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『アニメ村のステキな住民たち』アニ民44人目
- 2010.06.10
今週は脚本家・柏原寛司さんです。
元来実写アクションもので有名なトップレベルのシナリオライター柏原さんを「名探偵コナン」に連れて来たのがこの欄でも紹介した飯岡さん。僕もルパンなどではお名前を聞いていたのですが、お会いするまではホントにやってくれるのかな、と半信半疑でした。いざお話してみるとミステリーやサスペンスものに非常に造詣が深く、口から出てくる話題が面白いものばかりで会話が弾み、みなさんご承知のように記念すべき「名探偵コナン」第1話2話は柏原さんに脚本をお願いしています。
ただそれからがコナンにとっては寡作の人でした。年に1回前後編あれば良く、毎年の忘年パーティーなどでお会いするたびに「来年は複数お願いしますよ」と言い続けてきました。その甲斐もあって?コナン10周年映画「探偵たちの鎮魂歌」11作目「紺碧の棺」をはじめ、TVシリーズでもここ数年、ユニークなオリジナルミステリーをいただいています。
柏原さんには4月放送された番組ANIMAX「創ったヒト」に僕のゲストとして出演していただき、そのキャラクターを見てくれた方も多いでしょう。見ておわかりのようにライターさんとしては破天荒な面が多いヒトで、「あぶない刑事」などの軽妙にして洒脱な会話やアクションがどのようにして湧き出てくるのか理解できます。ノーマルな質問に対しても意外な方から返してくるんですね。4本収録した「創ったヒト」の中でもひときわ異彩を放った回となりました。
先日もご自分の不幸体験からコナンに葬儀ネタを提案してくれましたよね。読んで笑ったりしてとっても不謹慎でスミマセン、さすがにそれは遠慮しておきますね。そんな柏原さんはシナリオ会議中も「オレはこの話のココが描きたいんだ」とはっきり言って譲りません。30分のストーリーにしなければならない、ゆえに書きたいことがぶれてしまう、くらいならもう書かない、いつもそんな勢いです。なので視聴者に対してもシンプルでわかりやすく元気な作風になるんでしょう。コナンの中でもいくつか気に入ってる作品はあるのですが、柏原さんのこれ1本!と言うのなら2007年7月に放送した「リアル30ミニッツ」。とにかくあの「24」タイプをやろう、といってアニメでは前代未聞の同時刻オンタイムの生放送のような30分事件ものを上げてくれました。
TVのみならず実写映画の監督も務めたり、シナリオ講座の講師としても多くの後輩を輩出している柏原さん。コナンでもまた秋ごろユニークな視点のオリジナルが出てきそうです(あっ、それだとまた1年に1作のペースだぁ)。お酒を飲まないわりにそんな席が大好きな柏原さん、飯岡さんに混じってかわりにいっぱい飲んでさしあげます?ので、コナンに対する執筆ペースはもう少し増やしてくださいね。