時音は呆れる。翌朝、良守は学園の昇降口前で生徒たちに話しかけるパティシエの人間霊に気付く。良守が話しかけると、パティシエは自分が死んだ事に気付いていない様子。良守は成仏できないパティシエにマザーがいる迷える霊たちの相談所の場所を教える。
放課後、良守はケーキ店の前でパティシエの霊と再び遭遇。パティシエはマザーに会った後、自分が死んだ事に気付いたという。良守は魔性に変化する危険があるため、学園に近づくなとパティシエに忠告。この後、良守は霊がケーキを作るパティシエと知り、公園でケーキ作りのアドバイスを受ける。そして、良守がお菓子の城を食べさせたい人がいるとパティシエに明かすと、ちょうど時音が現れる。時音は霊と仲良く話す良守に注意する。
夜、パティシエは無意識の内に学園の前へ。自宅にいた良守は邪気のない者が魔性へと変化する気配を察知する。そして、良守と時音は学園の校門付近でパティシエを発見。だが、邪悪な気配を感じるのは校舎の中からだった。この後、時音らは教室で右手が巨大なハサミになった人間霊を発見する。その霊はリストラ直後に交通事故に遭った村上正直、48歳。村上はハサミを振りかざすが、良守はそれを結界で囲む。良守はハサミを滅すると、外へ出ろと村上に命令。続けて、良守は愚痴をこぼす村上に迷える霊たちの相談所を教え、村上は敷地の外へと飛んでいく。パティシエは大切にしていた物に気付いたと良守に感謝する。この後、パティシエは良守が作りたいケーキの城の話題に触れる。良守は時音に話を聞かれて慌てふためく。そして数日後…。良守が家でケーキを作っていると、パティシエが現れる。パティシエは未だに成仏できずにいた…。
良守のクラスメイト、神田百合奈は登校中に目が合った女子学生に微笑まれる。だが、百合奈は誰だかわからず、ボーッとして車に轢かれそうになる。そんな百合奈をキョーコが注意。先週、ここで交通事故があったばかりだという。この後、学校の狂い桜が話題に上がり、百合奈とキョーコ、アヤノは教室から満開の桜を眺める。百合奈は桜の下で先程の女子学生と良守が話す姿を見つけるが、周りの人は女子学生の姿に気付かない。この状況から百合奈は女子学生が霊だと察して青ざめる。百合奈には霊感があるのだ。
授業中、百合奈は霊と話していた良守が気になって仕方がない。当の良守は後ろの席で熟睡している。そこへ女子学生の霊が現れる。良守は授業が終わると、霊を連れて屋上へ行き、霊たちの相談所へ行けと説得。良守は言う事を聞かない霊に声を荒げ、その様子を盗み見ていた百合奈は驚く。この後、百合奈とキョーコ、アヤノは桜を見に行く。だが、高等部の生徒が桜の周りを占領していたため、百合奈らは深夜12時に集まって夜桜を見物しようと話し合う。話を聞いていた良守は百合奈らに夜の学校は危ないと注意する。
夜、良守は斑尾を連れて烏森学園へ向かう。その頃、百合奈は集合時間よりも早めに学園に到着。この後、学園に着いた良守は百合奈たちが入れないように門のところに印を結ぶ。しかし、百合奈はすでに学園の中に入っていた。百合奈は桜の木へ近づき、黒髪に腕だけの妖を発見する。そこへ現れた良守は百合奈に掴みかかろうとする妖を結界で滅する。良守と時音は百合奈を帰らせようとするが、その矢先に別の妖を感知する。良守は百合奈を守るため、結界で彼女を囲む。そして、百合奈に霊感があると知らない良守と時音は、目の前で桜を目指して集まってくる妖の集団の退治を始める。良守は桜全体を巨大な結界で囲み、続々と集まる妖の集団を一網打尽に。妖退治が終わった後、斑尾は百合奈に霊感がある事に気付く。良守は百合奈が一部始終を見ていたと知って呆然となる。良守は怯える百合奈に対し、やさしい言葉をかける。時音はそんな良守をからかう…。
良守はパティシエの霊に教わりながらケーキを作る。良守は霊からケーキの事が聞けて嬉しい反面、未だに成仏できない事を心配する。夕方、良守はニコニコ心霊相談所へ行き、パティシエの霊の事をマザーに相談。良守とマザーは成仏できない理由を探るため、霊が勤めていたケーキ店を訪ねる。そして店の主人から話を聞き、霊の素性が判明する…。
霊はちくわで有名な月地ヶ岡食品の御曹司、月地ヶ岡真彦。主人の話から生前、真彦が弟を気にしていた事がわかる。真彦と弟は幼い頃に両親を亡くし、月地ヶ岡食品を営む叔父夫婦に引き取られたという。翌朝、良守は弟に会おうと真彦を説得。良守は嫌がる真彦に念糸を巻きつけ、マザーと執事の星川と合流する。マザーの調査によれば、弟の月地ヶ岡俊彦は近くにある月地ヶ岡食品の支社長に就任。社長になるのも近いらしい。
