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#018「ウクライナ/キエフ」 8月3日(日)午前10:55〜11:25


■内容

日本と海の向こうをつなぐのは、山口智充。
今回は、羽曳野に住む片岡是浩さん(71)、綾子さん(66)ご夫婦と、
ウクライナに住む息子・浩史さん(39)をつなぐ。

「ウクライナに行かれた事は?」という山口の質問に、父は「行った事もないし、息子がなぜウクライナに行っているのかわからない。大好きな研究をしているようだが、収入が少なく生活基盤が固まらないのが両親としては心配」だという。

日本からウィーンを経由して飛行機で20時間、10700キロ離れたウクライナに到着。浩史さんが住む首都・キエフは、1000年以上の歴史をもつ東ヨーロッパ随一の古都。世界一美人の多い場所ともいわれる美しい町だ。浩史さんは日本人として初めて、ウクライナのキエフ大学で博士号を取得し、現在は民俗学博士として国立科学アカデミーの研究員をしている。民俗学というのは、民族の文化や風習、生活様式などを研究する学問の事。もともとは、東スラヴについて研究をしていたが、突き詰めると全てがウクライナに行き着いたのだという。

現在、ウクライナ経済はバブルの最盛期で都市化が進んでいる。この1年で自動車保有率が40%あがり、物価も上昇している。そんな中、浩史さんの給料が上ったのかといえば、「教師、医師、研究者は名誉職のため、変わらない」とのこと。平均初任給が約5万円のウクライナで浩史さんの給料は約3万円と生活はかなり厳しい。しかし、ウクライナ民俗学を研究する環境が日本に無く、ウクライナを離れることができない。

とある休日、浩史さんは、郊外の墓地へと向かった。外国人を受け入れない保守的なウクライナで、日本人である浩史さんが博士号を取れるように奔走してくれた恩師の墓参りをするためだ。浩史さんの指導教官だった恩師は、博士審査の翌日倒れ、そのまま帰らぬ人となった。浩史さんは、その恩師とウクライナ民俗学をいつか日本で伝えていくという約束を交わしていた。

「日本に帰る予定があるのか?」とスタッフが尋ねたところ、「研究が無ければ、今すぐにでも日本に帰りたい。両親を守りたい。でも自分にとって研究はすごく大切なこと」と人生の岐路に立つ複雑な心境を明かす。

父親からのお届けものは、ウクライナでは手に入らない大阪・泉州の名物、水ナスのぬか漬け。浩史さんの故郷の味だ。添えられた手紙には父親が浩史さんと同年代だった頃に左遷された事、そしてそこでの人との出会いや経験が人生の大きな糧となったことが記されていた。父親からのメッセージを受け止めた浩史さんは決意をあらたにして…











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