#021「オーストラリア/トゥーンバ」　9月7日（日）午前10：55〜11：25

■内容

日本と海の向こうをつなぐのは、山口智充。
今回の配達先は、広大な土地にカンガルーが駆けるオーストラリア。
馬が好きで中学時代からジョッキーを目指すも、ＪＲＡの試験に不合格。
夢を諦めきれず、最後の望みをかけてオーストラリアに渡った安部将之さん（２７）と、
大阪府羽曳野市に住む両親、安部 聡さん（５４）、京子さん（５４）をつなぐ。

「何が心配ですか？」と聞く山口に、「よく落馬している。救急車で運ばれたりしているらしい。
それが心配」と母。

日本から飛行機で９時間、7300キロ離れたオーストラリアに到着。ブリスベンから車で２時間。将之さんの住むのは、オーストラリアの東に位置する田舎町、トゥーンバ。将之さんは、オーストラリアに来て８年。ジョッキーデビューして３年、通算成績は２５勝というまだまだ駆け出しの新人だ。

将之さんは、競馬場に近い一軒家で一人暮らし。家賃は約８万円。収入は厩舎からもらう16万円の月収とわずかな賞金。賞金といっても地方競馬なので優勝しても３万円ほど。しかも常に危険と隣り合わせだ。
今年の５月、将之さんはレース中に落馬。眉間を縫う大怪我を負った。その落馬以来、恐怖心からか思うようなレースが出来ず、勝利はゼロという。「体がびびってしまっている。今は自信を取り戻したい」と将之さん。

将之さんが出場するのは、ダルビー競馬場。ランクは日本の地方競馬と同じくらいだ。イギリス同様、オーストラリアも競馬は格式ある娯楽で女性は帽子や髪飾りで正装して観覧する。将之さんが騎乗する馬はこのレースがデビュー戦。強い馬にはなかなか乗せてもらえないのが現状だそう。コースは1200ｍ、14頭だてのレース。結果は１２着と惨敗。

落馬の恐怖心から、何とか立ち直りたいという将之さんに日本の両親からのお届けものは…両親が将之さんがジョッキーを志した頃から、どんな小さな新聞記事も大切に保管してきた手作りのスクラップブック。
デビュー当時の熱い気持ちを思い出してほしい、という両親の思いが込められていた。それを見た将之さんは「励みになります」とつぶやいて次のレースへと向かう。そこで奇跡が起こり…