この後、良守らはマザーの車で俊彦の尾行を開始する。尾行中、真彦は俊彦に会わす顔がないと告白。真彦は継ぐはずの会社を俊彦に押しつけ、パティシエになったという。そして、仕事を終えた俊彦は真彦の事故現場へ。そこで良守とマザーは俊彦に声をかけ、真彦が成仏できない事を明かす。だが、俊彦は信じようとしない。結局、俊彦は明日の4時に事故現場で再会する事を約束。その時、真彦の霊がいる証拠を見せてほしいという。
良守らは、真彦が俊彦のために昔作ったケーキをもう一度作り、証拠として見せる事に。そして翌日、良守は真彦の話を聞きながらケーキ作りを始める。だが、なかなか当時の味を再現できない。そのケーキは両親が亡くなって元気のない俊彦を励ますために真彦が小4の時に生まれて初めて作ったもの。天国の両親が送ってきたケーキとして俊彦に食べさせたという。そして、時間ギリギリにケーキが完成。良守らは待ち合わせ場所へと急ぐ。
良守らが思い出のケーキを差し出すと、俊彦は真彦の霊の存在をようやく信じる。俊彦は当時から両親が送ってきたケーキではなく、真彦が励ますために作ったケーキだと気付いていたという。この後、真彦は無理に家を継がせた事を俊彦に謝罪する。だが、俊彦は全く気にしていなかった。ただ、突然死んでしまった事を恨んでいるという。俊彦はケーキのお礼を真彦に言い、2人は心を通じ合わせる。すると真彦は無事に成仏していく…。
修行に励む良守は庭にある大岩を結界で数秒間持ち上げる。そこへ現れた繁守は、口では厳しい事を言うが、内心では大岩を数秒でも持ち上げた良守の実力を認める。夜、道場での修業を終えた良守は斑尾と烏森学園へ向かい、途中で時音、白尾と合流する。学園に到着後、斑尾は妖の軌跡を発見。良守は妖の後を追うが、転んで見失ってしまう。だが、良守は行く手を阻む壁となる結界を作り、氷柱を背にした狐の妖、氷渡が姿を現す。
氷渡は無数の鋭利な氷片を放つが、良守は結界でそれを防ぐ。すると氷渡は氷柱弾を発射。氷柱弾は結界を突き破るが、良守は間一髪のところで避ける。この後、氷渡は逃げ去り、良守はその後を追いかける。時音は待ち伏せして氷渡を結界で捕えるが、氷渡は結界を破ってプールへ逃げ込む。良守は次々と結界を滅し、氷渡を怒らせてプールからおびき出す。氷渡が姿を現すと、時音はクナイで攻撃。だが、逆に時音は足を凍らされてしまう。
良守は身動きできない時音を守るように前に立ち、変形した3重の結界で自分と時音を囲む。しかし、氷渡は特大の氷柱弾を放ち、第1、第2の結界を打ち砕く。良守は咄嗟にもう1つの結界を内側に作り、そのおかげで氷柱弾は僅かに軌道がずれて後方へ飛んでいく。だが、氷渡はさらに巨大な氷柱弾を用意。このままでは勝てないと考えた時音は、良守の手の甲に自分の手を重ねる。時音は良守との連携で氷渡を倒そうとしているのだ。
だが、時音と密着した事で良守は緊張し、2人の呼吸は合わない。その時、良守は時音の手にある古傷を見て冷静さを取り戻す。そして2人の呼吸がシンクロした時、氷渡が氷柱弾を発射。良守と時音が力を合わせて作った結界は氷柱弾を弾き飛ばす。氷柱弾は数百の氷の槍になる。さらに氷の槍は拡散閃光弾になり、氷渡を貫いていく。帰り道、時音をおぶって歩く良守。2人は口には出さないが、氷渡との戦いでお互いの長所を再認識する。そして、良守と時音はお互いに負けたくないとさらなる修行に励む…。
中等部の教室では、熟睡中の良守を百合奈とキョーコ、アヤノが見つめている。百合奈は霊と話せる良守が気になるが、キョーコとアヤノは百合奈が良守の事を好きだと勘違いする。百合奈は霊能関係の事が言い出せず、2人の誤解を解く事ができない。そして休み時間、百合奈は校舎から校舎裏を眺め、そこで時音のクラスメイト、真桜と三能先生が話す姿に気付く。その時、百合奈は三能の背中から沸きあがる黒い影を中等部の教室では、熟睡中の良守を百合奈とキョーコ、アヤノが見つめている。百合奈は霊と話せる良守が気になるが、キョーコとアヤノは百合奈が良守の事を好きだと勘違いする。百合奈は霊能関係の事が言い出せず、2人の誤解を解く事ができない。そして休み時間、百合奈は校舎から校舎裏を眺め、そこで時音のクラスメイト、真桜と三能先生が話す姿に気付く。その時、百合奈は三能の背中から沸きあがる黒い影を目撃する。 百合奈は良守を屋上へ呼び出し、霊を見ない方法を相談する。その時、百合奈は変な男を見たと言って校舎裏に目を向ける。と、そこには倒れた女生徒の姿。良守は時音だと思い、急いで校舎裏へ向かうが女生徒は真桜だった。良守は時音に注意を促すため、高等部へ。そこで良守は親しげに話す時音と三能を見かける。三能は放課後に会おうと時音を誘う。怒った良守は小さな結界を作り、三能を転ばせようとするが、結界は消し飛ばされる。
