• 『アニメ村のステキな住民たち』アニ民84人目
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  • 2011.03.24

 今週はアクセル・佐藤真人さんです。

 名探偵コナン15周年をずっと支えてくれた人は何人かいますが、作品の監督とか演出面で長くお世話になった人はあまり多くありません。TVシリーズ放送開始当初から演出や絵コンテでかかわり、3代目の監督を務めてもらったのが、今回紹介する佐藤さんです。ちょうどこの日記冒頭で紹介した3月26日放送「1年B組大作戦!」は佐藤さんが監督の時期の作品です。

 佐藤さんと出会ったのはコナンが最初なんですが、「魔法騎士レイアース」でも絵コンテなどでお世話になっていたんです。コナンが始まると、各話演出やTVスペシャルなどずっと携わってもらい、2003年8月〜2008年5月TVシリーズの監督まで13年以上一緒だったのです。さてその佐藤さんの特徴と言えば、まず身体がデカいこと。お土産に買ってくるTシャツはLLサイズでもアブナイくらい。

 その身体から生み出される佐藤さんの演出スタイルは、ひとことで言うと見た目通りのパワフル!である事につきます。シナリオ会議などでも、トリックなどが成立するかしないか微妙な時にも、自らが気にいったストーリーの場合「後は絵コンテでやってみます」と引き受けて、いかにも佐藤監督の演出だなあという味わいを入れ込んでくれたこともしばしば。どの作品にもTVを見る方に対して、さあこれでどうだ!とばかりのエネルギッシュな色合いが毎回面白く目立ちました。

 あれは年末年始に毎年必ずコナンのTVスペシャルが放送出来てた時期、佐藤さんはそのスペシャルに対して必ずある信念を持って取り組んでいました。それは“映画に負けない作品をつくる”でした。実は映画とTVではメインスタッフがかなり違っています。同じコナンの長尺作品同士で別に敵でも競っているわけでもないんですが、スペシャル作品の監督として、気持ちの上でそのあと数ヶ月先に公開される劇場作品に対して、ライバル意識を持って取り組んでもらってたのは、僕自身にもすごく良い刺激になっていたなと思います。

 名探偵コナンの監督を降りたあと、なんと僕がプロデュースしていた「ヤッターマン」の絵コンテなどを何度かお願いした事がありました。一度コナンに引き続きコナンと同じ月曜19時30分というゴールデンタイムのアニメを担当出来て嬉しかった、って連絡をもらいましたね。その時実は僕の方が嬉しかったのであります。実はそのゴールデンタイム枠での最後の放送となった「ヤッターマン」絵コンテを佐藤さんに担当してもらえたのです。これはどうにも佐藤さんとは縁があるな、と時間帯が変わる寂しさとしみじみ想いが重なったことを覚えています。

 佐藤さんの特徴としてもうひとつあげるならば、異常にお酒が強いことでしょうか。どれだけ飲んでもほとんど様子が変わりません。これはお酒がもったいないんじゃないの?といったレベル。…最近は毎年こだま監督やいろんな仲間と何かと集まり、遊び楽しみイベント?をしていますね。僕は食事会以外あまり参加出来てないのですが、相変わらずのモノを創っていくパワフルなエネルギーは健在のようです。一緒にコナン15周年を支えて来た仲間として、これからも公私ともに楽しくこの業界で暴れていきましょうね。