• ■2月7日
  • ■2月7日

  • 2005.02.07

 今週の2月9日は故・手塚治虫先生の17回忌。7日放送の「動けソロモン」は先生へのオマージュとしてのアニメーターの話でもあったんだ。あのパンジャの動きをはじめ、そんな想いは皆さんに伝わりましたか?

 そして、今回は音楽についてのお話。現在、「名探偵コナン」と「ブラック・ジャック」の新しいオープニング曲、エンディング曲の選考時期なんだ。レコード会社の人が持ってきてくれる20曲以上の候補曲を全て聴いて、どの曲にするか、どんなタイプの曲にするのかを決める訳。放送開始から長いコナンはもちろん、ブラック・ジャックもどんなイメージの曲が良いかはレコード会社の人も知っている。だから、イメージに合う候補作を用意してくれるんだよね。こちらから歌詞の一部を直して欲しいと希望や注文を出すこともあるよ。

 僕は、番組のオープニング曲とエンディング曲というのは、本に喩えるなら表紙と裏表紙と位置づけしている。とても大切なものだから、1クールで替えるのはどうかと思うけれど、ある時期になったら衣替えする必要があると思うんだ。さらなる番組の成長という願いがあるし、新しいクリエーターのエネルギーも受けたいしね。新しい曲になるのは春から夏にかけてかなぁ。それに向けて準備を進めているからどんな曲になるか、発表を楽しみに待っていてね。

 丁度いい機会だから音響スタッフの仕事についても紹介するね。「名探偵コナン」と「ブラック・ジャック」、どちらも若い井澤基君が音響監督としてがんばってくれているんだ。音響監督は声優の演技付けから音楽、効果音までを総合的に演出するのが仕事。音響効果はB・Jが庄司雅弘さんで、コナンは横山正和さん。2人は効果音などを専門に扱うその道のプロで、ダビング作業の際、アニメに合わせて「ピコピコ」というピノコの足音などすごくたくさんの効果音を入れてくれるんだ。効果音は擬音といって道具を使って表現することもあれば、実際に生で録音したものを使うこともある。旅行の時に海の波の音や小鳥のさえずりを録音したり、誰かのコンサートに行った時に歓声を録音したり、日頃から音響効果のスタッフは、アニメで使いそうな音をいろんな場所で録音しているんだよね。そんなプロの技が生きて1つの作品が完成するんだ。