• ■1月31日
  • ■1月31日

  • 2005.01.31

 7日の「ブラック・ジャック」は「動けソロモン」を放送するよ。アニメーターが登場するお話なんだけれど、実はアニメーターさんが一番苦労するのは人間や動物が歩いたり、走ったりするシーンを描くこと。普通の動作を表現するのは簡単そうに見えて、本当はとても難しいんだよね。日常生活の動作を不自然なく描くことができるのは才能あるアニメーターの証拠。今、様々な人間型ロボットが開発されているけれど、人間のような動きをさせるのは困難だよね。アニメもそれと同じなんだ。

 アニメーターの仕事は原画マンと動画マン、それぞれ担当する作業が異なる。原画マンが描いた原画と原画の間を埋めるのが動画マンの仕事。例えば、座っている人の原画と立っている人の原画があるとするよね。動画マンはパラパラ漫画のように、その間の動作を描いて、座っている人が立ち上がるアニメに仕上げるんだ。この作業の出来はアニメーターのセンスにかかってくる。今回の物語は夢に向かって情熱を燃やすアニメーターのムサシが主人公。でも、作業をがんばれば、がんばる程、いい作品ができるけれど、時間と手間がかかってしまう。理想を追い求めるムサシは現実とのギャップに悩むことになるんだ。

 「ブラック・ジャック」は1話につき約300人のスタッフが携わっているけれど、人物や背景を描くアニメーターは半分以上を占めるんだ。この物語はアニメーターが主人公だから、原画マンも動画マンは特に思い入れを持って作品を作ってくれたんだ。ソロモンというライオンが走るシーンは枚数を増やして、本当に滑らかな動きをしているから注目してね。僕がこの原作を読んだのは高校生の頃。将来、まさか自分がアニメの仕事をするなんて思っていなかったなぁ。今回のブラック・ジャックが手術代として受け取るお礼には先見の明を感じるよ。さて、何を受け取るのか、楽しみに見てね。それにしても、原作の頃はそれに価値を見出す人はほとんどいなかったんじゃないかな。