• 養老孟司先生との5時間
  • 養老孟司先生との5時間

  • 2010.07.29

 いやー楽しかったなあ、7月24日京都国際マンガミュージアムで行われた地デジ化イベントでの特別セミナー。出席したのは館長・養老孟司先生に京都精華大学研究員・應矢泰紀さん、司会進行の中邨雄二ABCアナウンサー。テーマは「ボクたちの愛するアニメが、か・わ・る!」だったんだけど、それよりも参加者みんなマンガが大好きで、アニメとマンガが人に対して良い影響をおよぼす秘密を探る、てな方向に話が進んでいきましたね。僕は「名探偵コナン」に登場するサッカーチーム・東京スピリッツのチームシャツを着ての参加です。

 会場はモニタースクリーンをはさんで左右に2人づつ。中邨アナとはちょっと距離があったけど養老先生とはもろお隣の席。質疑などに対して的確に語られる先生の講義をすぐ横で拝聴する感覚。お話される体温までも伝わるくらいの距離でまず感じたことは、尊敬する手塚治虫先生と養老先生の共通する点は強烈に“マンガと昆虫”ってなこと。今回のセミナーで今の子供たちに必要なエキスが、実はこの両方にしっかり含まれているんだという理解をしましたよ。みんな昆虫を見たりさわったりするために野に出ましょう。そしていっぱいマンガも読んでアニメを見て、それぞれの感性に刺激を与え続けていきましょう。脳科学なんていう面からそう語られると、前向きに信じることが出来ますよね。

 とにかく顔合わせ打ち合わせからセミナー終了後まで約5時間、養老先生との時間は僕にとっても期待してた以上の楽しいものになりました。なんだかエネルギー充填完了、今まで以上にいろんなことを吸収していっぱいポジティブに発散していこうという気力充実。先生そしてスタッフのみなさま、本当にありがとうございました。

 さてアニメーションの制作自体は21世紀を迎えた頃には、セル画作業から完全にコンピューターへと移行してしまいました。そしてそれから約10年、来年の完全地上波デジタル化に対して、アニメ現場の準備は期せずして充分出来てきていると思います。横長になった画面構成に対する演出や工夫など、各制作会社も知恵をしぼってきました。これからの変化が、視聴者たちにとって気にならない変化とするために、大きい努力が払われてきたのは事実で、それが積み重なり実を結んできました。そう言えば放送素材として、この3月まで画角が4:3のアナログ素材も納品してもらっていたのが、現在はデジタル放送用の1種類でよくなったりして準備万端です。

 ただ視聴者のみなさまにはTVやチューナー、アンテナなどの新しいご負担をお願いすることになるのですが、でも今まで以上に番組に満足してもらえることになるはずですよ。京都市民に向けたこの日のイベントは、ゲストにザ・たっちの二人も登場、YTV越智常夫社長も僕と同じコナンシャツを着て登壇・ご挨拶、さらに各局の女子アナも浴衣で勢揃いするなど、ギラつく夏の太陽に負けない華やかなものになってましたよ。会場においでいただけたみなさま、本当にありがとうございました。

 イベントの打ち上げはなんと加茂川を見下ろす床!僕は人生初めての川床体験で、仕事上がりのスタッフとステキな京都の夕暮れを過ごすことができました。この時期お約束のようなビックリ雷と夕立にも見舞われましたが、ほんのちょっぴり熱をうばってくれた雨上がりの小路の風情はなかなかなものでした。冒頭の写真はセミナー時の養老先生との2ショット、セミナー参加者4人。そしてイベントのマスコミ用写真撮影の様子、そして夕立の後の川床です。