三能が誰だかわからない良守は教室に戻ると、学園事情に詳しい田端から情報収集。田端によれば、高等部の英語教師が産休に入り、三能たつみという新任が来たという。その頃、三能は高等部の不良たちと校舎裏へ。自分の女にちょっかいを出された不良と仲間が腹を立てて三能を呼び出したのだ。だが、キレる寸前の不良たちに囲まれた三能は怯むどころか、邪気を放ち始める…。夜、良守は怪しい三能と親しくする時音を心配する。
この後、烏森学園に向かう良守と時音は普段と違う異変を感じ取る。そして学園には背中に3匹の白蛇をまとった三能の姿。良守と同様、時音も三能は普通の人間ではないと既に感じ取っていた。三能は生徒を襲っても養分にならないと告白。その直後、1匹の白蛇が良守と時音に襲い掛かる。良守は反撃するが、白蛇に結界の成形を邪魔されてしまう。
良守は一度に全部を囲うのは無理と判断し、白蛇の一部を結界で囲む。すると、三能はダメージを受け、蛇と三能が繋がっている事が判明。三能は異能者だったのだ。この後、妖の臭いに気付いた白尾は1匹の白蛇に寄生する妖、傀儡蟲を発見。良守が白蛇の動きを止めた瞬間、時音は傀儡蟲を結界で囲んで滅する。すると、三能は生徒に危害を加えた事を反省。三能は傀儡蟲に操られていたのだ…。目撃する。 百合奈は良守を屋上へ呼び出し、霊を見ない方法を相談する。その時、百合奈は変な男を見たと言って校舎裏に目を向ける。と、そこには倒れた女生徒の姿。良守は時音だと思い、急いで校舎裏へ向かうが女生徒は真桜だった。良守は時音に注意を促すため、高等部へ。そこで良守は親しげに話す時音と三能を見かける。三能は放課後に会おうと時音を誘う。怒った良守は小さな結界を作り、三能を転ばせようとするが、結界は消し飛ばされる。
三能が誰だかわからない良守は教室に戻ると、学園事情に詳しい田端から情報収集。田端によれば、高等部の英語教師が産休に入り、三能たつみという新任が来たという。その頃、三能は高等部の不良たちと校舎裏へ。自分の女にちょっかいを出された不良と仲間が腹を立てて三能を呼び出したのだ。だが、キレる寸前の不良たちに囲まれた三能は怯むどころか、邪気を放ち始める…。夜、良守は怪しい三能と親しくする時音を心配する。
この後、烏森学園に向かう良守と時音は普段と違う異変を感じ取る。そして学園には背中に3匹の白蛇をまとった三能の姿。良守と同様、時音も三能は普通の人間ではないと既に感じ取っていた。三能は生徒を襲っても養分にならないと告白。その直後、1匹の白蛇が良守と時音に襲い掛かる。良守は反撃するが、白蛇に結界の成形を邪魔されてしまう。
良守は一度に全部を囲うのは無理と判断し、白蛇の一部を結界で囲む。すると、三能はダメージを受け、蛇と三能が繋がっている事が判明。三能は異能者だったのだ。この後、妖の臭いに気付いた白尾は1匹の白蛇に寄生する妖、傀儡蟲を発見。良守が白蛇の動きを止めた瞬間、時音は傀儡蟲を結界で囲んで滅する。すると、三能は生徒に危害を加えた事を反省。三能は傀儡蟲に操られていたのだ…。
夜の烏森学園で良守は試作ケーキを時音に食べさせる。だが、時音は結界術の修行をしなとケーキに夢中な良守を一刀両断。良守は時音の言葉にショックを受ける。翌日、修史は落ち込む良守を元気付けるため、最高のケーキの事を教える。修史は小説への情熱を失った時、妻の守美子が買ってきたケーキを食べて元気になったという。修史と良守はそのケーキを食べに行くため、翌日の午後5時に駅前で待ち合わせる事に。
しかし、良守が待つ駅前に来たのは弟の利守。修史は小説の締め切りに追われ、代わりに利守が来たという。利守は修史に教わったお店、キャッスルシャトーベルクの裏口に良守を案内。ここで、幻のチョコレートケーキの購入整理券が配られるのだ。だが、整理券を配布するのは明日の午前5時、7人のみと判明。結界師の仕事で並ぶ事が困難な良守は、ラテン系貴公子風の式神Rを形成して並ばせる。
