日本と海の向こうをつなぐのは、山口智充。
今回は、大阪府高槻市に住む一戸義男さん(75)、文子さん(77)ご夫婦とパラオのコロール島に住む息子・孝司さん(43)をつなぐ。孝司さんは両親とケンカをして家を飛び出したというが、「何が原因だったのか?」と聞く山口に、お母さんは「親から見れば息子はわがままやし、息子からしたらもっと親らしくしてほしいという想いがあったのでは」と。それから3年間まともに口もきいていないという。
孝司さんの住むパラオへは、日本からグアムを経由して飛行機で9時間。3200キロ離れたパラオのコロール島に到着。年間の平均気温が28度という常夏の国。第一次世界大戦から31年間、日本が統治していたこともありパラオ語になった日本語は、うどん、でんわ、こうちょうせんせいなど、800語を超えるという。
空港からタクシーでおよそ20分、パラオには住所という考え方が無く、人を訪ねる時は目印が頼りだ。聞いていた目印のガソリンスタンドを目指して孝司さんの自宅に到着。孝司さんは日本から来た観光客にパラオの観光スポットを案内する現地ガイドをしている。孝司さんの住まいは2LDKのアパート、家賃は月およそ39000円。きれいに片付けられ、日本では一度もしなかった自炊をし、パラオの生活になじんでいるようだ。
ツアーガイドの会社では副支配人の孝司さん。リーダーとして現地の人からの信頼も厚い様子。
一ヶ月に一日あるかないかの休日には、現地の女性が持ち寄った食材が並ぶ市場へ。中でも孝司さんのお気に入りは「タピオカスイーツ」というタピオカとココナッツミルクをまぜて作ったおやつ。日本で試食したところ、見ためは「たくあんみたい」とお母さん。味は「ういろうみたい」とお父さんと山口。
「ケンカをして実家を飛び出して3年、母の心臓がよくないのが心配だが、姉夫婦が一緒に住んでいるから安心している。自分は親不孝だ。」と孝司さん。 昨年、日本に帰ったときの実家での滞在時間は1時間。お母さんが孝司さんの大好物のコロッケを用意してくれていたにも関わらず、一口も食べずに出て行ってしまったという。そのことを孝司さんは今も悔やんでいる…。両親の心配は孝司さんが独身だということ。
日本からのお届けものは孝司さんが実家に残していた自作のアルバム。お母さんからの手紙も添えられていた。手紙には孝司さんの健康を気遣う言葉と、「このアルバムの続きには、あなたの奥さん、そして子供の写真を貼っていってほしい」とのお母さんの気持ちがこめられていた。
涙ながらに手紙を読み終えた孝司さんは、翌日、「紹介したい人がいる」とスタッフを浜辺につれて行く。とそこには…