• 『アニメ村のステキな住民たち』アニ民19人目
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  • 2009.12.17

 今週の住民は「犬夜叉 完結編」音響監督・楽音舎代表鶴岡陽太さんです。

 またまた引き続き絶好調「犬夜叉 完結編」からのアニ民です。それにしても鶴岡さん、仕事しすぎです。担当作品がいったいいくつあるんですか。直接音響監督された作品でも100を超えてますね。この業界に風雲を巻き起こしたタイトルや長く続いているものまで、その作品が鶴岡さんの実力のほどを示しています。

 犬夜叉で初めてお付き合いしたのが2000年、そこで僕とお互い同学年なのが発覚、40歳過ぎたばかりのアブラ?の乗った4年余りをご一緒しましたが、遊んでいるという姿を見たことがありません。以前の「犬夜叉」の音響すべてを制作していたのが新宿御苑近くにある「スタジオごんぐ」。コンクリート仕立てのおしゃれな建物の地下スタジオへ降りる時、いつも“骨喰いの井戸”を通ってタイムスリップするがごとく、現実から犬夜叉世界へ変異するような気持ちになっていたものです。

 建物やスタジオが経営者でもある鶴岡さんのセンスによって統一されてると確信したのが「犬夜叉 完結編」の新音響スタジオ・楽音舎「Studio 2010:」。ここもまた地下へ下りる階段と、ロビー天井を這い回る巨大な空調パイプがさらなる異世界を想像させます。パーフェクトな音響のため、ハコやそこの雰囲気さえも大切にしていく音作りに、こちら側も自然に作品世界へのアプローチができていきます。アニメーションはエンターテイメントで楽しいフィクションであるべき、みたいなメッセージがスタジオから感じられます。スタジオ作りも含めて鶴岡さんは、いったいどれだけの時間を音作りテーマにささげているのでしょうか。

 そんな仕事漬けの鶴岡さん、この日記の数回前に載せた犬夜叉役・山口さんと桔梗役・日高さんとの3ショット写真の場所は新宿ゴールデン街。実はお酒をほとんど飲まない鶴岡さんですが、逆に仕事のメドがつけば結構われわれに付き合ってくれてます。ぱっと見、物静かな印象ですが、その経験から湧き出してくる明るい会話の勢いは役者のそれをしのぐほどで、飲んでるこちらが負けてどうするといった感じです。

 そういえばあれは何年前かの、忙しいさなか針の目を縫うようにして参加してくれた「宮古島鉄砕牙ツアー」。短い時間を惜しむように身体を日に焼いた結果、全身が真っ赤になって大騒ぎした3人がいましたね。その中に鶴岡さんがいたのをスタッフ一同、まさかと思ったものです。だって沈着冷静がモットーのような印象な人ですから、そんな愛すべき一面をよけいにおかしく感じちゃいましたね。

 作品のクオリティはもちろん、キャステイングなど作品の中に存在するバランスみたいなものを重視して、見事な音響を仕上げていくプロフェッショナルな鶴岡さん。「犬夜叉 完結編」はまだまだ半分作業が残ってますが、また新たな作品世界でもその実力をお借りしたいものです。そのためにもまずはこの結束10年犬夜叉チームのイベントすべて?に参加してくださいね。