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#080「カナダ/トロント」 11月15日(日) 午前10:25〜10:55


今回のお届け先はカナダのトロント。この街でストリートパフォーマーとして活動している柴田充さん(29)と大阪に住む母・真由美さん(54)をつなぐ。4年前にたった4万円を握りしめて日本を飛び出し、世界中を転々としながら活動してきた充さん。一人で暮らす母は「息子からはたまにメールが来るぐらい。健康でいるのか…食事はちゃんとしているのか…」と心配が尽きない。

充さんが普段活動しているのは、パフォーマー憧れの広場「ダンダススクエア」。市のオーディションをパスし、許可を与えられた5組しか演奏できないという。充さんはここで15種類の世界の民族楽器を組み合わせ、ひとりで演奏する独自のパフォーマンスを披露している。オーストラリアのアボリジニが儀式やヒーリングに用いるという「ディジュリドゥ」を始めとするこれらの珍しい楽器は、充さんが20才の時から6年間、世界中を旅しながら少しずつ買い集めたもの。そんな楽器を融合させて生み出す独自の音楽には不思議な魅力があり、集まった観客を釘付けにする。

月収はチップやCD販売で100万円を目標にしているという充さん。この日は150人のお客さんが集まり、約60ドルのチップを手にしたが、CDは売れなかった。「今日は60点。去っていったお客さんもいたし…。人が集まったりいなくなったりするのは僕にも何故か分からない。だからストリートは面白い」と充さん。最初の頃は一日中演奏してもチップがたった20セントしかなかったことも。草を食べてしのいだ時期もあったという。母に心配をかけるから…とあえて連絡はしないという充さん。翌日に参加した世界中の有名ストリートパフォーマーが集まるフェスティバルでは、日本円にして約12万円も稼ぎ、充さんは「お母さん、大丈夫です(笑)」と笑顔で呼びかけた。そんな充さんの姿に、母も「(お客さんは)数人ぐらいかと思っていた。逞しいですね」と驚きながらも安心したようだ。 共働きだった母を助けるために、小学生の時から家事や洗濯をしていたという充さん。「オカンはほんま弱い人。だから"自分がしっかりしないと""オカンの面倒は俺が見る"って言ってたんですが…。今はこんなところにいますけどね(笑)」とバツが悪そうに笑う。大好きな母を一人日本に残し、わがままに自分の夢を追い続けていることに負い目を感じているのだ。

そんな充さんへ、母からのお届け物は、充さんが大好きだった手作りのお好み焼き。一口食べた充さんは「おかんが作った味や…逢いたくなる」としみじみ。そして、息子を送り出してから初めて書いたという手紙には、「自分の道を着実に歩いて頑張って…。オカンも頑張るから!」と、母の想いが綴られていた…。