日本と海の向こうをつなぐのは、山口智充。
今回の配達先は、ドイツ東部の街、ライプツィヒ。
ドイツでプロのハンドボールプレイヤーとして活躍する・石黒将之さん(26)と愛知県春日井市に暮らす父・孝さん(54)、母・育世さん(51)をつなぐ。将之さんの実家は、400年続く神社でお父さんは十九代目の神主。代々神社を守らないといけない家系だが、将之さんの夢は次のオリンピックで日本代表に選ばれることだという。
「将之さんは、いつからハンドボールをやってられるのですか?」と山口が聞くと、「中学生の頃からで、最初は私が教えていたけれど半年で抜かされた」とお父さん。
ドイツへは、飛行機で11時間、9000キロの旅。
将之さんは、ハンドボールプレイヤーとして日本の実業団で活躍していたが、世界で一番強いリーグでプレイしたいと2年前に単身ドイツへ。
ドイツではハンドボールはサッカーと並ぶほどの人気があり、プロチームは1部リーグから4部リーグまで、その数は300以上。1部リーグには年収1億円を超えるスター選手もいるという。
将之さんは昨年まで4部リーグに所属。その頃の給料は月3万円。光熱費を払うのも大変でロウソクですごしていたという。その後将之さんの実力が認められ、今年から3部リーグに昇格。日本の大学卒業初任給程度の月給と車、そして住む所が支給されるようになった。全ては、結果を出すことで認められる厳しい実力主義の世界なのだ。
将之さんは、全体の動きを把握してゲームを組み立てる司令塔役。そんな将之さんをチームの監督は「生意気なところもあるがおもしろい男。スピードのあるいい選手」と称賛。チームの将来を左右する開幕戦では、連続得点をゲットするなど試合の流れを作るが…
将之さんへ、日本の両親からの届け物は、「ハンドボールを始めた頃の写真」と「父と母からの感謝状」。そこには、家のことは気にせず、今は夢を追いかけろという両親からの応援メッセージが込められていた。次のオリンピック代表に選ばれるのが、ハンドボール人生の最後の目標という将之さんにその後はどうするつもりなのか、その胸の内を聞いてみると…