次回予告 バックナンバー 地球便マップ ディレクターの取材こぼれ話 募集
今回の放送今回の放送

#049「ウルグアイ」 3月29日(日) 午前10:25〜11:25


■内容

今回の配達先は、南米・ウルグアイ。14年前、ブラジル人の夫と2人の娘を連れて日本を飛び出した千田栄子さん(42)と、母・時子さん(67)、妹・訓子さん(37)をつなぐ。一通の手紙が届いて以降、音信不通に近い状態になっている娘を心配するお母さん。夫との離婚、そしてウルグアイ人との再婚、出産など断続的に伝わってくる娘の情報に、お母さんは泣いて暮らしていたという。

「どんなところが一番見たいですか?」と山口が尋ねると、「日常の生活と、ブラジル人との子供のこと、新しく生まれた子供のこと、全てです」とお母さん。

14年前に日本を離れ、音信不通になったオペラ歌手の娘へ、母の想いを届ける旅は、19500キロ、およそ39時間の旅。栄子さんが住んでいるのは、ウルグアイの首都モンテビデオの中心地から車で20分ほど離れた田舎町。栄子さんは、夫のフェデリコさん(41)と、息子のダヴィドくん(3)、そして夫のお父さんと4人で暮らしている。実は、フェデリコさんもオペラ歌手。舞台での共演をきっかけに出会い、4年前に再婚した。

ブラジルに渡ってから、一度も定職に就くことが無かった前のご主人とは悩んだ末に離婚。しかし、裁判の結果、栄子さんが日本人であることなどを理由に、3人の娘たちの親権をとることはできなかった。今もブラジルで暮らす3人の娘とは離れ離れで、たまにしか会うことができない。そうした難しい状況が整理できるまで、親に余計な心配はかけたくない、そんな気持ちから栄子さんは日本の家族に連絡ができなかったのだという。

ブラジルでの辛かった過去を経て、ようやく安定した生活を手に入れた栄子さん。しかし、前の夫が働かず、収入が無いため離れて暮らす3人の娘たちに養育費を払い続けている。そのためウルグアイでの生活は決して裕福とはいえない。日本に帰ることができないのには、そうした経済的な事情もあった。

「3人の娘たちともう一度一緒に暮らしたい」、そんな想いでこれまでに7回も訴訟を起こした栄子さん。しかし、未だその願いは叶わず、娘たちとは栄子さんがブラジルに行った時にだけ、会うことが許されている。

「人生の苦労が声を磨いていく」。計らずも負ってきた、数多くの心の傷…。それが、彼女をオペラ歌手として大きく成長させたのだ。

栄子さんは、ここ数年、新しい活動を始めている。それは、スラム街で育った子供たちからなるオーケストラで歌うこと。一切報酬は受け取らず活動をしている。そんな子供たちとのコンサートが1ヶ月後に控えていた。

栄子さんへ、お母さんからの届け物は、「20年前、栄子さんがお母さんから譲り受けた着物」。いつか栄子さんが帰ってきた時のためにと、お母さんが大切にしまっていたものだ。添えられた手紙には、「栄子にはもう会えないかもしれない。この着物を着て、たまには私たちのことも思い出してください。子供たちのこと、頼みます」と綴られていた。それを読んだ栄子さんは、涙を流して…。

一ヵ月後に行われた子供たちとのコンサート。そこにはお母さんから届けられた着物を着てステージに立つ栄子さんの姿があった。日本を飛び出して14年、数々の苦労を乗り越えてきた栄子さんは、最後に日本にいる家族への想いを高らかに歌い上げるのだった。














MAP

目的の地域を拡大表示させたい時は?

アイコンを地図の中央に持ってきて
左の「+」ボタンを押すと地図が拡大し、アイコンの示す地域により近付く事が出来ます。
同じように、「−」ボタンを押すとより広範囲の地図を表示することが出来ます。

地図を動かすには?

左上の「↑」「↓」「←」「→」を押すことで、地図を上下左右に動かすことが出来ます。

目的の場所を空から見てみたい!

右上の「地図」「航空写真」「地形」をクリックすることで、地図の表示を変えることが出来ます。
例えば、「航空写真」をクリックすると目的の地域を衛星写真および航空写真で表示することが出来ます。