• 『アニメ村のステキな住民たち』アニ民51人目
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  • 2010.07.29

 今週は元アーツビジョン社長・町田泉さんです。

 最近声優になりたい若者が非常に多いそうで、そんな人たちのあこがれの一つが声優事務所でしょう。僕が知るだけでもその数は何十にもなりますが、町田さんはその中でも大手事務所のベテランマネージャーとして長い間お世話になった方です。

 町田さんに初めて会ったのは、まだ前事務所・ぷろだくしょんバオバブに居た頃ですよね。声優さんにちょっと無理めなスケジュールなどをお願いする時に大切なのは当然マネージャーさん。常日頃コミュニケーションをとっていることでいざと言うときのお願いがきくのですが、その点町田さんは僕にとって非常に頼もしい存在。誰の時とは言えませんが、お願い電話が何度も重なってしまったことがありましたね。番組に対しての理解ゆえの心地よい対応にすごく感謝したものです。

 バオバブからアーツビジョンに移籍されたのには驚きましたが、いろんな時の流れから結局アーツビジョンの社長になられたのはさもありなんです。本人にはその意思は無かったようですが、いわゆるマネージャーとしての必要な資質はもちろん、役者もスタッフも一緒に居て安心できるような人となりは、町田さんをこの業界のトップにするのにふさわしいものでした。でもその立場にいて、生涯一マネージャーという姿勢は少しもぶれていませんでしたね。そしてこのほどご都合により社長を退任されたのは、僕としてはとても残念なことでした。

 タレント事務所のトップとして中堅やベテランの役者に対しては当然ですが、例えば所属前の新人に対しても同じように親身になってあたられたその心労は想像を超えるものがあったのでしょう。たまに電話でお話しするくらいでは、僕はその苦労に対して何のお役にもたっていなかったですよね、すみません。 お住まいが近所なこともあって一緒に車で移動したり、近くの駅でばったり出会ったり、僕にとっては仕事の延長線以上にもろもろのお付き合いをさせていただきました。社長になっても全く変わらず、スタジオ現場のロビーで何度もお見かけしていましたし。

 バオバブの前には青二プロにも関わっていたと言いますから、その歴史は僕にも想像できません。もう40年以上もこの業界を走り続けてこられた町田さん。その経験値に裏打ちされた独特のキャラクターを、この業界は激しく必要としています。少し休憩されたあと、また現場でご一緒できることを願っています。…今までどおり、仕事じゃない打ち合わせも続けていかせてくださいね。