日本と海の向こうをつなぐのは、山口智充。
今回の配達先は、インドシナ半島の東の端、ベトナム。
ベトナム最大の都市・ホーチミンで「日本のお好み焼きを広めること」を夢見てお好み焼き屋を営む長谷川博信さんと、京都市に住む妻・恵子さんをつなぐ。実は博信さんはベトナムに行く前から家族と別居している。
「何が原因で別居したのですか?」と山口が聞くと、「相手の酒癖の悪さです」と恵子さん。6年前、夫婦げんかから博信さんが家を飛び出し、その後家族には何も告げずベトナムへと渡ったという。3人の息子と暮らす恵子さんは、「もし今、仕事をがんばっているなら、いつかやり直してもいいかなという気持ちもある」という。
日本を出発して6時間、3900キロ離れたベトナム・ホーチミンに到着。
アジア有数のグルメタウンとしても知られる街。そこで博信さんは、お好み焼き屋を営んでいる。博信さんの、一番の悩みは、原油高による小麦粉の高騰で、オープン当時より3〜4倍の値段になっている。小麦粉を大量に使うお好み焼き屋だけに大打撃を受けており、この4月から赤字が続いているという。経費削減のため、お好みソースや紅しょうがは手作りしている。さらにこの時期ベトナムは雨季で、スコールの為町中が大洪水になり電気が使えなくなることもしばしばあり、客足が遠のくことも。なかなか順風満帆とは言いがたい状況だ。
博信さんが住むのは、3階建ての借家。父、そして友人と3人暮らし。9万円の家賃は折半。今、ベトナムは不動産バブルが起こっており、15〜30万円が相場のため、これでも安いほうだという。1週間位の軽い気持ちでベトナムに来たので、家族の写真などは一切持ってきていないという。
博信さんに家族への想いを聞いてみると、「関係を崩してしまったのは、自分。自分が悪い。なかなか清算できるものではない。まだ、今の自分では会いに行けない。いつか商売を軌道にのせて、ベトナムと日本を行き来できるようになるのが夢」と語る。
恵子さんからのお届けものは、「子供たちと作った写真付きのメッセージボード」。
6年ぶりに見る家族の写真とみんなからのメッセージを見た博信さんは目に涙を浮かべて…