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中国西部動漫文化祭
- 2010.10.14
2010中国西部動漫文化祭 に参加してきました。開催された場所は中国・重慶のコンベンションセンター。なんてアッサリ書いちゃいましたが、みんな重慶ってどこにあるか知ってました?地図を見るとびっくり、もう少し下流に下るとかの有名な三峡ダムに至るというとんでもない内陸地。成田から飛びたった飛行機を上海でトランジット、そこからまた2時間のフライトで人口3000万人の土地へ到着します。
“霧の街”で有名だというこの都市はその名の通り天気がずっとはっきりしません。雨が降るような降らないような、ずっと雲がたれこめた状態が4日間続きました。でもこの街のシンボルは長江、そして長江と合流する嘉陵江です。水の色は濁ってますがこの流れが途中三峡ダムを経て、遥か下流の上海まで続いてる…その雄大なスケールを感じさせる景色が天気のことなど忘れさせてくれます。川に沿った何百もの超高層ビル群が時に香港やニューヨークのマンハッタンを想像させてくれます。
市の中心地から長江を渡った所にある巨大な建物で今回のイベントは行われていました。冒頭の写真の巨大な垂れ幕だけでもその規模がわかるでしょ。折りしも僕が訪れた10月1日は中国の祭日・国慶節にあたり、ティーンエイジャーのアニメファンのみならず、子供やお父さんお母さんらのファミリーのお客も目立ってました。冒頭あとの2枚の写真は会場の様子です。
今回のイベントに僕を呼んでくれたのがコンテンツプロデューサーの櫻井孝昌さん。先月「カラパゴス化のススメ」「〔捨てる〕で仕事はうまくいく」と2冊の本を別出版者から同時にリリースされました。日本の輸出文化の代表としてのアニメといわゆるカワイイ文化を国際的に語らせたら、今彼の右に出る人はいないでしょう。10年以上におよぶ彼とのつきあいからたくさんのことを学びましたが、海外の数多くのイベントや現場を実際にその目で見てきた彼の、“クールジャパンの最先鋒となるこれらサブカルチャーの実力を知らないのは当の日本人だけ”、という言葉には強い説得力を感じます。
メインステージに彼と並んで紹介されると、勘違いしそうな歓声と1000人を超える現地の人たちのまっすぐな視線が熱い。日本のアニメの面白い作品や魅力あるキャラクターを、ピュアに支持してくれるこのみなさんに伝えたいことはたくさんあります。これまでの多くのスタッフたちが築きあげてきた民間文化としての日本のアニメのステイタスに加え、「名探偵コナン」や「犬夜叉」など原作マンガ&アニメのクオリティの高さ、制作現場の実際をていねいに伝え、どんな国においても作品に対する正しい接点の持ち方を説いて行くことが大切なんだと思います。
それにしても今世界各国でこのようなアニメイベントが開催されていますが、感じるのはこのようなイベントの見え方に国の違いがほとんど無いことです。言い変えればどこ国のアニメイベントも同じような空気が漂ってるわけです。これは大きく言っちゃえば、どの国の人々の想いを同じにして世界平和にもつながるということですよね。
この2枚の写真は重慶の昔の町並みをシンボルにしたモニュメント。なぜか「ハウルの動く城」をほうふつとさせます。その川側に降りたところに建つ建物の夜景はまるで「千と千尋の神隠し」、奥の高層ビルとの対比が象徴的であります。3日目の午後からはさわやかな青空に覆われ、夜にはあまりの久しぶりに地元の人たちも驚くような星空が見られちゃいました。…今まで全く知らなかった重慶という街で大勢の日本のアニメファンに触れ、アニメにたずさわるひとりのスタッフとしての幸福を久しぶりに噛みしめることができた、今回はそんな原点回帰の旅になりました。