• 『アニメ村のステキな住民たち』アニ民59人目
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  • 2010.09.23

 今週は声優・松野太紀さんです。

 松野太紀さんと初めて会ったのは、お互い業界長いのにTVシリーズ「金田一少年の事件簿」オーディションでした。ここでは僕がいつも彼を呼んでいる“まつのくん”で表記します(おんなじですがしばしば、まっつのぉ、となったりしてます)。そこでの第一印象は「若い、かわいい、背が小さい」でした。若いのはともかく、かわいいと言うのは、少しぽっちゃりでありながら姿勢がいいあたりが珍しい印象だったんですよね。

 まつのくんの金田一はなんといってもちょっと金属的なビブラートを帯びた声の張りに特徴があります。謎解きやトリック解明の時などの長いセリフにおいても少しもそれが崩れずに、金田一らしい明快な推理が最後の最後まで見ているほうに流れ込んできてくれます。そしてなんとなくですが女性キャラに弱く聞こえるところもポイント。これは僕の主観かもしれませんが、いい意味で女性に甘え上手というか、だからこそ決して女性の上に立てないというか、これはおそらく本人に無意識に備わった才能と言えるのかも知れません。

 「犬夜叉」の鋼牙役も想像以上に好演してくれましたね。キャラが演技に重なった、かごめをめぐっての犬夜叉とのセリフバトルは、その絡み合わなさも手伝って、高橋留美子先生原作の面白さを強烈に倍増してくれてたのを思い出します。個人的には2人とも金田一一じゃん、ってつっこんでいましたが。

 最近はまつのくんを見るのは舞台上ばかりです。その昔からの「サクラ大戦」での矢尾さんとのコンビは抜群で、その身のこなし方は“極めた芸”ともいえるレベル。基礎の基本から歌って踊れるその役者ぶりは見ていて説得力を感じます。他の劇団メンバーに振り付けのお仕事までしているそうです。そんなこともあってか、巨匠・山田洋次監督の目にも止まり映画「隠し剣 鬼の爪」や「おとうと」などでも役者で登場。むつかしい役回りで見事な演技を発揮しています。…とにかく本当に役者が舞台が好きなんだよな。僕に送られてくるメールも公演案内ばかりじゃん。

 子役としてデビューしたというまつのくん。1985年にはあのフジテレビ月曜ドラマランド「転校生!おれがあいつであいつがおれで」に俳優として主演、相手役は石野陽子さん、86年にはパート2も放送したそうです。それ実は僕は見ているかもなのです。まつのくんに出会ってからそれに気付いた時はちょっと感動しちゃいました。

 とにかく公演後のスタッフ打ち上げでもいい、そのあとの空き時間でもいいので、また一緒に食事をしましょう話しましょう。ちょっとお酒が入って、まつのくんの大きな声を聞きながらうだうだしている時間がなんだかとってもうれしくて。そう言えば先週この日記でもお話した“金田一10年タイムカプセルイベント”、あれもレアなイベントで楽しかったなあ面白かったなあ。で最後の店、28時のイタリアンPではお互いあの時間にあのパスタ食べ過ぎ!というわけでこれからの10年も何かとどうかよろしくお願いしますね。