日本と海の向こうをつなぐのは、山口智充。
今回は、岐阜県各務ヶ原市に住む妻・筋田百合子さん(61)と、
会社を早期退職し単身ネパールで暮らす夫・筋田雅則さん(62)をつなぐ。
日本からタイのバンコクを経由して飛行機で14時間、5250キロ離れたネパールに到着。
雅則さんが住むのは首都カトマンドゥの中心街から歩いて15分の所にある住居兼旅館の建物。家賃は月2500ルピー(約42000円)。しかし旅館としての収入はほとんど無いという。海外からやってくるボランティアスタッフに無料で部屋を提供しているからだ。その費用のすべては雅則さんの退職金で賄っているという。
雅則さんは若い頃から山登りが趣味で、ネパールには60回以上訪れたという。その度に登山口にあるラムチェ村の人たちにお世話になっていた。その恩返しに、第二の人生をラムチェ村の教育支援に捧げようと決意したのだ。
ラムチェ村は、標高3200メートルの山岳民族の村。カトマンドゥからバラビシというラムチェ村の玄関口までバスで5時間、そこから山道を3時間登ったところにある。ラムチェ村が抱える大きな問題、それは収入を得られる産業が全く無いということ。昔ながらの自給自足の生活を送っているが、ラムチェ村の男性は働かない。労働力となるのは女性と子供で、子供たちは学校の勉強よりも家庭での仕事を優先するように教えられているのだ。
「ラムチェ村の人々が持つ教育に対する考え方を変えてほしい。しかし人の考え方は10年や15年で変わるとは思っていない。自分一代の仕事だとは思っていない」と熱く語る雅則さん。その第一歩として毎週、ラムチェ村に通っては、一軒一軒子供のいる家庭を訪ね学校に通うよう説得してまわっている。そんな雅則さんのVTRを見て山口は、「支援というより革命ですね」と。
雅則さんの心の支えは現地の子供たちの笑顔、そして輝く瞳…。時にそれが、日本にいる4人の孫たちの笑顔と重なって見えることもあるという。雅則さんへのお届けものは、4人の孫たち手作りのメッセージブックとビデオレター。それを見た雅則さんは、日本の家族に見せたいからと、ある特別な場所へ案内してくれた。そして、そこで…