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『アニメ村のステキな住民たち』アニ民18人目
- 2009.12.10
今週の住民は「犬夜叉 完結編」音楽・和田薫さんです。
先週に引き続き絶好調「犬夜叉 完結編」からのアニ民ですが、和田さんとの初対面は1997年「金田一少年の事件簿」の打ち合わせです。初めの印象はそのルックスからちょっと育ちの良いでもセンの細い“貴公子”な感じを受けたことを思い出します。
実は「金田一少年の事件簿」はTVシリーズの直前に、映画を一作作ってます。僕はそのスタッフに入ってなかったので、実際の音楽制作をゼロからお付き合いさせてもらったのは、直接電話でコンタクトさせてもらった2000年10月からの「犬夜叉」TVシリーズからであります。
僕にとっては貴公子の印象であり「金田一」の音楽の和田さんだったのが、なぜ「犬夜叉」の音楽でまず直接電話をしてしまったか。それは和楽器が得意なので「犬夜叉」にピッタリじゃん、ではなくて本当に和田さんの人柄そのものに対してでした。金田一で何度かお会いするうちに、コンポーザーとしては稀有なやわらかい人当たりをされるところを何度か感じ、この方とはもっと一緒に仕事したいと思わせてくれたのです。
その思いは正解でした。まず「犬夜叉幻想」をはじめとする劇伴音楽の素晴らしいメロディ、クオリティの高さはお聞きのみなさんならわかるでしょう。和楽器をそのツボと思えるところで柔軟に駆使、それでいてワールドワイドな肌触りの音楽は比類ないものです。さらには人間関係っていいなあ、と思える奇妙な縁もいろいろいっぱいあって、文字通り公私共に今もじっくりとお付き合いできてます。
あれは2003年、<喚起の時>と題したサントリーホールでの派手にもステキな晴れ姿。2007年、<喚起の時II>千駄ヶ谷の津田ホールで浴びた尺八や三味線、和太鼓が乱れ飛ぶ強烈な和田さんワールド、そしてさすがにどちらとも現地へは行けなかったのですが、昨年4月のシアトルそして今年8月ドイツでのケルンフィルハーモニーでの世界をまたに掛けた和田さん音楽。なんと後者はネットで生配信されたんですよね。まさに本当に「犬夜叉幻想」が世界を駆け回ってくれてます。
山口県は下関駅近くの「割烹 寿美礼旅館」は和田さんのご実家。そこに季節を選んで金田一や犬夜叉のスタッフたちでチームを組んでお伺いしてはや10年超。旅館の特別ルームに昨年オープンした「薫 the room」にはビックリします。これはもはや“和田さん博物館!”そこには僕らの知らない頃の和田さんの素顔もいっぱい。ここでの夕食には毎回異常に大満足、現地ではフグのことをフクと呼びますが、まさにたらふく幸福、参加者全員明日の作品作りの英気が養えます。和田さん、どうかこれからもつむぎ出すメロディが番組にも我々スタッフにもハッピーな彩りを与えてくれますように、いっぱい時間をご一緒してくださいね。