そして深夜、烏森学園に妖、火土竜が出現。良守は式神の形成で体力が低下し、火土竜に翻弄される。その頃、式神Rが並ぶ店にガラの悪い3人組が現れる。3人組は並ぶ客を脅してズル込みしたため、式神Rが注意。逆恨みした3人組は式神Rに襲い掛かる。だが、良守から危険が迫ったら全てを蹴散らすように命令されていた式神Rは、回転して3人を吹き飛ばしてしまう。丁度、その頃に良守も火土竜を滅する事に成功する。
戦闘後、良守は体力が尽き、その場に倒れこむ。時音は良守を心配するが、すぐに良守がケーキの整理券を確保するために式神を使っていた事が発覚。時音は良守に呆れ、口も聞きたくないと激怒して去っていく。 翌日、時音は自宅の台所で大嫌いなゴキブリを発見し、墨村家に助けを求める。時音は修史も利守も不在だったため、仕方なく良守にゴキブリ退治を頼む。良守は1度ゴキブリを取り逃がすが、時音に頼られて再度挑戦する。
結局、ゴキブリに驚いた時音が良守を突き飛ばし、その拍子に良守が胸元でゴキブリを潰す格好に。この後、帰宅した良守は驚愕。繁守、利守、修史が勝手に幻のチョコレートケーキを食べてしまったのだ。騒動後、時音はお礼としてシャツと幻のチョコレートケーキを良守に渡す。良守は時音に嫌われていないと知り、ケーキ作りへの情熱を取り戻す。
夜の烏森学園に魔界のプリンスを名乗る骨太郎が現れる。最初は威勢が良かった骨太郎だったが、良守の攻撃を受けるとビビってしまう。良守は逃げ出す骨太郎に念糸を巻きつける。さらに良守と時音は仲間のウホ助と長尾も結界で囲んで捕える。その直後、良守はただならぬ様子で闇に向かって唸る斑尾に気付く。そして、闇から骨太郎らのボスで化け犬の鋼夜が姿を現す。鋼夜は斑尾の事を銀露と呼び、人間と行動する斑尾をバカにする。
2頭には深い因縁があり、再会するのは400年ぶり。2頭の関係を知る白尾は手出しせずに行方を見守る事に。斑尾は鋼夜が人間を嫌っている事を良守に明かし、鋼夜と同じ山で育った頃を振り返る…。当時、銀露(斑尾)と鋼夜は山で一緒に暮らしていたが、山は人間に荒らされてしまう。銀露らは別の山に行く事を余儀なくされるが、どの山も状況は同じ。結局、銀露は飢え死にしてしまい、鋼夜は人間に殺されてしまったという。
鋼夜は再び組もうと提案するが斑尾はそれを断る。実は当時、銀露は鋼夜を裏切っていた。死後、2頭は成仏できずに化け犬として山で暮らしていたが、銀露は退治に来た間 時守に一目惚れ。銀露は時守に仕えるようになり、鋼夜と袂を分かつ事になったという。この後、骨太郎とウホ助が話をする良守らの隙をついて奇襲攻撃。だが、良守は骨太郎らを簡単に捕獲する。すると、鋼夜は役立たずの骨太郎らを見放し、尻尾でウホ助を攻撃する。
そして鋼夜は大きな姿に変化し始め、臨戦態勢をとる。斑尾はやさしい良守では勝てないと判断し、自分で始末をつけると決意。斑尾は封印を解くため、首輪を取ってくれと良守に頼む。そして、封印が解かれた斑尾は巨大な姿に変化して鋼夜と対峙。妖の本性を露にした斑尾は鋼夜と激しい戦いを繰り広げる。良守は戦いの巻き添えを食わないように倒れたウホ助を離れた場所に移動させる。
時音は良守に呆れつつもそれを手伝う。
この後、鋼夜の一撃が斑尾の胸に炸裂する。鋼夜の容赦ない攻撃は続き、劣勢に立たされた斑尾は刺し違えてでも全てを終わらせる覚悟を決める。斑尾は辺りに立ち込めさせた霧の中へ消えた直後、無数の群れとなって出現。鋼夜はその中の1頭の胸に尻尾を突き刺す。斑尾の攻撃は鋼夜に見切られたと思われたが、別の斑尾の尻尾が鋼夜を貫く…。
互いに尻尾で貫きあった斑尾と鋼夜。この後、斑尾だけが倒れ、勝負あったかに思えたが、その直後に鋼夜も倒れる。斑尾が刺した毒の針が鉄鋼に効いてきたのだ。しかし、鋼夜は烏森の力を借りて変化し始める。良守は倒れ込んだ斑尾に対し、勝手に死ぬなと自分なりの言葉で檄を飛ばす。良守に励まされ、斑尾は何とか立ち上がるが、その間にも鋼夜は変化し続け、復活を遂げようとしている。 斑尾は鋼夜を一撃で仕留める作戦を立て、良守が1秒でも長く鋼夜の攻撃を止める事に。この後、鋼夜は全身から妖気を放ち、完全に復活してしまう。だが、全てを計算していた良守は印を結び、鋼夜の尻尾に結界をねじるように絡み付ける。その瞬間、斑尾の尻尾が鋼夜の胸を背中から貫く。倒れた鋼夜はとどめを刺せと斑尾に言い放つ。
