• 『アニメ村のステキな住民たち』アニ民178人目
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  • 2013.03.14

 今週のアニ民は声優の田中秀幸さんです。ここではいつものように秀幸さんと呼ばせてもらいます。秀幸さんと初めて会ったのは1987年2月「シティーハンター」です。「シティーハンター」は最初から原作のエピソードを中心にストーリーを進めていきました。

 特に1987年のゴールデンウィークに放送された第5話「グッバイ槇村 雨の夜に涙のバースデー」で主人公・冴羽リョウの相棒・槇村が殺されてしまい、その妹・香をパートナーにするあたりでベースストーリーが完成します。そしてややハードボイルド調だった物語の展開が、肩の力がおりたように“モッコリ調”に、本来の「シティーハンター」になっていくのでした。

 というわけでその槇村を演じてもらったのが秀幸さん。画面では表現されないリョウとの長い付き合いが、その短いやり取りでまざまざと浮かび上がる。リョウを演じる神谷さんの二枚目ヴォイスと秀幸さんのソフトトーンな演技の応酬に、見ていてトリハダがたった感覚を覚えています。さらにこの時点で槇村に下の名前がついていなかったので、せっかくならと秀幸さん本人の名前をつけさせてもらって、ここに槇村秀幸が誕生したのでした。

 この槇村の登場は2005年「エンジェル・ハート」まで続きますが、リョウと対象的なキャラクターであるにもかかわらず、二人のコンビは抜群で出てくる度に、何というか“最高の友情”を感じられるのが快感でした。

 そしてこの頃は同じ沿線に住んでいたこともあって良く一緒に集っていましたね。ほぼ“沿線友の会”状態な集まりがとても自由で楽しいもの、あんな時代もあったなあって妙に感慨深いです、ハイ。

 次にお付き合いしたのが「魔法騎手レイアース」で(炎神レイアース)です。これは主人公の中学2年生女の子3人、光・海・風の守護神、海神セレス=玄田哲章さん、空神ウインダム=大塚明夫さんという、文字通り3人の重量級やりとりが特筆モノで、雄大なストーリーにさらに重厚なスケール感を与えてくれるものでした。

 というわけで長いお付き合いですが、とにかく「名探偵コナン」です。なんて言ったって主人公の父親・工藤優作を演じてもらってますから。もう唯一コナンがアタマ上がらないのが“オヤジ”なんですよね。たまにびっくりさせられるコナンの行動、ハワイで射撃練習させてもらったりヘリコプターや飛行機の操縦をさせてもらったり、これらすべてこの優作のおかげなんですから。

 そしてそれを演じる秀幸さんの、コナンが乗り越えられないオヤジのカッコよさったらありません。実はたまにコナンでかかる挿入歌「仮面ヤイバー主題歌」のアタマナレーションも秀幸さんです。そういえばナレーションでも秀幸さんはずいぶん活躍してますよね。

 僕の一番はやっぱり映画「ベイカー街の亡霊」かなあ。今は亡き脚本・野沢尚さんが父親としての息子に対する想いを、優作とコナンに重ね合わせた列車上のシーンは秀逸でした。めったにないはずのコナンの弱音もこのお話では優作の大きさあってのこと。秀幸さんの愛情あふれ体温感じる演技にコナンも観る方も一緒に包まれていました。

 そんな秀幸さん、今放送している「工藤優作の未解決事件(コールド・ケース)」で登場してくれています。3月16日放送はその後編。コナンから見た久しぶりのオヤジとその記憶。なぜ未解決だったのか、その辺の味わい深いお話も秀幸さんの優作があのソフトトーンで説明してくれてますよ。

 さて秀幸さん、次はまたいつ優作が登場するかわかりませんが、そろそろ件の沿線の会などいかがでしょうか。また秀幸さんの体温あったかいソフトトーンを聞きながら美味しいものを食べたいものです。