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アニメ企画の情報源
- 2010.06.10
僕のアニメーション制作の仕事における情報源で一番多いのはやはり雑誌になります。冒頭の2枚の写真を見てわかりますように、会社の僕のデスクをはさむように置かれたマガジンラックに約40誌が整然としています。どうもちょっとノーマルな仕事には見えないですよね。これらの雑誌をアニメ事業部員はじめYTV東京支社スタッフは自由に閲覧できます。一部は個人的に購入もしてますが、各出版社からのありがたい寄贈が多く本当に貴重な情報源となっています。
これらの雑誌をなんとかひととおり目を通していくわけですが、さすがにすべてのマンガ作品を読めるわけではありません。雑誌によっては半分くらいのマンガしか読まないこともありますが、とにかく週刊・隔週・月間など週に10冊くらいいかないと追いつけません。と書くとちょっとしんどいことのように聞こえますが、実はマンガそのものが趣味な僕としては願ったりかなったりで、新しい雑誌のページをめくるたびにうれしくドキドキしています。ほとんどを移動時間に消化しますが、その雑誌を持ち歩くために大きなカバンが必要で、以前は原作者先生に直筆してもらって有名だったジュラルミンケースが大活躍してたゆえんです。今は大きめなショルダーバッグですが。
各雑誌で注目するのはいろいろあるのですが、まずは新連載作品かな。なぜこの内容の作品なのか、どうしてこの時期に始まるのか。新たにヒット作品を作りたい育てたい、その志を持つ編集者や編集長たちの強い意志を感じられます。それと少々寂しい気持ちをもって連載終了作品も読みます。その作品が果たした役割やかなわなかった思いを受け取るように。
そんな雑誌原作やパワフルなオリジナル作品をもって、ここしばらく日本のアニメーションは世界に通じる(唯一の?)日本文化と言われてきました。しかし折からの社会不況にあおられたカタチもあって、全体的には地盤沈下を言われて久しい日本のアニメ産業となっています。ですがそれぞれの分野で活躍してくれてる大勢のスタッフのおかげで、世界中の若者たちの日本好き信仰を維持発展することが出来ていることは、この日記でもたびたび紹介している友人のコンテンツプロデューサー櫻井孝昌さんの連載(週刊アスキーや読売新聞木曜夕刊)で詳しかったりします。
日々シャワーのように降りそそいでくる膨大な情報に惑わされず、面白く魅力あるアニメ作品を作ってゆく。そこだけはぶれずにいきましょう。たとえうまくいってもいかなくても、世界中の人たちをも魅了する企画を開発するパワーだけは、朝起きれば浴びることができるまぶしくキレイな太陽の光のようにいつも発していきたいものです。