骨太郎、ウホ助、長尾はそんな鋼夜を心配して助けに入る。だが、鋼夜は仲間づらするなと言って、骨太郎らを追い払おうとする。ボスの命令は絶対と教えられた骨太郎らは鋼夜に従い、寂しそうに烏森を去っていく。人間の手にかかりたくない鋼夜は、斑尾にとどめを刺せと頼む。烏森の力で妖気を立ち上がらせた斑尾は、尻尾を鋼夜に突き立てる。
この後、良守が鋼夜の死体を滅すると、時音は数珠玉を良守に投げ渡し、斑尾を封印するように指示を出す。時音は烏森の力で斑尾が変化するのを恐れているのだ。だが、斑尾は既に妖の本性を剥き出しにして良守を襲おうとする。良守は時音に封印の方法を教わり、斑尾を封印しようとする。だが、斑尾は大暴れして必死に抵抗する。白尾は何も知らずに封印を解いた良守に激怒した後、封印には激しい痛みを伴う事を教える。良守は白尾に封印の恐ろしさを教えられ、軽率な行動を反省する。この後、白尾の指示で時音が斑尾の動きを止め、その間に良守は斑尾を何とか封印。斑尾を普段の姿に戻す事に成功する…。
裏会総本部に正守と夜未の姿。正守は自分の下で働くようにと夜未を説得する。夜未が不服そうな態度を見せると、正守は小さなヨキを返すと持ちかけ、強引に承諾させる。この後、正守は白道から烏森を組織的に狙う連中がいると報告を受ける。一方、烏森学園では良守が暇を持て余し、結界術の訓練を始める。良守は応用した術を使おうとするが失敗。時音は結界術の指南書を読んでいないのに応用した術はできないと良守をバカにする。
日曜日、良守は指南書を見つけ出そうと倉の中を物色。そして、黒っぽい巻物の山の中に桐の箱を発見する。良守は箱に入っていた金色の巻物を持ち出し、部屋で読もうとする。だが、良守はすぐに爆睡してしまう。繁守は巻物にヨダレを垂らした良守に激怒する。実はこの巻物は正統継承者のみ読む事が許される秘伝の書。良守は夕飯抜きにされ、1人道場で反省する事に。すると、利守が良守のために食事を道場に運んでくる。
そして良守は利守との会話をきっかけに正守との確執を思い出す…。当時6歳の良守は道場にいる繁守と正守の話を盗み聞きしてしまう。繁守は秘伝書を読みたがる正守に正統継承者しか読めない事を諭していた。この後、良守は妖の気配を感じて烏森学園へ。良守、時音らは異臭を放つ妖を探すが、見つけ出す事ができない。その頃、正守も烏森学園にいた。正守は黒姫を使って妖、蠍鎌を見つけ出すが、手出しせずに良守の出方を窺う事に。
そんな折、時音が体育館の影にいる蠍鎌を発見。時音は蠍鎌を退治しようとするが、蠍鎌に背後を取られ、劣勢に立たされる。すると、良守が間一髪のところで時音を救助。良守は攻撃を仕掛けるが、強い蠍鎌に手こずる。そして、良守らが窮地に追い込まれたところで正守が姿を現す。正守は五重の結界を操り、いとも簡単に蠍鎌を退治してしまう。良守は3年振りに現れた正守に憎まれ口をたたく…。
昼の烏森学園。授業の後、田端と市ヶ谷は良守に帰郷中の兄、正守の事を質問する。だが、2人が正守を褒めると良守は不機嫌になる。この後、良守が帰宅すると、正守はうれしそうに話しかけてくる。そして、他愛のない話が一段落すると、正守はもっと考えて行動しろと良守の戦い方を批判。さらに正守は正統継承者の自覚を持てと良守に忠告する。
夜、良守と時音は警護のため、烏森学園へ向かう。良守は妖の気配を感じるが姿を見つけ出せずにいた。この後、地面から大木が次々に生えてきて、校庭全域を森の妖が飲み込む。そんな中、正守は上空に作った結界から校庭の様子を静観。斑尾は植物系の妖に意思がないため、誰かが仕掛けたと訝しがる。良守は植物系の妖の出現に動揺しながらも攻撃を開始。良守は1本の木を結界で滅するが、すぐに同じ場所から木が生えてきてしまう。
時音は再び攻撃を仕掛けようとする良守を制止し、やり方を考えるように指示。良守は正守と同じような指摘を時音から受けて冷静さを失う。そして、良守は時音の指示を無視して妖への攻撃を再開。その間にも木々の葉は増殖を続ける。実は、この森の妖を仕掛けたのは正守。正守は良守の実力、そして烏森の力を確かめようとしているのだ。
