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#075「フランス/コルシカ島」 10月11日(日) 午前10:25〜10:55


今回のお届け先はフランス・コルシカ島。3年前、30歳にしてすべてのキャリアを投げ捨て、愛する人を追いかけてこの島に嫁いだ亜理砂・須田バッチさん(34)と、茨城県に住む父・吉男さん(62)、母・春代さん(62)をつなぐ。「望んだ人と一緒になって幸せならそれでうれしい」「心配はしていない」と、娘の決断を理解し、送り出した両親だが、「向こうのご家族や周りの方とちゃんとコミュニケーションがとれているのか…」と、嫁ぎ先での様子は気になるようだ。

以前、ニューヨークでIT関係の仕事をしていた亜理砂さんは、仕事一筋で結婚にはまるで興味のないキャリアウーマンだった。だが30歳のとき、現在の夫・ジャン=ジャック・バッチさん(34)と出会い大恋愛。ところが半年後、彼が突然故郷コルシカ島へ帰ることに。2人の恋は終ったかに見えたが、2ヵ月後、亜理砂さんはそれまでのキャリアをすべて捨てて、彼を追いかけたのだ。これには山口智充も「情熱的な方ですねぇ」と感嘆する。亜理砂さんは「結婚の約束はしてなかったんですが…押しかけ女房ですね(笑)」「コルシカに住むのは不安だったけど、この人のそばにずっといようと思った」と、当時の気持ちを振り返る。

こうしてスタートしたコルシカ島ポルト・ヴェッキオでの結婚生活。二人は生活のために日本酒輸入販売の事業を始めた。扱うのは、日本のものを紹介したいと考えた亜理砂さんと、日本の食文化に魅せられたジャン=ジャックさんが、日本の蔵元と1年かけて共同開発した日本酒。2人は地道な営業活動を続けてきたが、ワイン文化をもつフランスで日本酒を売るのはたやすいことではなく、まだまだ安定した生活費を得るには至らないのが現実だ。

今は毎日2人して銛を手に海に潜って魚を捕り、自給自足に近い生活をする亜理砂さん夫婦。NYの摩天楼を闊歩するビジネスウーマンから魚を捕る島の嫁へ——亜理砂さんの人生は激変した。コルシカに渡ったときにはフランス語がまったく話せず、急激な環境の変化に戸惑うことも多かったという。休日になるとジャン=ジャックさんの両親の家に親戚が集まるが、コルシカの人々はファミリーの絆がとても強く、「何でもしゃしゃり出てくる(笑)。日本人の家族とはまったく違う」と亜理砂さん。それでも、そんな団らんの中にいると、いつも日本の家族のことを思い出したという。今ではバッチ・ファミリーにすっかり受け入れられているが、この3年、言葉や文化の違いに戸惑い、「何度も日本に帰りたいと思った」と涙ながらに話す。「そんなとき支えてくれたものは?」という問いに、亜理砂さんは「夫の愛ですね」ときっぱり。娘からコルシカでの苦労話を聞くのは初めてという両親は、驚きを隠せないようだ。

そんな両親から亜理砂さんへのお届けものは、いなり寿司。よく母と一緒に作ったという、家族の思い出が詰まった我が家の味だ。添えられた手紙には「遠く離れていても、亜理砂は大切な娘であり家族です。困ったこと辛いことがあったらいつでも相談してください」と綴られていた。亜理砂さんは「この3年は必死だった。両親には心配をかけたくなくて何も相談できなかったけど、これからはできるかもしれない…」と、両親の想いに触れて涙が溢れる…。