海の向こうの大切な人に大切なモノを届ける「グッと!地球便」
今回の配達先は、アメリカのボストン。7年前、40歳で全てのキャリアを捨て渡米。今は黒人教会のゴスペルのピアニストとして活躍する女性に母からの贈り物を届ける。それは、ボストンでは味わえない娘の大好物の…
日本と海の向こうをつなぐのは、山口智充。
今回は、大阪府富田林市に住む浅見健三さん(77)和子さん(71)ご夫婦とアメリカ・ボストンの黒人教会でゴスペルのピアニストとして活躍している一人娘、典子さん(47)をつなぐ。ゴスペルのピアニストという職業とボストンという街に興味津々という山口だが、果たしてその生活とは…
大阪からアメリカのシカゴ経由で18時間。11,000キロ離れたボストンに到着。典子さんの住むボストンは、マサチューセッツ州の州都。ハーバード大学やマサチューセッツ工科大学など69もの大学がある学園都市で、松坂投手の所属するプロ野球チーム「レッドソックス」の本拠地でもある街だ。典子さんはこの街の黒人教会でゴスペルのピアニストをしている。
アメリカへ移り住んだのは7年前の40歳の時。日本でピアノ教師をしていた典子さんはこのまま50歳、60歳と歳を重ねて人生を振り返った時に後悔するのではないかと焦燥感を感じ、全てのキャリアを捨て、住んでいたマンションも売り払いアメリカのバークリー音楽大学へ入学。その後ゴスペルと出会い第二の音楽人生を歩みはじめる。
黒人教会の聖歌隊のメンバーはこの街に住む主婦、そしてプロの歌手として活躍していたブラザーホワイトさん。ゴスペルは、奴隷としてアメリカに連れて来られたアフリカ人がキリスト教と出会い、独自のリズムと賛美歌を融合させて生まれた音楽。典子さんは歌の伴奏だけでなく牧師さんの説教にタイミングよくピアノで合いの手を入れ、盛り上げる役も担っている。そしてそれはすべてアドリブだという。
その様子を見て山口は「ミュージカルですね」と感動。
典子さんが黒人教会でピアニストを始めて4年。最初はリズムやノリが自分にないものだったので戸惑いの日々だったそう。聖歌隊のメンバーは典子さんのことを「世界一のピアニストだ」「仲間の一人よ」と絶賛しておりみんなから愛されている様子。そのVTRを見て、日本の両親も「優しくしていただいているようですね」と一安心。
最近、典子さんがボストンで見つけた新たな夢があるという。それは、奴隷だった頃に作られ、作曲家もわからない賛美歌たち、聖歌隊のみんなが祖父母たちから聞いた讃美歌たちを楽譜に起こし後世に遺して行く、という作業だ。
お母さんからのお届けもの、それは「たこ焼き器」。典子さんの子供のころからの大好物。それを見た典子さんか感嘆の声をあげて、さっそく久しぶりのたこ焼きつくりに熱中する。
翌日、お母さんにお返しと、典子さんは聖歌隊のみんなと歌のプレゼントを贈ることを計画する。
地球の裏側で自分の無事を祈ってくれている母へ娘が送るゴスペルとは…