この後、1本の木を滅した時音はある法則に気付く。森の妖は根を潰せば再生できないのだ。その時、良守が時音を呼びに来る。良守は枝に生った毒々しい実を発見したのだ。その実は爆発すると、種子が四方八方に弾け飛ぶ。地面に落ちた種子からは触手のような芽が出て、芽は近くの木に巻き付いていく。妖が進化を続けるため、時音は正守に応援を頼もうと提案するが、良守は意地になってそれを拒否する。
そして、木なら燃えると気付いた良守は、バックドラフト作戦を思いつき、時音も協力する事に。良守は不安定ながらも校庭の森全体を結界で囲み、時音が森に火を放つ。良守は集中して結界を維持し、時音は良守の結界に穴を開けて酸素を送り込む。すると、バックドラフト現象が起こって森は爆発。良守の作戦は辛くも成功する。正守は計り知れない良守の実力を認める…。
バックドラフト作戦で森の妖を退治した良守。だが、繁守は烏森学園の校庭を焼け野原にした事に激怒し、正守も無茶なやり方に呆れ果てる。さらに繁守は無茶を続けていけば、いつか周りに甚大な被害を及ぼすと良守に忠告する。翌日、良守は授業中に改めて繁守に言われた事を考える。夕方、正守は烏森学園へ向かうが、烏森を組織的に狙う連中がいるという白道の言葉を思い出して入るのを躊躇。正守は結界を作り、学園の上空へ向かう。
夜、良守と時音は烏森学園へ。その頃、町外れでは法力札を取り出す監視者の姿。法力札はカラスに変化すると夜空へと飛び立って行く。そして、良守と時音が烏森の地について話している頃、上空にいる正守の近くを黒い影が過ぎる。黒い影の正体はカラスで、正守が結界で囲むとカラスは法力札に戻ってしまう。奇妙な法印がされた式神に驚いた正守は誰の仕業かと思案を巡らせ、ようやく白道の話が本当だったと確信する。
この後、上空にいる正守を見つけた良守は、結界を作って正守の方へ上がっていく。そして同じ高さになると、良守はいつか必ず烏森の地を永遠に封印するという考えた末に辿り着いた決意を正守に打ち明ける。すると正守はやってみろと良守を促す。反対されると思っていた良守は、正守の言葉に拍子抜けしてしまう。だが、烏森の謎に触れる事は400年の間、禁忌されてきた事。正守はそれだけ良守に伝え、その場を去っていく。
さらに上空へと上がった正守は、烏森を偵察する犯人を見つけ出すため、町全体を調べろと黒姫に指示。校庭では、時音が妖の紅百足を退治しながら黒姫の闇の波紋を感じ取る。良守は闇の波紋を感じ取ると、再び結界を使って正守の元へ。正守は良守に呼び止められるが、黒姫から東の外れで同じものを発見したと報告を受け、すぐにそちらへ向かってしまう。この後、正守は東の外れに到着するが、監視者は一足先にその場を去っていた。
正守は烏森を狙う連中を探るため、裏会へ戻る事に。繁守が良守の頼りなさを理由に引き止めると、正守は良守の力を認めている事と明かす。良守は家を立ち去る正守に鋼夜の毛を手渡し、開祖が封じた山に供養して欲しいと頼む。そして、良守は正守を見送りながら、いつか正守を追い抜くと心に誓う…。
自宅でケーキ作りに励む良守は、食器棚から皿を取ろうとして繁守が大事にする茶碗を割ってしまう。良守は間流修復術を思いつき、式神を使って茶碗をくっつけようとするがうまくできない。繁守はそんな良守に激怒し、烏森以外で修復術を使うなと厳しく注意する。別の日、烏森学園では、百合奈が塀の上にいるウロ様を見かける。この後、生徒たちの弁当のおかずがなくなる奇妙な現象が起こり、時音、良守も何者かの存在に気付く。
時音は中等部の異変を心配して廊下を覗き、百合奈とバッタリ会う。時音は霊感がある百合奈に変なモノを見たかと質問。百合奈はウロ様を見かけた塀へと時音を案内するが、既にそこには誰の姿もなかった。この後、良守はおかずを食べるウロ様を発見。良守はウロ様と側近の豆蔵に烏森から出て行けと忠告した後、昼寝してしまう。
夕方、豆蔵は目覚めた良守にウロ様が結界師を捜していた事を告げる。良守が自宅に案内すると、繁守はウロ様をご馳走で持て成す。その頃、雪村家でも時音と時子がウロ様の話題を話す。繁守によれば、ウロ様は烏森の土地神で、いつもは隣町の無色沼に棲んでいるという。ウロ様の寝床の調子が悪くなったら、修復術を使って直すのが結界師のしきたり。繁守も50年前に一度こなしたらしく、今回は良守に寝床を直すように命じる。
繁守の指示で、寝床直しは翌日決行する事に。この後、良守はウロ様にドーナツを振舞い、烏森について訊ねる。ウロ様は烏森の森について語り始めるが、話の途中で寝てしまう。夜、良守は烏森学園を警護しながらウロ様の言葉を思い出す。そこへやってきた時音は寝床直しを手伝うと申し出るが、良守は自分1人で片付けると申し出を断る。
翌日、良守、繁守、ウロ様、豆蔵らは無色沼へ向けて出発。繁守が寝床直しのやり方を説明し、後は良守が1人でやる事に。良守は1人になったらウロ様から色々聞き出そうと内心思う。その頃、雪村家では無色沼の怖さを知る時子が良守の身を案じる。この後、無色沼の岸に到着すると、ウロ様が沼の水面に穴を開ける。良守らはその穴へ飛び込むが…。
良守は無色沼の穴に飛び込み、ウロ様の寝床へ向かう。途中で気を失った良守はウロ様の空間で目を覚まし、手のひらの文字に気付く。神の領域では、訳がわからなくなって帰ってこられない人もいるため、左手には繁守がやるべき事を書き、右手には良守が忘れたくない事を書いていたのだ。この後、良守は豆蔵との会話で50年前に修復にやってきたのは繁守ではなく、時子だった事を知る。
その頃、無色沼の岸辺では、繁守が50年前を回想。繁守はつなぎ役として岸辺に残り、修復へ向かう時子を激励して送り出した当時を思い出す。ウロ様の空間では、もたつく良守に豆蔵が作業を促す。良守は神の領域で呪具を見つけると、修復に取り掛かり、以前よりも大きな寝床にして作業を終える。豆蔵は修復を終えた良守にすぐに帰れと命令。良守は虚空の穴に吸い込まれる感覚に襲われるが、聞きたい事があると言ってウロ様に近づく。
良守は帰れと命じる豆蔵を無視し、烏森の地についてウロ様に質問。良守が守りたい人のために知りたいと懇願すると、ウロ様は言葉少なに返答する。だが、人間が神の領域にいられる時間も限界に及び、豆蔵は良守をウロ様の空間へと投げ飛ばす。続いて、良守は緑の触手によって地上へ続く穴へと放り込まれる。そこで良守は訳がわからなくなり、手に書いた標を確認する。だが、良守は自分が誰なのかもわからなくなり、恐怖に怯える。
その時、良守は右腕に書いた時音の文字を見つけ、ハッと我に返る。そして、良守は繁守に穴から地上へ引き上げられて辛くも生還。時子はそんな2人を木の陰から見つめ、安堵の表情を浮かべる。夜、烏森学園を警護する時音は良守にウロ様の寝床の事を訊ねる。すると、良守は時音に助けられた事を思い出して赤面してしまう。翌日、ウロ様が現れた墨村家や烏森学園にコケや草、木が生えるなどの奇妙な現象が次々に起きていた…。
朝、利守と修史は町内の集まりに出掛ける繁守を見送る。その時、修史は小説の打ち合わせで出掛ける事を利守に伝える。この後、利守は登校中にガッチョこと三河島学(みかわじまがく)とコンタこと駒込太一(こまごめたいち)に声をかけられる。利守が宿題の話題を話すと、2人は宿題をやっていない事を明かす。そして、3人は三影山小学校へ。先生は宿題を忘れたガッチョとコンタに明日が期日の特別課題を命じる。
放課後、ガッチョとコンタは課題を手伝ってほしいと利守に頼む。利守は必死に頼む2人に根負けして手伝う事に。勉強する場所は2人の希望で利守の家に決まる。利守は怖い兄がいると説明し、大人しくする事を2人に約束させる。さらに良守の事を大袈裟に話して2人をビビらせる。この後、駄菓子を買い食いした3人は途中で時音と会う。時音は買い食いしたガッチョとコンタを注意。2人は時音の美しさに見惚れ、素直に反省する。
墨村家では、良守が泡立て器を片手にケーキを作っていた。帰宅した利守は怖い兄と説明した手前、ケーキを作る良守に落胆。ガッチョとコンタは拍子抜けしてしまう。この後、良守は修史が残したメモを発見。メモには夕飯を静江に頼んでおいた事、時音がその夕飯を持ってきてくれるかもしれない事が書かれていた。良守は上機嫌になり、勉強する3人にケーキを差し入れる。しかし、利守は勉強の邪魔をされて不機嫌になってしまう。
集中が切れたガッチョとコンタはお宅拝見と言って、屋敷の中を駆けずり回る。困った利守は結界術を使い、結界に激突した2人は昏倒してしまう。利守は友達に結界を使った事を反省して落ち込む。良守は兄として振る舞い、利守を慰め、気を失った2人も介抱する。この後、時音は夕飯のカレーを持って墨村家を訪ねる。時音は返事がないため、ドアを開けて薄暗い台所へ。そこで時音はゴキブリを見つけて絶叫し、駆けつけた良守たちの方にカレーをぶちまけてしまう。結局、良守と利守は出前を注文。今回の一件で、利守は良守を頼れる兄として少しだけ見直す…。
雪村家では、時音が道場で修業に励み、多重結界を張るコツを掴みかける。だが、時子は時音向きの技ではないと助言する。墨村家では、良守が道場に寝転びながら結界について考え、秘伝書の疑問点を見つけると繁守に矢継ぎ早に質問をぶつける。繁守は焦って結界の事を知ろうとする良守に対し、急がずに目の前の修行に励むように言葉をかける。
良守は烏森学園を警護中も結界の事を考え、斑尾に注意される。この後、良守は間時守が張っていた結界を再現しようと試みる。そこへやってきた時音は異様な気配を察して良守を心配する。だが、良守は子供扱いする時音に怒ってその場を離れてしまう。その頃、学園が見下ろせる丘には監視者の姿。監視者はこれから烏森に侵入する白羽児(しらはご)の一月(ひづき)、二月(ふづき)、三月(みづき)に作戦を伝える。
校庭の森を歩く良守に声をかける斑尾。斑尾は烏森の力を封印しようと考えている事を察し、危険がはらんでいるため、時音に内緒にしている事もお見通しだった。斑尾は無茶な事を考える良守をバカにしつつも応援する。この後、旋風と共に無数の白い羽が学園に舞い降りてくる。白羽児が侵入を開始したのだ。良守はすぐに一月を見つけて結界を放つが、取り逃がしてしまう。監視者は校舎の屋上からその様子を見物し、烏森や結界師のデータ収集を始める。時音は二月を結界で封じるが、二月は旋風の羽毛となって逃げていく。
良守は一度にではなく、少しずつ羽毛を封じる考えを思いつき、一部の羽毛を結界で囲む。一月は腕が元に戻らなくなるが、すぐに烏森の力によって腕を再生させる。この後、監視者が閃光弾を放つと、それを合図に一月、二月、土の中から現れた三月が反撃を開始する。良守は反撃を防ぎつつ一月の足を滅するが、またも足は再生してしまう。
この後、時音は二月を三重結界で囲んで滅する。すると、怒った一月と三月は合体して巨大な白い梟、白羽児に変化する。烏森で漲る力を手に入れた白羽児は良守、時音に鋭いクナイを放って攻撃を仕掛ける。時音は白尾と共に三重結界の中に入って防御するが凄まじい攻撃を受けて三重結界は消失。すると、良守は時音の周りに結界を張って危機を救う。良守は一部ではなく、丸ごと滅するしか方法はないと判断し、秘策を時音に持ち掛ける…。
良守はクナイも白羽児(しらはご)の体の一部と気付き、クナイが戻ったところを丸ごと叩く作戦を考え、時音に協力を求める。そして、良守と時音は別々の方向に走り出して行動を開始、時音は白羽児の頭頂に三重結界を張って白羽児の動きを封じる。すると、良守は大結界を形成して白羽児の頭部を滅する。良守は白羽児が体を再生させる時に羽を全部集めて力を溜める事に気付き、その時を狙おうと時音に提案する。
そして、良守は再生を始めた白羽児を先ほどよりも巨大な大結界で囲む。だが、結界は不安定で滅するまでの力がなく、良守は多重結界で囲むように時音に指示。その時、時音は時子の助言を思い出す。時音は自分にできる事を考え、矢のような鋭い結界で白羽児を串刺しに。その隙に良守は安定した大結界を滅して白羽児を退治する。そんな中、校舎の屋上から戦いを観察していた監視者の顔の半分が溶け落ちる。監視者は時音が放った式神に姿を見られ、烏森から脱出しようとするが、良守に発見されてしまう。
白羽児の仲間と気付いた良守が声をかけると、監視者は猛スピードで逃げていく。この後、監視者は烏森学園から脱出して森の中へと逃げ込む。その後を追う良守は最大級の結界で森全体を覆う。窮地に追い込まれた監視者は白(びゃく)から与えられた新開発の増強剤を取り出し、それを飲み干す。すると監視者の腕はメキメキと巨大化。監視者は腕を渾身の力で振り回して結界を切り裂くと、良守に襲い掛かる。
監視者の壮絶な攻撃で辺りは土煙に覆われ、良守は相手を見失う。結局、良守は監視者を取り逃がすが、戦いでできたミステリーサークルに監視者の腕が落ちていた。烏森学園に戻った良守は時音と共に監視者が落としたサングラス、斑尾が見つけた妖、監視者の腕などの手がかりの品を確認。内側がからっぽの腕を調べた良守は監視者が人間ではないと確信する。この後、良守はうっかり問題を抱えている事を話してしまい、時音に問い詰められる。良守は烏森を永遠に封印するという野望を仕方なく告白。時音は1人で危険に飛び込もうとする良守を注意し、協力する事を約束する。だが、良守は時音が危ない目にあったら意味がないと考えていた…。